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1. (WO2019065316) COATING COMPOSITION AND COATING FILM
Document

明 細 書

発明の名称 塗料組成物及び塗膜

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012  

発明の効果

0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092  

実施例

0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121  

産業上の利用可能性

0122  

符号の説明

0123  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 塗料組成物及び塗膜

技術分野

[0001]
 本発明は、塗料組成物及び塗膜に関するものである。

背景技術

[0002]
 近年、建物の屋根や道路に遮熱性を付与可能であり、更に自動車ボディ等の高い意匠性が求められる用途にも適用可能な赤外反射性顔料及び赤外反射性塗料組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 国際公開第2016/006664号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 一方、塗膜の外観向上の観点から、昨今、塗膜のヘイズの低減に対する要求が強くなりつつある。これに対して、本発明者らが上記赤外反射性顔料及び赤外反射性塗料組成物について検討したところ、これらの材料を用いて形成した塗膜は、優れた赤外光反射性と可視光透過性を有するものの、ヘイズに改善の余地があることが分かった。
[0005]
 そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決し、優れた赤外光反射性と可視光透過性を有することに加えて、ヘイズの小さい塗膜を形成することが可能な塗料組成物を提供することを課題とする。
 また、本発明は、優れた赤外光反射性と可視光透過性を有することに加えて、ヘイズの小さい塗膜を提供することを更なる課題とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
[0007]
 本発明の塗料組成物は、平板顔料粒子と、樹脂成分と、硬化剤と、を含み、
 前記平板顔料粒子は、誘電体層と金属薄膜層との積層体を含み、
 前記積層体では、前記誘電体層と前記金属薄膜層とが交互に積層されており、且つ、前記誘電体層が当該積層体の最も外側に位置し、
 前記樹脂成分が、イソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)、イソシアヌル酸2-ヒドロキシエチルビス(2-アクリロイルオキシエチル)、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン及びイソシアヌル酸トリグリシジルからなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする。
 かかる本発明の塗料組成物によれば、優れた赤外光反射性と可視光透過性を有することに加えて、ヘイズの小さい塗膜を形成することができる。
[0008]
 本発明の塗料組成物の好適例においては、前記平板顔料粒子の質量と、前記樹脂成分及び前記硬化剤の合計質量と、の比率が、0.5:99.5~15:85である。この場合、赤外光反射性と可視光透過性を更に向上させつつ、ヘイズの更に小さい塗膜を形成することができる。
[0009]
 本発明の塗料組成物の好適例においては、前記硬化剤が、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、α-クミルパーオキシネオデカノエートおよび2-メチル-2-[(4-メチルフェニル)スルフォニル]-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-1-プロパノンからなる群より選択される1種以上である。
[0010]
 また、本発明の塗膜は、平板顔料粒子と、樹脂成分と、硬化剤と、を含み、
 前記平板顔料粒子は、誘電体層と金属薄膜層との積層体を含み、
 前記積層体では、前記誘電体層と前記金属薄膜層とが交互に積層されており、且つ、前記誘電体層が当該積層体の最も外側に位置し、
 前記樹脂成分が、イソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)、イソシアヌル酸2-ヒドロキシエチルビス(2-アクリロイルオキシエチル)、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン及びイソシアヌル酸トリグリシジルからなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする。
 かかる本発明の塗膜は、優れた赤外光反射性と可視光透過性を有することに加えて、ヘイズが小さい。
[0011]
 本発明の塗膜の好適例においては、当該塗膜の膜厚が、3~50μmである。この場合、塗膜のヘイズを更に小さくすることができる。
[0012]
 本発明の塗膜の好適例においては、前記硬化剤が、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、α-クミルパーオキシネオデカノエートおよび2-メチル-2-[(4-メチルフェニル)スルフォニル]-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-1-プロパノンからなる群より選択される1種以上である。

発明の効果

[0013]
 本発明によれば、優れた赤外光反射性と可視光透過性を有することに加えて、ヘイズの小さい塗膜を形成することが可能な塗料組成物を提供することができる。
 また、本発明によれば、優れた赤外光反射性と可視光透過性を有することに加えて、ヘイズの小さい塗膜を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] 平板顔料粒子の構成の一例を示す模式図である。
[図2] 平板顔料粒子の構成の別の一例を示す模式図である。
[図3] 平板顔料粒子の構成のさらに別の一例を示す模式図である。
[図4] 表面張力調整層を有する平板顔料粒子の一例を示す模式図である。
[図5] 平板顔料粒子の製造方法の一例を示す模式図である。
[図6] 平板顔料粒子の製造方法の別の一例を示す模式図である。

