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1. (WO2019044801) LAMINATE, IN-VEHICLE BATTERY CONTAINING BODY, AND METHOD FOR PRODUCING IN-VEHICLE BATTERY CONTAINING BODY
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明 細 書

発明の名称 積層体、車載用電池収容体及び車載用電池収容体の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025  

発明の効果

0026   0027   0028  

図面の簡単な説明

0029  

発明を実施するための形態

0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081  

符号の説明

0082  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 積層体、車載用電池収容体及び車載用電池収容体の製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、積層体、車載用電池収容体及び車載用電池収容体の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 ハイブリッド車、電気自動車等の車両には、内部に複数のバッテリモジュールを有する電池収容体が搭載されている。電池収容体は、複数のバッテリモジュールを収容するトレイと、トレイの上方を覆うカバーとで構成される。一般に、これらのトレイとカバーは、樹脂、鋼板パネル又はアルミパネルによって形成され、所定の強度と剛性を担保している。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2000-348695号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 近年、車両の安全性の観点から、車載用の電池収容体にも所定の耐火性能が要求されている。また、近年の省燃費化の要請から、電池収容体の軽量化も求められており、その対応も必要となってきた。
[0005]
 電池収容体のトレイやカバーを構成する材料としては、所定の機械的強度を確保すると同時に軽量化を図る観点から、アルミやCFRP(炭素繊維強化プラスチック)が考えられる。しかし、アルミは鉄に対して融点が低いため、耐火性確保のためには板厚を厚くする必要があり、重量が増加してしまう。一方、CFRPは、軽量化には有利であるが、樹脂であるために燃え易い。従って、いずれの材料も、軽量化と耐火性の2つの要求を同時に満たすことが困難である。
[0006]
 また、アルミとCFRPを積層した積層体の使用も考えられる。しかしながら、これら異種の材料を積層するには、材料間に接着剤を塗布して接着したり、リベット等の締結部材を用いて締結したりする必要がある。このため、積層体の作製が煩雑であり、製造コストの増加を招く問題がある。しかも、接着剤や締結部材の使用は、重量が嵩む問題もある。従って、軽量化と耐火性の2つの要求を同時に満たすことができ、尚且つ容易に作製できる耐火性収容体用の素材及び車載用電池収容体が要望されていた。
[0007]
 そこで、本発明は、耐火性があり、軽量で、容易に作製できる積層体を提供することを目的とする。
 また、本発明は、耐火性があり、軽量で、容易に作製できる車載用電池収容体を提供することを目的とする。
 更に、本発明は、耐火性があり、軽量な車載用電池収容体を容易に作製できる車載用電池収容体の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 (1) 本発明に係る積層体は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる第1の層(例えば、後述の第1の層51)と不燃性又は難燃性の不織布からなる第2の層(例えば、後述の第2の層52)とを少なくとも有する積層体(例えば、後述の積層体5)であって、前記第1の層と前記第2の層とは、前記第1の層の樹脂の少なくとも一部が溶融して前記第2の層と結合して一体化された一体成形品である。
[0009]
 (1)の発明によれば、第1の層と第2の層とを、例えば接着剤を用いて接着一体化したり、リベット等の締結部材を用いて締結一体化したりする必要がないため、不燃性又は難燃性の不織布により構成される第2の層が発揮する耐火性を備え、軽量で容易に作製可能な積層体を提供することができる。
