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1. (WO2019031105) OXIDE SINTERED COMPACT AND SPUTTERING TARGET
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明 細 書

発明の名称 酸化物焼結体およびスパッタリングターゲット

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032  

実施例

0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2  

明 細 書

発明の名称 : 酸化物焼結体およびスパッタリングターゲット

技術分野

[0001]
 本発明は、酸化物焼結体およびスパッタリングターゲットに関し、詳しくは、可視光領域での透過率が高く、比抵抗が低い薄膜を得ることができるスパッタリングターゲット、およびそのようなターゲットを作製することができる酸化物焼結体に関する。

背景技術

[0002]
 液晶を中心とする表示デバイスの発展に伴い、透明導電膜の需要が増加している。透明導電膜には高透明性が要求され、さらには低抵抗も要求される。高透明性および低抵抗の要求から、透明導電膜としてITO膜が広く用いられている。ITO透明導電膜の形成方法としては、操作性の簡便さという点からITOスパッタリングターゲットをスパッタリングして成膜する方法が一般的である。
[0003]
 特に最近では液晶のカラー化、素子の微細化、アクティブマトリックス方式の採用に伴い、より透明性が高く、さらに抵抗が低い高性能なITO透明導電膜が要求されている。
 特許文献1には、酸化スズを1~20重量%、および酸化チタニウムを0.05~5重量%含む高透過率、低抵抗の透明導電膜、およびスパッタリングターゲットが記載されており、300℃で熱処理、いわゆるアニールすることにより透明導電膜の高透過率化、低抵抗化をすることが可能なことが記載されている。
[0004]
 特許文献2には、酸化インジウム、酸化スズおよびチタニウム等の酸化物からなるスパッタリングターゲットをスパッタし、得られたインジウムスズ酸化物薄膜を熱処理によって結晶化させる透明導電膜の製造方法が記載されている。この方法では、スパッタによって得られたアモルファスであるインジウムスズ酸化物薄膜を200℃以上の熱処理によって結晶化させることで、薄膜の比抵抗を小さくして、導電特性を高めることができる。
[0005]
 しかし、200℃以上の高温での熱処理を必要とする方法は、200℃以上では変形してしまうような樹脂製のフィルム上に透明導電膜を作製する場合などにおいては適用できない。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開平4-277408号公報
特許文献2 : 特許第5726752号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 本発明は、透明性が高く、また抵抗が低い透明導電膜を、高温の熱処理をしなくても得ることができる薄膜を成膜できるスパッタリングターゲットを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明の酸化物焼結体は、構成元素がIn、Sn、TiおよびOであり、Inの含有比率がIn 23換算で88.0~98.2質量%であり、Snの含有比率がSnO 2換算で1.0~8.0質量%であり、Tiの含有比率がTiO 2換算で0.8~4.0質量%である。
[0009]
 前記酸化物焼結体は、比抵抗が5.0×10 -4Ωcm以下であることが好ましく、相対密度が95%以上であることが好ましい。
 本発明のスパッタリングターゲット材は、前記酸化物焼結体からなる。
 本発明のスパッタリングターゲットは、前記スパッタリングターゲット材を基材に接合してなる。
[0010]
 本発明の透明導電膜は、Inの含有比率がIn 23換算で88.0~98.2質量%であり、Snの含有比率がSnO 2換算で1.0~8.0質量%であり、Tiの含有比率がTiO 2換算で0.8~4.0質量%である。
[0011]
 本発明の透明導電膜の製造方法は、前記スパッタリングターゲットをスパッタリングすることにより成膜された薄膜を110~145℃にて加熱処理する。