発明を実施するための形態

[0015]
 以下に、本発明の塗料組成物及び塗膜を、その実施形態に基づき、詳細に例示説明する。なお、これらの記載は、本発明の例示を目的とするものであり、本発明を何ら限定するものではない。
[0016]
 本発明において、2以上の実施形態を任意に組み合わせることができる。
 本発明において、平板顔料粒子は、顔料を構成する個々の平板またはおよそ平板状の物質を意味する。
 本発明において、塗膜および各種の層の厚みを「膜厚」と表す。「光学膜厚」以外の「膜厚」および「乾燥膜厚」の用語は、特に断らない限り、物理膜厚を意味する。
 本発明において、可視光域は、波長380~780nmの範囲を指す。また、可視光周辺域は、波長180~980nmを指す。また、赤外光の波長域は780~2,500nmの範囲を指し、電波の波長域は0.1mm~10kmの範囲を指す。
[0017]
(塗料組成物)
 本発明の塗料組成物は、平板顔料粒子と、樹脂成分と、硬化剤と、を含む。なお、該塗料組成物は、平板顔料粒子と樹脂成分と硬化剤以外のその他の成分を含んでもよい。
[0018]
<平板顔料粒子>
 平板顔料粒子は、塗膜に赤外光反射性と可視光透過性を付与する働きを有する。平板顔料粒子は、誘電体層と金属薄膜層との積層体を含む。そして、当該積層体では、誘電体層と金属薄膜層とが交互に積層されており、かつ、誘電体層が当該積層体の最も外側に位置する。以下、「積層体」は、誘電体層と金属薄膜層とが交互に積層されており、かつ、誘電体層が最も外側に位置する積層体を指す。
[0019]
 図1は、平板顔料粒子の構成の一例を示す模式図である。図1の平板粒子顔料1は、2層の誘電体層11と1層の金属薄膜層12との積層体10から構成されており、図1に示すように、誘電体層11、金属薄膜層12および誘電体層11が、この順序で交互に隣接して積層されている。図1の積層体10は、最も少ない構成要素からなる積層体である。また、図1の積層体10では、2層の誘電体層11は同じ膜厚を有する。
[0020]
 図2は、平板顔料粒子の構成の別の一例を示す模式図である。図2の平板粒子顔料1は、3層の誘電体層11と2層の金属薄膜層12との積層体10から構成されている。また、図2の積層体10では、最外層の2層の誘電体層11は同じ膜厚を有し、最内層の誘電体層11は、最外層の誘電体層11よりも膜厚が大きい。さらに、2層の金属薄膜層12は同じ膜厚を有する。なお、本発明において、最内層の誘電体層は、最外層の誘電体層よりも膜厚が小さくても、最外層の誘電体層と膜厚が同じでもよい。
[0021]
 図3は、平板顔料粒子の構成のさらに別の一例を示す模式図である。図3の平板粒子顔料1は、図1の積層体10の表面に表面処理層13を有する。表面処理層13は、平板顔料粒子1を構成するが、積層体10には含まれない。
[0022]
 図4は、表面張力調整層を有する平板顔料粒子の一例を示す模式図である。図4の平板粒子顔料1は、図3の平板顔料粒子1の表面に表面張力調整層14を有する。表面張力調整層14は、平板顔料粒子1には含まれない。
[0023]
 積層体における層の数は、誘電体層と金属薄膜層とが交互に積層されており、かつ、誘電体層が積層体の最も外側に位置することから、最小で3であり、この他の5、7、9などの奇数であってもよい。一実施形態では、積層体の層の数は、3または5である。なお、積層体では、誘電体層と金属薄膜層とが交互に積層されていることから、誘電体層と金属薄膜層は隣接している。
[0024]
 積層体は、上述したように誘電体層と金属薄膜層とが交互に積層されており、かつ、誘電体層が積層体の最も外側に位置すればよく、積層体における層の種類(組成)、膜厚、数が同じ積層体(平板顔料粒子)を用いてもよいし、これらが異なる積層体(平板顔料粒子)を組み合わせて用いてもよい。例えば、積層体が3層(誘電体層が2層と金属薄膜層が1層)からなる平板顔料粒子と、積層体が5層(誘電体層が3層と金属薄膜層が2層)からなる平板顔料粒子を組み合わせて用いてもよい。
[0025]
 積層体の厚みは、後述する誘電体層と金属薄膜層による赤外光反射性と可視光透過性、これらの対象とする電磁波波長の領域などを考慮して適宜調節すればよい。例えば、積層体の厚みの平均を30~150nmとすることができる。一実施形態では、積層体の厚みの平均は、30~115nmであり、別の実施形態では積層体の厚みの平均は、50~100nmであり、別の実施形態では積層体が3層であって積層体の厚みの平均は30~100nmであり、さらに別の実施形態では積層体が5層であって積層体の厚みの平均は50~150nmである。積層体の厚みの平均は、後述する平板顔料粒子の厚みの平均の測定方法によって求めることができる。
 塗膜のヘイズを小さくする観点から、積層体の厚みの平均は、可視光の波長(380~780nm)よりも小さいことが好ましく、その観点から、積層体の厚みの平均は、可視光の波長の半分以下であることが好ましく、115nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、80nm以下であることがさらに好ましい。
[0026]
 以下、平板顔料粒子を構成する誘電体層、金属薄膜層、および任意の表面処理層を例示説明する。
[0027]
<誘電体層>
 誘電体層は、金属薄膜層の可視光周辺域における反射防止層として機能する。すなわち、誘電体層は、可視光周辺域の入射光の透過率を向上させる機能を有する。誘電体層は、平板顔料粒子を含む塗膜に優れた可視光透過性を付与する。
[0028]
 誘電体層の材料としては、従来公知の誘電体層の材料を用いることができる。誘電体層の材料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム(ZrO、ZrO )、二酸化ケイ素、酸化錫(IV)(SnO )、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、五酸化ニオブ(Nb )および酸化セリウム(CeO )などが挙げられる。誘電体層の材料は、上述したものを1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
 好ましい一実施形態では、誘電体層の材料は、錫ドープ酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫(IV)、五酸化ニオブ、酸化セリウム、および酸化ジルコニウムからなる群より選択される1種以上である。
[0029]
 誘電体層の膜厚は、光干渉作用を利用して可視光の透過性を高めることができる範囲で誘電体層と金属薄膜層の屈折率を考慮して適宜設定すればよい。例えば、特許文献1に記載のように、可視光周辺域の入射光の波長をλとし、誘電体層の屈折率をnとしたときに、誘電体層の膜厚は、λ/4nの整数倍±10nmであることが好ましい。可視光透過率の観点から、上記整数倍の整数としては1~4の整数が好ましい。
 本発明において、屈折率nは、エリプソメトリー測定により求める。具体的には、HORIBA製やJ.A.Woolam JAPAN製のエリプソメータを用いて、温度25℃で測定した値とする。
 誘電体層の屈折率は、例えば、二酸化チタン(TiO )が2.3、酸化亜鉛(ZnO)が1.83、錫ドープ酸化インジウム(ITO)が1.9、五酸化ニオブ(Nb )が2.3、酸化セリウム(CeO )が2.2、酸化ジルコニウム(ZrO、ZrO )が2.2である。一実施形態では、積層体における誘電体層の屈折率は、金属薄膜層の屈折率よりも高い。
[0030]
 誘電体層の膜厚は、一実施形態では10nm以上であり、別の実施形態では15nm以上であり、さらに別の実施形態では18nm以上であり、さらに別の実施形態では20nm以上であり、さらに別の実施形態では30nm以上であり、さらに別の実施形態では32.5nm以上であり、さらに別の実施形態では35nm以上であり、また、一実施形態では80nm以下であり、別の実施形態では50nm以下であり、さらに別の実施形態では40nm以下であり、さらに別の実施形態では36nm以下である。
 本発明では、誘電体層が積層体の最も外側に位置するため、誘電体層は少なくとも2層存在する。各誘電体層の材料および膜厚は、それぞれ、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
[0031]
<金属薄膜層>