[0010]
 (2) (1)に記載の積層体において、前記熱可塑性樹脂又は前記熱硬化性樹脂は、強化繊維樹脂であってもよい。
[0011]
 (2)の発明によれば、第1の層の強度を向上させることができるので、この第1の層と第2の層とが結合一体化された積層体の強度及び耐久性を向上させることができる。
[0012]
 (3) (1)又は(2)に記載の積層体において、前記不織布は、ガラス繊維、炭素繊維又は黒鉛繊維の少なくともいずれか1つによって形成されるものであってもよい。
[0013]
 (3)の発明によれば、不織布の強度向上を図ることができ、第1の層と結合一体化されることにより、積層体の強度及び耐久性を更に向上させることができる。
[0014]
 (4) 本発明に係る車載用電池収容体(例えば、後述の車載用電池収容体1)は、車載用電池(例えば、後述のバッテリモジュール3)を収容する収容体(例えば、後述のトレイ2、カバー4)の少なくとも一部が、(1)~(3)のいずれかに記載の積層体により構成される。
[0015]
 (4)の発明によれば、不燃性又は難燃性の不織布により構成される第2の層が発揮する耐火性を備え、軽量で容易に作製可能な車載用電池収容体を提供することができる。
[0016]
 (5) (4)に記載の車載用電池収容体において、前記収容体は、前記積層体により形成されるトレイ(例えば、後述のトレイ2)及びカバー(例えば、後述のカバー4)を有し、前記トレイ及び前記カバーの少なくともいずれかのうち、内側表面と外側表面の少なくともいずれかが前記第2の層であってもよい。
[0017]
 (5)の発明によれば、耐火性が要求される面の向きに応じて積層体の第2の層を配置させることができる。
[0018]
 (6) 本発明に係る車載用電池収容体の製造方法は、車載用電池(例えば、後述のバッテリモジュール3)を収容する収容体(例えば、後述のトレイ2、カバー4)の少なくとも一部が積層体(例えば、後述の積層体5)により構成される車載用電池収容体の製造方法であって、前記積層体を、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる第1の層(例えば、後述の第1の層51)と、不燃性又は難燃性の不織布からなる第2の層(例えば、後述の第2の層)との少なくとも2つの層を積層した後、同時に一体成形し、前記第1の層の樹脂の少なくとも一部を溶融させて前記第2の層と結合させることによって形成する。
[0019]
 (6)の発明によれば、不燃性又は難燃性の不織布により構成される第2の層が発揮する耐火性を備えた軽量な車載用電池収容体を容易に作製可能な製造方法を提供することができる。
[0020]
 (7) (6)に記載の車載用電池収容体の製造方法において、前記第2の層をプレス成形型(例えば、後述の雄金型61、雌金型62)にセットし、前記第2の層の上に前記第1の層をセットし、その後、両者を同時にプレスして一体成形するものであってもよい。
[0021]
 (7)の発明によれば、積層体の第1の層と第2の層をプレス成形型によって1工程で積層一体化することができるので、第1の層と第2の層を積層するための工数を削減でき、不織布からなる第2の層が外側表面となる熱可塑性樹脂製の車載用電池収容体を容易に形成することができると共に製造コストを低減することができる。
[0022]
 (8) (6)に記載の車載用電池収容体の製造方法において、前記第1の層をプレス成形型にセットし、前記第1の層の上に前記第2の層をセットし、その後、両者を同時にプレスして一体に成形するものであってもよい。
[0023]
 (8)の発明によれば、積層体の第1の層と第2の層をプレス成形型によって1工程で積層一体化することができるので、第1の層と第2の層を積層するための工数を削減でき、不織布からなる第2の層が内側表面となる熱硬化性樹脂製の車載用電池収容体を容易に形成することができると共に製造コストを低減することができる。
[0024]
 (9) (6)に記載の車載用電池収容体の製造方法において、前記第2の層をプレス成形型にセットし、前記第2の層の上に前記第1の層をセットし、前記第1の層の上に更に前記第2の層をセットし、その後、三者を同時にプレスして一体に成形するものであってもよい。
[0025]
 (9)の発明によれば、第2の層/第1の層/第2の層の3つの層を同時にプレスして一体に成形するので、3層の積層体を1工程で積層一体化することができ、積層のための工数を削減できるため、内部及び外部のいずれに対しても耐火性を有する車載用電池収容体を容易に形成することができると共に製造コストを低減することができる。