発明の効果

[0012]
 本発明の酸化物焼結体により、透明性が高い透明導電膜、また、さらに抵抗が低い透明導電膜を、高温の熱処理をしなくても得ることができる薄膜を成膜できるスパッタリングターゲットを得ることができる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 図1は、実施例15において、スパッタリングにより得られた薄膜およびこの薄膜を125℃で熱処理することにより得られた透明導電膜の波長300nm~800nmの範囲における光透過率を示す図である。
[図2] 図2は、実施例15および比較例1,3において、スパッタリングにより得られた薄膜を125℃で熱処理することにより得られた透明導電膜の波長300nm~800nmの範囲における光透過率を示す図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 本発明の酸化物焼結体は、構成元素がIn、Sn、TiおよびOであり、Inの含有比率がIn 23換算で88.0~98.2質量%であり、Snの含有比率がSnO 2換算で1.0~8.0質量%であり、Tiの含有比率がTiO 2換算で0.8~4.0質量%である。
[0015]
 前記酸化物焼結体は、Inの含有比率がIn 23換算で88.0~98.2質量%、好ましくは90.0~97.0質量%、より好ましくは91.5~96.0質量%、さらに好ましくは93.0~95.5質量%であり、Snの含有比率はSnO 2換算で1.0~8.0質量%、好ましくは2.0~7.0質量%、より好ましくは2.7~6.0質量%、さらに好ましくは3.0~5.0質量%であり、Tiの含有比率はTiO 2換算で0.8~4.0質量%、好ましくは1.0~3.0質量%、より好ましくは1.3~2.5質量%、さらに好ましくは1.5~2.0質量%である。本発明のような酸化物焼結体には原料等に由来する不可避的不純物が含まれ得るのは当然であり、本発明の酸化物焼結体にも不可避的不純物が含まれる場合はある。本発明の酸化物焼結体における不可避的不純物としてはFe、Cr、Ni、Si、W、Zr等があげられ、それらの含有量は各々通常100ppm以下である。
[0016]
 なお、本発明において構成元素とは、酸化物焼結体または透明導電膜における不可避的不純物を除く構成元素を意味し、各構成元素の含有比率は、酸化物焼結体または透明導電膜全体に占める各構成元素の含有比率を意味する。
[0017]
 前記酸化物焼結体の比抵抗は、5.0×10 -4Ωcm以下であることが好ましく、4.8×10 -4Ωcm以下であることがより好ましく、4.5×10 -4Ωcm以下であることがさらに好ましい。これにより安価なDC電源を用いたスパッタリングが可能となり、成膜レートを向上させることができ、また異常放電の発生を抑制することができる。
[0018]
 前記酸化物焼結体の相対密度は、好ましくは95%以上であり、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上である。相対密度が95%以上であると、ノジュールやアーキングの発生のない、効率的なスパッタリングが可能である。相対密度の上限は特に制限はなく、100%を超えてもよい。前記相対密度はアルキメデス法に基づき測定された数値である。
[0019]
 前記酸化物焼結体は、たとえば以下に示すような方法により製造することができる。
 まず、原料粉末を混合する。原料粉末は、通常In 23粉末、SnO 2粉末およびTiO 2粉末である。In 23粉末、SnO 2粉末およびTiO 2粉末は、得られる焼結体におけるIn、SnおよびTiの含有量がそれぞれ上記範囲内になるように混合される。なお、原料粉末を混合して得られた混合粉末におけるIn 23粉末、SnO 2粉末およびTiO 2粉末の含有比は、前記酸化物焼結体におけるIn 23換算のIn含有比、SnO 2換算のSn含有比、およびTiO 2換算のTi含有比とそれぞれ一致する。
[0020]
 各原料粉末は、通常は粒子が凝集しているため、事前に粉砕して混合するか、あるいは混合しながら粉砕を行うことが好ましい。
 原料粉末の粉砕方法や混合方法には特に制限はなく、例えば原料粉末をポットに入れて、ボールミルにより粉砕または混合を行うことができる。
[0021]
 得られた混合粉末は、そのまま成形して成形体とし、これを焼結することもできるが、必要により混合粉末にバインダーを加えて成形して成形体としてもよい。このバインダーとしては、公知の粉末冶金法において成形体を得るときに使用されるバインダー、例えばポリビニルアルコール、アクリルエマルジョンバインダー等を用いることができる。また、混合粉末に分散媒を加えてスラリーを調製し、このスラリーをスプレードライして顆粒を作製し、この顆粒を成形してもよい。
 成形方法は、従来粉末冶金法において採用されている方法、たとえばコールドプレスやCIP(冷間等方圧成形)等を用いることができる。
[0022]
 また、混合粉末を一旦仮プレスして仮成形体を作製し、これを粉砕して得られた粉砕粉末を本プレスすることにより成形体を作製してもよい。
 なお、スリップキャスト法等の湿式成形法を用いて成形体を作製してもよい。
