Processing

Please wait...

Settings

Settings

Goto Application

1. WO2021060426 - POLYMERIZABLE LIQUID-CRYSTAL COMPOSITION, OPTICALLY ANISOTROPIC FILM, OPTICAL FILM, POLARIZING PLATE, AND IMAGE DISPLAY DEVICE

Document

明 細 書

発明の名称 重合性液晶組成物、光学異方性膜、光学フィルム、偏光板および画像表示装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084  

実施例

0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105  

符号の説明

0106  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1A   1B   1C  

明 細 書

発明の名称 : 重合性液晶組成物、光学異方性膜、光学フィルム、偏光板および画像表示装置

技術分野

[0001]
 本発明は、重合性液晶組成物、光学異方性膜、光学フィルム、偏光板および画像表示装置に関する。

背景技術

[0002]
 逆波長分散性を示す重合性液晶化合物は、広い波長範囲での正確な光線波長の変換が可能になること、および、高い屈折率を有するために位相差フィルムを薄膜化できること、などの特徴を有しているため、盛んに研究されている。
 また、逆波長分散性を示す重合性液晶化合物としては、一般にT型の分子設計指針が取られており、分子長軸の波長を短波長化し、分子中央に位置する短軸の波長を長波長化することが要求されている。
 そして、分子中央に位置する短軸の波長を長波長化する観点から、短軸の骨格(以下、「逆波長分散発現部」ともいう。)に、親水的な窒素原子、酸素原子、硫黄原子を導入することが知られている(例えば、特許文献1~3参照)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2010-031223号公報
特許文献2 : 国際公開第2014/010325号
特許文献3 : 特開2016-081035号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 本発明者らは、特許文献1~3について、形成される光学異方性膜が、塩基性の求核物質であるアンモニアによって複屈折率が変化してしまうという耐久性(以下、「アミン耐性」とも略す。)の問題があることを確認した。
 そして、本発明者らは、分子中央に位置する短軸の骨格(逆波長分散発現部)と、分子長軸との連結に強固な結合(例えば、エーテル結合など)を用いると、アミン耐性は改善されるが、液晶性を示さなくなり、逆波長分散性が失われる問題点を明らかとした。
[0005]
 そこで、本発明は、逆波長分散性を有し、アミン耐性に優れた光学異方性膜の形成に用いられる重合性液晶組成物、光学異方性膜、光学フィルム、偏光板および画像表示装置を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、後述する式(I-1)で表される化合物とともに、重合性スメクチック液晶化合物を配合した重合性液晶組成物を用いることにより、形成される光学異方性膜に逆波長分散性が発現し、アミン耐性も良好となることを見出し、本発明を完成させた。
 すなわち、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[0007]
 [1] 後述する式(I-1)で表される化合物と、重合性スメクチック液晶化合物とを含有する、重合性液晶組成物。
 [2] 後述する式(I-1)中のAr およびAr が、300~400nmに極大吸収波長を有する芳香環を表す、[1]に記載の重合性液晶組成物。
 [3] 後述する式(I-1)中のAr およびAr が、後述する式(Ar-1)~(Ar-7)で表される基からなる群から選択されるいずれかの芳香環を表す、[1]または[2]に記載の重合性液晶組成物。
 [4] 後述する式(I-1)中のX およびX が、-O-で表される連結基を表す、[1]~[3]のいずれかに記載の重合性液晶組成物。
 [5] 後述する式(I-3)中のPが、後述する式(P-1)~(P-20)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を表す、[1]~[4]のいずれかに記載の重合性液晶組成物。
 [6] 重合性スメクチック液晶化合物の含有量が、重合性スメクチック液晶化合物および後述する式(I-1)で表される化合物の合計質量に対して15~75質量%である、[1]~[5]のいずれかに記載の重合性液晶組成物。
[0008]
 [7] [1]~[6]のいずれかに記載の重合性液晶組成物を重合して得られる光学異方性膜。
 [8] 下記式(III)を満たす、[7]に記載の光学異方性膜。
 0.50<Re(450)/Re(550)<1.00 ・・・(III)
 ここで、式(III)中、Re(450)は、光学異方性膜の波長450nmにおける面内レターデーションを表し、Re(550)は、光学異方性膜の波長550nmにおける面内レターデーションを表す。
 [9] [7]または[8]に記載の光学異方性膜を有する光学フィルム。
 [10] [9]に記載の光学フィルムと、偏光子とを有する、偏光板。
 [11] [9]に記載の光学フィルム、または、[10]に記載の偏光板を有する、画像表示装置。

発明の効果

[0009]
 本発明によれば、逆波長分散性を有し、アミン耐性に優れた光学異方性膜の形成に用いられる重合性液晶組成物、光学異方性膜、光学フィルム、偏光板および画像表示装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1A] 図1Aは、本発明の光学フィルムの一例を示す模式的な断面図である。
[図1B] 図1Bは、本発明の光学フィルムの一例を示す模式的な断面図である。
[図1C] 図1Cは、本発明の光学フィルムの一例を示す模式的な断面図である。

発明を実施するための形態

[0011]
 以下、本発明について詳細に説明する。
 以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
 なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
 また、本明細書において、各成分は、各成分に該当する物質を1種単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上の物質を併用する場合、その成分についての含有量とは、特段の断りが無い限り、併用した物質の合計の含有量を指す。
 また、本明細書において、表記される二価の基(例えば、-CO-NR-)の結合方向は、結合位置を明記している場合を除き、特に制限されず、例えば、後述する式(I-1)中のX が-CO-NR-である場合、L 側に結合している位置を*1、Ar 側に結合している位置を*2とすると、X は、*1-CO-NR-*2であってもよく、*1-NR-CO-*2であってもよい。
[0012]
[重合性液晶組成物]
 本発明の重合性液晶組成物は、後述する式(I-1)で表される化合物(以下、「特定化合物」とも略す。)と、重合性スメクチック液晶化合物とを含有する、重合性液晶組成物である。
[0013]
 本発明においては、上述した通り、特定化合物とともに、重合性スメクチック液晶化合物を配合した重合性液晶組成物を用いることにより、形成される光学異方性膜に逆波長分散性が発現し、アミン耐性も良好となる。
 これは、詳細には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
 すなわち、特定化合物が、後述する式(I-1)中、280~420nmに極大吸収波長を有する芳香環(Ar およびAr )と結合する連結基(X およびX )として、エステル結合を含まない強固な結合を有しているため、アミン耐性が向上したと考えられる。
 また、特定化合物と重合性スメクチック液晶化合物とを混合した際に、特定化合物の分子長軸に含まれる後述する式(I-3)で表される構造と、重合性スメクチック液晶化合物のメソゲン骨格とが相互作用することにより、混合物としても液晶性が発現するとともに、特定化合物の構造に起因する逆波長分散性が発現したと考えられる。
 以下、本発明の重合性液晶組成物の各成分について詳細に説明する。
[0014]
〔特定化合物〕
 本発明の重合性液晶組成物が含有する特定化合物は、下記式(I-1)で表される化合物である。
[化1]


