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1. (WO2018190234) ROTARY CONTROL VALVE
Document

明 細 書

発明の名称 回転式制御弁

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007  

課題を解決するための手段

0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011  

実施例 1

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073  

実施例 2

0074   0075   0076   0077  

実施例 3

0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8A   8B   9   10   11   12   13   14  

明 細 書

発明の名称 : 回転式制御弁

技術分野

[0001]
 本発明は回転式制御弁に係り、例えば、内燃機関等の熱源を冷却する冷却水を種々の熱補機類に分配するために用いられる回転式制御弁に関するものである。

背景技術

[0002]
 一般的な自動車においては、内燃機関を冷却する冷却水の熱を外部に放熱するために冷却水をラジエータに循環させる、或いは車室内を暖房するために温度の高い冷却水を暖房装置に循環させるといった目的のために、回転式制御弁を使用して各種熱補機類に冷却水を分配することが行われている。
[0003]
 このような自動車の内燃機関を冷却する冷却水を各種熱補機類に分配する回転式制御弁としては、例えば、DE102011083803A1(特許文献1)に記載されている。この特許文献1に記載された回転式制御弁は、一方に閉塞壁を有し他方に開放部を備える、有底円筒状の弁体であるロータをハウジング本体内に回転可能に収容し、このロータの回転位置に応じて流路を切り換える回転制御弁であって、ハウジング本体に形成した連通路に配置され、内部通路を有したシール部材の開口部と、ロータの外周壁部に形成した開口部との重なり合いにより開弁し、ロータの開放部である流入口から流入した冷却水を、ロータの外周壁部の開口部、及びシール部材の内部通路を介して自動車の各種熱補機類に分配する構成となっている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : DE102011083803A1

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 ところで、特許文献1等に記載の回転式制御弁においては、円筒状のロータの回転位置に応じて流量制御を行うものであり、連通路に配置された圧縮ばねに付勢されてロータの外周面と摺接するシール部材の内部通路と、ロータの開口部とが重なり合うことにより開弁し、シール部材とロータの開口部の相対位置がずれることによって閉弁する構成となっている。
[0006]
 そして、このような構成の回転式制御弁に使用される、シール部材の先端側のロータの外周面と接触する当接面の形状は、円筒状のロータの外周面と摺接できるように円弧状曲面となっている。しかしながら、シール部材がロータに摺接するように圧縮ばねで付勢されていたとしても、円筒状のロータの外周面とシール部材の当接面とが、良好な摺接状態を得ることができないという課題があった。
[0007]
 本発明の目的は、シール部材の先端に形成された当接面とロータの外周面とが適切に摺接することができる新規な回転式制御弁を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明の特徴は、ロータの円筒状の外周面と摺接するシール部材の先端の当接面が、ロータの円筒状の外周面に沿った円弧状曲面に形成され、更にロータの回転方向で見て当接面を形成する円弧状曲面の少なくとも前側端、或いは後側端に、ロータの外周面と非接触となる非接触部を形成して稜線部を形成する共に、シール部材の当接面を円筒状の外周面に押し付ける付勢部材がシール部材の当接面の反対側に配置されている、ところにある。

発明の効果

[0009]
 本発明によれば、円筒状のロータの外周面とシール部材の先端の当接面とが良好な摺接状態を得ることができるようになる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 本発明の回転式制御弁が適用される一例としての内燃燃関の冷却システムの構成図である。
[図2] 本発明の実施形態になる回転式制御弁の全体斜視図である。
[図3] 図2に示す回転式制御弁の分解斜視図である。
[図4] 図2に示す回転式制御弁であって、ロータの軸線方向に沿って断面した断面図である。
[図5] 図3に示す回転式制御弁のオイルクーラに繋がる連通路付近を、ロータの軸線に直交する方向に断面し、ロータとシール部材が閉じている状態の断面図である。
[図6] 図3に示す回転式制御弁のオイルクーラに繋がる連通路付近を、ロータの軸線に直交する方向に断面し、ロータとシール部材が連通している状態の断面図である。
[図7] 本発明の第1の実施形態になるシール部材の構成を示す構成図である。
[図8A] 図7に示すシール部材を先端側から見た斜視図である。
[図8B] 図7に示すシール部材を後端側から見た斜視図である。
[図9] 図7示すシール部材に装着されるシールリングの断面図である。
[図10] 本実施形態によるシール部材の収束動作を説明するための説明図である。
[図11] 本発明の第2の実施形態になるシール部材の構成を示す構成図である。
[図12] 図11に示すシール部材を先端側から見た斜視図である。
[図13] 本発明の第3の実施形態になるシール部材の構成を示す構成図である。
[図14] 図13に示すシール部材を先端側から見た斜視図である。