 得られた成形体は、必要に応じて従来粉末冶金法において採用されている方法により脱脂してもよい。成形体の密度は通常50~75%である。
[0023]
 次に得られた成形体を焼成し、酸化物焼結体を作製する。焼成に使用する焼成炉としては、冷却時に冷却速度をコントロールすることができれば特に制限はなく、粉末冶金に一般的に使用される焼成炉で差し支えない。焼成雰囲気としては酸素雰囲気が適している。
[0024]
 昇温速度は、高密度化および割れ防止の観点から、通常100~500℃/hである。焼成温度は、1300~1600℃であり、好ましくは1400~1600℃である。焼成温度が前記範囲内であると、高密度の酸化物焼結体を得ることができる。前記焼成温度での保持時間は通常3~30h、好ましくは5~20hである。保持時間が前記範囲内であると、高密度の酸化物焼結体を得やすい。
 冷却速度は通常300℃/hr以下、好ましくは50℃/hr以下である。
[0025]
 本発明のスパッタリングターゲット材は前記酸化物焼結体からなる。具体的には、前記酸化物焼結体を、必要に応じて所望の形状に切り出し、研削を行うなどの加工を施すことによりスパッタリングターゲット材を得ることができる。
[0026]
 このスパッタリングターゲット材の組成および比抵抗、相対密度などの物性値については、前記酸化物焼結体の組成、比抵抗、相対密度などと同一である。
 前記スパッタリングターゲット材を基材に接合することによりスパッタリングターゲットが得られる。基材は、通常Cu、Al、Tiまたはステンレス製である。接合材は、従来のITOターゲット材の接合に使用される接合材、たとえばInメタルを用いることができる。接合方法も、従来のITOターゲット材の接合方法と同様である。
[0027]
 前記スパッタリングターゲットをスパッタリングすることにより薄膜を成膜することができる。スパッタリングは、通常のITOスパッタリングターゲットを用いたスパッタリングにおける条件に準じて行うことができる。
[0028]
 このようにして得られた薄膜は通常アモルファスである。この薄膜を熱処理、いわゆるアニールすることにより、結晶化することができ、光透過率が高く、比抵抗の低い透明導電膜を得ることができる。光透過率については、特に短波長域、例えば300~380nmの波長域における光透過率を顕著に高めることができる。
[0029]
 この熱処理に必要な温度は110℃~145℃であり、好ましくは115~140℃であり、さらに好ましくは120℃~135℃である。前述のとおり、従来知られていたITO薄膜を高透過率化、低抵抗化するための熱処理には200℃以上の温度が必要であった。これに対し、本発明のスパッタリングターゲットをスパッタリングすることにより得られる薄膜を高透過率化、低抵抗化するための熱処理の温度は110~145℃という低温でよい。このため、本発明のスパッタリングターゲットを用いれば、200℃以上では変形などを起こしてしまうような樹脂製のフィルム等の上に透明導電膜を作製する場合であっても、フィルム等の変形などを引き起こすことなく、高い光透過率および低い抵抗を有する透明導電膜を作製することができる。一方、145℃を超える温度で熱処理を行うと、十分な高透過率化および低抵抗化が得られず、むしろ従来のITO膜(In 23:SnO 2=90:10(質量比))より透過率が低く、比抵抗が高くなる傾向があるので好ましくない。
[0030]
 前記熱処理に要する時間は、通常0.1~2時間、好ましくは0.5~1時間である。前記熱処理は大気中で行うことができる。
 本発明のスパッタリングターゲットをスパッタリングすることにより得られる薄膜に対して前記熱処理を施すことにより、光透過率および比抵抗を向上させることができる。
[0031]
 特に光透過率は、上記温度での熱処理を施すことにより、可視光の波長域(例えば380~750nm)の波長域において、また特に短波長域(例えば300~380nm)において、従来知られていたITO薄膜(In 23:SnO 2=90:10(質量比))よりも高くすることができる。
[0032]
 このようにして得られた透明導電膜は、構成元素としてIn、Sn、TiおよびOを有し、たとえば、Inの含有比率がIn 23換算で88.0~98.2質量%であり、好ましくは90.0~97.0質量%、より好ましくは91.5~96.0質量%、さらに好ましくは93.0~95.5質量%であり、Snの含有比率がSnO 2換算で1.0~8.0質量%であり、好ましくは2.0~7.0質量%、より好ましくは2.7~6.0質量%、さらに好ましくは3.0~5.0質量%であり、Tiの含有比率がTiO 2換算で0.8~4.0質量%であり、好ましくは1.0~3.0質量%、より好ましくは1.3~2.5質量%、さらに好ましくは1.5~2.0質量%である。この透明導電膜は、前述のとおり、高光透過率を有し、さらに低抵抗を有し得る。
実施例
[0033]
 下記実施例および比較例において用いた測定方法を以下示す。
1.酸化物焼結体の相対密度
 酸化物焼結体の相対密度はアルキメデス法に基づき測定した。具体的には、酸化物焼結体の空中質量を体積(酸化物焼結体の水中質量/計測温度における水比重)で除し、下記式(X)に基づく理論密度ρ(g/cm 3)に対する百分率の値を相対密度(単位:%)
とした。
[数1]