[0015]
 上記式(I-1)中、Ar およびAr は、それぞれ独立に、280~420nmに極大吸収波長を有する芳香環を表す。
 また、上記式(I-1)中、D は、単結合、または、-CO-、-O-、-S-、-C(=S)-、-CR -、-CR =CR -、-NR -、もしくは、これらの2つ以上の組み合わせからなる2価の連結基を表し、R ~R は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1~4のアルキル基を表す。
 また、上記式(I-1)中、pは、0または1を表す。
 また、上記式(I-1)中、X およびX は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-CO-、-CO-NR -、または、単結合を表し、R は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1~4のアルキル基を表す。
[0016]
 上記式(I-1)中、pは、上述した通り、0または1を表すが、0であること、すなわち、上記式(I-1)中のD およびAr が存在していないことが好ましい。
[0017]
 上記式(I-1)中、D の一態様が示す2価の連結基としては、例えば、-CO-、-O-、-CO-O-、-C(=S)O-、-CR -、-CR -CR -、-O-CR -、-CR -O-CR -、-CO-O-CR -、-O-CO-CR -、-CR -O-CO-CR -、-CR -CO-O-CR -、-NR -CR -、および、-CO-NR -などが挙げられる。R 、R およびR は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1~4のアルキル基を表す。
 これらのうち、-CO-、-O-、および、-CO-O-のいずれかであることが好ましい。
[0018]
 上記式(I-1)中、X およびX は、形成される光学異方性膜のアミン耐性がより良好となる理由から、-O-または-S-であることが好ましく、-O-であることがより好ましい。
[0019]
 上記式(I-1)中、Ar およびAr は、上述した通り、280~420nmに極大吸収波長を有する芳香環を表すが、形成される光学異方性膜の耐光性がより良好となる理由から、300~400nmに極大吸収波長を有する芳香環を表すことが好ましい。
 ここで、極大吸収波長は、芳香環との連結基(X およびX )をメチル基に置換した化合物を用いて、以下の方法で測定した吸収スペクトルにおける極大吸収波長をいう。
 <測定方法>
 化合物をクロロホルムに溶解させて、濃度1質量%の溶液を調製する。
 次いで、調製した溶液を、石英セル(10mm長四角セル)に入れ、紫外線可視赤外分光光度計U-3100PC(島津製作所)を用いて、溶液の波長領域200~800nmの範囲の吸光度を測定する。
 次いで、得られた吸収スペクトルにおいて、極大吸収波長を求める。
[0020]
 上記式(I-1)中、Ar およびAr は、形成される光学異方性膜に逆波長分散性が発現しやすくなる理由から、下記式(Ar-1)~(Ar-7)で表される基からなる群から選択されるいずれかの芳香環を表すことが好ましい。なお、下記式(Ar-1)~(Ar-7)中、*は、Ar についてはX またはD との結合位置を表し、Ar についてはD またはX との結合位置を表すが、pが0である場合には、X またはX との結合位置を表す。
[化2]


[0021]
 上記式(Ar-1)中、Q は、NまたはCHを表し、Q は、-S-、-O-、または、-N(R )-を表し、R は、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、Y は、置換基を有してもよい、炭素数6~12の芳香族炭化水素基、または、炭素数3~12の芳香族複素環基を表す。
 R が示す炭素数1~6のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、および、n-ヘキシル基などが挙げられる。
 Y が示す炭素数6~12の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、ナフチル基などのアリール基が挙げられる。
 Y が示す炭素数3~12の芳香族複素環基としては、例えば、チエニル基、チアゾリル基、フリル基、ピリジル基などのヘテロアリール基が挙げられる。
 また、Y が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルアミド基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキルチオール基、および、N-アルキルカルバメート基などが挙げられ、中でも、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、または、ハロゲン原子が好ましい。
 アルキル基としては、炭素数1~18の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基が好ましく、炭素数1~8のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基およびシクロヘキシル基等)がより好ましく、炭素数1~4のアルキル基が更に好ましく、メチル基またはエチル基が特に好ましい。
 アルコキシ基としては、炭素数1~18のアルコキシ基が好ましく、炭素数1~8のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-ブトキシ基およびメトキシエトキシ基等)がより好ましく、炭素数1~4のアルコキシ基が更に好ましく、メトキシ基またはエトキシ基が特に好ましい。
 アルコキシカルボニル基としては、上記で例示したアルキル基にオキシカルボニル基(-O-CO-基)が結合した基が挙げられ、中でも、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基またはイソプロポキシカルボニル基が好ましく、メトキシカルボニル基がより好ましい。
 アルキルカルボニルオキシ基としては、上記で例示したアルキル基にカルボニルオキシ基(-CO-O-基)が結合した基が挙げられ、中でも、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n-プロピルカルボニルオキシ基またはイソプロピルカルボニルオキシ基が好ましく、メチルカルボニルオキシ基がより好ましい。
 ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子等が挙げられ、中でも、フッ素原子または塩素原子が好ましい。
[0022]
 また、上記式(Ar-1)~(Ar-7)中、Z 、Z およびZ は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~20の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-OR 、-NR 10、または、-SR 11を表し、R ~R 11は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、Z およびZ は、互いに結合して芳香環を形成してもよい。
 炭素数1~20の1価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1~15のアルキル基が好ましく、炭素数1~8のアルキル基がより好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ペンチル基(1,1-ジメチルプロピル基)、tert-ブチル基、1,1-ジメチル-3,3-ジメチル-ブチル基が更に好ましく、メチル基、エチル基、tert-ブチル基が特に好ましい。
 炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基等の単環式飽和炭化水素基;シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、シクロデセニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロオクタジエニル基、シクロデカジエン等の単環式不飽和炭化水素基;ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、トリシクロ[5.2.1.0 2,6]デシル基、トリシクロ[3.3.1.1 3,7]デシル基、テトラシクロ[6.2.1.1 3,6.0 2,7]ドデシル基、アダマンチル基等の多環式飽和炭化水素基;等が挙げられる。
 炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基としては、具体的には、例えば、フェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などが挙げられ、炭素数6~12のアリール基(特にフェニル基)が好ましい。
 ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子であるのが好ましい。
 一方、R ~R 11が示す炭素数1~6のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、および、n-ヘキシル基などが挙げられる。
[0023]
 また、上記式(Ar-2)および(Ar-3)中、A およびA は、それぞれ独立に、-O-、-N(R 12)-、-S-、および、-CO-からなる群から選択される基を表し、R 12は、水素原子または置換基を表す。
 R 12が示す置換基としては、上記式(Ar-1)中のY が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
[0024]
 また、上記式(Ar-2)中、Xは、水素原子または置換基が結合していてもよい、第14~16族の非金属原子を表す。
 また、Xが示す第14~16族の非金属原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、水素原子または置換基が結合した窒素原子〔=N-R N1,R N1は水素原子または置換基を表す。〕、水素原子または置換基が結合した炭素原子〔=C-(R C1,R C1は水素原子または置換基を表す。〕が挙げられる。
 置換基としては、具体的には、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキル置換アルコキシ基、環状アルキル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基など)、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アルキルカルボニル基、スルホ基、水酸基等が挙げられる。
[0025]
 また、上記式(Ar-3)中、D およびD は、それぞれ独立に、単結合、または、-CO-、-O-、-S-、-C(=S)-、-CR -、-CR =CR -、-NR -、もしくは、これらの2つ以上の組み合わせからなる2価の連結基を表し、R ~R は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1~4のアルキル基を表す。
 ここで、2価の連結基としては、上記式(I-1)中のD において説明したものと同様のものが挙げられる。
[0026]
 また、上記式(Ar-3)中、SP およびSP は、それぞれ独立に、単結合、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を構成する-CH -の1個以上が-O-、-S-、-NH-、-N(Q)-、もしくは、-CO-に置換された2価の連結基を表し、Qは、置換基を表す。置換基としては、上記式(Ar-1)中のY が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
 ここで、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、メチルヘキシレン基、へプチレン基などが好適に挙げられる。
[0027]
 また、上記式(Ar-3)中、L およびL は、それぞれ独立に1価の有機基を表す。
 1価の有機基としては、例えば、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などを挙げることができる。アルキル基は、直鎖状、分岐状または環状であってもよいが、直鎖状が好ましい。アルキル基の炭素数は、1~30が好ましく、1~20がより好ましく、1~10が更に好ましい。また、アリール基は、単環であっても多環であってもよいが単環が好ましい。アリール基の炭素数は、6~25が好ましく、6~10がより好ましい。また、ヘテロアリール基は、単環であっても多環であってもよい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子の数は1~3が好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子は、窒素原子、硫黄原子、酸素原子が好ましい。ヘテロアリール基の炭素数は6~18が好ましく、6~12がより好ましい。また、アルキル基、アリール基およびヘテロアリール基は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、上記式(Ar-1)中のY が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
[0028]
 また、上記式(Ar-4)~(Ar-7)中、Axは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも1つの芳香環を有する、炭素数2~30の有機基を表す。
 また、上記式(Ar-4)~(Ar-7)中、Ayは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~12のアルキル基、または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選択される少なくとも1つの芳香環を有する、炭素数2~30の有機基を表す。
 ここで、AxおよびAyにおける芳香環は、置換基を有していてもよく、AxとAyとが結合して環を形成していてもよい。
 また、Q は、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
 AxおよびAyとしては、特許文献2(国際公開第2014/010325号)の[0039]~[0095]段落に記載されたものが挙げられる。
 また、Q が示す炭素数1~6のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、および、n-ヘキシル基などが挙げられ、置換基としては、上記式(Ar-1)中のY が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
[0029]
 一方、上記式(I-1)中、L およびL は、それぞれ独立に、下記式(I-2)で表されるアルキレン基を表す。なお、下記式(I-2)中、*は、L についてはMes またはX との結合位置を表し、L についてはMes またはX との結合位置を表す。
[化3]