発明を実施するための形態

[0011]
 以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
実施例 1
[0012]
 本発明の具体的な実施形態を説明する前に、回転式制御弁の構成について簡単に説明するが、上述したように以下の説明では熱媒体として内燃機関の冷却水を使用する場合を例示的に示している。
[0013]
 図1において、内燃機関01のシリンダジャケットには冷却水ポンプ02から冷却水が供給されており、シリンダジャケットを冷却した冷却水は回転式制御弁10に送られ、一部はサーモスタットを介して常時循環用として再び冷却水ポンプ02の吸入側に戻されている。また、残りの冷却水は暖房装置03やラジエータ04、及びオイルクーラ05等の熱補機類に送られている。尚、これらの熱補機類は例示的に示しているものであり、これ以外の熱補機類を使用しても差し支えないものである。
[0014]
 そして、これらの熱補機類への冷却水の分配は、電子流路切換手段06によって制御されている。例えば、この電子流路切換手段06には、回転式制御弁10に設けた水温センサ07からの水温情報、内燃機関01の運転状態情報、車室内の各種操作機器の操作状態情報等が入力されており、電子流路切換手段06によって演算された制御信号に応じて各熱補機類への流路を切り換えるものである。
[0015]
 回転式制御弁10には後述するように、駆動機構として機能する電動モータが内蔵されており、この電動モータは電子流路切換手段06からの制御信号によって、その回転位置が制御されるものである。電動モータにはロータが固定されており、ロータを回転させることで、回転式制御弁10に形成した各熱補機類に接続される連通路に冷却水を流し、内燃機関からの冷却水を各熱補機類に分配するものである。
[0016]
 図2は回転式制御弁10の外観を示しており、ハウジング本体11には、シリンダジャケットに繋がる接続パイプ12A、暖房装置03に繋がる接続パイプ12B、ラジエータ04に繋がる接続パイプ12C、オイルクーラ05に繋がる接続パイプ12Dが設けられている。また、回転式制御弁10には内燃機関01から冷却水が流入しており、ハウジング本体11の内部に設けられたロータによって、接続パイプ12A~12Dに冷却水が分配されている。
[0017]
 回転式制御弁10にはワックスが封入されたサーモスタットを覆うカバー17が設けられており、接続パイプ12Aに流れる冷却水を温度によって制御している。また、回転式制御弁10のハウジング本体11の頂部には電子流路切換手段06が固定されており、ハウジング本体11の内部に収納された電動モータを制御している。
[0018]
 図3は、図2に示す回転式制御弁10を分解して斜め方向から眺めた構成を示している。ハウジング本体11には中空円筒状のロータ(弁本体)14を収納する弁収納部(図4参照)と、電動モータ(=駆動機構)15が収納されるモータ収納部16が形成されている。また、ハウジング本体11には、外側から電子流路切換手段06が固定ボルトによって固定され、いわゆる機電一体型に構成されている。
[0019]
 更に、図2で説明したように、ハウジング本体11の周囲には、シリンダジャケットに繋がる接続パイプ12A、暖房装置03に繋がる接続パイプ12B、ラジエータ04に繋がる接続パイプ12C、オイルクーラ05に繋がる接続パイプ12Dが取り付けられている。尚、接続パイプ12Cにはサーモスタット13を覆うカバー17が一体的に形成されている。ここで、ハウジング本体11と各接続パイプ12B~12Dの間には、シール部材18と、付勢部材として機能する圧縮ばね19が配置されている。
[0020]
 つまり、ハウジング本体11と各接続パイプ12B~12Dが組み付けられた状態で、ハウジング本体11に形成された連通路には、シール部材18と圧縮ばね19が配置されている。シール部材18は、両端が開口した、断面が円形筒状に形成されており、圧縮ばね19によって、その先端面はロータ14の外周壁部20に押圧、接触されている。これらの詳細な構造は図4において説明する。
[0021]
 ロータ14は、一方に閉塞壁22が形成され、他方に開放部28が形成された有底円筒状に形成されている。ロータ14の円筒部を形成する、断面が円形の外周壁部20には複数の開口部21が形成されており、これらは、各接続パイプ12A~12Dと選択的に接続され、開放部28から外周壁部20の内部に流入してくる冷却水CAを、各接続パイプ12A~12Dに流出させる構成となっている。外周壁部20に形成した開口部21と各接続パイプ12A~12Dの接続状態の選択は、接続される熱補機類によって適切に組み合わされるものである。
[0022]
 ロータ14は合成樹脂から作られており、好ましくは、ポリフェニレンスルファイド樹脂(PPS)を主原料とする材料から作られており、耐熱性、耐寒性に優れ、また優れた耐薬品性を備えている。したがって、クーラントを使用する内燃機関の冷却水システムに好適なものである。更に、これにガラスフィラー(ガラス繊維)を混練した複合材料とすれば、更に強度を高めると共に形状安定性を向上でき、高精度な弁機能を持たせることが可能となるものである。
[0023]
 また、ロータ14の閉塞壁22は回転軸23に固定されており、回転軸23の回転に同期してハウジング本体11の弁収納部内で回転されるものである。この回転に同期してロータ14は、各接続パイプ12A~12Dとの接続関係を選択(流路の切り換え)するものである。尚、ロータ14の回転状態によって開口部21はシール部材18の開口との重なり度合いを制御できるので、流量を制御するように動作される場合もある。
[0024]
 電動モータ15とロータ14とはウォームギア機構で連結されている。すなわち、ロータ14が固定された回転軸23の反対側の端部には、ウォームホイール24が固定されており、このウォームホイール24はウォーム軸の一方に形成されたウォーム25と噛み合わされている。また、ウォーム軸の他方に形成されたウォームホイール26は電動モータ15に固定されたウォーム27と噛み合わされている。したがって、電動モータ15が回転すると、この回転はウォーム27⇒ウォームホイール26⇒ウォーム25⇒ウォームホイール24を経て回転軸23に伝えられ、最終的にロータ14を回転させるものである。
[0025]
 また、電動モータ15やウォームギア機構を覆うようにして、電子流路切換手段06を備えたカバーがハウジング本体11に固定されている。電子流路切換手段06からの制御信号は、電動モータ15に与えられて所定の回転動作を行うように動作される。
[0026]
 次に、ロータ12とハウジング本体11に設けられたシール部材18の関係を図4に基づき説明する。図4は、ロータ14が配置されている領域を軸線方向に断面したものを示している。
[0027]
 図4において、ハウジング本体11には、ロータ14の軸線方向に直角な断面が円形状の弁収納部29が形成されており、弁収納部29は、円筒形状の側面壁30、及び側面壁30の一方の面を塞ぐ端面壁31より構成されており、端面壁31の反対側は開放されて開放部となっている。したがって、ロータ14が弁収納部29に収納された状態で、ロータ14の閉塞壁22側が弁収納部29の端面壁31に対向するように収納されるものである。
[0028]
 端面壁31の中央付近には、弁収納部29の内側に向けて軸方向に延びる軸受固定部32が形成されており、この軸受固定部32に配置された滑り軸受33によって、図3に示す回転軸23が回転可能に軸支されるものである。
[0029]
