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1. WO2009008441 - INTRAOCULAR LENS INSERTING TOOL, AND INTRAOCULAR LENS MOVEMENT CONTROL METHOD

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明 細 書

発明の名称 眼内レンズ挿入器具及び眼内レンズの移動制御方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0011   0012  

課題を解決するための手段

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021  

発明の効果

0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029  

図面の簡単な説明

0030  

発明を実施するための最良の形態

0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

眼内レンズ挿入器具及び眼内レンズの移動制御方法

技術分野

[0001]
 本発明は、白内障手術により摘出した水晶体の代わりに、眼球内に眼内レンズを移植するための眼内レンズ挿入器具及び眼内レンズの移動制御方法に関するものである。

背景技術

[0002]
 白内障手術においては、超音波乳化吸引(PEA)による混濁した水晶体の除去、及び水晶体除去後の眼内レンズの埋植が広く行われている。眼内レンズにはその光学部がPMMAなどの硬質の材料からなる硬質眼内レンズと、シリコーンエラストマー、軟性アクリル、ハイドロゲルなどの柔らかい材料からなる軟性眼内レンズとがある。
[0003]
 硬質眼内レンズを使用する際には光学部の径とほぼ同じ幅の切開創を角膜、あるいは強膜に作成してレンズを挿入しなければならないのに対し、軟性眼内レンズを使用する際には光学部を折り畳むことにより光学部の径より小さな切開創から挿入することができる。
[0004]
 手術後の角膜乱視や感染症を低減するためには、小さな切開創からレンズが挿入されることが好ましく、現在では軟性眼内レンズが好まれる傾向にある。軟性眼内レンズのタイプとしては、光学部が軟性材料、支持部がPMMA等の硬質材料からなるタイプ50(このタイプの眼内レンズの支持部形状は一般的に細い2本のフィラメント状をしている(図9(A))、光学部も支持部も同一の軟質材料からなるタイプ51(このタイプの支持部は一般的にプレート状(図9(B))、あるいは複数本の薄い板状52(図9(C))がある。
[0005]
 また、眼内レンズを眼内に入れるために、細長い筒の中を通して眼内レンズを眼内に挿入する構造を有した専用の眼内レンズ挿入器具が使用されることもある。このような眼内レンズ挿入器具を使用することにより、3mmより小さい切開創口から眼内レンズを入れることが可能である。
[0006]
 さらに近年では、眼内レンズの取り扱い時における細菌による汚染や、眼内レンズの取り扱い時に起こりうる操作ミスの可能性を排除するために、眼内レンズが予め眼内レンズ挿入器具内にセットされ、梱包、保管が可能なタイプの眼内レンズ挿入器具が開発されている。
[0007]
 ところが、このような眼内レンズ挿入器具では、レンズ進行軸の後方向に配置された支持部(以下、後方支持部という)が、眼内レンズの移動過程において、眼内レンズを押し出すためのプランジャーと挿入器具の通路内壁面との間に挟みこまれたり、プランジャーに絡みついたりするという問題があった。このような問題は、細いフィラメント状タイプの支持部を有する軟性眼内レンズや、薄い板状の支持部を有する眼内レンズにおいて、特に顕著である。
[0008]
 また、このような眼内レンズ挿入器具では、眼内レンズの移動過程において、後方支持部が伸びてしまうと、眼球の小さな切開創からの挿入時に後方支持部が眼球外に残ってしまい、プランジャーでの押し出し後に、後方支持部を眼球内に入れるための再操作が必要となり、手術に手間がかかってしまうという問題があった。また、眼内レンズ挿入器具内部での眼内レンズの移動に際して、光学部と後方支持部が干渉することで、光学部や後方支持部をキズつけたり、破損してしまうこともあった。
[0009]
 従って、眼内レンズ挿入器具を用いて、眼内レンズを眼内へ挿入するには、眼内レンズの移動過程において、眼内レンズの後方支持部の動きを適切に制御する必要がある。
[0010]
 このような問題点に対して、プランジャー先端側部に隙間を設け、後方支持部をその隙間に収容することで後方支持部の破損を防ぐものが開示されている(例えば、特許文献1)。また、プランジャー下方側部に後方支持部逃がし用の通路を設けたものが開示されている(例えば、特許文献2)。さらに、プランジャーで後方支持部をランプ部分上に押し上げ、ハプティックスを曲げ上げてIOLより上に曲げるものが開示されている(例えば、特許文献3)。このようにして、上記特許文献はいずれも、細いフィラメント状や細い板状の支持部を有する眼内レンズの後方支持部の挟み込みを軽減することができる。
特許文献1 : 特表平11-506357号公報
特許文献2 : 米国特許第6733507号明細書
特許文献3 : 特開2004-351196号公報