[0030]
 上記式(I-2)中、mは、1以上の整数を表し、2~20の整数であることが好ましく、2~15の整数であることがより好ましく、2~10の整数であることが特に好ましい。
[0031]
 また、上記式(I-2)で表されるアルキレン基に含まれる水素原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、シアノ基、ニトロ基、イソシアノ基、チオイソシアノ基、または、炭素数1~20のアルキル基で置換されていてもよい。
 炭素数1~20のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n-プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、アミル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デカニル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル基、および、シクロヘキシル基などが挙げられる。
[0032]
 また、上記式(I-2)で表されるアルキレン基を構成し、かつ、上記式(I-1)中のX またはX に直接結合していない-CH -のうち、1個または隣接していない2個以上の-CH -は、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、または、-C≡C-で置換されていてもよい。
[0033]
 一方、上記式(I-1)中、Mes およびMes は、それぞれ独立に、下記式(I-3)で表される重合性基含有基を表す。なお、下記式(I-3)中、*は、Mes についてはL との結合位置を表し、Mes についてはL との結合位置を表す。
[化4]


[0034]
 上記式(I-3)中、Mは、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、または、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基を表す。
 ただし、これらの基に含まれる水素原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、シアノ基、ニトロ基、イソシアノ基、チオイソシアノ基、または、炭素数1~20のアルキル基で置換されていてもよい。
[0035]
 また、上記式(I-3)中、D およびD は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-OCH -、-CH CH -、-CO-、-COO-、-CO-S-、-OCO-O-、-CO-NH-、-SCH -、-CF O-、-CF S-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH CH -、-OCO-CH CH -、-COO-CH -、-OCO-CH -、-CH=CH-、-N=N-、-CH=N-、-CH=N-N=CH-、-CF=CF-、-C≡C-、または、単結合を表す。
[0036]
 また、上記式(I-3)中、SPは、単結合、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を構成する-CH -の1個以上が-O-、-S-、-NH-、-N(Q)-、もしくは、-CO-に置換された2価の連結基を表し、Qは、置換基を表す。置換基としては、上記式(Ar-1)中のY が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
 ここで、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、メチルヘキシレン基、へプチレン基などが好適に挙げられる。
[0037]
 また、上記式(I-3)中、Pは、重合性基を表す。
 重合性基としては、ラジカル重合またはカチオン重合可能な重合性基が好ましい。
 ラジカル重合性基としては、公知のラジカル重合性基を用いることができ、好適なものとして、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を挙げることができる。この場合、重合速度はアクリロイルオキシ基が一般的に速いことが知られており、生産性向上の観点からアクリロイルオキシ基が好ましいが、メタクリロイルオキシ基も重合性基として同様に使用することができる。
 カチオン重合性基としては、公知のカチオン重合性基を用いることができ、具体的には、脂環式エーテル基、環状アセタール基、環状ラクトン基、環状チオエーテル基、スピロオルソエステル基、および、ビニルオキシ基などを挙げることができる。中でも、脂環式エーテル基、または、ビニルオキシ基が好適であり、エポキシ基、オキセタニル基、または、ビニルオキシ基が特に好ましい。
 特に好ましい重合性基の例としては、下記式(P-1)~(P-20)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基が挙げられる。なかでも、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であることがより好ましい。なお、下記式(P-1)~(P-20)中、*は、SPとの結合位置を表す。
[0038]
[化5]


[0039]
 また、上記式(I-3)中、nは、2以上の整数を表し、2~5の整数であることが好ましく、2~4の整数であることがより好ましく、2または3であることが更に好ましい。
 なお、複数のMは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、複数のD は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、複数のD は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、複数のSPは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
[0040]
 特定化合物としては、具体的には、例えば、下記式(1)~(22)で表される化合物が好適に挙げられ、具体的には、下記式(1)~(22)中のK(側鎖構造)として、下記表1および表2に示す側鎖構造を有する化合物がそれぞれ挙げられる。
 なお、下記表1および表2中、Kの側鎖構造に示される「*」は、芳香環との結合位置を表す。
 また、下記表1中の1-9および下記表2中の2-9で表される側鎖構造において、それぞれアクリロイルオキシ基およびメタクリロイル基に隣接する基は、プロピレン基(メチル基がエチレン基に置換した基)を表し、メチル基の位置が異なる位置異性体の混合物を表す。
[化6]





[0041]
[表1]


[0042]
[表2]