 ロータ14の閉塞壁22は、中央付近に外周壁部20の軸方向内側に突入している円形状の固定部34が形成されており、この固定部34に図3に示す回転軸23が固定されるようになっている。したがって、電動モータ15の回転はウォームホイール24、ウォーム25等のウォームギア機構を介して減速、増力されて回転軸23に与えられ、更にロータ14を回転させることになる。これらのウォームホイール24、ウォーム25は電子流路切換手段06が設けられたカバー35で、液密的に覆われている。
[0030]
 次に図5、図6に基づき、回転式制御弁10のオイルクーラ05に繋がる連通路付近を、ロータ14の軸線に直交する方向に断面した場合の構成を説明する。図5においてはロータ14の開口部21とシール部材18の内部通路37とが連通していない状態を示し、図6においてはロータ14の開口部21とシール部材18の内部通路37とが互いに連通している状態を示している。
[0031]
 つまり、図5においては、ロータ14の内部とシール部材18の内部通路37とは、外周壁部20によって連通が遮断されて、ロータ14の内部から接続パイプ12Dへ冷却水が流れることはないものである。一方、図6においては、ロータ14の内部とシール部材18の内部通路37とは、外周壁部20に形成した開口部21を介して連通されて、ロータ14の内部から接続パイプ12Dへ冷却水が流れるようになる。
[0032]
 そして、ハウジング本体11の内部には、ロータ14を収納する弁収納部29と、これに隣接して電動モータ15が収納される、モータ収納部16が一体的に形成されている。ロータ14は弁収納部29の内部で回転可能に収納されており、上述した回転軸23によって回転されるものである。ロータ14の外周壁部20の接線に直交する方向に、ハウジング本体11に連通路36が形成されており、この連通路36に嵌入されるようにして、オイルクーラ05に接続される接続パイプ12Dが取り付けられている。
[0033]
 連通路36とロータ14の外周壁部20の間には、両端が開口した円筒状のシール部材18が配置されており、シール部材18は、シール部材18の外周壁部20と摺接する先端面とは反対側で、ハウジング本体11に嵌入された接続パイプ12Dの端面との間に配置された圧縮ばね19によって、ロータ14の外周壁部20に押圧、接触されている。したがって、ロータ14が回転すると、ロータの外周壁部20の壁面とシール部材18の先端面とは、摺接するように接触される形態となる。
[0034]
 シール部材18は、滑りが円滑で形状安定性に優れた合成樹脂で作られており、本実施形態では、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン:PTFE)を主原料とする材料が用いられている。更に、これにカーボン粒子、カーボン繊維等を混練した複合材料とすれば、強度を高めると共に形状安定性を向上でき、高精度な弁機能を持たせることが可能となるものである。
[0035]
 また、フッ素系樹脂以外にポリフェニレンスルファイド樹脂(PPS)から作ることも可能であり、この場合もガラスフィラー(ガラス繊維)を混練した複合材料とすれば、強度を高めると共に形状安定性を向上でき、高精度な弁機能を持たせることが可能となるものである。
[0036]
 ロータ14の外周壁部20に形成された開口部21は、ロータ14が回転することによってシール部材18の先端面と摺動しながら、シール部材18に形成した内部通路37と重なり合い、ロータ14の内部と内部通路37とを接続するものである。そして、内燃機関からの冷却水は、紙面に垂直な方向から、ロータ14の閉塞壁22の反対側の開放部28からロータ14の内部に流入し、ロータ14に形成した開口部21を介してシール部材18の内部通路37、連通路36、及び接続パイプ12Dに流出するものである。尚、他の接続パイプ12A、12B、12Cにおいても同様の構成となっている。
[0037]
 このように、回転式制御弁10においては、円筒状のロータ14の回転位置に応じて流量制御(流路切り換え)を行うものであり、圧縮ばね19に付勢されてロータ14の外周壁部20と摺接するシール部材18の先端面と、ロータ14の外周壁部20に形成した開口部21とが重なり合うことにより開弁し、シール部材18の先端面とロータ14の外周壁部20の開口部21の相対位置がずれることによって閉弁する構成となっている。
[0038]
 そして、シール部材18の先端に形成された、ロータ14の外周壁部20との接触面は、円筒状のロータ14の外周壁部20と当接できるよう円弧状曲面となっている。したがって、シール部材18の先端面が、ロータ14の外周壁部20に対して精度良く密着しないで組み付けられている場合、圧縮ばね19でシール部材18がロータ14の外周壁部20側に付勢されていたとしても、ロータ14の外周壁部20との間で、良好な接触状態を確保するのが難しくなるという課題があった。
[0039]
 シール部材18の外周面と連通路36の間には、シールリング38(図5参照)が配置されている。このため、シール部材18がロータ14の外周壁部20に対して正規の位置で密着するように組み付けられていない場合、圧縮ばね19でシール部材18をロータ14の外周壁部20側に押圧していても、シールリング38の摺動抵抗等によって、シール部材18が正規の位置に自動的に収束できないという現象を生じるものである。
[0040]
 例えば、シール部材18が、シール部材18の軸線を中心にして回転方向にずれて組み付けられた場合においては、シール部材18の先端面が、ロータ14の外周壁部20に対して、正規の位置からずれて対向配置されるため、外周壁部20の開口部21とシール部材18の内部通路37の開口タイミングがずれてしまうという課題を生じるようになる。
[0041]
 そこで、本実施形態ではこのような課題に対応するため、シール部材の先端面とロータの外周面とが適切に摺接することができる新規な回転式制御弁を提案するものである。
[0042]
 次に本実施形態の具体的な構成について、図7~図10を用いて詳細に説明する。図7は、本実施形態になるシール部材18の正面とこれに対応する側面を示し、図8A、図8Bはシール部材18の先端側及び後端側から斜視した構成を示している。また、図9はシール部材18の外周に嵌装されるシールリングを示している。
[0043]
 図7~図9において、シール部材18は円形筒状に形成され、先端面18Fと後端面18Rを有し、内部に冷却水が流れる内部通路37が形成されている。ここで、先端面18Fは、ロータ14の外周壁部20と摺接する当接面となるので、以下では、先端面を当接面18Fと表記して説明する。
[0044]
 また、当接面18Fと後端面18Rの間の途中の外周面に、環状のシールリング収納溝39が形成されている。シールリング収納溝39にはシールリング38が収納されるが、このシールリング38は、図9に示すように断面が「X」形状に形成されたシールリングである。この断面が「X」形状のシールリング38を使用することによって、シールリング38と連通路36の内周面の間の摺動抵抗を低減することができる。このシールリング38を使用することによって摺動抵抗を低減できるので、後述するシール部材18の正規位置への収束動作を円滑に行うことができるようになる。
[0045]
 図7、図8Aに示すように、シール部材18の当接面18Fは、ロータ14の円形状の外周壁部20に摺接するため、内部通路37の外側に形成される環状シール領域40が形成されている。この環状シール領域40は、ロータ14の軸線方向に沿った方向から見た側面形状、つまり、シール部材18の軸線Cに沿った側面形状が、ロータ14の外周壁部20の外周面に対応する形状である円弧状曲面に形成されている。