発明の効果

[0026]
 本発明によれば、耐火性があり、軽量で、容易に作製できる積層体を提供することができる。
[0027]
 また、本発明によれば、耐火性があり、軽量で、容易に作製できる車載用電池収容体を提供することができる。
[0028]
 更に、本発明によれば、耐火性があり、軽量な車載用電池収容体を容易に作製することができる車載用電池収容体の製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0029]
[図1] 本発明に係る積層体によって形成された車載用電池収容体の一例を示す斜視図である。
[図2] 本発明に係る積層体の一例を示す拡大断面図である。
[図3] 本発明に係る積層体の他の一例を示す拡大断面図である。
[図4] プレス成形機を用いて車載用電池収容体のトレイ及びカバーを製造する工程の一例を説明する図である。
[図5] プレス成形機を用いて車載用電池収容体のトレイ及びカバーを製造する工程の他の一例を説明する図である。
[図6] プレス成形機を用いて車載用電池収容体のトレイ及びカバーを製造する工程の更に他の一例を説明する図である。
[図7] 耐火試験の結果を示すグラフである。
[図8] 耐火試験方法の説明図である。

発明を実施するための形態

[0030]
 以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
 図1は、本発明に係る積層体によって形成された車載用電池収容体の一例を示す斜視図である。
 本実施形態に示す車載用電池収容体1は、例えば電気自動車のフロアパネルの下側に配設されるものであり、トレイ2と、トレイ2内に収容される車載用電池としての複数個のバッテリモジュール3と、トレイ2の上方を覆うカバー4と、から構成される。なお、図1は、カバー4を外した状態を示している。
[0031]
 トレイ2は、略平板皿状に形成され、その内部に、互いに交差する方向に沿って配置された補強部材としての複数本のクロスメンバ21、22を有している。
[0032]
 バッテリモジュール3は、複数個の平板状のバッテリセル(図示せず)が積層されて直方体状に形成されている。バッテリモジュール3の長手方向に隣り合う2個のバッテリモジュール3同士が、連結部材23によって連結され、この連結部材23を介してクロスメンバ22に固定されている。この車載用電池収容体1において、連結部材23によって連結された2個のバッテリモジュール3の組が、バッテリモジュール3の短手方向に5組並設されることによって、合計10個のバッテリモジュール3が、トレイ2の内部にマトリックス状に固定されている。
[0033]
 カバー4は、トレイ2の平面形状と略同形状の略平板皿状に形成されている。カバー4は、トレイ2の上面に複数のボルト41(図1では1つのボルト41のみを示している。)によって取り付けられることにより、トレイ2と各バッテリモジュール3の上方を覆う。これにより、トレイ2とカバー4とで構成される収容体の内部空間に各バッテリモジュール3が収容される。
[0034]
 この車載用電池収容体1において、トレイ2及びカバー4の少なくとも一部が、好ましくはトレイ2及びカバー4の全体が、耐火性収容体用の積層体によって形成されている。以下、この積層体について説明する。
[0035]
 図2は、本発明に係る積層体の一例を示す拡大断面図である。積層体5は、第1の層51と第2の層52の少なくとも2つの層を有し、これら第1の層51と第2の層52が積層一体化された一体成形品である。
[0036]
 第1の層51は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなるシート状の樹脂によって構成される層であり、専ら積層体5が所定形状の耐火性収容体とされた際に形状保持性を付与する。一方、第2の層52は、不燃性又は難燃性の不織布によって構成される層であり、積層体5が所定形状の耐火性収容体とされた際に断熱、遮炎効果による所定の耐火性を付与する。この耐火性を発揮する第2の層52は、不織布であるため、軽量な積層体5を構成することができる。
[0037]
 第1の層51と第2の層52は、積層された状態で、第1の層51を構成する樹脂が溶融して第2の層52と結合することによって一体化している。すなわち、第1の層51を構成する樹脂は、溶融した状態で第2の層52を構成する不織布の繊維中に入り込み、繊維と絡まる。溶融した樹脂は、繊維と絡まった状態で冷えて固化することにより、第2の層52と結合して一体化する。その結果、積層体5の第1の層51と第2の層52の境界部分には、第1の層51の樹脂と第2の層52の繊維とが結合して一体化した結合層53が形成される。第2の層52は不織布によって構成されるので、溶融した第1の層51の樹脂が繊維間に入り込み易く絡まり易い。このため、積層体5は、第1の層51と第2の層52とが強固に結合して一体化したシート状に形成される。