[0043]
〔重合性スメクチック液晶化合物〕
 本発明の重合性液晶組成物が含有する重合性スメクチック液晶化合物は、重合性基を有し、かつスメクチック相の液晶状態を示す化合物である。
 ここで、重合性基としては、上述した式(I-3)中のPにおいて説明したものと同様のものが挙げられる。中でも、上述した式(P-1)~(P-20)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基であることが好ましく、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であることがより好ましい。
 また、重合性スメクチック液晶化合物が示す液晶状態は、高次のスメクチック相であることが好ましい。ここでいう高次のスメクチック相とは、スメクチックA相、スメクチックB相、スメクチックD相、スメクチックE相、スメクチックF相、スメクチックG相、スメクチックH相、スメクチックI相、スメクチックJ相、スメクチックK相及びスメクチックL相であり、中でも、スメクチックA相、スメクチックB相、スメクチックF相、スメクチックI相、傾斜したスメクチックF相および傾斜したスメクチックI相が好ましく、スメクチックA相、メクチックB相がより好ましい。
 このような重合性スメクチック液晶化合物としては、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang et al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994))に記載されたものが挙げられる。
[0044]
 本発明においては、重合性スメクチック液晶化合物は、逆波長分散性を示す重合性液晶化合物であってもよいが、順波長分散性を示す重合性液晶化合物であることが好ましい。
 ここで、本明細書において「逆波長分散性を示す重合性液晶化合物」とは、これを用いて作製された位相差フィルムの特定波長(可視光範囲)における面内のレターデーション(Re)値を測定した際に、測定波長が大きくなるにつれてRe値が同等または高くなるものをいう。
 一方、「順波長分散性を示す重合性液晶化合物」とは、これを用いて作製された位相差フィルムの特定波長(可視光範囲)における面内のレターデーション(Re)値を測定した際に、測定波長が大きくなるにつれてRe値が小さくなるものをいう。
[0045]
 本発明においては、特定化合物の分子長軸の側鎖と重合性スメクチック液晶のメソゲン骨格との相互作用により、混合物として液晶性が発現しやすくなる理由から、重合性スメクチック液晶化合物の含有量が、重合性スメクチック液晶化合物および上述した特定化合物の合計質量に対して15~75質量%であることが好ましく、30~60質量%であることがより好ましい。
[0046]
〔他の重合性化合物〕
 本発明の重合性液晶組成物は、上述した重合性スメクチック液晶化合物以外に、重合性基を1個以上有する他の重合性化合物を含んでいてもよい。
 ここで、他の重合性化合物が有する重合性基は特に限定されず、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等が挙げられる。なかでも、アクリロイル基、メタクリロイル基を有しているのが好ましい。
[0047]
 他の重合性化合物としては、形成される光学異方性膜の耐久性が向上する理由から、重合性基を1個~4個有する他の重合性化合物であるのが好ましく、重合性基を2個有する他の重合性化合物であるのがより好ましい。
[0048]
 他の重合性化合物としては、非液晶性の重合性化合物であることが好ましく、その具体例としては、特開2016-053709号公報の[0073]~[0074]段落に記載された化合物が挙げられる。
[0049]
 このような他の重合性化合物を含有する場合の含有量は、上述した重合性液晶化合物の質量に対して、50質量%未満であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、2~30質量%であることが更に好ましい。
[0050]
〔重合開始剤〕
 本発明の重合性液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。
 使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であるのが好ましい。
 光重合開始剤としては、例えば、α-カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α-炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60-105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)、アシルフォスフィンオキシド化合物(特公昭63-40799号公報、特公平5-29234号公報、特開平10-95788号公報、特開平10-29997号公報記載)等が挙げられる。
 また、本発明においては、重合開始剤がオキシム型の重合開始剤であることも好ましく、その具体例としては、国際公開第2017/170443号の[0049]~[0052]段落に記載された開始剤が挙げられる。
[0051]
〔溶媒〕
 本発明の重合性液晶組成物は、光学異方性膜を形成する作業性等の観点から、溶媒を含有するのが好ましい。
 溶媒としては、具体的には、例えば、ケトン系溶媒(例えば、アセトン、2-ブタノン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなど)、エーテル系溶媒(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、環状アミド系溶媒(例えば、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、N、N’-ジメチルイミダゾリジノンなど)、脂肪族炭化水素系溶媒(例えば、ヘキサンなど)、脂環式炭化水素系溶媒(例えば、シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素系溶媒(例えば、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンなど)、ハロゲン化炭素系溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなど)、エステル系溶媒(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、水、アルコール系溶媒(例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、セロソルブ系溶媒(例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、セロソルブアセテート系溶媒、スルホキシド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシドなど)、鎖状アミド系溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[0052]
 本発明においては、上述した溶媒のうち、ろ過圧の上昇を抑制する本発明の効果が顕在化する理由から、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒および環状アミド系溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の溶媒であることが好ましい。
[0053]
〔レベリング剤〕
 本発明の重合性液晶組成物は、光学異方性膜の表面を平滑に保ち、配向制御を容易にする観点から、レベリング剤を含有することが好ましい。
 このようなレベリング剤としては、添加量に対するレベリング効果が高い理由から、フッ素系レベリング剤またはケイ素系レベリング剤であることが好ましく、泣き出し(ブルーム、ブリード)を起こしにくい観点から、フッ素系レベリング剤であることがより好ましい。
 レベリング剤としては、具体的には、例えば、特開2007-069471号公報の[0079]~[0102]段落の記載に記載された化合物、特開2013-047204号公報に記載された一般式(I)で表される化合物(特に[0020]~[0032]段落に記載された化合物)、特開2012-211306号公報に記載された一般式(I)で表される化合物(特に[0022]~[0029]段落に記載された化合物)、特開2002-129162号公報に記載された一般式(I)で表される液晶配向促進剤(特に[0076]~[0078]および[0082]~[0084]段落に記載された化合物)、特開2005-099248号公報に記載された一般式(I)、(II)および(III)で表される化合物(特に[0092]~[0096]段落に記載された化合物)などが挙げられる。なお、後述する配向制御剤としての機能を兼ね備えてもよい。
[0054]
〔配向制御剤〕
 本発明の重合性液晶組成物は、必要に応じて、配向制御剤を含有することができる。
 配向制御剤により、ホモジニアス配向の他、ホメオトロピック配向(垂直配向)、傾斜配向、ハイブリッド配向、コレステリック配向等の種々の配向状態を形成することができ、また、特定の配向状態をより均一かつより精密に制御して実現することができる。
[0055]
 ホモジニアス配向を促進する配向制御剤としては、例えば、低分子の配向制御剤や、高分子の配向制御剤を用いることができる。
 低分子の配向制御剤としては、例えば、特開2002-20363号公報の[0009]~[0083]段落、特開2006-106662号公報の[0111]~[0120]段落、および、特開2012-211306号公報の[0021]~[0029]段落の記載を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
 また、高分子の配向制御剤としては、例えば、特開2004-198511号公報の[0021]~[0057]段落、および、特開2006-106662号公報の[0121]~[0167]段落を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
[0056]
 また、ホメオトロピック配向を形成または促進する配向制御剤としては、例えば、ボロン酸化合物、オニウム塩化合物が挙げられ、具体的には、特開2008-225281号公報の[0023]~[0032]段落、特開2012-208397号公報の[0052]~[0058]段落、特開2008-026730号公報の[0024]~[0055]段落、特開2016-193869号公報の[0043]~[0055]段落などに記載された化合物を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
[0057]
 一方、コレステリック配向は、本発明の重合性液晶組成物にキラル剤を加えることにより実現することができ、そのキラル性の向きによりコレステリック配向の旋回方向を制御できる。なお、キラル剤の配向規制力に応じてコレステリック配向のピッチを制御することができる。
[0058]
 配向制御剤の含有する場合の含有量は、重合性液晶組成物中の全固形分質量に対して0.01~10質量%であることが好ましく、0.05~5質量%であることがより好ましい。含有量がこの範囲であると、望む配向状態を実現しつつ、析出や相分離、配向欠陥等が無く、均一で透明性の高い光学異方性膜を得ることができる。
 これらの配向制御剤は、さらに重合性官能基、特に、本発明の重合性液晶組成物を構成する重合性液晶化合物と重合可能な重合性官能基を付与することができる。
[0059]
〔その他の成分〕
 本発明の重合性液晶組成物は、上述した成分以外の成分を含有してもよく、例えば、上述した重合性スメクチック液晶化合物以外の液晶化合物、界面活性剤、チルト角制御剤、配向助剤、可塑剤、および、架橋剤などが挙げられる。
[0060]
[光学異方性膜]
 本発明の光学異方性膜は、上述した本発明の重合性液晶組成物を重合して得られる光学異方性膜である。
 光学異方性膜の形成方法としては、例えば、上述した本発明の重合性液晶組成物を用いて、所望の配向状態とした後に、重合により固定化する方法などが挙げられる。特に、本発明においては、上述した本発明の重合性液晶組成物を調製した後に、保管する工程を経た後に、光学異方性膜を形成する態様が好ましい。
 ここで、重合条件は特に限定されないが、光照射による重合においては、紫外線を用いることが好ましい。照射量は、10mJ/cm ~50J/cm であることが好ましく、20mJ/cm ~5J/cm であることがより好ましく、30mJ/cm ~3J/cm であることが更に好ましく、50~1000mJ/cm であることが特に好ましい。また、重合反応を促進するため、加熱条件下で実施してもよい。
 なお、本発明においては、光学異方性膜は、後述する本発明の光学フィルムにおける任意の支持体上や、後述する本発明の偏光板における偏光子上に形成することができる。
[0061]
 本発明の光学異方性膜は、下記式(III)を満たしていることが好ましい。
 0.50<Re(450)/Re(550)<1.00 ・・・(III)
 ここで、上記式(III)中、Re(450)は、光学異方性膜の波長450nmにおける面内レターデーションを表し、Re(550)は、光学異方性膜の波長550nmにおける面内レターデーションを表す。なお、本明細書において、レターデーションの測定波長を明記していない場合は、測定波長は550nmとする。
 また、面内レターデーションおよび厚み方向のレターデーションの値は、AxoScan OPMF-1(オプトサイエンス社製)を用い、測定波長の光を用いて測定した値をいう。
 具体的には、AxoScan OPMF-1にて、平均屈折率((Nx+Ny+Nz)/3)と膜厚(d(μm))を入力することにより、
 遅相軸方向(°)
 Re(λ)=R0(λ)
 Rth(λ)=((nx+ny)/2-nz)×d
が算出される。
 なお、R0(λ)は、AxoScan OPMF-1で算出される数値として表示されるものであるが、Re(λ)を意味している。
[0062]
 本発明の光学異方性膜は、ポジティブAプレートまたはポジティブCプレートであることが好ましく、ポジティブAプレートであることがより好ましい。
[0063]
 ここで、ポジティブAプレート(正のAプレート)とポジティブCプレート(正のCプレート)は以下のように定義される。
 フィルム面内の遅相軸方向(面内での屈折率が最大となる方向)の屈折率をnx、面内の遅相軸と面内で直交する方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnzとしたとき、ポジティブAプレートは式(A1)の関係を満たすものであり、ポジティブCプレートは式(C1)の関係を満たすものである。なお、ポジティブAプレートはRthが正の値を示し、ポジティブCプレートはRthが負の値を示す。
 式(A1)  nx>ny≒nz
 式(C1)  nz>nx≒ny
 なお、上記「≒」とは、両者が完全に同一である場合だけでなく、両者が実質的に同一である場合も包含する。
 「実質的に同一」とは、ポジティブAプレートでは、例えば、(ny-nz)×d(ただし、dはフィルムの厚みである)が、-10~10nm、好ましくは-5~5nmの場合も「ny≒nz」に含まれ、(nx-nz)×dが、-10~10nm、好ましくは-5~5nmの場合も「nx≒nz」に含まれる。また、ポジティブCプレートでは、例えば、(nx-ny)×d(ただし、dはフィルムの厚みである)が、0~10nm、好ましくは0~5nmの場合も「nx≒ny」に含まれる。
[0064]
 本発明の光学異方性膜がポジティブAプレートである場合、λ/4板として機能する観点から、Re(550)が100~180nmであることが好ましく、120~160nmであることがより好ましく、130~150nmであることが更に好ましく、130~140nmであること特に好ましい。
 ここで、「λ/4板」とは、λ/4機能を有する板であり、具体的には、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または円偏光を直線偏光に)変換する機能を有する板である。
[0065]
[光学フィルム]
 本発明の光学フィルムは、本発明の光学異方性膜を有する光学フィルムである。