[0046]
 そして、ロータ14の回転方向で見て、後端面18Rに最も近づく後退部41と、この後退部41の両側に、外周壁部20の形状に沿って円弧状に延びる先行側突出部42A、及び後行側突出部42Rとが形成されている。この先行側突出部42A、及び後行側突出部42Rは、シール部材18の後端面18Rからの長さが、後退部41までの長さより長く設定されているものである。尚、後端面18Rは、シール部材18の軸線Cに対して直交するような平面状に形成されている。
[0047]
 先行側突出部42A、及び後行側突出部42Rは、2つの後退部41によって夫々挟まれており、先行側突出部42A、及び後行側突出部42Rは、それぞれ相対向する位置に形成されている。したがって、シール部材18が正規の位置で連通路36に組み付けられると、この環状シール領域40が、ロータ14の外周壁部20の外周面に沿って適切に当接することになる。そして、環状シール領域40に形成された先行側突出部42A、後退部41、後行側突出部42Rは、ロータ14の回転方向RTに対して、先行側突出部42A、後退部41、後行側突出部42Rの順序で位置することになる。
[0048]
 図7において、環状シール領域40の先行側突出部42A、及び後行側突出部42Rと、シール部材18の軸方向の中心Oを通る回転方向RTに沿った線分Pの中心Oに直交する線分Qを境にして、先行側突出部42Aの前側端、及び後行側突出部42Rの後側端に非接触部43が形成されている。言い換えれば、ロータ14の回転方向で見て、当接面18Fを形成する円弧状曲面の少なくとも前側端、或いは後側端に、ロータ14の外周壁部20と非接触となる非接触部43が形成されているものである。
[0049]
 この非接触部43は、ロータ14の回転方向RTで、シール部材18の当接面18Fの外周側から内側に向けて、シール部材18の軸線Cに直交する方向に切り取られた形状の平坦面から形成されている。したがって、この平坦面(=非接触部43)は、形状的にはシール部材18の後端面18Rと平行な関係となっている。
[0050]
 そして、夫々の非接触部43に隣接する先行側突出部42A、及び後行側突出部42Rとで形成された稜線部44A、44Rは、ロータ14の回転方向と直交する方向に直線状に形成されている。更に、図7からわかるように、先行側突出部42Aと後行側突出部42Rの直線状の稜線部44A、44Rは、互いに平行な状態に形成されている。
[0051]
 この非接触部43は、ロータ14の外周壁部20と接触しない非接触領域を形成し、この非接触部43に隣接して先行側突出部42A、及び後行側突出部42Rが形成されている。したがって、ロータ14の外周壁部20と接触するのは、ロータ14の回転方向で、先行側突出部42A、後退部41、後行側突出部42Rに至る円弧状曲面だけである。
[0052]
 非接触部43は、上述したようにロータ14の回転方向で見て、環状シール領域40の先行側突出部42Aの前側と、後行側突出部42Rの後側に形成され、線分Qに沿って切り取られて形成されている。尚、線分Qはロータ14の軸線と平行であり、非接触部43は、ロータ14の軸線に沿って形成されていることになる。
[0053]
 したがって、図7に示すように、環状シール領域40の先行側突出部42A、及び後行側突出部42Rには、内部通路37との間に、狭小シール領域40Nが形成されている。先行側突出部42Aの前側端、及び後行側突出部42Rの後側端が、線分Qに沿って非接触部43によって切り取られることで、先行側突出部42Aには直線状の稜線部44Aが形成され、後行側突出部42Rには、これも直線状の稜線部44Rが形成されることになる。
[0054]
 そして、先行側突出部42Aの稜線部44Aと、後行側突出部42Rの稜線部44Rが、線分Qと平行の関係を有しており、また、稜線部44Aと稜線部44Rも平行の関係を有している。更に、稜線部44Aと稜線部44Rは、ロータ14の回転方向と直交するように延びている。尚、ここで、上述した説明で述べている、「非接触部43が切り取られる」とは、実際に切削工具で加工することや、金型等の型枠で事前に形成することを意味するものである。要は非接触部43が形成されていれば良いものである。
[0055]
 本実施形態では、この夫々の稜線部44A、44Rを形成することが特徴となっている。例えば、仮に、シール部材18がロータ14の外周壁部20に対して正規の位置で密着するように組み付けられていない場合、圧縮ばね19でシール部材18をロータ14の外周壁部20側に押圧することで、シール部材18が正規の位置に自動的に収束できるようになるものである。本実施形態では、非接触部43と先行側突出部42A、及び後行側突出部42Rで形成される稜線部44A、44Rが、シール部材18の収束機能部として動作するものである。尚、収束機能部として動作する理由については図10を用いて説明する。
[0056]
 ここで、本実施形態では、環状シール領域40の先行側突出部42A、及び後行側突出部42Rの両方に、稜線部44A、44Rを形成しているので、シール部材18を正規の位置に自動的に収束する収束力を増加することができる。仮に、先行側突出部42A、或いは後行側突出部42Rの一方にだけ設けた場合に比べて、約2倍の収束力を得ることができる。
[0057]
 次に環状シール領域40の先行側突出部42A、及び後行側突出部42Rに形成された稜線部44A、44Rによる収束機能について、図10に基づき説明する。図10においては、シール部材18が、シール部材18の軸方向の中心Oに対して回転方向にずれて組み付けられた場合を示している。このため、ロータ14の外周壁部20とシール部材18の後退部41付近では隙間Gが形成されることになる。したがって、この隙間Gを無くすように、シール部材18を正規の位置に収束させれば良いものである。
[0058]
 図10において、シール部材18の外周半径を「Ro」、圧縮ばね19の圧縮荷重を「Fa」、シール部材18の外周壁部20の周面方向の接触角を「α」、シール部材18の稜線部44Rの一方の径方向の正規状態の接触角を「γ」、及び回転方向にずれて組み付けられた時の接触角を「γ’」、シール部材18とロータ14の外周壁部20の間の接触面の摩擦係数を「μ」とする。そして、ロータ14の外周壁部20の垂直方向の荷重「Fr」は、以下の式(1)で表される。Fr=Fa×COSα・・・(1)また、ロータ14の外周壁部20の接線方向の荷重「Fs」は、以下の(2)式で表される。Fs=Fa×SINα・・・(2) そして、この時に稜線部44Rで発生する接線方向の荷重分力「Fss」は、以下の(3)式で表される。Fss=(Fs-μFr)×COSα・・・(3)更に、稜線部44Rでのシール部材18の回転方向への回転力「Fssr」は、以下の(4)式で表される。Fssr=Fss×SINγ’・・・(4)よって、シール部材18の軸線周りに作用する回転トルク「Ts」は、以下の(5)式で表される。Ts=Ro×Fssr・・・(5) したがって、シール部材18の回転(図10の下側の図面で左回転方向)に伴って、稜線部44Rが、ずれていた角度位置「γ’」から正規の位置の角度位置「γ」に近づくようになる。このように回転トルク「Ts」は、シール部材18に対してシール部材18の軸心を中心として回転方向にずれた状態から、正規の位置に収束させる収束力となるものである。尚、正規の位置の角度位置「γ」に近づくにつれて回転力は減少するようになる。