[0038]
 第1の層51を構成する樹脂は、必ずしも全部が溶融する必要はなく、少なくとも一部が溶融すればよい。具体的には、第1の層51を構成する樹脂のうち、少なくとも第2の層52と接している樹脂の少なくとも一部が溶融することにより、溶融した樹脂が第2の層52を構成する不織布の繊維間に入り込む。これにより、第1の層51と第2の層52は、境界部分において結合して強固に一体化することができる。
[0039]
 このように、積層体5は、第1の層51を構成する樹脂の少なくとも一部が溶融して第2の層52と結合して一体化した一体成形品によって構成されるので、これら第1の層51と第2の層52とを、例えば接着剤や接着フィルム等の他の接着層を介して接着一体化したり、リベット等の締結部材を用いて締結一体化したりする必要がない。このため、積層体5は、重量の増加を伴うことなく軽量に構成することができるとともに、容易に作製可能である。従って、この積層体5は、不燃性又は難燃性の不織布により構成される第2の層52が発揮する耐火性を備え、軽量で容易に作製することができる。
[0040]
 また、積層体5は、第1の層51と第2の層52とが一体に成形された一体成形品であるため、第1の層51と第2の層52とを積層一体化するための工数を削減できる。これにより、積層体5の製造コストも低減できる。
[0041]
 積層体5において、第1の層51を構成する具体的な熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、ポリプロピレン、ポリアミド6、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を、チョップドされた不連続繊維状態、またはUDテープや織込みシート状の連続繊維状態であるガラス繊維又は炭素繊維に含浸させた繊維強化樹脂等が挙げられる。これらの中でも、軽量化、量産性の観点から、チョップドされた不連続繊維状態の繊維強化樹脂を用いることが好ましい。
[0042]
 また、積層体5において、第1の層51を構成する具体的な熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、フェノール、エポキシ、ポリウレタン、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂を、チョップドされた不連続繊維状態、またはUDテープや織込みシート状の連続繊維状態であるガラス繊維又は炭素繊維に含浸させた繊維強化樹脂等が挙げられる。これらの中でも、軽量化、量産性の観点から、チョップドされた不連続繊維状態の繊維強化樹脂を用いることが好ましい。
[0043]
 積層体5の第1の層51の厚みは、収容体の大きさや収容物の重量等に応じて要求される強度等を考慮して適宜設定することができる。
[0044]
 第1の層51を構成する熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂は、上記の通り繊維を混入することによって強度を向上させた強化繊維樹脂とすることができる。第1の層51に強化繊維樹脂を使用することにより、第1の層51の強度及び耐久性を向上させることができる。その結果、積層体5の強度及び耐久性を向上させることができる。また、積層体5の強度及び耐久性を一定にすれば、積層体5を薄く形成することが可能となり、更なる軽量化を図ることも可能である。
[0045]
 樹脂中に混入される強化繊維としては、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維等が挙げられる。これらの強化繊維を用いることにより、第1の層51の強度及び耐久性の向上に加えて、耐熱性も向上する。従って、積層体5の耐火性を更に向上させることができる。
[0046]
 第2の層52を構成する不織布としては、不燃性又は難燃性を有するものであれば特に限定されないが、特にガラス繊維、炭素繊維又は黒鉛繊維の少なくともいずれか1つによって形成される不織布を好ましく用いることができる。これらの繊維はいずれも強化繊維として使用される繊維であり、同時に不織布の強度を向上させることができる。このため、積層体5の強度及び耐久性を更に向上させることができる。また、不織布は、厚みや目付の調節が容易であるため、厚みや目付の調節によって所望の耐火性を容易に得ることができる。更に、不織布は、積層体5に防音性能を付与することもできる。
[0047]