 図1A、図1Bおよび図1C(以下、これらの図面を特に区別を要しない場合は「図1」と略す。)は、それぞれ本発明の光学フィルムの一例を示す模式的な断面図である。
 なお、図1は模式図であり、各層の厚みの関係や位置関係などは必ずしも実際のものとは一致せず、図1に示す支持体、配向膜およびハードコート層は、いずれも任意の構成部材である。
 図1に示す光学フィルム10は、支持体16と、配向膜14と、光学異方性膜12とをこの順で有する。
 また、光学フィルム10は、図1Bに示すように、支持体16の配向膜14が設けられた側とは反対側にハードコート層18を有していてもよく、図1Cに示すように、光学異方性膜12の配向膜14が設けられた側とは反対側にハードコート層18を有していてもよい。
 以下、本発明の光学フィルムに用いられる種々の部材について詳細に説明する。
[0066]
〔光学異方性膜〕
 本発明の光学フィルムが有する光学異方性膜は、上述した本発明の光学異方性膜である。
 本発明の光学フィルムにおいては、上記光学異方性膜の厚みについては特に限定されないが、0.1~10μmであるのが好ましく、0.5~5μmであるのがより好ましい。
[0067]
〔支持体〕
 本発明の光学フィルムは、上述したように、光学異方性膜を形成するための基材として支持体を有していてもよい。
 このような支持体は、透明であるのが好ましく、具体的には、光透過率が80%以上であるのが好ましい。
[0068]
 このような支持体としては、例えば、ガラス基板やポリマーフィルムが挙げられ、ポリマーフィルムの材料としては、セルロース系ポリマー;ポリメチルメタクリレート、ラクトン環含有重合体等のアクリル酸エステル重合体を有するアクリル系ポリマー;熱可塑性ノルボルネン系ポリマー;ポリカーボネート系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系ポリマー;、塩化ビニル系ポリマー;ナイロン、芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー;イミド系ポリマー;スルホン系ポリマー;ポリエーテルスルホン系ポリマー;ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー;ポリフェニレンスルフィド系ポリマー;塩化ビニリデン系ポリマー;ビニルアルコール系ポリマー;ビニルブチラール系ポリマー;アリレート系ポリマー;ポリオキシメチレン系ポリマー;エポキシ系ポリマー;またはこれらのポリマーを混合したポリマーが挙げられる。
 また、後述する偏光子がこのような支持体を兼ねる態様であってもよい。
[0069]
 本発明においては、上記支持体の厚みについては特に限定されないが、5~60μmであるのが好ましく、5~30μmであるのがより好ましい。
[0070]
〔配向膜〕
 本発明の光学フィルムは、上述した任意の支持体を有する場合、支持体と光学異方性膜との間に、配向膜を有しているのが好ましい。なお、上述した支持体が配向膜を兼ねる態様であってもよい。
[0071]
 配向膜は、一般的にはポリマーを主成分とする。配向膜用ポリマー材料としては、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手することができる。
 本発明において利用されるポリマー材料は、ポリビニルアルコール又はポリイミド、及びその誘導体が好ましい。特に変性又は未変性のポリビニルアルコールが好ましい。
 本発明に使用可能な配向膜については、例えば、国際公開第01/88574号の43頁24行~49頁8行に記載された配向膜;特許第3907735号公報の段落[0071]~[0095]に記載の変性ポリビニルアルコール;特開2012-155308号公報に記載された液晶配向剤により形成される液晶配向膜;等が挙げられる。
[0072]
 本発明においては、配向膜の形成時に配向膜表面に接触しないことで面状悪化を防ぐことが可能となる理由から、配向膜としては光配向膜を利用することも好ましい。
 光配向膜としては特に限定はされないが、国際公開第2005/096041号の段落[0024]~[0043]に記載されたポリアミド化合物やポリイミド化合物などのポリマー材料;特開2012-155308号公報に記載された光配向性基を有する液晶配向剤により形成される液晶配向膜;Rolic Technologies社製の商品名LPP-JP265CPなどを用いることができる。
[0073]
 また、本発明においては、上記配向膜の厚さは特に限定されないが、支持体に存在しうる表面凹凸を緩和して均一な膜厚の光学異方性膜を形成するという観点から、0.01~10μmであることが好ましく、0.01~1μmであることがより好ましく、0.01~0.5μmであることがさらに好ましい。
[0074]
〔ハードコート層〕
 本発明の光学フィルムは、フィルムの物理的強度を付与するために、ハードコート層を有しているのが好ましい。具体的には、支持体の配向膜が設けられた側とは反対側にハードコート層を有していてもよく(図1B参照)、光学異方性膜の配向膜が設けられた側とは反対側にハードコート層を有していてもよい(図1C参照)。
 ハードコート層としては特開2009-98658号公報の段落[0190]~[0196]に記載のものを使用することができる。
[0075]
〔他の光学異方性膜〕
 本発明の光学フィルムは、本発明の光学異方性膜とは別に、他の光学異方性膜を有していてもよい。
 すなわち、本発明の光学フィルムは、本発明の光学異方性膜と他の光学異方性膜との積層構造を有していてもよい。
 このような他の光学異方性膜は、上述した特定化合物を配合せず、上述した重合性スメクチック液晶化合物または他の重合性化合物(特に、液晶化合物)を用いて得られる光学異方性膜であれば特に限定されない。
 ここで、一般的に、液晶化合物はその形状から、棒状タイプと円盤状タイプに分類できる。さらにそれぞれ低分子と高分子タイプがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶化合物を用いることもできるが、棒状液晶化合物またはディスコティック液晶化合物(円盤状液晶化合物)を用いるのが好ましい。2種以上の棒状液晶化合物、2種以上の円盤状液晶化合物、または棒状液晶化合物と円盤状液晶化合物との混合物を用いてもよい。上述の液晶化合物の固定化のために、重合性基を有する棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物を用いて形成することがより好ましく、液晶化合物が1分子中に重合性基を2以上有することがさらに好ましい。液晶化合物が二種類以上の混合物の場合には、少なくとも1種類の液晶化合物が1分子中に2以上の重合性基を有していることが好ましい。
 棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11-513019号公報の請求項1や特開2005-289980号公報の段落[0026]~[0098]に記載のものを好ましく用いることができ、ディスコティック液晶化合物としては、例えば、特開2007-108732号公報の段落[0020]~[0067]や特開2010-244038号公報の段落[0013]~[0108]に記載のものを好ましく用いることができるが、これらに限定されない。
[0076]
〔紫外線吸収剤〕
 本発明の光学フィルムは、外光(特に紫外線)の影響を考慮して、紫外線(UV)吸収剤を含むことが好ましい。
 紫外線吸収剤は、本発明の光学異方性膜に含有されてしてもよいし、本発明の光学フィルムを構成する光学異方性膜以外の部材に含有されていてもよい。光学異方性膜以外の部材としては、例えば、支持体が好適に挙げられる。
 紫外線吸収剤としては、紫外線吸収性を発現できる従来公知のものがいずれも使用できる。このような紫外線吸収剤のうち、紫外線吸収性が高く、画像表示装置で用いられる紫外線吸収能(紫外線カット能)を得る観点から、ベンゾトリアゾール系またはヒドロキシフェニルトリアジン系の紫外線吸収剤を用いることが好ましい。
 また、紫外線の吸収幅を広くするために、最大吸収波長の異なる紫外線吸収剤を2種以上併用することができる。
 紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、特開2012-18395公報の[0258]~[0259]段落に記載された化合物、特開2007-72163号公報の[0055]~[0105]段落に記載された化合物などが挙げられる。
 また、市販品として、Tinuvin400、Tinuvin405、Tinuvin460、Tinuvin477、Tinuvin479、および、Tinuvin1577(いずれもBASF社製)等を用いることができる。
[0077]
[偏光板]
 本発明の偏光板は、上述した本発明の光学フィルムと、偏光子とを有するものである。
 また、本発明の偏光板は、上述した本発明の光学異方性膜がλ/4板(ポジティブAプレート)である場合、円偏光板として用いることができる。
 また、本発明の偏光板は、上述した本発明の光学異方性膜がλ/4板(ポジティブAプレート)である場合、λ/4板の遅相軸と後述する偏光子の吸収軸とのなす角が30~60°であることが好ましく、40~50°であることがより好ましく、42~48°であることが更に好ましく、45°であることが特に好ましい。
 ここで、λ/4板の「遅相軸」は、λ/4板の面内において屈折率が最大となる方向を意味し、偏光子の「吸収軸」は、吸光度の最も高い方向を意味する。
[0078]
〔偏光子〕
 本発明の偏光板が有する偏光子は、光を特定の直線偏光に変換する機能を有する部材であれば特に限定されず、従来公知の吸収型偏光子および反射型偏光子を利用することができる。
 吸収型偏光子としては、ヨウ素系偏光子、二色性染料を利用した染料系偏光子、およびポリエン系偏光子などが用いられる。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子には、塗布型偏光子と延伸型偏光子があり、いずれも適用できるが、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料を吸着させ、延伸して作製される偏光子が好ましい。
 また、基材上にポリビニルアルコール層を形成した積層フィルムの状態で延伸および染色を施すことで偏光子を得る方法として、特許第5048120号公報、特許第5143918号公報、特許第4691205号公報、特許第4751481号公報、特許第4751486号公報を挙げることができ、これらの偏光子に関する公知の技術も好ましく利用することができる。
 反射型偏光子としては、複屈折の異なる薄膜を積層した偏光子、ワイヤーグリッド型偏光子、選択反射域を有するコレステリック液晶と1/4波長板とを組み合わせた偏光子などが用いられる。
 なかでも、密着性がより優れる点で、ポリビニルアルコール系樹脂(-CH -CHOH-を繰り返し単位として含むポリマー、特に、ポリビニルアルコールおよびエチレン-ビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも1つ)を含む偏光子であることが好ましい。
[0079]
 本発明においては、偏光子の厚みは特に限定されないが、3μm~60μmであるのが好ましく、5μm~30μmであるのがより好ましく、5μm~15μmであるのが更に好ましい。
[0080]
〔粘着剤層〕
 本発明の偏光板は、本発明の光学フィルムにおける光学異方性膜と、偏光子との間に、粘着剤層が配置されていてもよい。
 光学異方性膜と偏光子との積層のために用いられる粘着剤層としては、例えば、動的粘弾性測定装置で測定した貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”との比(tanδ=G”/G’)が0.001~1.5である物質のことを表し、いわゆる、粘着剤やクリープしやすい物質等が含まれる。本発明に用いることのできる粘着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール系粘着剤が挙げられるが、これに限定されない。
[0081]
[画像表示装置]
 本発明の画像表示装置は、本発明の光学フィルムまたは本発明の偏光板を有する、画像表示装置である。
 本発明の画像表示装置に用いられる表示素子は特に限定されず、例えば、液晶セル、有機エレクトロルミネッセンス(以下、「EL」と略す。)表示パネル、プラズマディスプレイパネル等が挙げられる。
 これらのうち、液晶セル、有機EL表示パネルであるのが好ましく、液晶セルであるのがより好ましい。すなわち、本発明の画像表示装置としては、表示素子として液晶セルを用いた液晶表示装置、表示素子として有機EL表示パネルを用いた有機EL表示装置であるのが好ましく、液晶表示装置であるのがより好ましい。
[0082]
〔液晶表示装置〕
 本発明の画像表示装置の一例である液晶表示装置は、上述した本発明の偏光板と、液晶セルとを有する液晶表示装置である。
 なお、本発明においては、液晶セルの両側に設けられる偏光板のうち、フロント側の偏光板として本発明の偏光板を用いるのが好ましく、フロント側およびリア側の偏光板として本発明の偏光板を用いるのがより好ましい。
 以下に、液晶表示装置を構成する液晶セルについて詳述する。
[0083]
 <液晶セル>
 液晶表示装置に利用される液晶セルは、VA(Vertical Alignment)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、IPS(In-Plane-Switching)モード、FFS(Fringe-Field-Switching)モード、又はTN(Twisted Nematic)モードであることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
 TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、更に60~120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
 VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2-176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech.Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n-ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58~59(1998)記載)及び(4)SURVIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。また、PVA(Patterned Vertical Alignment)型、光配向型(Optical Alignment)、及びPSA(Polymer-Sustained Alignment)のいずれであってもよい。これらのモードの詳細については、特開2006-215326号公報、及び特表2008-538819号公報に詳細な記載がある。
 IPSモードの液晶セルは、棒状液晶分子が基板に対して実質的に平行に配向しており、基板面に平行な電界が印加することで液晶分子が平面的に応答する。IPSモードは電界無印加状態で黒表示となり、上下一対の偏光板の吸収軸は直交している。光学補償シートを用いて、斜め方向での黒表示時の漏れ光を低減させ、視野角を改良する方法が、特開平10-54982号公報、特開平11-202323号公報、特開平9-292522号公報、特開平11-133408号公報、特開平11-305217号公報、特開平10-307291号公報などに開示されている。
[0084]
〔有機EL表示装置〕
 本発明の画像表示装置の一例である有機EL表示装置としては、例えば、視認側から、偏光子と、本発明の光学異方性膜からなるλ/4板(ポジティブAプレート)と、有機EL表示パネルとをこの順で有する態様が好適に挙げられる。
 また、有機EL表示パネルは、電極間(陰極および陽極間)に有機発光層(有機エレクトロルミネッセンス層)を挟持してなる有機EL素子を用いて構成された表示パネルである。有機EL表示パネルの構成は特に制限されず、公知の構成が採用される。
実施例
[0085]
 以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[0086]
〔特定化合物(I-g)の合成〕
[化7]