[0059]
 ここで、上述した稜線部44Rの一方とは反対側の他方には、回転力「Fssr」とは反対向きの回転力が発生するが、この場合は他方端の径方向の接触角「γエ」が小さいので回転力が弱く、シール部材18は正規の位置に近づく方向(図10の下側の図面で左回転方向)に回転する。そして、稜線部44Rとロータ14の軸線とが平行になると、相互の回転力がほぼ消失して、シール部材18は正規の位置に維持されるようになるものである。
[0060]
 したがって、シール部材18が、正規の位置から左右回転方向のどちらかにずれて組み付けられても、正規の位置に収束させることが可能となる。尚、先行側突出部42Aの稜線部44Aについても同様であるので、説明は省略する。
[0061]
 一方、稜線部44A、44Rが形成されていない従来のシール部材では、稜線部44A、44Rが無いため角度「γ」=0となって、軸心を中心としたシール部材18の回転力「Fssr」が「0」になるので、回転トルク「Ts」が発生しない。このため、シール部材18に収束力が発生せず、シール部材18が、軸心を中心として回転方向にずれた状態で組み付けると、この状態を維持したままの状態になる恐れが大きい。このため、外周壁部20の開口部21とシール部材18の内部通路37の開口タイミングがずれてしまうという課題を生じるようになる。
[0062]
 このように、本実施形態では、ロータ14の円筒状の外周壁部20と摺接するシール部材18の当接面18Fが、円筒状の外周壁部20に沿った円弧状曲面に形成され、更にロータ14の回転方向で見て円弧状曲面の少なくとも前側端、及び後側端に、外周壁部20と非接触となる非接触部43によって稜線部44A、及び稜線部44Rを形成したものである。尚、本実施形態の場合では、シール部材18が正規の位置に収束した状態で、稜線部44A、及び稜線部44Rは、ロータ14の軸線と平行な状態となる。
[0063]
 この構成によれば、圧縮ばね19でシール部材18をロータ14の外周壁部20側に押圧することで、シール部材18が回転方向にずれて配置されていても、稜線部44A、44Rの働きによって、シール部材18が正規の位置に自動的に収束できるようになるものである。
[0064]
 尚、この構成は、シール部材18の先端に、ロータ14の円筒状の外周壁部20と当接する円弧状曲面を形成し、更にシール部材18がロータ14の外周壁部20に対して正規の位置からずれて組み付けられている場合、圧縮ばね19でシール部材18をロータ14の外周壁部20側に押圧することで、シール部材18が正規の位置に収束できる収束機能部44A、44Rを円弧状曲面に形成した、ものであると言い換えることができる。
[0065]
 また、この構成は、シール部材18の先端にロータ14の円筒状の外周壁部20と当接する円弧状曲面を形成し、更に、シール部材18がロータ14の外周壁部20に対して正規の位置からずれて組み付けられている場合、圧縮ばね19でシール部材18をロータ14の外周壁部20側に押圧することで、シール部材18をずれた状態から正規の位置に回転させる個所と、これとは反対方向に回転させる個所を円弧状曲面に形成した、ものであると言い換えることができる。
[0066]
 このような本実施形態によれば、シール部材18の当接面18Fに形成した非接触部43に隣接する先行側突出部42A、及び後行側突出部42Rに形成された稜線部44A、44Rと、ロータ14の円筒状の外周壁部20の間で、シール部材18の当接面18F側にロータ14の外周壁部20に整合する収束力が生じることで、シール部材18の当接面18Fが正規の位置に収束して、シール部材18の当接面18Fとロータ14の外周壁部20が適切に摺接することができるようになる。
[0067]
 また、シール部材18は連通路36内に摺動可能な構成とされているので、連通路36の内周面と摺動することになって、回転方向の組み付け角度の「ずれ」を修正し難いものとなっている。しかしながら、本実施形態の構成によれば、上述した様にシール部材18の先端の当接面18Fに稜線部44A、44Rからなる収束機能部を設けているので、シール部材18の先端とロータ14の外周壁部20とが適切に摺接することができるようになる。
[0068]
 また、シール部材18の外周面と連通路36の内周面の間にはシールリング38が設けられ、シール部材18の外周面から冷却水の漏れを低減するようになっているが、シールリング38は摺動抵抗が大きいので、更に回転方向の組み付け角度の「ずれ」を修正し難いものとなっている。しかしながら、上述した理由と同様にシール部材18の先端とロータ14の外周壁部20とが適切に摺接することができるようになる。
[0069]
 更に、シール部材18とロータ14の外周壁部20は、互いに合成樹脂で作られているため摺動抵抗が大きく、回転方向の組み付け角度の「ずれ」を修正し難いものとなっている。しかしながら、上述した理由と同様にシール部材18の先端とロータ14の外周壁部20とが適切に摺接することができるようになる。
[0070]
 図8A、図8Bに戻って、シール部材18の後端面18Rには、シール部材18の周方向で見て、非接触部3の形成位置と同じ位置に、一対の位置調整溝45が形成されている。この位置調整溝45は幾つかの機能を備えており、例えば、「合せ目印」としての視認機能、或いはシール部材18の組み付け位置の調整機能を備えている。
[0071]
 このため、シール部材18を連通路36に組み付ける時に、この位置調整溝45の位置を確認すれば、非接触部43の形成位置を間接的に知ることができ、これによってシール部材18とロータ14の外周壁部20との大体の当接位置を確保することができる。また、シール部材18とロータ14の外周壁部20との当接位置が回転方向で大きくずれていた場合には、治具によって位置調整溝45を回転させてシール部材18を正規の組み付け位置に近づけるように調整することができる。
[0072]
 尚、位置調整溝45の正確な組み付け位置を示すために、連通路36が形成されているハウジング本体11にも、シール部材18に設けた位置調整溝45に対応する「合せ目印」を形成しておくことも可能である。これによって、合せ目印である位置調整溝45と、ハウジング本体11側の合せ目印を一致させることで、シール部材18を連通路36に正確に組み付けることが可能となる。
[0073]
 更に、この後に圧縮ばね19を装着して接続パイプ12Dを嵌入すると、シール部材18の当接面18Fに形成した非接触部43に隣接する、先行側突出部42A、及び後行側突出部42Rに形成した稜線部44A、44Rと、ロータ14の円筒状の外周壁部20の外周面の間で、圧縮ばね19の押圧力によってシール部材18の当接面18F側に、ロータ14の外周壁部20に整合する収束力が生じる。これによって、シール部材18が回転方向にずれて配置されていても、シール部材18が正規の位置に自動的に収束できるようになるものである。
実施例 2
[0074]
 次に本発明の第2の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態によれば、非接触部43は、ロータの回転方向で見て環状シール領域40の先行側突出部42Aの前側と、後行側突出部42Rの後側に形成されているが、図11、図12に示すように、先行側突出部42Aと後行側突出部42Rどのどちらか一方にだけ形成することも可能である。
[0075]
 図11、図12において、非接触部46は環状シール領域40の先行側突出部42Aの前側だけ(或いは、後行側突出部42Rの後側だけ)に形成したものである。この構成によっても、第1の実施形態と同様の作用、効果を奏することができるものである。