 積層体5の積層数は2層に限定されず、図3に示すように、3層構造とすることもできる。すなわち、積層体5は、第1の層51の表裏両面にそれぞれ第2の層52、52を積層一体化したものであってもよい。この場合、第1の層51と2つの第2の層52、52の各境界部分にそれぞれ結合層53、53が形成される。これにより、積層体5は両面で第2の層52、52による耐火性を発揮することができるので、積層体5の使用に際して第2の層52の向きを考慮する必要がない。
[0048]
 ここで、本発明に係る積層体5の第2の層52が発揮する耐火性能について説明する。
 図7は、本発明品と比較品1~3の耐火性を調べた際の温度変化を示すグラフである。耐火試験方法に使用される装置を図8に示す。この装置は、底部が開口する鉄製の箱体の底部を塞ぐように各試料(本発明品、比較品1~3)を配置させた防火ボックス100と、ガソリンを入れたトレイ200と、耐火煉瓦300により構成される。耐火煉瓦300には、φ30の貫通穴が40mmピッチで配列されている。
[0049]
 耐火試験は、先ず、耐火煉瓦300を配置させずにトレイ200内のガソリンに点火した後、このトレイ200上に、試料が油面から500mmの高さとなるように防火ボックス100を配置させて試料を炎に曝露する。70秒経過後に、トレイ200と試料との間に、図8に示すように、耐火煉瓦300を投入して更に60秒間曝露する。耐火煉瓦300と試料との距離は400mmである。試料投入後からの各試料の温度変化を、各試料の上面(炎に対する曝露面の反対面)に取り付けた温度センサによって計測した。
[0050]
 本発明品は、熱可塑性の強化繊維樹脂シートからなる第1の層に、第2の層として、不燃性の黒鉛繊維不織布(目付:0.7kg/m 、厚み:6.0mm)を積層したものである。
 比較品1は、本発明品における第2の層に代えて、3.0mm厚のアルミパネル(8.1kg/m )を用い、強化繊維樹脂シートとアルミパネルを接着剤で接合したものである。
 比較品2は、本発明品における第2の層に代えて、2.0mm厚のアルミパネル(5.4kg/m )を用い、強化繊維樹脂シートとアルミパネルを接着剤で接合したものである。
 比較品3は、本発明品の第1の層と同じ強化繊維樹脂シートからなる1層のみのシートである。
 炎に対する曝露面は、本発明品が不織布側の面、比較品1、2がアルミパネル側の面である。
[0051]
 図7に示すように、比較品3は、時間経過に伴って温度上昇したのに対し、本発明品、比較品1、2は温度上昇が抑制され、ほぼ同様の結果となった。これにより、本発明品の不織布は、比較品1、2のアルミパネルと同程度の断熱性を備えることがわかる。また、曝露終了後、比較品1~3は、強化繊維樹脂シート又は治具の隙間から2分以上発火し続けたのに対し、本発明品は曝露終了後に発火は見られず、耐火性を備えることがわかった。しかも、本発明品は、アルミパネルを使用せず、接着剤で接着する必要もないため、比較品1、2に比べて遥かに軽量であると共に、一体成形品であるため作製も容易である。従って、積層体5は、アルミパネルと同等の断熱性、耐火性を備えながらも、軽量で容易に作製可能であることがわかる。
[0052]
 本発明に係る車載用電池収容体1のトレイ2及びカバー4は、以上説明した積層体5によって形成される。このため、車載用電池収容体1は、断熱性、耐火性を備え、軽量で容易に作製可能である。
[0053]
 本実施形態において、収容体としてのトレイ2及びカバー4を形成する積層体5の各層51、52のうち、不燃性又は難燃性の不織布からなる第2の層52は、それぞれ外側表面(バッテリモジュール3が収容される面の反対面)となるように配置される。これにより、車載用電池収容体1は、その全表面で耐火性を発揮することができる。
[0054]
 また、例えば内部のバッテリモジュール3に対する耐火性を特に考慮する必要がある場合等には、積層体5の第2の層52を、トレイ2及びカバー4の内側表面(バッテリモジュール3が収容される面)となるように配置してもよい。
[0055]
 更に、耐火性が要求される面の向きに応じて、例えばトレイ2における積層体5の第2の層52を外側表面となるように配置し、カバー4における積層体5の第2の層52を内側表面となるように配置するといったように、第2の層52が配置される面をトレイ2とカバー4とで異ならせてもよい。
[0056]
 また、トレイ2及びカバー4に、図3に示す3層構造の積層体5を使用すれば、積層体5の内側及び外側のいずれの面も耐火性を発揮するので、内部及び外部のいずれに対しても耐火性を有する車載用電池収容体1を構成することができる。
[0057]
 次に、本発明に係る車載用電池収容体1の製造方法について説明する。
 本発明において、車載用電池収容体1のトレイ2及びカバー4を形成する積層体5は、第1の層51と第2の層52の少なくとも2つの層を積層した後、第1の層51を構成する樹脂の少なくとも一部を溶融することで第2の層52と結合させて一体成形することによって形成される。この積層体5をトレイ2及びカバー4に用いて車載用電池収容体1を構成することにより、耐火性を備え、軽量な車載用電池収容体1を容易に作製することができる。