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0011]
 しかしながら、上記特許文献1及び2では、プランジャー先端側部の隙間や、後方支持部逃がし用の通路に逃がした後方支持部が伸びてしまうので、眼球の小さな切開創から眼内レンズを挿入する際に、後方支持部が切開創の外に残ってしまうという問題が依然としてあった。特に、薄い板状の支持部を有する眼内レンズの場合には、支持部が太い軟質の部材で構成されているため、再操作には手間がかかるという問題があった。さらに、上記特許文献3では、ハプティックスを曲げ上げてIOLより上に曲げた後、さらに眼内レンズがノズル内を移動する際に、後方支持部が予期しない形に圧縮され、後方支持部が破損したり、挿入時に不具合が生じたり、折りたたまれた眼内レンズ内に入った後方支持部が眼内挿入後に所望の形状に戻らなかったりする懸念がある。
[0012]
 そこで本発明は上記した問題点に鑑み、眼内レンズの移動過程において後方支持部の動きを適切に制御でき、また、眼内レンズの眼内への挿入後における再操作の可能性を低減できる眼内レンズ挿入器具及び眼内レンズの移動制御方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0013]
 本願発明者が検討を重ねた結果、眼内レンズの移動中に光学部と支持部との干渉をできるだけ少なくした状態で、双方を独立して折りたたむことができれば、上記目的を達成できることが分かった。
[0014]
 上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、光学部と、前記光学部の外縁に設けられた一又は二以上の支持部とを有する眼内レンズを設置するレンズ設置部と、前記レンズ設置部に設置された前記眼内レンズを押し出すプランジャーと、前記プランジャーで押し出された前記眼内レンズを放出するノズル部とを備え、前記レンズ設置部は、前記支持部のうち少なくとも一つをレンズ進行軸の後方向に配置した状態で前記眼内レンズが設置される眼内レンズ挿入器具において、前記プランジャーは、前記光学部の外縁に当接するレンズ接触部と、レンズ進行軸の後方向に配置された前記支持部を押し出す押出部と
を有することを特徴とする。
[0015]
 また、請求項2に係る発明は、前記押出部は、前記支持部をレンズ進行軸の前方向へ曲げることを特徴とする。
[0016]
 また、請求項3に係る発明は、前記押出部は、前記光学部と前記支持部とを干渉させないで、前記支持部をレンズ進行軸の前方向へ曲げることを特徴とする。
[0017]
 また、請求項4に係る発明は、レンズ進行軸方向に延びるガイドを備える。
[0018]
 また、請求項5に係る発明は、前記押出部は、レンズ進行軸方向に延びる溝であることを特徴とする。
[0019]
 また、請求項6に係る発明は、前記押出部は、変形した前記支持部に当接する支持部突き当て面を有することを特徴とする。
[0020]
 また、請求項7に係る発明は、光学部と、前記光学部の外縁に設けられた一又は二以上の支持部とを有する眼内レンズを、前記支持部のうち少なくとも一つをレンズ進行軸の後方向に配置した状態でレンズ設置部に設置する設置工程と、前記眼内レンズをレンズ進行軸の前方向へ移動させる移動工程とを備える眼内レンズ挿入方法において、前記移動工程は、レンズ進行軸の後方向に配置された前記支持部をレンズ進行方向へ押し出す支持部押出工程と、前記光学部の外縁をレンズ進行軸の前方向へ押し出す押出工程とを備えることを特徴とする。
[0021]
 また、請求項8に係る発明は、前記支持部押出工程は、前記支持部の先端をレンズ進行軸の前方向へ曲げる工程を備えることを特徴とする。