 金属薄膜層は、赤外光を反射する機能を有する。金属薄膜層は、平板顔料粒子を含む塗膜に優れた赤外光反射性を付与する。
[0032]
 金属薄膜層の材料としては、従来公知の金属薄膜層または赤外反射層の材料を用いることができる。金属薄膜層の材料としては、例えば、銀、銀化合物、アルミニウム、銅、金、パラジウム、亜鉛、チタン、クロムおよびケイ素などが挙げられる。金属薄膜層の材料は、上述したものを1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。銀化合物は、銀を主成分(例えば、組成の50質量%以上)として含む銀化合物をいう。銀化合物としては、例えば、銀-インジウム系合金、銀-金系合金、銀-パラジウム-金系合金などを用いることができる。
 好ましい一実施形態では、金属薄膜層の材料は、銀、銀化合物、アルミニウム、亜鉛およびチタンからなる群より選択される1種以上である。
[0033]
 金属薄膜層の膜厚は、赤外光反射性を高めることができる範囲で誘電体層と金属薄膜層の屈折率を考慮して適宜設定すればよい。例えば、5~20nmである。金属薄膜層の膜厚は、一実施形態では5nm以上であり、別の実施形態では8nm以上であり、さらに別の実施形態では10nm以上であり、また、一実施形態では20nm以下であり、別の実施形態では15nm以下であり、さらに別の実施形態では14nm以下である。金属薄膜層の膜厚が20nm以下であると、塗膜の可視光透過性が高まり、5nm以上であると、塗膜の赤外光反射性が高まる。
 金属薄膜層が2層以上ある場合、各金属薄膜層の材料および膜厚は、それぞれ、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
[0034]
<表面処理層>
 平板顔料粒子は、任意に、図3に示すように積層体の表面に表面処理層を有していてもよい。表面処理層は、塗膜中で後述する樹脂成分が積層体の端部を含む誘電体層や金属薄膜層と接触して酸化させるなど積層体が劣化するのを抑制する機能を有する。これにより、塗膜が優れた耐候性を有する。表面処理層は、積層体の端部を含む表面の少なくとも一部に設けられていればよく、積層体の表面全体に設けられていてもよい。
 表面処理層の材料としては、その機能を考慮して公知の材料から適宜選択することができる。例えば、酸化アルミニウム、シリカおよび酸化ジルコニウムなどが挙げられる。表面処理層の材料は、上述したものを1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。後述する表面張力調整層としてステアリン酸を用いる場合、酸化アルミニウムは表面張力調整層の吸着性下地としても機能し得る。
 表面処理層の膜厚は、その機能を考慮して適宜調節すればよい。例えば、0.5~15nmとすることができる。好ましくは、1~10nmである。
[0035]
<平板顔料粒子の最大径>
 平板顔料粒子の最大径は、平板顔料粒子の最大長さ(長軸)を意味する。具体的には、平板顔料粒子の最大径は、塗料組成物中または塗膜中の有機材料を、JIS K 7250-1:2006における灰分測定に適用するのと同様の方法で燃焼し、燃焼残渣に含まれる平板顔料粒子をキーエンス社製の形状解析レーザー顕微鏡「VK-X 250」を用いて観察して求める。また、平板顔料粒子の最大径の平均は、前記燃焼残渣に含まれる任意に選んだ平板顔料粒子100個の最大径の数平均を意味する。
 平板顔料粒子の最大径の平均は、一実施形態では1000nm以上であり、別の実施形態では6000nm以上であり、さらに別の実施形態では10000nm以上であり、また、別の実施形態では20000nm以下である。平板顔料粒子の最大径の平均が1000nm以上の場合、可視光の波長領域(380~780nm)におけるミー散乱を抑制して、塗膜のヘイズを更に低減できる。
 塗膜のヘイズを更に小さくする観点から、平板顔料粒子の最大径の平均は、可視光の波長(380~780nm)より十分に大きいことが好ましく、平板顔料粒子の最大径の平均は、6000nm以上であることがさらに好ましい。
[0036]
<平板顔料粒子の厚み>
 平板顔料粒子の厚みは、平板顔料粒子の最大径が存在する平面に対して垂直をなす方向の平板顔料粒子の長さを意味する。具体的には、平板顔料粒子の厚みは、塗料組成物中または塗膜中の有機材料を、JIS K 7250-1:2006における灰分測定に適用するのと同様の方法で燃焼し、燃焼残渣に含まれる平板顔料粒子の最大径が存在する平面に対して垂直をなす方向の平板顔料粒子の長さを、キーエンス社製の形状解析レーザー顕微鏡「VK-X 250」を用いて観察して求める。また、平板顔料粒子の厚みの平均は、前記燃焼残渣に含まれる任意に選んだ平板顔料粒子100個の厚みの数平均を意味する。
 平板顔料粒子の厚みの平均は、一実施形態では50nm以上であり、別の実施形態では80nm以上であり、さらに別の実施形態では95nm以上であり、また、一実施形態では300nm以下であり、別の実施形態では150nm以下であり、さらに別の実施形態では115nm以下であり、さらに別の実施形態では100nm以下であり、さらに別の実施形態では95nm以下であり、さらに別の実施形態では80nm以下である。平板顔料粒子の厚みの平均が300nm以下の場合、可視光の波長領域(380~780nm)におけるミー散乱を抑制でき、塗膜のヘイズを更に低減できる。
 塗膜のヘイズを更に小さくする観点から、平板顔料粒子の厚みの平均は、可視光の波長(380~780nm)よりも十分に小さいことが好ましく、その観点から、平板顔料粒子の厚みの平均は、可視光の波長の半分以下であることが好ましく、145nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、80nm以下であることがさらに好ましい。
[0037]
<平板顔料粒子のアスペクト比>
 平板顔料粒子のアスペクト比(平板顔料粒子の最大径の平均を、平板顔料粒子の厚みの平均で除した値)は、700以下が好ましく、10~400の範囲が更に好ましい。アスペクト比が700以下であり、かつ後述する顔料面密度が300%以下であることにより、塗膜の電波透過性が向上する。また、アスペクト比が10以上であり、かつ後述する顔料面密度が50%以上であることにより、塗膜の赤外光反射性と可視光透過性が更に向上する。
 平板顔料粒子のアスペクト比は、一実施形態では25以上であり、別の実施形態では50以上であり、さらに別の実施形態では75以上であり、さらに別の実施形態では85以上であり、さらに別の実施形態では100以上であり、さらに別の実施形態では115以上であり、さらに別の実施形態では120以上であり、さらに別の実施形態では125以上であり、また、一実施形態では370以下であり、別の実施形態では250以下である。
 塗膜のヘイズを更に小さくする観点から、平板顔料粒子のアスペクト比は、75以上であることが好ましい。
[0038]
<平板顔料粒子の製造方法>
 平板顔料粒子の製造方法は、特に限定されず、従来公知の顔料積層体などの製造方法を用いることができる。例えば、特許文献1に記載の第1製造方法、第2製造方法などを用いることができる。また、平板顔料粒子の製造方法として、溶液中で積層体を形成させる湿式法を用いてもよい。湿式法による製造方法として、例えば、特開2002-004031号公報または国際公開第2015/111095号に記載の方法などによって合成した平板状金属に、中和滴定法または均一沈殿法などの公知の金属水和酸化物被覆処理を行ったのち焼成することによって、平板状金属を誘電体層で被覆する方法を用いることができる。また、湿式法による製造方法として、例えば、平板状アルミナ粒子を、無電解メッキ法などにより金属薄膜層で被覆し、さらに、中和滴定法または均一沈殿法などの公知の金属水和酸化物被覆処理を行ったのち焼成することによって、誘電体層で被覆する方法を用いてもよい。また、上記の方法によって製造した金属層と誘電体層の積層体を用いて、後述の第1製造方法と同様に、必要に応じて表面処理層を形成し、粉砕したものを、湿式法による平板顔料粒子として用いてもよい。また、平板顔料粒子の表面に必要に応じて後述する表面張力調整層を形成してもよい。以下では、第1製造方法および第2製造方法を例示説明する。
[0039]
<第1製造方法>
 図5は、平板顔料粒子の製造方法の一例としての第1製造方法を示す模式図である。この例では、平板顔料粒子1の製造方法は、支持体20上に積層体10を形成する工程(以下、積層体形成工程という)と、積層体10を支持体20から剥離する工程(以下、剥離工程という)と、剥離された積層体10を粉砕する工程(以下、粉砕工程という)と、を含む。