(式中C1~Ciはそれぞれ酸化物焼結体の構成物質の含有量(質量%)を示し、ρ1~ρiはC1~Ciに対応する各構成物質の密度(g/cm 3)を示す。)
 下記実施例および比較例において酸化物焼結体の製造に使用する物質(原料)は、In 23、SnO 2、TiO 2であるため、例えば
C1:酸化物焼結体に使用したIn 23原料の質量%
ρ1:In 23の密度(7.18g/cm 3
C2:酸化物焼結体に使用したSnO 2原料の質量%
ρ2:SnO 2の密度(6.95g/cm 3
C3:酸化物焼結体に使用したTiO 2原料の質量%
ρ3:TiO 2の密度(4.26g/cm 3
 を式(X)に適用することで理論密度ρを算出することができる。
[0034]
2.酸化物焼結体の比抵抗
 酸化物焼結体の比抵抗は、三菱化学社製、ロレスタ(登録商標)HP MCP-T410(直列4探針プローブ TYPE ESP)を用いて、加工後の焼結体表面にプローブをあてて、AUTO RANGEモードで測定した。測定箇所は酸化物焼結体の中央付近および4隅の計5か所とし、各測定値の平均値をその焼結体のバルク抵抗値とした。
[0035]
3.膜の光透過性
 膜の光透過率は日立ハイテクサイエンス社製、紫外可視近赤外分光光度計UH4150を用いて測定した。測定条件は、スキャンスピード;600nm/min、波長領域;200~2600nmに設定した。初めに、成膜を行っていない素ガラス基板を装置にセットしてベースラインを測定し、その後各々の成膜サンプルの透過率を測定した。
[0036]
4.透明導電膜の比抵抗
 透明導電膜の膜比抵抗は、共和理研社製、四探針計測器 K-705RSを用いて測定した。
[0037]
[実施例および比較例]
(酸化物焼結体の製造)
 In 23粉末と、SnO 2粉末と、TiO 2粉末とを、表1に示した比率で、ボールミルを用いて混合し、混合粉末を調製した。
[0038]
 前記混合粉末に、4質量%に希釈したポリビニルアルコールを混合粉末に対して6質量%添加し、乳鉢を用いてポリビニルアルコールを粉末に良く馴染ませ、5.5メッシュの篩に通した。得られた粉末を200kg/cm 2の条件で仮プレスし、得られた仮成形体を乳鉢で粉砕した。得られた粉砕粉をプレス用の型に充填し、プレス圧1t/cm 2で60秒間成形して、成形体を得た。
[0039]
 得られた成形体を焼結炉に入れ、炉内に10L/minで酸素をフローさせ、焼成雰囲気を酸素フロー雰囲気とし、昇温速度を350℃/h、焼結温度を1550℃、焼結温度での保持時間を9hとして焼結した。
[0040]
 その後、降温速度100℃/hで冷却し酸化物焼結体を得た。
次に、得られた酸化物焼結体を切削加工し、表面粗さRaが1.0μmである幅210mm、長さ710mm、厚さ6mmのスパッタリングターゲット材を得た。なお、切削加工には#170の砥石を使用した。
 前記酸化物焼結体の相対密度および比抵抗を上記方法により測定した。結果を表1に示す。
 なお、各実施例および比較例において、各原料粉末を調製する際に計量した各元素の含有率が、得られた酸化物焼結体における各元素の含有率と等しいことを確認した。酸化物焼結体における各元素の含有率は、たとえば、ICP-AES(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy:誘導結合プラズマ発光分光法)により測定することができる。
[0041]
(スパッタリングターゲットの製造)
 前記スパッタリングターゲット材を、銅製バッキングプレートにIn半田により接合することでスパッタリングターゲットを製造した。
(透明導電膜の製造)