発明の効果

[0022]
 本発明の請求項1記載の眼内レンズ挿入器具によれば、プランジャーに設けた押出部が、支持部を捕まえた状態で、眼内レンズを前方へ移動させるので、眼内レンズの前方への移動に伴って支持部が後方へ延びてしまうことを防ぐことができる。これにより、この眼内レンズ挿入器具では、支持部を光学部と共に切開創から眼内へ一回的に挿入することができる。従って、眼内レンズ挿入器具は、眼内レンズの眼内への挿入後における再操作を省略することができる。
[0023]
 また、請求項2に記載の眼内レンズ挿入器具によれば、眼内レンズの移動に際して、光学部やレンズ進行軸の後方向に配置された支持部を傷つけたり、破損したりしてしまうことを防止することができる。
[0024]
 また、請求項3に記載の眼内レンズ挿入器具によれば、レンズ進行軸の後方向に配置された支持部と光学部との干渉をできるだけ少なくした状態で、眼内レンズを前方へ移動させることができるので、眼内レンズの移動に際して、光学部や後方支持部を傷つけたり、破損したりしてしまうことを防止することができる。
[0025]
 また、請求項4に記載の眼内レンズ挿入器具によれば、眼内レンズの移動過程において、レンズ進行軸の後方向に配置された支持部の脱落を防止し、支持部をより確実に制御することができる。
[0026]
 また、請求項5に記載の眼内レンズ挿入器具によれば、支持部突き当て面でレンズ進行軸の後方向に配置された支持部を押し出すことにより、前記支持部を眼内へ挿入することができるので、眼内への挿入後における再操作をより確実に省略することができる。
[0027]
 また、請求項6に記載の眼内レンズ挿入器具によれば、簡単な構成で支持部を捕まえることができる。
[0028]
 また、請求項7に記載の眼内レンズの移動制御方法によれば、プランジャーに設けた押出部が、支持部を捕まえた状態で、眼内レンズを前方へ移動させるので、眼内レンズの前方への移動に伴って支持部が後方へ延びてしまうことを防ぐことができる。これにより、この眼内レンズ挿入器具では、支持部を光学部と共に切開創から眼内へ一回的に挿入することができる。従って、眼内レンズ挿入器具は、眼内レンズの眼内への挿入後における再操作を省略することができる。
[0029]
 また、請求項8に記載の眼内レンズの移動制御方法によれば、眼内レンズの前方への移動に伴って支持部が後方へ延びてしまうことをより確実に防ぐことができる。

図面の簡単な説明

[0030]
[図1] 本発明に係る眼内レンズ挿入器具の全体構成を示す図である。
[図2] 同上、カートリッジの構成を示す斜視図である。
[図3] 同上、本体の構成を示す斜視図である。
[図4] 同上、プランジャーの構成を示す部分斜視図である。
[図5] 同上、使用状態を示す断面図であり、(A)プランジャーが支持部に当接した状態、(B)プランジャーが支持部を捕まえた状態、(C)プランジャーが光学部に当接した状態を示す図である。
[図6] 同上、変形例の使用状態を示す断面図であり、(A)プランジャーが支持部に当接した状態、(B)プランジャーが支持部を捕まえた状態、(C)プランジャーが光学部に当接した状態を示す図である。
[図7] 同上、プランジャーの変形例を示す図である。
[図8] 同上、プランジャーの別の変形例を示す図である。
[図9] 本発明に係る眼内レンズを示す図であり、(A)支持部がフィラメント状からなるタイプ、(B)支持部がプレート状からなるタイプ、(C)支持部が薄い板状からなるタイプを示す図である。