[0040]
 また、第1製造方法では、任意に、積層体形成工程の前に支持体に剥離層を形成する工程;粉砕工程の前、後または粉砕工程中に、積層体の表面の少なくとも一部に表面処理層を形成する工程;粉砕した積層体または形成した平板顔料粒子を分級する工程などを含んでいてもよい。なお、図5では、これらの任意工程は示していない。
[0041]
 第1製造方法の積層体形成工程では、支持体の少なくとも一方の面(図5では上面)上に、誘電体層および金属薄膜層を交互に積層することで積層体を形成する。必要に応じて支持体の両面に積層体を形成してもよい。
[0042]
 支持体の材料としては、例えば、支持体などの用途に使用される高分子材料または無機材料などが用いられる。これらは透明な材料または不透明な材料のいずれであってもよい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0043]
 高分子材料としては、例えば、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリ塩化ビニル、三酢酸セルロース、水溶性フィルム(デンプン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)などのセルロース誘導体またはセルロース系高分子、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリエチレンオキシド(PEO))などの樹脂フィルムなどが挙げられる。
[0044]
 無機材料としては、例えば、金属材料と非金属材料が挙げられる。
 金属材料としては、例えば、各種ステンレス鋼(SUS)、金、白金、銀、銅、ニッケル、コバルト、チタン、鉄、アルミニウム、スズ;ニッケル-チタン(Ni-Ti)合金、ニッケル-コバルト(Ni-Co)合金、コバルト-クロム(Co-Cr)合金、亜鉛-タングステン(Zn-W)合金などが挙げられる。
 非金属材料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、酸化錫(IV)、ITO、ATOなどの無機化合物;ソーダ石灰シリカガラス、シリカガラスなどのガラスなどが挙げられる。
 この他、無機材料としては、金属-セラミックス複合体を用いてもよい。金属-セラミックス複合体としては、例えば、アルミ-シリコンカーバイド複合体、シリコン-シリコンカーバイド複合体などが挙げられる。
[0045]
 支持体の厚みは、特に限定されず、適宜調節すればよい。例えば、0.01~10mmとすることができる。好ましくは0.05~5mmである。支持体は、1枚単独で用いてもよいし、種類や厚みの異なるものを2枚以上重ねて用いてもよい。
[0046]
<積層体形成工程>
 積層体形成工程では、誘電体層および金属薄膜層を、それぞれ、電子ビーム蒸着法(EB)、化学気相蒸着法(CVD)、スパッタリング法、溶液塗布法、イオンプレーティング法、ディッピング法またはスプレー法などにより、支持体上に積層し、支持体上に積層体を形成する。中でも、電子ビーム蒸着法(EB)、化学気相蒸着法(CVD)、スパッタリング法および溶液塗布法が好ましい。積層の順序としては、積層体において誘電体層が最も外側に位置することから、通常は、支持体上に誘電体層を形成し、その後、金属薄膜層および誘電体層を1回または2回以上順次形成する。
[0047]
<剥離工程>
 剥離工程では、積層体を支持体から剥離する。剥離方法は特に限定されず、公知の剥離方法を用いることができる。例えば、支持体として水溶性フィルムを用いた場合は、積層体を有する支持体を水中に浸漬することで支持体である水溶性フィルムが溶解して積層体を剥離することができる。また、後述する剥離層を支持体の表面に設けた場合は、剥離層により積層体を容易に剥離することができる。また、積層体を有する支持体を水槽に浸漬し、これに超音波を適用して支持体から積層体を剥離する方法も用いることができる。
[0048]
<粉砕工程>
 粉砕工程では、支持体から剥離した積層体を所望の大きさ(最大径)に粉砕する。粉砕方法としては、公知の顔料などの粉砕方法を用いることができる。例えば、粉砕機による機械的粉砕、振動ミル、ボールミル、ジェットミル、超音波ホモジナイザーなどを用いた湿式粉砕および乾式粉砕が用いられる。積層体の最大径の平均を調節する手法としては、上記粉砕方法における投入エネルギー、具体的には、例えば機械的粉砕を行う場合、装置出力や粉砕時間を調節すればよい。また、具体的には、例えば超音波ホモジナイザーを用いた粉砕を行う場合、装置出力や振幅、粉砕時間を調節すればよい。例えば、超音波ホモジナイザーを用いた粉砕の場合、装置出力は15W~240W、振幅は10μm~60μm、粉砕時間は30秒~3600秒の範囲で調節すればよい。
[0049]
 湿式粉砕の溶媒としては、積層体の構成成分が溶解しない溶媒であればよく、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール、エチレングリコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類;クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化物;ブタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン(THF)、ブチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)などのアミド類などが挙げられる。溶媒は、これらを1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、超音波によって積層体を粉砕してもよい。
[0050]
 乾式粉砕の場合には、積層体を液体窒素などで冷却してから粉砕してもよい。
[0051]
 後述する表面処理層を形成する工程を行わない場合、粉砕工程によって得られる粉砕された積層体が平板顔料粒子となる。
[0052]
<第1製造方法の任意の工程>
 上述したように第1製造方法では、任意に、積層体形成工程の前に支持体に剥離層を形成する工程を含んでいてもよい。剥離層を形成する工程では、より具体的には、例えば、積層体形成工程の前に支持体の表面に、アクリル樹脂などを原料とした剥離層を形成する。剥離層の形成方法は、特許文献1に記載の方法など、従来公知の方法を用いることができる。支持体の表面に剥離層を形成することにより、その後の剥離工程において、積層体を支持体から容易に剥離することができる。
[0053]
 また、第1製造方法では、任意に、粉砕した積層体または形成した平板顔料粒子を分級する工程を含んでいてもよい。分級の方法としては、特に限定されず、従来公知の分級方法を用いることができる。例えば、特許文献1に記載の分級機などを用いた分級法が挙げられる。
[0054]
 また、第1製造方法では、任意に、粉砕工程の前、後または粉砕工程中に、積層体の表面の少なくとも一部に表面処理層を形成する工程を含んでいてもよい。一実施形態では、粉砕工程の後に、積層体の表面の少なくとも一部に表面処理層を形成する工程を含む。
[0055]
 表面処理層の形成方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、中和加水分解法、ゾルゲル法、加熱分解法などが挙げられる。これらの方法により、積層体の端面(積層体の厚み方向の面)にも均一に表面処理層を形成することができる。
[0056]
 中和加水分解法の具体例としては、粉砕後の積層体を蒸留水中に分散させてスラリーを調製し、そのスラリーにアルミン酸ナトリウム水溶液を添加する。アルミン酸ナトリウム水溶液の添加中、硫酸を添加することにより、スラリーのpHを約6.5に維持する。アルミン酸ナトリウム水溶液を添加後、ろ別し、水で洗浄することで、酸化アルミニウムからなる表面処理層を積層体の表面に形成することができる。
[0057]
 また、ゾルゲル法の例としては、有機金属化合物などの溶液を加水分解および重縮合させ、ゾルを形成した後にゲル化する。その後、加熱することにより、金属酸化物からなる表面処理層を積層体の表面に形成することができる。
[0058]
<第2製造方法>