[0076]
 また、第1の実施形態、及び第2の実施形態では、シール部材18の軸線Cに直交する方向に平坦面状の非接触部43を形成しているが、非接触部43は連続した傾斜面、或いは階段状の傾斜面に形成することも可能である。傾斜面(=非接触部43)は、先行側突出部42A、或いは後行側突出部42Rから後端面18Rに向けて、シール部材18の軸線Cから遠ざかる方向に傾斜して形成すれば良いものである。
[0077]
 また、先行側突出部42A、或いは後行側突出部42Rと傾斜面で形成される稜線部44A、44Rは、図7~図9に示す実施形態と同様に直線状であり、先行側突出部42A、或いは後行側突出部42Rと非接触部である傾斜面とが交差する部分に形成されている。このような構成のシール部材18においても、図7~図9に示す実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
実施例 3
[0078]
 次に本発明の第3の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態、及び第2の実施形態では、シール部材18の軸線Cに直交する方向に平坦面状の非接触部43を形成しているが、本実施形態では、軸線Cの方向に沿い、しかも後端面18Rに向かう非接触部としての機能を備える切欠き部を形成したものである。尚、第1の実施形態と同じ符号は同じ構成部品を示しているので、必要ない場合は説明を省略する。
[0079]
 図13、図14に示すように、シール部材18の当接面18Fの形状は、ロータ14の円形状の外周壁部20に摺接するため、内部通路37の外側に形成される環状シール領域40が形成されている。この環状シール領域40は、第1の実施形態と同様に、シール部材18の軸線Cに沿った側面形状が、ロータ14の外周壁部20の外周面に対応する円弧状曲面に形成されており、後端面18Rに最も近づく後退部41と、この後退部41の両側に、外周壁部20の形状に沿って円弧状に延びる先行側突出部46A、及び後行側突出部46Rとが形成されている。
[0080]
 先行側突出部46A、及び後行側突出部46Rは、後退部41によって夫々挟まれており、先行側突出部46A、及び後行側突出部46Rは、それぞれ相対向する位置に形成されている。したがって、シール部材18が正規の位置で連通路36に組み付けられると、この環状シール領域40が、ロータ14の外周壁部20の外周面に沿って適切に当接することになる。そして、ロータ14の回転方向RTに対して、先行側突出部46A、後退部41、後行側突出部46Rの順序で位置することになる。
[0081]
 図13において、環状シール領域40の先行側突出部46A、及び後行側突出部46Rと、シール部材18の中心Oを通る回転方向RTに沿った線分Pの中心Oに直交する線分Qを境に、ロータ14の回転方向RTで見て、先行側突出部46Aの前側端、及び後行側突出部46Rの後側端に切欠き部47が形成されている。この切欠き部47は、ロータ14の回転方向で見て、シール部材18の当接面18Fの前側端と後側端から後端面18R側に向かって、シール部材18の軸線に沿って所定長さだけ、切り取られて段差状に形成されている。
[0082]
 つまり、切欠き部47は、シール部材18の当接面18Fに形成された、先行側突出部46A、及び後行側突出部46Rに対して、後端面18R側に後退した位置まで、シール部材18を形成する合成樹脂の肉が切り取られる形態で形成されており、第1の実施形態の非接触部43と同様に、稜線部を形成する機能を備えているものである。
[0083]
 そして、切欠き部47に隣接する先行側突出部46A、及び後行側突出部46Rには、ロータ14の回転方向と直交する方向に、直線状の稜線部48A、48Rが形成されており、更に、図からわかるように、直線状の先行側突出部46Aの稜線部48Aと、後行側突出部46Rの稜線部48Rとは、互いに平行な状態に形成されている。
[0084]
 この切欠き部47は、実施例1と同様にロータ14の外周壁部20と接触しない非接触領域を形成し、この切欠き部47に隣接して先行側突出部46A、及び後行側突出部46Rが形成されている。したがって、ロータ14の外周壁部20と接触するのは、先行側突出部46A、後退部41、後行側突出部46Rに至る円弧状曲面だけである。
[0085]
 切欠き部47は、ロータ14の回転方向で見て、環状シール領域40の先行側突出部46Aの前側端と、後行側突出部46Rの後側端に形成され、線分Qに沿って直線状に切り取られて形成されている。尚、線分Qはロータ14の軸線と平行であり、切欠き部47は、ロータ14の軸線に沿って形成されていることになる。
[0086]
 したがって、図13にあるように、環状シール領域40の先行側突出部46A、及び後行側突出部46Rには、内部通路37との間に、狭小シール領域40Nが形成され、線分Qに沿って切欠き部47によって切り取られることで、先行側突出部46Aには直線状の稜線部48Aが形成され、後行側突出部46Rには、これも直線状の稜線部48Rが形成されている。
[0087]
 また、第1の実施形態と同様に、先行側突出部46Aの稜線部48Aと、後行側突出部46Rの稜線部48Rが、線分Qと平行の関係を有しており、また、稜線部48Aと稜線部48Rも平行の関係を有している。更に、稜線部48Aと稜線部48Rは、ロータ14の回転方向と直交するように延びている。
[0088]
 本実施形態では、第1の実施形態と同様に、夫々の稜線部48A、48Rを形成することが特徴となっている。例えば、仮に、シール部材18がロータ14の外周壁部20に対して正規の位置で密着するように組み付けられていない場合、圧縮ばね19でシール部材18をロータ14の外周壁部20側に押圧することで、シール部材18が正規の位置に自動的に収束できるようになるものである。本実施形態では、切欠き部47と突出部46A、46Rで形成される稜線部48A、48Rによって、シール部材18の収束機能部として動作する。尚、収束機能部として動作する理由は第1の実施形態と同様である。
[0089]
 このように、本実施形態では、ロータ14の円筒部の外周面と摺接するシール部材18の先端の当接面が、円筒部の外周面に沿った円弧状曲面に形成され、更にロータ14の回転方向で見て円弧状曲面の少なくとも前側端、或いは後側端に、ロータの軸線方向に沿って円筒状の外周壁部20と非接触となる切欠き部47によって形成される稜線部48A、及び稜線部48Rを形成したものである。
[0090]
 この構成によれば、圧縮ばね19でシール部材18をロータ14の外周壁部20側に押圧することで、シール部材18が回転方向にずれて配置されていても、稜線部48A、48Rの働きによって、シール部材18が正規の位置に自動的に収束できるようになるものである。
[0091]
 尚、上述した本実施形態によれば、切欠き部47は環状シール領域40の先行側突出部46Aの前側と、後行側突出部46Rの後側に形成されているが、図11、図12に示すように、先行側突出部46Aの前側、或いは後行側突出部46Rの後側だけとすることも可能である。
[0092]
 また、第1の実施形態~第3の実施形態からわかるように、非接触部43、或いは非接触部として機能する切欠き部47は、シール部材18の軸線Cに直交する平面から軸線Cに平行な平面の間の90ーの角度範囲内に形成されていれば良く、これによって先行側突出部42A、46A、及び後行側突出部42R、46Rとの間で稜線部44A、44R、48A、48Rを形成することができる。