発明を実施するための最良の形態

[0031]
 以下図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
1.実施形態
(1)全体構成
 図1に示す眼内レンズ挿入器具1は、カートリッジ2、本体3、及び、プランジャー4を備える。カートリッジ2は、眼内レンズ5を設置した後、本体3に取り付けられる。一方、プランジャー4は、本体3内をレンズ進行軸Aの前後方向へ移動可能に設けられている。このように構成された眼内レンズ挿入器具1は、全体として、カートリッジ2に設置された眼内レンズ5をプランジャー4で押し出し、カートリッジ2の先端から眼内へ眼内レンズ5を放出し得るように構成されている。
[0032]
 因みに、眼内レンズ挿入器具1は、種々の材料で構成することができ、例えば、主に合成樹脂で全体を構成することにより、容易に大量生産をすることができるようにしてもよいし、チタンなどの金属によって構成することとしてもよい。また、眼内レンズ5は、光学部6と前記光学部6の外縁に設けられた細い板状タイプの一対の支持部7a,7bとを有する。
[0033]
 以下、各構成について詳細に説明する。尚、以下の説明において、レンズ進行軸Aの前方向を単に「前方向」、レンズ進行軸Aの後方向を単に「後方向」ということとする。
[0034]
 図2に示すように、カートリッジ2は、レンズ進行軸Aに沿って順に、挿入口部10、レンズ設置部11、移行部12及びノズル部13を設けたカートリッジ本体14と、該カートリッジ本体14の両側面から延出した翼部15,15とを備える。挿入口部10には、レンズ進行軸A方向に切り欠いて形成した挿入溝16が設けられている。挿入口部10のレンズ進行軸Aの前方には、レンズ設置部11が設けられている。レンズ設置部11のレンズ進行軸Aの前方には、移行部12が設けられており、該移行部12の内壁は、先端に向かって先細となるすり鉢形状を有し、その先端でノズル部13に連通している。これにより、カートリッジ本体14は、挿入口部10からレンズ設置部11に設置された眼内レンズ5がプランジャー4で押されることにより、レンズ設置部11から移行部12、移行部12からノズル部13へと、順に移動可能に形成されている。ノズル部13は、その外径が切開創口(図示しない)へ挿入可能な形状に形成されている。このカートリッジ2の内腔は、挿入口部10では長円形状であるのに対し、ノズル部13の基端に向かって真円に収束するように形成されている。
[0035]
 図3に示すように、本体3は、カートリッジ2を着脱可能に装着する装着部20と、術者の指等を固定するフランジ部21と、前記装着部20と前記フランジ部21とを繋ぐ筒状胴部24とを備える。装着部20は、半円弧状に形成された本体3の先端側に設けられており、カートリッジ2の翼部15,15を案内する案内路22,22と、該案内路22,22のレンズ進行軸Aの前方に設けられた係止片23,23とからなる。係止片23,23は、カートリッジ2の翼部15,15の前端を係止し得るように構成されている。フランジ部21は、本体3の基端側の外表面に設けられている。
[0036]
 次に、本発明の特徴的構成であるプランジャー4について詳細に説明する。図1に示すように、プランジャー4は、眼内レンズ5を押し出す押出杆30と、前記押出杆30の基端に設けられた押圧部31と、前記押出杆30の先端に設けられたレンズ接触部32とを備える。このプランジャー4は、本体3内をレンズ進行軸Aの前後方向へ進退可能に本体3に組み付けられている。本体3に組み付けられたプランジャー4は、術者が押圧部31を押すことにより、レンズ設置部11に設置された眼内レンズ5にレンズ接触部32を接触させ、眼内レンズ5を押し出し得るように構成されている。
[0037]
 図4に示すように、押出杆30の先端には、レンズ接触部32と、前記レンズ接触部32に連接された押出部33とを備えている。
[0038]
 レンズ接触部32は、レンズ進行軸Aに対し垂直な面で構成されている。押出部33は、レンズ進行軸Aの後方向に配置される前記支持部(以下、後方支持部という)7bを捕まえて、光学部6から離さずに後方支持部7bを光学部6と共に移動させる。押出部33は、レンズ接触部32の一側に設けられており、押出杆30の先端から後方向に延びる溝34と、該溝34の両側にレンズ進行軸Aに対し平行に設けられたガイド35,35と、支持部突き当て面36を備える。本実施形態では、溝34は、凹状に湾曲した底面を有し、開口から底面34aに向かって収束する側面34bの開口側の端部でガイド35,35に接続してなる。このガイド35,35は、溝34の両側に設けられ、円柱状に形成されており、先端は、レンズ接触部32の一部を構成する。支持部突き当て面36は、変形した後方支持部7bが当接し得るように設けられている。この支持部突き当て面36は、溝34の表面から上方へいくに従って、後方向へ傾斜する面で構成され、溝34の後方側の端部を塞いでいる。