 図6は、平板顔料粒子の製造方法の別の一例としての第2製造方法を示す模式図である。図6に示すように、第2製造方法は、積層体形成工程と、支持体20を含む積層体10を粉砕する工程と、を含む。第2製造方法は、支持体20が平板顔料粒子1の一部を構成する点において、第1製造方法と相違する。なお、図6の例では、支持体20が積層体10の誘電体層11として機能する。
[0059]
<積層体形成工程>
 積層体形成工程では、支持体上に誘電体層と金属薄膜層の1種類以上の層を積層して積層体を形成する。第2製造方法の支持体としては、第1製造方法で列挙した支持体の材料のうち、透明なものを用いる。
[0060]
 支持体が積層体の誘電体層を構成する場合、支持体の材料は、上述した誘電体層の材料を用いればよい。支持体が積層体の金属薄膜層を構成する場合、支持体の材料は、上述した金属薄膜層の材料を用いればよい。
[0061]
 支持体が積層体の誘電体層または金属薄膜層のいずれを構成する場合であっても、積層体形成工程では、最終的な積層体の最も外側の層が誘電体層となるように、支持体の片面または両面に、誘電体層と金属薄膜層の1種類以上の層を積層すればよい。
[0062]
<支持体を含む積層体を粉砕する工程>
 第2製造方法では、支持体を含む積層体を粉砕する工程を含む。粉砕する方法は、第1製造方法で挙げた方法と同様の方法を用いることができる。
[0063]
<第2製造方法の任意の工程>
 第2製造方法では、支持体が積層体の誘電体層または金属薄膜層のいずれかを構成するため、支持体に剥離層を形成する工程がなくともよいが、必要に応じて支持体に剥離層を形成する工程を含んでいてもよい。支持体に剥離層を形成する方法は、第1製造方法で説明した方法と同様である。
[0064]
 また、第2製造方法では、第1製造方法と同様に、任意に、粉砕した積層体または形成した平板顔料粒子を分級する工程;粉砕工程の前、後または粉砕工程中に、積層体の表面の少なくとも一部に表面処理層を形成する工程を含んでいてもよい。これらの工程は、第1製造方法と同様であるので説明は省略する。
[0065]
<表面張力調整層>
 平板顔料粒子は、任意に、その表面を表面張力調整層で被覆されていてもよい。表面張力調整層は、平板顔料粒子の表面の少なくとも一部に設けられていればよく、平板顔料粒子の表面全体に設けられていてもよい。
[0066]
 表面張力調整層の材料は、その機能を考慮して公知の材料から適宜選択することができる。例えば、ステアリン酸、オレイン酸、ホスホン酸およびリン酸エステルなどが挙げられる。表面張力調整層の材料は、上述したものを1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0067]
 表面張力調整層の材料の配合量は、その機能を考慮して適宜調節すればよい。例えば、表面張力調整層の配合量は平板顔料粒子100質量部に対して0.01~10質量部とすることができる。好ましくは、0.1~3質量部である。
[0068]
 表面張力調整層の厚みは、その機能を考慮して適宜調節すればよい。例えば、表面張力調整層の厚みは0.1~10nmとすることができる。好ましくは0.1~5nm、より好ましくは0.1~2nmである。
[0069]
 表面張力調整層の形成方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、ステアリン酸と石油蒸留物を含む溶液中に、平板顔料粒子を配合し、超音波バスを用いて分散する。次いで、その分散物を吸引ろ過して溶媒で洗浄した後、乾燥する。これにより、表面張力調整層を平板顔料粒子上に形成することができる。
[0070]
 平板顔料粒子の質量と、樹脂成分及び硬化剤の合計質量と、の合計に対する、平板顔料粒子の質量の割合は、例えば、0.5質量%以上、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、または10質量%以上である。平板顔料粒子の質量と、樹脂成分及び硬化剤の合計質量と、の合計に対する、平板顔料粒子の質量の割合は、例えば、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、3質量%以下、または1質量%以下である。
[0071]
<樹脂成分>
 樹脂成分は塗膜形成要素としての働きを有する。本発明において、樹脂成分は、イソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)、イソシアヌル酸2-ヒドロキシエチルビス(2-アクリロイルオキシエチル)、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン及びイソシアヌル酸トリグリシジルからなる群から選択される1種以上を含む。理論に拘束されることを望むものではないが、これらの樹脂成分は、平板顔料粒子の表面と相互作用して、平板顔料粒子の凝集を抑制することで、塗膜のヘイズを減少させ、加えて、通常の樹脂成分よりも屈折率が大きいため、平板顔料粒子と樹脂成分との間の局所的な屈折率差が緩和され、光散乱が抑制されることで、塗膜のヘイズを減少させるものと考えられる。
[0072]
 なお、樹脂成分は、他の樹脂成分を含んでも、含まなくてもよく、即ち、イソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)、イソシアヌル酸2-ヒドロキシエチルビス(2-アクリロイルオキシエチル)、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン及びイソシアヌル酸トリグリシジルからなる群から選択される1種以上のみからなってもよい。樹脂成分は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 また、樹脂成分中の、イソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)、イソシアヌル酸2-ヒドロキシエチルビス(2-アクリロイルオキシエチル)、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン及びイソシアヌル酸トリグリシジルからなる群から選択される1種以上の含有率(合計含有率)は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上であり、100質量%であってもよい。
[0073]
 前記他の樹脂成分としては、例えば、特許文献1に記載のアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂などを挙げることができる。
[0074]
 塗料組成物における、樹脂成分の含有量は、例えば、塗料組成物の固形分合計100質量部に対して、50質量部以上、70質量部以上、75質量部以上、80質量部以上、85質量部以上、90質量部以上、または95質量部以上である。また、塗料組成物における、樹脂成分の含有量は、例えば、塗料組成物の固形分合計100質量部に対して、100質量部未満、95質量部以下、90質量部以下、85質量部以下、80質量部以下、75質量部以下、または70質量部以下である。
[0075]
<硬化剤>
 硬化剤は、塗料組成物、特には樹脂成分を硬化させる働きを有する。該硬化剤としては、光又は熱によりラジカルを発生する化合物もしくは光により酸を発生する化合物が好ましい。硬化剤が光又は熱によりラジカルを発生したり、光により酸を発生する場合、塗料組成物を被塗布物に塗布した後、光を照射したり、加熱することにより、ラジカルもしくは酸が発生し、上述の樹脂成分の硬化を促進できる。
 また、該硬化剤としては、窒素、硫黄およびリンから選択される1種以上の元素を含む化合物が好ましく、これらの中でも、アレニウス酸塩基以外の窒素、硫黄およびリンから選択される1種以上の元素を含む化合物が更に好ましく、これらの中でも、芳香環を有する化合物がより一層好ましい。
[0076]
 本発明において、硬化剤は、塗料組成物、特には樹脂成分を硬化させる作用の他に、塗料組成物から形成した塗膜のヘイズを低減する効果も有する。理論に拘束されることを望むものではないが、硬化剤が平板顔料粒子の表面に吸着し、平板顔料粒子と樹脂成分との親和性が向上して、平板顔料粒子の凝集を抑制することで、塗膜のヘイズが低減されるものと考えられる。
[0077]