[0087]
 上記スキームに示す通り、化合物(I-a:4-ヒドロキシブチルアクリレート)60.0g、トリエチルアミン49.3g、および、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)0.9gを、DMAc(ジメチルアセトアミド)120.1mL、および、トルエン114.1mLに混合した。次いで、内温0℃に冷却し、メシルクロライド50.6gをゆっくり滴下した。滴下終了後、内温0℃で1時間撹拌した。その後、室温(23℃)に戻し、希塩酸で分液し、ブラインで2回目の分液を実施し、化合物(I-b)を得た。
 上記で得られた化合物(I-b)のトルエン溶液と、1,1’-ビシ口ヘキシル-4,4’-ジカルボン酸91.40g、トリエチルアミン72.73g、および、ジブチルヒドロキシトルエン0.8gを、DMAc274.2mL、および、トルエン69.7mLに混合した。次いで、内温90℃に加熱し、5時間反応させた。その後、室温に戻し、希塩酸を加え、42℃に加熱して分液した。次いで、TEMPO(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシル)0.5gとトルエン164.5mLを加え、その後、炭酸水素ナトリウム水溶液で二回分液を実施した。得られた溶液をエバポレーターで濃縮し、トルエン濃度を50%に調整し、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)25.7gを添加し、化合物(I-c)を得た。
 上記で得られた化合物(I-c)のトルエン溶液235.0gと、ジブチルヒドロキシトルエン0.2gを、トルエン41.9mLに混合した。次いで、内温0℃に冷却し、塩化チオニル21.0gをゆっくり滴下した。滴下終了後、室温に戻して30分撹拌した。その後、静置し、反応容器の底部に沈殿するエマルジョンを除去した。その後、内温0℃に冷却し、トランス-4-ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸26.5gとDMAc56.0mLの混合溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、室温に戻して5時間撹拌した。その後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液300mlとヘキサン300mLを添加し、析出した固体を濾過で取り出した。得られた固体を酢酸エチル300mLに混合し、60℃に加熱して1時間撹拌し、その後、固体を濾過で取り出し、化合物(I-d)を得た。
 上記で得られた化合物(I-d)を10g秤量し、DMF3.7gとジブチルヒドロキシトルエン0.02gを加え、トルエン50.0mLに混合した。次いで、内温0℃に冷却し、塩化チオニル2.8gをゆっくり滴下する。滴下終了後、室温に戻して30分撹拌する。その後、内温0℃に冷却し、7-ブロモ-1-ヘプタノール5.8gとDMAc10.0mLの混合溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、室温に戻して5時間撹拌した。その後、水120mlとヘキサン120mLを添加し、析出した固体を濾過で取り出した。得られた固体をカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(I-e)を得た。
 上記で得られた化合物(I-e)を1.7g秤量し、化合物(I-f)0.24g、炭酸カリウム0.34g、および、ジブチルヒドロキシトルエン0.01gを加え、THF1.0mLとDMAc1.4mLに混合した。内温60℃に加熱し、2時間撹拌した。その後、室温に戻し、水35mLを添加し、析出した固体を濾過で取り出した。得られた固体をカラムクロマトグラフィーで精製することで、化合物(I-g)1.05g(収率76%)を得た。
 得られた化合物(I-g)の H-NMR(Nuclear Magnetic Resonance)データを以下に示す。
  HNMR(CDCl )δ(ppm)=0.91(m,8H),1.20-1.29(m,12H),1.43(m,8H),1.61(m,12H),1.75(m,16H),2.20(m,6H),2.75(m,12H),3.88-4.16(30H),5.83(d,2H),6.12(q,2H),6.41(d,2H),6.94(s,2H)
[0088]
〔特定化合物(II-g)の合成〕
 特開2011-162678号公報の段落[0252]~[0254]に記載された方法で、下記式(II-f)で表される化合物(II-f)を合成した。
 その後、化合物(I-f)に代えて、化合物(II-f)を用いた以外は、特定化合物(I-g)と同様の方法で、下記式(II-g)で表される特定化合物(II-g)を合成した。
[化8]