[0039]
 このように構成されたプランジャー4は、図1に示すように、レンズ接触部32から本体3の基端へ挿入して、本体3の先端側にレンズ接触部32を、本体3の基端側に押圧部31を配置するようにして、本体3に装着される。
(2)作用及び効果
 次に、上記した眼内レンズ挿入器具1の作用及び効果について図を参照して説明する。尚、図5の右側の図は、カートリッジ2におけるレンズ設置部11付近の断面図であり、左側の図は、右側の図における各部断面を示す図である。
[0040]
 まず、鑷子(図示しない)を使って二つに折り畳んだ眼内レンズ5を挿入口部10から挿入して、予め眼科用粘弾性物質を満たしたカートリッジ2のレンズ設置部11に眼内レンズ5を設置する。このとき眼内レンズ5は、光学部6を中心として、前後方向に一対の支持部7a,7bがそれぞれ配置されるように設置される(図5(A)。また、眼内レンズ5は、折り畳まれた光学部6を一側とし、他側に支持部7a,7bの基端がそれぞれ配置されると共に、支持部7a,7bの先端が、光学部6を挟んで前後方向へそれぞれ行くに従って一側へ垂れ下がるように配置される。さらに、眼内レンズ5は、二つに折り畳まれており、カートリッジ2の長円形状に形成された内腔に内接し、それに伴って支持部7a,7bも内腔の側壁に沿って配置されている。
[0041]
 次いで、眼内レンズ5をレンズ設置部11に設置したカートリッジ2は、翼部15,15を案内路22,22に乗せて、レンズ進行軸Aの前方に向かってスライドさせ、翼部15,15前端を係止片23,23に係止させることにより、本体3の装着部20に取り付けられる。
[0042]
 カートリッジ2を取り付けた本体3は、術者によって、切開創口(図示しない)からノズル部13を眼内へ挿入する。
[0043]
 一方、プランジャー4は、術者が押圧部31を押すことによって、前方向へ移動する。プランジャー4が前方向へ移動すると、押出杆30の先端に設けられたレンズ接触部32が前記後方支持部7bの先端側に接触する(図5(A)。このとき後方支持部7bは、カートリッジ2の内腔に沿って配置されているので、ガイド35,35の先端で後方支持部7bに接触する。
[0044]
 さらにプランジャー4が押され、レンズ接触部32が前方向へ移動すると、一側へ垂れ下がっていた前記後方支持部7bは、先端側が前方向へ曲げられる(図5(B))。同時に、後方支持部7bは、開口から底面34aに向かって収束する側面34bによって中央の溝34に誘導される。このようにして、押出部33は、前記後方支持部7bの先端側を溝34で一側から支えることにより、後方支持部7bを捕まえる。
[0045]
 押出部33で後方支持部7bを捕まえたプランジャー4は、さらに押されることにより、レンズ接触部32が眼内レンズ5の外縁に当接し、眼内レンズ5を前方へ移動させる(図5(C))。カートリッジ2内を移動する眼内レンズ5は、移行部12の内壁によって、内側へ押され、より小さく折り畳まれる。このようにして、眼内レンズ挿入器具1は、小さく折り畳んだ状態で、眼内レンズ5をノズル13の先端から放出する。
[0046]
 因みに、従来の眼内レンズ挿入器具1では、眼内レンズ5の前方への移動に伴い、後方支持部7bが後方へ伸びてしまう。そうすると、従来の眼内レンズ挿入器具1では、眼球の小さな切開創から眼内レンズ5を挿入する際に、後方支持部7bが切開創の外に残り、この切開創の外に残った後方支持部7bを改めて切開創の内側へ挿入する再操作が必要であった。
[0047]
 これに対し、本実施形態に係る眼内レンズ挿入器具1では、プランジャー4に設けた押出部33が、後方支持部7bを捕まえた状態で、眼内レンズ5を前方へ移動させるので、眼内レンズ5の前方への移動に伴って後方支持部7bが後方へ延びてしまうことを防ぐことができる。これにより、この眼内レンズ挿入器具1では、押出部33が後方支持部7bを光学部6から離さずに眼内レンズ5を移動させるので、後方支持部7bを光学部6と共に切開創から眼内へ一回的に挿入することができる。従って、眼内レンズ挿入器具1は、眼内レンズ5の眼内への挿入後における再操作を省略することができる。
[0048]
 しかも、支持部突き当て面36は、後方支持部7bに当接するので、支持部突き当て面36で後方支持部7bを押し出すことにより、後方支持部7bを眼内へ挿入することができる。これにより、眼内レンズ挿入器具1では、眼内レンズ5の眼内への挿入後における再操作をより確実に省略することができる。
[0049]
 上記したように、プランジャー4は、レンズ接触部32とは別に後方支持部7bを押し出す押出部33を備えることにより、後方支持部7bを光学部6とは別に独立して折り畳むことができる。これにより、眼内レンズ挿入器具1は、後方支持部7bと光学部6との干渉をできるだけ少なくした状態で、眼内レンズ5を前方へ移動させることができる。従って、眼内レンズ挿入器具1は、眼内レンズ5の移動に際して、光学部6と後方支持部7bが干渉しにくくすることにより、光学部6や後方支持部7bを傷つけたり、破損したりしてしまうことを防止することができる。