 硬化剤としては、具体的には、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、α-クミルパーオキシネオデカノエート、2-メチル-2-[(4-メチルフェニル)スルフォニル]-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-1-プロパノン等が挙げられる。硬化剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0078]
 一実施形態では、硬化剤は、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、α-クミルパーオキシネオデカノエートおよび2-メチル-2-[(4-メチルフェニル)スルフォニル]-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-1-プロパノンからなる群より選択される1種以上である。
[0079]
 塗料組成物における、硬化剤の含有量は、前記樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、更に好ましくは2質量部以上であり、また、35質量部以下が好ましく、更に好ましくは25質量部以下であり、更に好ましくは20質量部以下であり、更に好ましくは10質量部以下である。硬化剤の含有量が、前記樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上であれば、樹脂成分の硬化が十分な速度で進む。また、硬化剤の含有量が、前記樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上35質量部以下であれば、塗膜のヘイズを更に低減できる。
[0080]
 塗料組成物における、平板顔料粒子の質量と、樹脂成分及び硬化剤の合計質量と、の比率(平板顔料粒子の質量:樹脂成分と硬化剤の合計質量)は、0.5:99.5~15:85の範囲が好ましい。平板顔料粒子の質量と、樹脂成分及び硬化剤の合計質量と、の比率がこの範囲内であれば、塗膜の赤外光反射性と可視光透過性を更に向上させつつ、塗膜のヘイズを更に小さくすることができる。
[0081]
<その他の成分>
 塗料組成物は、平板顔料粒子と樹脂成分と硬化剤以外に、溶剤、タレ防止剤、粘度調整剤、沈降防止剤、架橋促進剤、レベリング剤、表面調整剤、消泡剤、可塑剤、防腐剤、防カビ剤、紫外線安定剤などのその他の成分を含んでいてもよい。これらその他の成分はそれぞれ、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0082]
 溶剤としては、従来公知の塗料組成物の溶剤を適宜選択して用いることができる。例えば、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノールなどのアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエステル類;ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、1,3-オクチレングリコールなどのグリコール類;ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン(NMP)などのアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、メシチレン、ドデシルベンゼンなどの芳香族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメチレンなどのハロゲン系溶媒などが挙げられる。
[0083]
<塗料組成物の調製方法>
 塗料組成物の調製方法は、特に限定されず、上述した平板顔料粒子、樹脂成分及び硬化剤、ならびに任意成分であるその他の成分を従来公知の方法により、混合して調製することができる。後述する方法により平板顔料粒子の水面拡散面積の値を得た後、形成する塗膜について塗膜比重、膜厚および後述する顔料面密度が予め想定される場合は、例えば、塗料組成物の調製の際に当該水面拡散面積に応じて顔料質量濃度を調節することにより、塗膜の顔料面密度を所望の値に容易に調節することができる。
[0084]
(塗膜)
 本発明の塗膜は、平板顔料粒子と、樹脂成分と、硬化剤と、を含む。該塗膜は、平板顔料粒子と樹脂成分と硬化剤以外のその他の成分を含んでいてもよい。
 ここで、平板顔料粒子、樹脂成分、硬化剤、その他の成分については、塗料組成物の項で説明した通りである。
[0085]
 一実施形態では、本発明の塗膜は、本発明に係る塗料組成物を用いて作製された塗膜である。
[0086]
<塗膜の作製方法>
 本発明に係る塗膜は、例えば、上述した、本発明の塗料組成物を用いて被塗布面上に作製することができる。
 塗膜の作製には、従来公知の塗装方法を用いることができる。例えば、アプリケータ、バーコーター、刷毛、スプレー、ローラー、ロールコーター、カーテンコーターなどを用いて塗装することができる。塗料組成物を塗布した後の乾燥温度は、溶剤などに応じて適宜調節すればよい。例えば、10秒~30分などの短時間での乾燥が必要な場合には、30~200℃とすることができ、40~160℃が好ましい。短時間での乾燥が必要な場合には、紫外線などのエネルギー線を用いてもよい。また、短時間での乾燥が必要でない場合には、例えば室温などで乾燥してもよい。
[0087]
 本発明に係る塗膜の膜厚は、1μm以上であることが好ましい。塗膜の膜厚が1μm以上であれば、高い電波透過性が得られる。膜厚の上限は、所望の赤外光反射性と可視光透過性などに応じて適宜調節すればよい。膜厚は、一実施形態では3μm以上であり、別の実施形態では15μm以上であり、一実施形態では50μm以下であり、別の実施形態では40μm以下であり、更に別の実施形態では35μm以下である。一実施形態では、塗膜の膜厚は、3~50μmである。なお、ここでの塗膜の膜厚は、乾燥膜厚を指す。
 塗膜のヘイズを小さくする観点から、塗膜の膜厚は、平板顔料粒子が塗膜表面に突出せずに塗膜内に含まれる厚みであることが好ましく、その観点から、塗膜の膜厚は、3μm以上であることが好ましい。また、乾燥前の塗膜をたれにくくする観点から、塗膜の膜厚は、50μm以下であることが好ましい。
[0088]
<顔料面密度>
 塗膜における顔料面密度は、50~300%の範囲が好ましい。平板顔料粒子のアスペクト比が700以下であり、かつ塗膜の顔料面密度が300%以下であることにより、塗膜の電波透過性が向上する。また、平板顔料粒子のアスペクト比が10以上であり、かつ塗膜の顔料面密度が50%以上であることにより、塗膜の赤外光反射性と可視光透過性が更に向上する。
 顔料面密度は、一実施形態では50%以上であり、別の実施形態では75%以上であり、また、一実施形態では250%以下である。
[0089]
 顔料面密度は、平板顔料粒子が互いに重なり合わずに所定の面積の面上に配列した状態で当該面を過不足なく覆う含有量に対して、塗膜に含まれる平板顔料粒子の含有量の質量割合(%)である。したがって、顔料面密度が100%の場合、塗膜に含まれる平板顔料粒子の含有量は、平板顔料粒子が互いに重なり合わずに所定の面積の面を過不足なく覆う含有量と等しい。顔料面密度は、具体的には以下の式(1)から算出する。
  顔料面密度(%)=水面拡散面積(cm /g)×顔料質量濃度(%)×塗膜比重(g/cm )×膜厚(cm) ・・・ 式(1)
[0090]
 式(1)中、水面拡散面積(cm /g、WCA)は、JIS K 5906:1998に準拠した方法に従って求める。例えば、平板顔料粒子の厚みを小さくすることで水面拡散面積を大きくすることができ、平板顔料粒子の厚みを大きくすることで水面拡散面積を小さくすることができる。
[0091]
 また、式(1)中、顔料質量濃度(%、PWC)は、単位質量の塗膜について以下の式(2)から算出する。
  顔料質量濃度(%)=平板顔料粒子の質量(g)×100/(塗膜の質量(g)) ・・・ 式(2)
[0092]
(物品)
 本発明に係る塗膜は、種々の物品に適用することができる。