[0089]
 得られた特定化合物(II-g)の H-NMRデータを以下に示す。
  H-NMR(CDCl )δ(ppm)=0.91(m,8H),1.20-1.29(m,12H),1.43(m,8H),1.61(m,12H),1.75(m,16H),2.20(m,6H),2.43(s,3H),2.75(m,12H),3.88-4.16(30H),5.83(d,2H),6.12(q,2H),6.41(d,2H),7.01(s,2H),7.13(s,1H),7.25(s,2H),7.81(d,1H)
[0090]
〔逆波長分散性液晶化合物(II-a)の合成〕
 特開2016-081035号公報の段落[0122](実施例4)に記載された方法に従い、下記式(II-a)で表される逆波長分散性液晶化合物(II-a)を合成した。なお、下記式(II-a)中、アクリロイルオキシ基に隣接する基は、プロピレン基(メチル基がエチレン基に置換した基)を表し、メチル基の位置が異なる位置異性体の混合物を表す。
[化9]


[0091]
[実施例1]
〔光学フィルムの作製〕
 下記の組成を有する重合性液晶組成物を調製し、ラビング処理されたポリイミド配向膜(日産化学工業(株))製SE-150)付ガラス基板にスピンコートにより塗布した。
 塗膜を下記表5に示す温度で配向処理し、液晶層を形成した。
 その後、下記表5に記載されている露光時温度まで冷却して1000mJ/cm の紫外線照射による配向固定化を行い、光学異方性膜を形成し、光学フィルムを作製した。
[0092]
―――――――――――――――――――――――――――――――――
光学異方性層膜塗布液
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・特定化合物(I-g)                 50質量部
・下記重合性スメクチック液晶化合物(Sm-1)     50質量部
・光重合開始剤(イルガキュア819、BASF社製)    2質量部
・下記含フッ素化合物A                  1質量部
・クロロホルム                    521質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
[0093]
 重合性スメクチック液晶化合物(Sm-1)
[化10]


[0094]
 含フッ素化合物A
[化11]


[0095]
[実施例2]
 特定化合物を下記表3に示す化合物に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、光学フィルムを作製した。
[0096]
[比較例1]
 重合性スメクチック液晶化合物(Sm-1)に代えて、以下の重合性ネマチック液晶化合物(Ne-1)を配合した以外は、実施例1と同様の方法で、光学フィルムを作製した。
[0097]
 重合性ネマチック液晶化合物(Ne-1)
[化12]


[0098]
[比較例2]
 特定化合物に代えて逆波長分散性液晶化合物(II-a)を配合し、重合性スメクチック液晶化合物(Sm-1)を配合しなかった以外は、実施例1と同様の方法で、光学フィルムを作製した。
[0099]
[比較例3]
 重合性スメクチック液晶化合物(Sm-1)を配合しなかった以外は、実施例1と同様の方法で、光学フィルムを作製した。
[0100]
 <レターデーション>
 作製した光学フィルムについて、Axo Scan(OPMF-1、オプトサイエンス社製)を用いて、波長450nmのレターデーション値(Re(450))と、波長550nmのレターデーション値(Re(550))とを測定し、Re(450)/Re(550)を算出した。これらの結果を下記表5に示す。
[0101]
 <湿熱耐久性>
 湿熱耐久性の試験条件は、85℃相対湿度85%の環境下で500時間放置する試験を行った。
 試験前の光学フィルムのRe(550)と、試験後の光学フィルムのRe(550)を測定し、以下の基準で湿熱耐久性を評価した。結果を下記表3に示す。
 A:試験前のRe(550)に対する試験後のRe(550)の変化量が試験前のRe(550)の10%未満
 B:試験前のRe(550)に対する試験後のRe(550)の変化量が試験前のRe(550)の10%以上30%未満
 C:試験前のRe(550)に対する試験後のRe(550)の変化量が試験前のRe(550)の30%以上
[0102]
 <アミン耐性>
 アミン耐性の試験条件は、NH /MeOHの2mol%溶液をバイアルに入れ、その出口部分に光学フィルムを置き、10時間放置する試験を行った。
 試験前の光学フィルムのRe(550)と、試験後の光学フィルムのRe(550)を測定し、以下の基準でアミン耐性を評価した。結果を下記表3に示す。
 A:試験前のRe(550)に対する試験後のRe(550)の変化量が試験前のRe(550)の10%未満
 B:試験前のRe(550)に対する試験後のRe(550)の変化量が試験前のRe(550)の10%以上30%未満
 C:試験前のRe(550)に対する試験後のRe(550)の変化量が試験前のRe(550)の30%以上
[0103]
 <耐光性>
 作製した光学フィルムについて、重合性液晶組成物の塗布膜が照射面となるように、ガラス基板をキセノン照射機(スガ試験機株式会社製 SX75)にセットして、#275フィルターを用いて200時間照射する試験を行った。
 試験前の光学フィルムのRe(550)と、試験後の光学フィルムのRe(550)を測定し、以下の基準で耐光性を評価した。結果を下記表3に示す。
 A:試験前のRe(550)に対する試験後のRe(550)の変化量が試験前のRe(550)の5%未満
 B:試験前のRe(550)に対する試験後のRe(550)の変化量が試験前のRe(550)の5%以上15%未満
 C:試験前のRe(550)に対する試験後のRe(550)の変化量が試験前のRe(550)の15%以上
[0104]
[表3]