[0050]
 上記したように、本実施形態では、ガイド35,35は、円柱状に形成したから、ガイド35,35先端に接触した後方支持部7bを、傷つけることなく溝34へと誘導することができる。
[0051]
 この押出部33は、溝34で構成したことにより、簡単な構成で、後方支持部7bを捕まえることができる。また、溝34は、凹状に湾曲した底面を有するから、ガイド35,35に接触した後方支持部7bをスムーズに中央の溝34へ誘導することができる。
[0052]
 さらに、この押出部33における溝34の底面は、凹状の湾曲面で構成したから、溝34へ誘導された後方支持部7bを傷つけずに捕まえることができる。
[0053]
 しかも、押出部33にはガイド35,35を設けたことにより、眼内レンズ5の移動過程において、捕まえた後方支持部7bの脱落を防止し、後方支持部7bをより確実に制御することができる。
[0054]
 2.カートリッジの変形例
 図6に示すカートリッジ40は、上記実施例と、内腔の形状のみが異なる。この内腔は、二つに折り畳んで設置された眼内レンズ5の光学部6側を一側12aとした場合、他側12bが前記一側12aに比べ、幅が狭いものとなっている。尚、図6の右側の図は、カートリッジ40におけるレンズ設置部11付近の断面図であり、左側の図は、右側の図における各部断面を示す図である。
[0055]
 この変形例において、プランジャー4は、術者が押圧部31を押すことによって、前方向へ移動し、押出杆30の先端に設けられたレンズ接触部32が前記後方支持部7bの先端側に接触する(図6(A)。この後方支持部7bは、設置された眼内レンズ5の光学部6側となる一側12aに比べ幅が狭いカートリッジ40の内腔の他側12bの内壁に押され、内腔の中心付近に配置される。これにより、後方支持部7bは、押出部33の中央、すなわち溝34に接触する。
[0056]
 さらにプランジャー4が押され、レンズ接触部32が前方向へ移動すると、一側12aへ垂れ下がっていた前記後方支持部7bは、先端側が前方向へ曲げられる(図6(B))。同時に、後方支持部7bは、開口から底面34aに向かって収束する側面34bによって中央の溝34に誘導される。このようにして、押出部33は、前記後方支持部7bの先端側を溝34で一側12aから支えることにより、後方支持部7bを捕まえる。
[0057]
 押出部33で後方支持部7bを捕まえたプランジャー4は、さらに押されることにより、レンズ接触部32が眼内レンズ5の外縁に当接し、眼内レンズ5を前方へ移動させる(図6(C))。このようにして、本変形例に係るカートリッジ40では、内腔の他側2bの幅を一側12aに比べ狭くしたことにより、上記実施例に比べて容易に後方支持部7bを中央の溝34に誘導することができる。
[0058]
 3.プランジャーの変形例
 図7に示すプランジャー4は、上記実施例と、押出部の構成が異なる。すなわち、本変形例に係る押出部50は、溝51と該溝34の両側に一体的に立設されたガイド52,52とが、直方体で構成されている。ガイド52,52の先端は、レンズ接触部32の一部を構成する。溝51の底面51aは、平坦な面で構成されており、この溝51の両側に形成された一対のガイド52,52は、直方体からなる。このガイド52,52は、角がR形状処理されている。本変形例のように、上記実施例に比べ簡単な形状であっても、眼内レンズ5の眼内への挿入後における再操作を省略することができるという効果を得ることができる。
[0059]
 また、図8に示すプランジャー60は、図7に示した押出部50に対し、さらにレンズ接触部32にすくい上げ面61を設けた。このように、レンズ接触部32にすくい上げ面61を設けたことにより、眼内レンズ5の移動過程において、プランジャー4の先端が光学部6に乗り上げてしまうことを防ぐことができる。尚、本変形例では、押出部50を備えることにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
[0060]
 本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記した実施形態では、本体の移行部は先端に向かって先細となるすり鉢形状を有し、眼内レンズ5が移行部内を通過することにより小さく折り畳まれる場合について説明したが、本発明はこれに限らず、単なる円筒形状の移行部を備える本体にも適用することができる。
[0061]
 また、上記した実施形態では、支持部が細い板状である場合について説明したが、本発明はこれに限らず、細いフィラメント状タイプにも適用することができる。