 塗膜を形成する被塗布物、塗布面または塗布対象としては、赤外光反射性及び可視光透過性が要求される物、面または対象であれば特に限定されず、適宜選択することができる。例えば、被塗布物、塗布面または塗布対象としては、自動車、鉄道車両などの車両の車体(ボディ)、航空機の機体、船舶の船体および上部構造物(艤装)、の内装および外装;建築物の内装および外装;家具、建具;車両、航空機、船舶、建築物などの窓ガラス;ガラス製、アクリル製、ポリカーボネート製などのケース、容器、樹脂板、フィルムなどの透明体;ディスプレイ、モニター、冷蔵庫などの電化製品の筺体およびガラス部材;これらに塗装した塗膜;などが挙げられる。
 したがって、本発明に係る塗膜を設けた物品としては、例えば、自動車、鉄道車両などの車両、航空機、船舶、建築物、家具、建具、窓ガラス、透明体、電化製品などが挙げられる。
実施例
[0093]
 以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
[0094]
 積層体形成工程の支持体として、TP技研社製の50mm×50mm×2mmのガラス板を用いた。
[0095]
 剥離層を形成するアクリル樹脂として、DIC社製の「アクリディック(登録商標)A-1371」を用いた。
[0096]
 誘電体層および金属薄膜層の形成には、アルバック社製の真空蒸着装置「EX-200」を用いた。膜厚の制御には、アルバック社製の水晶発振式成膜コントローラ「CRTM-6000G」を用いた。
[0097]
 超音波装置として、日本精機製作所社製の超音波ホモジナイザー「US-600T」を用いた。
[0098]
 表面抵抗率の測定には、日置電機社製の超絶縁計「SM-8220」を用いた。
[0099]
 可視光透過率および日射熱取得率の測定には、島津製作所社製の分光光度計「UV-3600」を用いた。
[0100]
 ヘイズの測定には、日本電色工業社製のヘーズメーター「型番NDH 2000」を用いた。
[0101]
(実施例1)
 第1製造方法により以下のように平板顔料粒子を製造した。
[0102]
 酢酸ブチルを用いて剥離層を形成するアクリル樹脂(A-1371)を濃度10質量%(固形分換算)に調整した。次いで、このアクリル樹脂溶液を支持体の一面側にスピンコーターで乾燥膜厚1μmとなるように塗布した。その後、これを80℃で15分間乾燥し、支持体の一面側に剥離層を形成した。
[0103]
 その剥離層上に、上記真空蒸着装置を用いて電子ビーム蒸着法により、第一層として膜厚40nmの誘電体層(ITO層)、第二層として膜厚15nmの金属薄膜層(Ag層)および第三層として膜厚40nmの誘電体層(ITO層)を交互に積層して、厚み95nmの積層体を形成した。
[0104]
 得られた積層体を含む支持体をアセトンに30分間浸漬して剥離層を溶解させて、積層体を支持体から剥離させた。次いで、支持体を除去したのち、積層体を含有するアセトンに超音波処理を行い、積層体を粉砕した。次いで、粉砕した積層体を含有するアセトンを1時間静置したのち、上澄みをデカンテーションにより除去し、真空デシケーターを用いて一晩減圧乾燥した。表面処理層と表面張力調整層の形成は行わず、得られた積層体を平板顔料粒子として用いた。得られた平板顔料粒子100個の最大径を、キーエンス社製のレーザーマイクロスコープ「VK-X 250」を用いて測定し、その平均を算出したところ、最大径の平均は10000nmであった。また、積層体作製時の膜厚の制御によって平板顔料粒子の厚みの平均は95nmであった。これらからアスペクト比は105と算出した。
[0105]
<塗料組成物の調製>
 得られた平板顔料粒子と溶剤(酢酸エチルおよび酢酸ブチルの混合液)とを混合し、撹拌してスラリーとした。次いで、樹脂成分としてのイソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)95質量部と、硬化剤としての1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン5質量部からなる混合物に、前記スラリーを、膜厚3μm(3×10 -4cm)の塗膜を形成したときの、塗膜の顔料面密度が75%となるように顔料質量濃度を調節して添加し、撹拌して、塗料固形分が50質量%の塗料組成物を得た。
[0106]
<塗膜の形成>
 次いで、得られた塗料組成物を、ガラス板上にバーコーターを用いて乾燥膜厚が3μmになるように塗布した。塗布後に室温で10分間静置し、60℃で10分間乾燥した後、高圧水銀灯を用いて積算光量180mJ/cm の紫外線を照射して、膜厚3μmの塗膜を得た。
[0107]
(実施例2~18、20~34及び36~45、並びに、比較例1~2)
 積層体(平板顔料粒子)の層の材料、層構成及び層の膜厚、平板顔料粒子の厚みの平均及びアスペクト比、並びに塗膜の膜厚を表1、表2又は表3に示す通りとし、更に、表1、表2又は表3に示す樹脂成分及び硬化剤を、表1、表2又は表3に示す量で使用したこと以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、塗膜を形成した。塗膜の顔料面密度は、いずれも75%である。
 なお、実施例22においては、積層体を粉砕、減圧乾燥した後、蒸留水に入れ、45~70℃とし、撹拌しながら、顔料に対して4質量%となるようにアルミン酸ナトリウムを加えた。その際、硫酸を用いて、スラリーのpHを6~9に保持することで、酸化アルミニウムの表面処理層が形成された赤外反射性顔料を調製し、濾過して蒸留水で洗浄したのち、減圧乾燥して、アルミナ(Al )からなる表面処理層を形成した。
 また、実施例24においては、金属薄膜層に、銀合金として、銀-インジウム系合金を用いた。
[0108]
(実施例19、35及び46)
 積層体(平板顔料粒子)の層の材料、層構成及び層の膜厚、平板顔料粒子の厚みの平均及びアスペクト比、並びに塗膜の膜厚を表1、表2又は表3に示す通りとし、更に、表1、表2又は表3に示す樹脂成分及び硬化剤を、表1、表2又は表3に示す量で使用したこと以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製した。
 次いで、得られた塗料組成物を、ガラス板上にバーコーターを用いて乾燥膜厚が7μmになるように塗布した。塗布後に室温で2分間静置し、60℃で70分間乾燥して、膜厚7μmの塗膜を得た。塗膜の顔料面密度は、いずれも75%である。
[0109]
(塗膜の評価)
 以下に示すように、各実施例および比較例の塗膜について、電波透過性、可視光透過性、赤外光反射性及びヘイズを評価した。結果を表1、表2または表3に示す。
 なお、比較例2については、塗膜を形成できなかったため、評価を行わなかった。
[0110]
<電波透過性>
 得られた塗膜について、上記超絶縁計「SM-8220」を用いて、23℃、50%環境下で印加電圧100Vにて、表面抵抗率を測定し、以下の基準で電波透過性を評価した。
 評価3が最も電波透過性に優れることを表し、評価2および評価3が合格であり、評価1は不合格である。
  評価1:表面抵抗率が1.0×10 10Ω/□未満
  評価2:表面抵抗率が1.0×10 10Ω/□以上1.0×10 11Ω/□未満
  評価3:表面抵抗率が1.0×10 11Ω/□以上
[0111]
<可視光透過性および赤外光反射性>
 得られた塗膜について、JIS-R3106:1998「板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法」に準拠して、可視光透過率と日射熱取得率を測定し、測定した日射熱取得率の値を用いて以下の式(3)から遮熱係数を算出した。
  遮熱係数=日射熱取得率/0.88 ・・・ 式(3)
 そして、以下の基準で可視光透過性および赤外光反射性を評価した。
 評価3が最も可視光透過性または赤外光反射性に優れることを表し、評価2および評価3が合格であり、評価1は不合格である。
[0112]
-可視光透過性-
  評価1:可視光透過率が70%未満
  評価2:可視光透過率が70%以上80%未満
  評価3:可視光透過率が80%以上
[0113]
-赤外光反射性-
  評価1:遮熱係数が0.85より大きい
  評価2:遮熱係数が0.75より大きく0.85以下
  評価3:遮熱係数が0.75以下
[0114]
<ヘイズ>
 得られた塗膜について、上記ヘーズメーターを用いてヘイズを測定した。以下の基準でヘイズを評価した。
 評価3が最もヘイズが小さいことを表し、評価2および評価3が合格であり、評価1は不合格である。
  評価1:ヘイズ値が4.5%より大きい
  評価2:ヘイズ値が2.5%より大きく4.5%以下
  評価3:ヘイズ値が2.5%以下
[0115]
[表1]