[0093]
 更に、以上に説明した第1の実施形態~第3の実施形態では、制御すべき流体として代表的に内燃機関の冷却水を説明したが、これに限らず種々の流体の制御に適用できることはいうまでもない。
[0094]
 以上述べた通り、本発明によれば、ロータの円筒状の外周面と摺接するシール部材の先端の当接面が、円筒状の外周面に沿った円弧状曲面に形成され、更にロータの回転方向で見て円弧状曲面の少なくとも前側端、或いは後側端に、円筒状の外周面と非接触となる非接触部を形成して稜線部を形成する共に、シール部材の当接面を円筒状の外周面に押し付ける付勢部材がシール部材の当接面の反対側に配置されている、構成とした。
[0095]
 これによれば、円筒状のロータの外周面とシール部材の先端面とが、良好な摺接状態を得ることができるようになる。
[0096]
 尚、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
[0097]
 以上説明した実施形態に基づく回転式制御弁としては、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
[0098]
 すなわち、当該回転式制御弁は、その1つの態様において、内外周を貫通する開口部が設けられた円筒部を備え、前記円筒部が回転可能に構成されたロータと、前記円筒部の外周面と摺接する当接面を有し、前記開口部と連通する内部通路を形成すると共に、前記当接面が前記円筒部の外周面に沿った円弧状曲面に形成され、更に前記円筒部の回転方向で見て前記円弧状曲面の少なくとも前側端、或いは後側端に、前記円筒部の前記外周面と非接触となる非接触部を形成して稜線部が形成されているシール部材と、前記シール部材の前記当接面を前記円筒部の前記外周面に押し付け、前記シール部材の前記当接面の反対側に配置されている付勢部材と、前記ロータを回転させる駆動機構と、を備えている。
[0099]
 前記回転式制御弁の好ましい態様において、前記シール部材の前記当接面に形成された前記稜線部の形状は、正規の組み付け位置で、前記円筒部の軸線に沿った直線状となっている。
[0100]
 別の好ましい態様では、前記回転式制御弁の態様のいずれかにおいて、前記シール部材は、少なくとも前記円筒部の前記開口部からの流体を外部に流出させる連通路内に摺動可能に配置されている。
[0101]
 さらに別の好ましい態様では、前記回転式制御弁の態様のいずれかにおいて、前記シール部材の外周面と前記連通路の内周面との間には、シールリングが設けられている。
[0102]
 さらに別の好ましい態様では、前記回転式制御弁の態様のいずれかにおいて、前記シール部材の外周面にはシール溝が形成されており、前記シール溝内に前記シールリングが設けられている。
[0103]
 さらに別の好ましい態様では、前記回転式制御弁の態様のいずれかにおいて、前記シールリングは、断面が「X」形状となっているシールリングである。
[0104]
 さらに別の好ましい態様では、前記回転式制御弁の態様のいずれかにおいて、前記ロータと前記内部通路を流れる流体は、内燃機関の冷却水である。
[0105]
 さらに別の好ましい態様では、前記回転式制御弁の態様のいずれかにおいて、前記円筒部の内周に供給された冷却水が、前記駆動機構による前記ロータの回転により、前記円筒部の開口部を経由して、前記シール部材の前記内部通路に供給される。
[0106]
 さらに別の好ましい態様では、前記回転式制御弁の態様のいずれかにおいて、前記シール部材の前記稜線部は、前記円筒部の回転方向で見て前記円弧状曲面の前側端、及び後側端の両方に設けられている。
[0107]
 さらに別の好ましい態様では、前記回転式制御弁の態様のいずれかにおいて、前記シール部材と前記円筒部は、合成樹脂によって形成されている。
[0108]
 さらに別の好ましい態様では、前記回転式制御弁の態様のいずれかにおいて、前記シール部材は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)を主原料とする材料によって形成されている。
[0109]
 さらに別の好ましい態様では、前記回転式制御弁の態様のいずれかにおいて、前記シール部材は、前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)にカーボンが配合された複合材料によって形成されている。
[0110]
 さらに別の好ましい態様では、前記回転式制御弁の態様のいずれかにおいて、前記ロータは、ポリフェニレンスルファイド樹脂(PPS)を主原料とした材料によって形成されている。
[0111]
 さらに別の好ましい態様では、前記回転式制御弁の態様のいずれかにおいて、前記シール部材は、前記ポリフェニレンスルファイド樹脂(PPS)にガラス繊維が配合された複合材料によって形成されている。
[0112]
 さらに別の好ましい態様では、前記回転式制御弁の態様のいずれかにおいて、前記シール部材の前記当接面と反対側には、前記非接触部が形成された周方向位置と同じ位置に合せ目印が設けられている。
[0113]
 さらに別の好ましい態様では、前記回転式制御弁の態様のいずれかにおいて、前記合せ目印は、前記シール部材の前記当接面と反対側に設けられた溝である。
[0114]
 さらに別の好ましい態様では、前記回転式制御弁の態様のいずれかにおいて、前記シール部材の前記稜線部は、前記円筒部の回転方向で見て前記円弧状曲面の前側端、及び後側端に設けられており、前記シール部材の前記当接面と反対側に、前記稜線部の位置に対応して半径方向に延びる前記溝が一対設けられている。
[0115]
 また、別の観点から、前述した実施形態に基づく回転式制御弁は、その一態様として、内外周を貫通する開口部が設けられた円筒部を備え、前記円筒部が回転可能に構成されたロータと、前記円筒部の外周面と摺接する当接面を有し、前記開口部と連通する内部通路を形成すると共に、前記当接面が前記円筒部の外周面に沿った円弧状曲面に形成され、更に前記円筒部の回転方向で見て前記円弧状曲面の少なくとも前側端、或いは後側端に、前記円筒部の前記外周面と非接触となる切欠きによって稜線部が形成されているシール部材と、前記シール部材の前記当接面を前記円筒部の前記外周面に押し付ける、前記シール部材の前記当接面の反対側の後端面に配置されている付勢部材と、前記ロータを回転させる駆動機構と、を備えている。
[0116]
 前記回転式制御弁の好ましい態様において、前記切欠き部は、前記シール部材の前記当接面の前記前側端、或いは前記後側端から前記後端面側に向かって、前記シール部材の軸線に沿って所定長さだけ、切り取られて段差状に形成されている。
[0117]
 また、別の観点から、前述した実施形態に基づく回転式制御弁は、その一態様として、内外周を貫通する開口部が設けられた円筒部を備え、前記円筒部が回転可能に構成されたロータと、前記円筒部の外周面と摺接する当接面を有し、前記開口部と連通する内部通路を形成すると共に、前記当接面が前記円筒部の外周面に沿った円弧状曲面に形成され、更に、前記当接面が前記ロータの前記円筒部に対して正規の位置で密着するように組み付けられていない場合、前記当接面を前記円筒部の側に押圧することで、前記当接面が正規の位置に収束できる収束機能部を前記円弧状曲面に形成したシール部材と、前記シール部材の前記当接面を前記円筒部の前記外周面に押し付け、前記シール部材の前記当接面の反対側に配置されている付勢部材と、前記ロータを回転させる駆動機構と、を備えている。