 前記スパッタリングターゲットを使用し、以下の条件でスパッタリングを行い、ガラス基板上に膜厚100nmの薄膜を成膜した。
   装置:真空機器工業株式会社製EX-3013M
      (DCマグネトロンスパッタリング装置)
   到達真空度:1.0×10 -4Pa未満
   スパッタガス:Ar/O 2混合ガス
   スパッタガス圧力:0.4Pa
   酸素流量:0~2.0sccm
   基板:ガラス基板(コーニング社製EAGLE XG(登録商標))
   基板温度:室温
   スパッタリング電力:3W/cm 2
 なお、各実施例および比較例において、スパッタリングターゲット材に用いられた酸化物焼結体における各元素の含有率が、成膜された透明導電膜における各元素の含有率と等しいことを確認した。透明導電膜における各元素の含有率は、たとえば、ICP-AES(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy:誘導結合プラズマ発光分光法)により測定することができる。
[0042]
 得られた薄膜を大気中、125℃で1時間熱処理して、透明導電膜を製造した。
 前記薄膜および透明導電膜の波長350nmおよび550nmにおける光透過率、透明導電膜の比抵抗を上記方法により測定した。光透過率および比抵抗の結果を表1に示す。
 比抵抗については、従来のITO薄膜である比較例1で得られた透明導電膜(In 23:SnO 2=90:10(質量比))の比抵抗 4.8×10 -4Ωcm(以下、基準比抵抗という)と比較して評価を行い、比抵抗が基準比抵抗の1.0倍未満であった透明導電膜を「A」、比抵抗が基準比抵抗の1.0倍以上1.1倍未満であった透明導電膜を「B」、比抵抗が基準比抵抗の1.1倍以上1.2倍未満であった透明導電膜を「C」、比抵抗が基準比抵抗の1.2倍以上であった透明導電膜を「D」と評価した。
[0043]
 また、実施例15において、スパッタリングにより得られた薄膜およびこの薄膜を125℃で熱処理することにより得られた透明導電膜の波長300nm~800nmの範囲における光透過率を図1に、実施例15および比較例1,3において、スパッタリングにより得られた薄膜を125℃で熱処理した透明導電膜の波長300nm~800nmの範囲における光透過率を図2に示す。図1において「as-depo」は、熱処理していないことを意味する。
[0044]
[表1]


請求の範囲

[請求項1]
 構成元素がIn、Sn、TiおよびOであり、Inの含有比率がIn 23換算で88.0~98.2質量%であり、Snの含有比率がSnO 2換算で1.0~8.0質量%であり、Tiの含有比率がTiO 2換算で0.8~4.0質量%である酸化物焼結体。
[請求項2]
 比抵抗が5.0×10 -4Ωcm以下である請求項1に記載の酸化物焼結体。
[請求項3]
 相対密度が95%以上である請求項1または2に記載の酸化物焼結体。
[請求項4]
 請求項1~3のいずれかに記載の酸化物焼結体からなるスパッタリングターゲット材。
[請求項5]
 請求項4に記載のスパッタリングターゲット材を基材に接合してなるスパッタリングターゲット。
[請求項6]
 構成元素としてIn、Sn、TiおよびOを有し、Inの含有比率がIn 23換算で88.0~98.2質量%であり、Snの含有比率がSnO 2換算で1.0~8.0質量%であり、Tiの含有比率がTiO 2換算で0.8~4.0質量%である透明導電膜。
[請求項7]
 請求項5に記載のスパッタリングターゲットをスパッタリングすることにより成膜された薄膜を110~145℃にて加熱処理する透明導電膜の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]