[0058]
 積層体5を用いてトレイ2及びカバー4を製造する具体的な方法としては、例えばプレス成形機を用いたプレス成形法を用いることができる。以下、プレス成形法によって車載用電池収容体1のトレイ2及びカバー4を製造する方法について説明する。
[0059]
<第1の製造方法>
 図4は、プレス成形機6を用いて車載用電池収容体1のトレイ2及びカバー4を製造する第1の製造方法の工程の一例を説明する図である。まず、積層体5の第1の層51を構成する樹脂が熱可塑性樹脂である場合について説明する。
[0060]
 プレス成形機6の上下一対のプレス成形型(雄金型61、雌金型62)を型開きさせ、積層体5の第2の層52である不織布52aを雌金型62上にセットする。次いで、この不織布52aの上に、積層体5の第1の層51である樹脂シート51aを載置する。なお、不織布52aの上に載置される樹脂シート51aは、例えば赤外線等を用いた加熱炉によって、1~2分程度、所定の温度まで予め加熱(プレヒート)して軟化させておく。
[0061]
 その後、雄金型61を下動させ、不織布52aと樹脂シート51aを雌金型62との間で所定の圧力によって同時にプレス(加圧)して、トレイ2又はカバー4となる所定の形状に賦形する。このとき、不織布52aとの境界部分に位置する樹脂シート51aの樹脂が、プレスによって更に軟化溶融して不織布52aの繊維間に入り込み、繊維と絡まることによって不織布52aと結合して一体化する。
[0062]
 雄金型61と雌金型62とでプレスされた樹脂シート51aは、雄金型61と雌金型62との間で賦形されながら、徐々に金型温度まで冷やされることにより硬化する。これにより、第1の層51と第2の層52とが強固に積層一体化された積層体5からなる所定形状の製品Pが得られる。得られた製品Pは、外周トリム、ボルト穴等の2次加工が施されることにより、トレイ2又はカバー4となる。
[0063]
 この第1の製造方法によれば、第1の層51と第2の層52を同時にプレスして一体成形するので、第1の層51と第2の層52からなる耐火性を備えた軽量な積層体5を、1工程で積層一体化することができる。従って、第1の層51と第2の層52を積層するための工数を削減できるため、不織布からなる第2の層52が外側表面となる熱可塑性樹脂製の車載用電池収容体1を容易に作製することができると共に製造コストを低減することができる。
[0064]
 積層体5の第1の層51を構成する樹脂が熱硬化性樹脂である場合は、上下一対のプレス成形型(雄金型61、雌金型62)にヒータ等の加熱機構を有する成形型を用い、常温の樹脂シート51aを雌金型62上の不織布52aに載置した後、雄金型61及び雌金型62を樹脂シート51aの硬化温度となるように加熱しながらプレスすればよい。
[0065]
 これにより、上記同様、第1の層51と第2の層52からなる耐火性を備えた軽量な積層体5を、1工程で積層一体化することができる。第1の層51と第2の層52を積層するための工数を削減できるため、熱硬化性樹脂製の車載用電池収容体1を容易に作製することができると共に製造コストを低減することができる。
[0066]
<第2の製造方法>
 図5は、プレス成形機6を用いて車載用電池収容体1のトレイ2及びカバー4を製造する第2の製造方法の工程の一例を説明する図である。
[0067]
 プレス成形機6の上下一対のプレス成形型(雄金型61、雌金型62)を型開きさせ、積層体5の第1の層51である樹脂シート51aを雌金型62上にセットする。なお、樹脂シート51aは、上記同様、加熱炉によって、1~2分程度、所定の温度まで予め加熱(プレヒート)して軟化させておく。次いで、この樹脂シート51aの上に、積層体5の第2の層52である不織布52aを載置する。
[0068]
 その後、雄金型61を下動させ、樹脂シート51aと不織布52aを雌金型62との間で所定の圧力によって同時にプレスして、トレイ2又はカバー4となる所定の形状に賦形する。このとき、不織布52aとの境界部分に位置する樹脂シート51aの樹脂が、プレスによって更に軟化溶融して不織布52aの繊維間に入り込み、繊維と絡まることによって不織布52aと結合して一体化する。
[0069]
 雄金型61と雌金型62とでプレスされた樹脂シート51aは、雄金型61と雌金型62との間で賦形されながら、徐々に金型温度まで冷やされることにより硬化する。これにより、第1の層51と第2の層52とが強固に積層一体化された積層体5からなる所定形状の製品Pが得られる。得られた製品Pは、外周トリム、ボルト穴等の2次加工が施されることにより、トレイ2又はカバー4となる。
[0070]