[0105]
 上記表3に示す結果から、特定化合物に対して重合性ネマチック液晶化合物を配合した場合には、形成される光学異方性膜のアミン耐性が劣ることが分かった(比較例1)。
 また、特定化合物に代えて逆波長分散性液晶化合物(II-a)を配合し、重合性スメクチック液晶化合物を配合しない場合には、形成される光学異方性膜のアミン耐性が劣ることが分かった(比較例2)。
 また、特定化合物を配合し、重合性スメクチック液晶化合物および重合性ネマチック液晶化合物をいずれも配合しない場合には、形成される光学異方性膜に逆波長分散性が発現しないことが分かった(比較例3)。
 これに対し、特定化合物とともに重合性スメクチック液晶化合物を配合した場合は、形成される光学異方性膜に逆波長分散性が発現し、アミン耐性も良好となることが分かった(実施例1および2)。

符号の説明

[0106]
 10 光学フィルム
 12 光学異方性膜
 14 配向膜
 16 支持体
 18 ハードコート層

請求の範囲

[請求項1]
 下記式(I-1)で表される化合物と、重合性スメクチック液晶化合物とを含有する、重合性液晶組成物。
[化1]


 ここで、前記式(I-1)中、
 Ar およびAr は、それぞれ独立に、280~420nmに極大吸収波長を有する芳香環を表す。
 D は、単結合、または、-CO-、-O-、-S-、-C(=S)-、-CR -、-CR =CR -、-NR -、もしくは、これらの2つ以上の組み合わせからなる2価の連結基を表し、R ~R は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1~4のアルキル基を表す。
 pは、0または1を表す。
 X およびX は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-CO-、-CO-NR -、または、単結合を表し、R は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1~4のアルキル基を表す。
 L およびL は、それぞれ独立に、下記式(I-2)で表されるアルキレン基を表す。
 Mes およびMes は、それぞれ独立に、下記式(I-3)で表される重合性基含有基を表す。
[化2]


 ここで、前記式(I-2)中、
 *は、L についてはMes またはX との結合位置を表し、L についてはMes またはX との結合位置を表す。
 mは、1以上の整数を表す。
 ただし、前記アルキレン基に含まれる水素原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、シアノ基、ニトロ基、イソシアノ基、チオイソシアノ基、または、炭素数1~20のアルキル基で置換されていてもよい。
 また、前記アルキレン基を構成し、かつ、X またはX に直接結合していない-CH -のうち、1個または隣接していない2個以上の-CH -は、-O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CO-S-、-S-CO-、-O-CO-O-、-CO-NH-、-NH-CO-、または、-C≡C-で置換されていてもよい。
[化3]


 ここで、前記式(I-3)中、
 *は、Mes についてはL との結合位置を表し、Mes についてはL との結合位置を表す。
 Mは、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-1,4-ジイル基、テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、または、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基を表す。ただし、これらの基に含まれる水素原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、シアノ基、ニトロ基、イソシアノ基、チオイソシアノ基、または、炭素数1~20のアルキル基で置換されていてもよい。
 D およびD は、それぞれ独立に、-O-、-S-、-OCH -、-CH CH -、-CO-、-COO-、-CO-S-、-OCO-O-、-CO-NH-、-SCH -、-CF O-、-CF S-、-CH=CH-COO-、-CH=CH-OCO-、-COO-CH CH -、-OCO-CH CH -、-COO-CH -、-OCO-CH -、-CH=CH-、-N=N-、-CH=N-、-CH=N-N=CH-、-CF=CF-、-C≡C-、または、単結合を表す。
 SPは、単結合、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を構成する-CH -の1個以上が-O-、-S-、-NH-、-N(Q)-、もしくは、-CO-に置換された2価の連結基を表し、Qは、置換基を表す。
 Pは、重合性基を表す。
 nは、2以上の整数を表し、複数のMは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、複数のD は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、複数のD は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、複数のSPは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
[請求項2]
 前記式(I-1)中のAr およびAr が、300~400nmに極大吸収波長を有する芳香環を表す、請求項1に記載の重合性液晶組成物。
[請求項3]
 前記式(I-1)中のAr およびAr が、下記式(Ar-1)~(Ar-7)で表される基からなる群から選択されるいずれかの芳香環を表す、請求項1または2に記載の重合性液晶組成物。
[化4]


 ここで、前記式(Ar-1)~(Ar-7)中、
 *は、Ar についてはX またはD との結合位置を表し、Ar についてはD またはX との結合位置を表す。
 Q は、NまたはCHを表す。
 Q は、-S-、-O-、または、-N(R )-を表し、R は、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表す。
 Y は、置換基を有してもよい、炭素数6~12の芳香族炭化水素基、または、炭素数3~12の芳香族複素環基を表す。
 Z 、Z およびZ は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~20の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-OR 、-NR 10、または、-SR 11を表し、R ~R 11は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、Z およびZ は、互いに結合して芳香環を形成してもよい。
 A およびA は、それぞれ独立に、-O-、-N(R 12)-、-S-、および、-CO-からなる群から選択される基を表し、R 12は、水素原子または置換基を表す。
 Xは、水素原子または置換基が結合していてもよい、第14~16族の非金属原子を表す。
 D およびD は、それぞれ独立に、単結合、または、-CO-、-O-、-S-、-C(=S)-、-CR -、-CR =CR -、-NR -、もしくは、これらの2つ以上の組み合わせからなる2価の連結基を表し、R ~R は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または、炭素数1~4のアルキル基を表す。
 SP およびSP は、それぞれ独立に、単結合、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または、炭素数1~12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を構成する-CH -の1個以上が-O-、-S-、-NH-、-N(Q)-、もしくは、-CO-に置換された2価の連結基を表し、Qは、置換基を表す。
 L およびL は、それぞれ独立に1価の有機基を表す。
 Axは、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも1つの芳香環を有する、炭素数2~30の有機基を表す。
 Ayは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~12のアルキル基、または、芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選択される少なくとも1つの芳香環を有する、炭素数2~30の有機基を表す。
 AxおよびAyにおける芳香環は、置換基を有していてもよく、AxとAyとが結合して環を形成していてもよい。
 Q は、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
[請求項4]
 前記式(I-1)中のX およびX が、-O-で表される連結基を表す、請求項1~3のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物。
[請求項5]
 前記式(I-3)中のPが、下記式(P-1)~(P-20)で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を表す、請求項1~4のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物。
[化5]


 ここで、前記式(P-1)~(P-20)中、*は、SPとの結合位置を表す。
[請求項6]
 前記重合性スメクチック液晶化合物の含有量が、前記重合性スメクチック液晶化合物および前記式(I-1)で表される化合物の合計質量に対して15~75質量%である、請求項1~5のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物。
[請求項7]
 請求項1~6のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物を重合して得られる光学異方性膜。
[請求項8]
 下記式(III)を満たす、請求項7に記載の光学異方性膜。
 0.50<Re(450)/Re(550)<1.00 ・・・(III)
 ここで、式(III)中、Re(450)は、前記光学異方性膜の波長450nmにおける面内レターデーションを表し、Re(550)は、前記光学異方性膜の波長550nmにおける面内レターデーションを表す。
[請求項9]
 請求項7または8に記載の光学異方性膜を有する光学フィルム。
[請求項10]
 請求項9に記載の光学フィルムと、偏光子とを有する、偏光板。
[請求項11]
 請求項9に記載の光学フィルム、または、請求項10に記載の偏光板を有する、画像表示装置。

図面

[ 図 1A]

[ 図 1B]

[ 図 1C]