請求の範囲

[1]
 光学部と、前記光学部の外縁に設けられた一又は二以上の支持部とを有する眼内レンズを設置するレンズ設置部と、
 前記レンズ設置部に設置された前記眼内レンズを押し出すプランジャーと、
 前記プランジャーで押し出された前記眼内レンズを放出するノズル部とを備え、
 前記レンズ設置部は、前記支持部のうち少なくとも一つをレンズ進行軸の後方向に配置した状態で前記眼内レンズが設置される眼内レンズ挿入器具において、
 前記プランジャーは、
 前記光学部の外縁に当接するレンズ接触部と、
 レンズ進行軸の後方向に配置された前記支持部を押し出す押出部と
を有することを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
[2]
 前記押出部は、前記支持部をレンズ進行軸の前方向へ曲げることを特徴とする請求項1記載の眼内レンズ挿入器具。
[3]
 前記押出部は、前記光学部と前記支持部とを干渉させないで、前記支持部をレンズ進行軸の前方向へ曲げることを特徴とする請求項1記載の眼内レンズ挿入器具。
[4]
 前記押出部は、レンズ進行軸方向に延びるガイドを備えることを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1項に記載の眼内レンズ挿入器具。
[5]
 前記押出部は、レンズ進行軸方向に延びる溝であることを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1項に記載の眼内レンズ挿入器具。
[6]
 前記押出部は、変形した前記支持部に当接する支持部突き当て面を有することを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1項に記載の眼内レンズ挿入器具。
[7]
 光学部と、前記光学部の外縁に設けられた一又は二以上の支持部とを有する眼内レンズを、前記支持部のうち少なくとも一つをレンズ進行軸の後方向に配置した状態でレンズ設置部に設置する設置工程と、
 前記眼内レンズをレンズ進行軸の前方向へ移動させる移動工程と
を備える眼内レンズの移動制御方法において、
 前記移動工程は、
 レンズ進行軸の後方向に配置された前記支持部をレンズ進行方向へ押し出す支持部押出工程と、
 前記光学部の外縁をレンズ進行軸の前方向へ押し出すレンズ押出工程と
を有することを特徴とする眼内レンズの移動制御方法。
[8]
 前記支持部押出工程は、前記支持部の先端をレンズ進行軸の前方向へ曲げる工程を備えることを特徴とする請求項7記載の眼内レンズの移動制御方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]