[0116]
[表2]


[0117]
[表3]


[0118]
*1 樹脂成分の材料種の欄において、
 「A」は、イソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)を示し、
 「B」は、イソシアヌル酸2-ヒドロキシエチルビス(2-アクリロイルオキシエチル)を示し、
 「C」は、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジンを示し、
 「D」は、イソシアヌル酸トリグリシジルを示し、
 「X」は、トリメチロールプロパントリス(ジプロピレングリコールアクリレート)を示し、
 実施例9は、AとXの2種を使用し、実施例13、29および40は、AとBの2種を使用した。
[0119]
*2 硬化剤の材料種の欄において、
 「a」は、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを示し、
 「b」は、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オンを示し、
 「c」は、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オンを示し、
 「d」は、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドを示し、
 「e」は、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイドを示し、
 「f」は、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノンを示し、
 「g」は、α-クミルパーオキシネオデカノエートを示し、
 「h」は、2-メチル-2-[(4-メチルフェニル)スルフォニル]-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-1-プロパノンを示し、
 実施例7~9及び21は、aとdの2種を使用し、実施例20は、aとcの2種を使用した。
[0120]
*3 硬化条件の欄において、
 「α」は、塗料組成物を、塗布後に室温で10分間静置し、60℃で10分間乾燥した後、高圧水銀灯を用いて積算光量180mJ/cm の紫外線を照射して、硬化したことを示し、
 「β」は、塗料組成物を、塗布後に室温で2分間静置し、60℃で70分間乾燥して、硬化したことを示す。
[0121]
 表1~3から、本発明に従う実施例の塗料組成物から作製した塗膜は、優れた赤外光反射性と可視光透過性を有することに加えて、ヘイズが小さいことが確認できる。

産業上の利用可能性

[0122]
 本発明の塗料組成物によれば、優れた赤外光反射性と可視光透過性を有することに加えて、ヘイズの小さい塗膜を提供することができる。

符号の説明

[0123]
 1:平板顔料粒子
 10:積層体
 11:誘電体層
 12:金属薄膜層
 13:表面処理層
 14:表面張力調整層
 20:支持体

請求の範囲

[請求項1]
 平板顔料粒子と、樹脂成分と、硬化剤と、を含み、
 前記平板顔料粒子は、誘電体層と金属薄膜層との積層体を含み、
 前記積層体では、前記誘電体層と前記金属薄膜層とが交互に積層されており、且つ、前記誘電体層が当該積層体の最も外側に位置し、
 前記樹脂成分が、イソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)、イソシアヌル酸2-ヒドロキシエチルビス(2-アクリロイルオキシエチル)、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン及びイソシアヌル酸トリグリシジルからなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする、塗料組成物。
[請求項2]
 前記平板顔料粒子の質量と、前記樹脂成分及び前記硬化剤の合計質量と、の比率が、0.5:99.5~15:85である、請求項1に記載の塗料組成物。
[請求項3]
 前記硬化剤が、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、α-クミルパーオキシネオデカノエートおよび2-メチル-2-[(4-メチルフェニル)スルフォニル]-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-1-プロパノンからなる群より選択される1種以上である、請求項1または2に記載の塗料組成物。
[請求項4]
 平板顔料粒子と、樹脂成分と、硬化剤と、を含み、
 前記平板顔料粒子は、誘電体層と金属薄膜層との積層体を含み、
 前記積層体では、前記誘電体層と前記金属薄膜層とが交互に積層されており、且つ、前記誘電体層が当該積層体の最も外側に位置し、
 前記樹脂成分が、イソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)、イソシアヌル酸2-ヒドロキシエチルビス(2-アクリロイルオキシエチル)、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン及びイソシアヌル酸トリグリシジルからなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする、塗膜。
[請求項5]
 前記塗膜の膜厚が、3~50μmである、請求項4に記載の塗膜。
[請求項6]
 前記硬化剤が、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、α-クミルパーオキシネオデカノエートおよび2-メチル-2-[(4-メチルフェニル)スルフォニル]-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-1-プロパノンからなる群より選択される1種以上である、請求項4または5に記載の塗膜。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]