 この第2の製造方法によれば、第1の製造方法と同様、第1の層51と第2の層52からなる耐火性を備えた軽量な積層体5を、1工程で積層一体化することができる。第1の層51と第2の層52を積層するための工数を削減できるため、熱可塑性樹脂製の積層体5からなるトレイ2及びカバー4を容易に作製することができると共に製造コストを低減することができる。
[0071]
 また、図5に示す製造方法においても、積層体5の第1の層51を構成する樹脂が熱硬化性樹脂である場合は、上下一対のプレス成形型(雄金型61、雌金型62)にヒータ等の加熱機構を有する成形型を用い、常温の樹脂シート51aを雌金型62上に載置した後、その樹脂シート51aの上に不織布52aを載置し、雄金型61及び雌金型62を樹脂シート51aの硬化温度となるように加熱しながらプレスすればよい。
[0072]
 これにより、上記同様、第1の層51と第2の層52からなる耐火性を備えた軽量な積層体5を、1工程で積層一体化することができる。第1の層51と第2の層52を積層するための工数を削減できるため、不織布からなる第2の層52が内側表面となる熱硬化性樹脂製の車載用電池収容体1を容易に作製することができると共に製造コストを低減することができる。
[0073]
<第3の製造方法>
 また、図6は、プレス成形機6を用いて車載用電池収容体1のトレイ2及びカバー4を製造する第3の製造方法の工程の一例を説明する図である。
[0074]
 プレス成形機6の上下一対のプレス成形型(雄金型61、雌金型62)を型開きさせ、積層体5の第2の層52である不織布52aを雌金型62上にセットする。次いで、この不織布52aの上に、積層体5の第1の層51である樹脂シート51aを載置する。次いで、この樹脂シート51aの上に、積層体5の第2の層52である不織布52aを更に載置する。なお、不織布52aの上に載置される樹脂シート51aは、例えば赤外線等を用いた加熱炉によって、1~2分程度、所定の温度まで予め加熱(プレヒート)して軟化させておく。
[0075]
 その後、雄金型61を下動させ、2枚の不織布52aと1枚の樹脂シート51aとを雌金型62との間で所定の圧力によって同時にプレス(加圧)して、トレイ2又はカバー4となる所定の形状に賦形する。このとき、不織布52a、52aとの境界部分に位置する樹脂シート51aの樹脂が、プレスによって更に軟化溶融して不織布52a、52aの繊維間に入り込み、繊維と絡まることによって不織布52a、52aと結合して一体化する。
[0076]
 雄金型61と雌金型62とでプレスされた樹脂シート51aは、雄金型61と雌金型62との間で賦形されながら、徐々に金型温度まで冷やされることにより硬化する。これにより、第1の層51と2つの第2の層52、52とが強固に積層一体化された3層構造の積層体5からなる所定形状の製品Pが得られる。得られた製品Pは、外周トリム、ボルト穴等の2次加工が施されることにより、トレイ2又はカバー4となる。
[0077]
 この第3の製造方法によれば、第2の層52/第1の層51/第2の層52の3つの層を同時にプレスして一体成形するので、3層からなる耐火性を備えた軽量な積層体5を、1工程で積層一体化することができる。3層を積層するための工数を削減できるため、内部及び外部のいずれに対しても耐火性を有する軽量な熱可塑性樹脂製の車載用電池収容体1を容易に作製することができると共に製造コストを低減することができる。
[0078]
 また、図6に示す製造方法においても、積層体5の第1の層51を構成する樹脂が熱硬化性樹脂である場合は、上下一対のプレス成形型(雄金型61、雌金型62)にヒータ等の加熱機構を有する成形型を用い、雌金型62にセットされた不織布52a上に常温の樹脂シート51aを載置した後、その樹脂シート51aの上に更に不織布52aを載置し、雄金型61及び雌金型62を樹脂シート51aの硬化温度となるように加熱しながらプレスすればよい。
[0079]
 これにより、上記同様、第2の層52/第1の層51/第2の層52の3つの層を同時にプレスして一体に成形するので、3層からなる耐火性を備えた軽量な積層体5を、1工程で積層一体化することができる。3層を積層するための工数を削減できるため、内部及び外部のいずれに対しても耐火性を有する軽量な熱硬化性樹脂製の車載用電池収容体1を容易に作製することができると共に製造コストを低減することができる。
[0080]
 以上説明した車載用電池収容体1のトレイ2及びカバー4は、その全体を積層体5によって形成したが、積層体5は車載用電池収容体1の少なくとも一部であればよく、例えばトレイ2及び/又はカバー4において、特に耐火性が要求される部位に部分的にあるだけでもよい。
[0081]
 本発明に係る積層体5は、以上説明した車載用電池収容体1のトレイ2及びカバー4への適用に限らず、耐火性を有する収容体に広く適用可能である。