請求の範囲

[請求項1]
 内外周を貫通する開口部が設けられた円筒部を備え、前記円筒部が回転可能に構成されたロータと、
 前記円筒部の外周面と摺接する当接面を有し、前記開口部と連通する内部通路を形成すると共に、前記当接面が前記円筒部の外周面に沿った円弧状曲面に形成され、更に前記円筒部の回転方向で見て前記円弧状曲面の少なくとも前側端、或いは後側端に、前記円筒部の前記外周面と非接触となる非接触部を形成して稜線部が形成されているシール部材と、
 前記シール部材の前記当接面を前記円筒部の前記外周面に押し付け、前記シール部材の前記当接面の反対側に配置されている付勢部材と、
 前記ロータを回転させる駆動機構と、
 を備えたことを特徴とする回転式制御弁。
[請求項2]
 請求項1に記載の回転式制御弁において、
 前記シール部材の前記当接面に形成された前記稜線部の形状は、正規の組み付け位置で、前記円筒部の軸線に沿った直線状となっていることを特徴とする回転式制御弁。
[請求項3]
 請求項1に記載の回転式制御弁において、
 前記シール部材は、少なくとも前記円筒部の前記開口部からの流体を外部に流出させる連通路内に摺動可能に配置されていることを特徴とする回転式制御弁。
[請求項4]
 請求項3に記載の回転式制御弁において、
 前記シール部材の外周面と前記連通路の内周面との間には、シールリングが設けられていることを特徴とする回転式制御弁。
[請求項5]
 請求項4に記載の回転式制御弁において、
 前記シール部材の外周面にはシール溝が形成されており、前記シール溝内に前記シールリングが設けられていることを特徴とする回転式制御弁。
[請求項6]
 請求項5に記載の回転式制御弁において、
 前記シールリングは、断面が「X」形状となっているシールリングであることを特徴とする回転式制御弁。
[請求項7]
 請求項1に記載の回転式制御弁において、
 前記ロータと前記内部通路を流れる流体は、内燃機関の冷却水であることを特徴とする回転式制御弁。
[請求項8]
 請求項7に記載の回転式制御弁において、
 前記円筒部の内周に供給された冷却水が、前記駆動機構による前記ロータの回転により、前記円筒部の開口部を経由して、前記シール部材の前記内部通路に供給されることを特徴とする回転式制御弁。
[請求項9]
 請求項1に記載の回転式制御弁において、
 前記シール部材の前記稜線部は、前記円筒部の回転方向で見て前記円弧状曲面の前側端、及び後側端の両方に設けられていることを特徴とする回転式制御弁。
[請求項10]
 請求項1に記載の回転式制御弁において、
 前記シール部材と前記円筒部は、合成樹脂によって形成されていることを特徴とする回転式制御弁。
[請求項11]
 請求項10に記載の回転式制御弁において、
 前記シール部材は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)を主原料とする材料によって形成されていることを特徴とする回転式制御弁。
[請求項12]
 請求項11に記載の回転式制御弁において、
 前記シール部材は、前記ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)にカーボンが配合された複合材料によって形成されていることを特徴とする回転式制御弁。
[請求項13]
 請求項10に記載の回転式制御弁において、
 前記ロータは、ポリフェニレンスルファイド樹脂(PPS)を主原料とした材料によって形成されていることを特徴とする回転式制御弁。
[請求項14]
 請求項13に記載の回転式制御弁において、
 前記シール部材は、前記ポリフェニレンスルファイド樹脂(PPS)にガラス繊維が配合された複合材料によって形成されていることを特徴とする回転式制御弁。
[請求項15]
 請求項1に記載の回転式制御弁において、
 前記シール部材の前記当接面と反対側には、前記非接触部が形成された周方向位置と同じ位置に合せ目印が設けられていることを特徴とする回転式制御弁。
[請求項16]
 請求項15に記載の回転式制御弁において、
 前記合せ目印は、前記シール部材の前記当接面と反対側に設けられた溝であることを特徴とする回転式制御弁。
[請求項17]
 請求項16に記載の回転式制御弁において、
 前記シール部材の前記稜線部は、前記円筒部の回転方向で見て前記円弧状曲面の前側端、及び後側端に設けられており、前記シール部材の前記当接面と反対側に、前記稜線部の位置に対応して半径方向に延びる前記溝が一対設けられていることを特徴とする回転式制御弁。
[請求項18]
 内外周を貫通する開口部が設けられた円筒部を備え、前記円筒部が回転可能に構成されたロータと、
 前記円筒部の外周面と摺接する当接面を有し、前記開口部と連通する内部通路を形成すると共に、前記当接面が前記円筒部の外周面に沿った円弧状曲面に形成され、更に前記円筒部の回転方向で見て前記円弧状曲面の少なくとも前側端、或いは後側端に、前記円筒部の前記外周面と非接触となる切欠きによって稜線部が形成されているシール部材と、
 前記シール部材の前記当接面を前記円筒部の前記外周面に押し付ける、前記シール部材の前記当接面の反対側の後端面に配置されている付勢部材と、
 前記ロータを回転させる駆動機構と、
 を備えたことを特徴とする回転式制御弁。
[請求項19]
 請求項18に記載の回転式制御弁において、
 前記切欠き部は、前記シール部材の前記当接面の前記前側端、或いは前記後側端から前記後端面側に向かって、前記シール部材の軸線に沿って所定長さだけ、切り取られて段差状に形成されていることを特徴とする回転式制御弁。
[請求項20]
 内外周を貫通する開口部が設けられた円筒部を備え、前記円筒部が回転可能に構成されたロータと、
 前記円筒部の外周面と摺接する当接面を有し、前記開口部と連通する内部通路を形成すると共に、前記当接面が前記円筒部の外周面に沿った円弧状曲面に形成され、更に、前記当接面が前記ロータの前記円筒部に対して正規の位置で密着するように組み付けられていない場合、前記当接面を前記円筒部の側に押圧することで、前記当接面が正規の位置に収束できる収束機能部を前記円弧状曲面に形成したシール部材と、
 前記シール部材の前記当接面を前記円筒部の前記外周面に押し付け、前記シール部材の前記当接面の反対側に配置されている付勢部材と、
 前記ロータを回転させる駆動機構と、
 を備えたことを特徴とする回転式制御弁。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8A]

[ 図 8B]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]