符号の説明

[0082]
 1 車載用電池収容体
 2 トレイ(収容体)
 3 バッテリモジュール(車載用電池)
 4 カバー(収容体)
 5 積層体
 51 第1の層
 52 第2の層
 61 雄金型(プレス成形型)
 62 雌金型(プレス成形型)

請求の範囲

[請求項1]
 熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる第1の層と不燃性又は難燃性の不織布からなる第2の層とを少なくとも有する積層体であって、
 前記第1の層と前記第2の層とは、前記第1の層の樹脂の少なくとも一部が溶融して前記第2の層と結合して一体化された一体成形品である、積層体。
[請求項2]
 前記熱可塑性樹脂又は前記熱硬化性樹脂は、強化繊維樹脂である、請求項1に記載の積層体。
[請求項3]
 前記不織布は、ガラス繊維、炭素繊維又は黒鉛繊維の少なくともいずれか1つによって形成される、請求項1又は2に記載の積層体。
[請求項4]
 車載用電池を収容する収容体の少なくとも一部が、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層体により構成される、車載用電池収容体。
[請求項5]
 前記収容体は、前記積層体により形成されるトレイ及びカバーを有し、
 前記トレイ及び前記カバーの少なくともいずれかのうち、内側表面と外側表面の少なくともいずれかが前記第2の層である、請求項4に記載の車載用電池収容体。
[請求項6]
 車載用電池を収容する収容体の少なくとも一部が積層体により構成される車載用電池収容体の製造方法であって、
 前記積層体を、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなる第1の層と、不燃性又は難燃性の不織布からなる第2の層との少なくとも2つの層を積層した後、同時に一体成形し、前記第1の層の樹脂の少なくとも一部を溶融させて前記第2の層と結合させることによって形成する、車載用電池収容体の製造方法。
[請求項7]
 前記第2の層をプレス成形型にセットし、
 前記第2の層の上に前記第1の層をセットし、
 その後、両者を同時にプレスして一体成形する、請求項6に記載の車載用電池収容体の製造方法。
[請求項8]
 前記第1の層をプレス成形型にセットし、
 前記第1の層の上に前記第2の層をセットし、
 その後、両者を同時にプレスして一体成形する、請求項6に記載の車載用電池収容体の製造方法。
[請求項9]
 前記第2の層をプレス成形型にセットし、
 前記第2の層の上に前記第1の層をセットし、
 前記第1の層の上に更に前記第2の層をセットし、
 その後、三者を同時にプレスして一体成形する、請求項6に記載の車載用電池収容体の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]