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1. (WO2018008600) HEMOSTATIC INSTRUMENT
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明 細 書

発明の名称 止血器具

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098  

符号の説明

0099  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 止血器具

技術分野

[0001]
 本発明は、穿刺した部位を圧迫して止血するための止血器具に関する。

背景技術

[0002]
 近年、腕や脚等の血管を穿刺し、穿刺部位にイントロデューサーシースを導入し、イントロデューサーシースの内腔を介してカテーテル等の医療器具を病変部に送達する、経皮的な治療・検査等が行われている。このような治療・検査等を行った場合、術者は、イントロデューサーシースを抜去した後の穿刺部位を止血する必要がある。この止血を行うために、腕や脚等の肢体に巻き付けるための帯体と、帯体を肢体に巻き付けた状態で固定する固定手段と、帯体に連結されており、流体を注入することにより拡張して、穿刺部位を圧迫する拡張部と、を備えた止血器具が知られている。
[0003]
 このような止血器具では、拡張した拡張部が、長時間にわたって穿刺部位およびその周辺の血管や神経を強く圧迫し続けると、しびれや痛みを引き起こしたり、血管を閉塞したりする可能性がある。血管閉塞等を防ぐため、一般的に、医師や看護師は、拡張部を拡張させた後、定期的にシリンジ等の専用の器具を止血器具に接続し、拡張部内の流体を排出し、拡張部の内圧を減圧する減圧操作を行うことで、穿刺部位に作用する圧迫力を経時的に低減させている。
[0004]
 これに対し、下記特許文献1に係る止血器具では、拡張部を経時的に伸長する材料によって構成している。このため、拡張部に流体を注入して拡張させた後、拡張部は、拡張部内の流体からの圧力によって徐々に拡張変形していく。拡張部内の流体の量は一定であるのに対し、拡張部の内部空間の容積は徐々に大きくなるため、拡張部の内圧を経時的に低減することができる。これによって、穿刺部位に作用する圧迫力を経時的に低減させることができる。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2004-201829号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 上記特許文献1に係る止血器具によれば、医師や看護師が減圧操作を行う手間を省くことができる。しかしながら、拡張部を経時的に伸長する材料によって構成すると、拡張部は経時的に拡張変形していくため、それに伴い拡張部の厚みは薄くなる。拡張部の強度を良好に保つ観点からすれば、拡張部の厚みはある程度維持されることが好ましいと考えられる。
[0007]
 本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、拡張部の強度を良好に保つことができ、かつ、医師や看護師が操作することなく、血管閉塞を防止できる程度に止血すべき部位に作用する圧迫力を経時的に低減可能な止血器具を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 上記目的を達成する止血器具は、肢体の止血すべき部位に巻き付けるための帯体と、前記帯体を前記肢体に巻き付けた状態で固定する固定手段と、前記帯体に連結され、かつ、気体を注入することにより拡張する拡張部と、を備え、前記拡張部は、樹脂材料からなる樹脂層と、前記樹脂層内に分散された微粒子部と、前記微粒子部の周囲に形成される空間部と、を有し、前記空間部は、前記樹脂層の内表面及び外表面の間を連通しないように前記樹脂層内に分散された気体を含有する。

発明の効果

[0009]
 上記のように構成した止血器具によれば、空間部は、気体を含有し、その中で気体分子が自由に運動できる自由体積を形成している。このため、拡張部は、樹脂層に空間部を備えない場合に比べて、気体透過性が向上する。ゆえに、拡張部は、樹脂層内の空間部により気体透過量を制御することができるため、気体透過量を増やすために拡張部の厚みを過剰に薄くする必要がない。また、拡張部は、空間部内に微粒子部を備えるため、空間部の変形を抑えつつ、拡張部の強度を高めることができる。これにより、拡張部の強度を良好に保ちつつ、医師や看護師が操作することなく、止血すべき部位に作用する圧迫力を経時的に低減することが可能となる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 実施形態に係る止血器具を内面側から見た平面図である。
[図2] 図1の2-2線に沿う断面図である。
[図3] 実施形態に係る止血器具の拡張部の構成を説明するための平面図であり、図3(A)は、拡張部を構成する第1シートを示す図、図3(B)は拡張部を構成する第2シートを示す図、図3(C)は、拡張部と帯体の連結位置を示す平面図である。
[図4] 実施形態に係る止血器具を手首に装着した状態を示す斜視図である。
[図5] 実施形態に係る止血器具の拡張部が拡張する前の状態を示す断面図であり、図5(A)は、図4の4-4線に沿う断面図であり、図5(B)は、図5(A)に示す5B部分の拡大断面図である。
[図6] 実施形態に係る止血器具の拡張部が拡張した状態を示す断面図であり、図6(A)は、図4の4-4線に沿う断面図であり、図6(B)は、図6(A)に示す6B部分の拡大断面図である。
[図7] 変形例1に係る止血器具を示す断面図である。
[図8] 図8(A)は、変形例2に係る止血器具を示す断面図であり、図8(B)は、図8(A)に示す8B部分の拡大断面図である。

発明を実施するための形態

[0011]
 以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態およびその変形例を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
[0012]
 実施形態に係る止血器具10は、図4および図5(A)に示すように、治療・検査等を行うカテーテル等を血管内に挿入する目的で、手首W(「肢体」に相当)の橈骨動脈Rに形成された穿刺部位P(「止血すべき部位」に相当)に留置していたイントロデューサーシースを抜去した後、その穿刺部位Pを止血するために使用するものである。
[0013]
 止血器具10は、図1および図2に示すように、手首Wに巻き付けるための帯体20と、帯体20を手首Wに巻き付けた状態で固定する面ファスナー30(「固定手段(固定部材)」に相当)と、気体を注入することにより拡張し、穿刺部位Pを圧迫する拡張部40と、拡張部40を穿刺部位Pに位置合わせするためのマーカー40cと、気体を拡張部40に注入可能な注入部60と、を有している。
[0014]
 本明細書中では、帯体20を手首Wに巻き付けた状態のとき、帯体20において手首Wの体表面に向かい合う側(装着面側)を「内面側」と称し、その反対側を「外面側」と称する。
[0015]
 帯体20は、可撓性を備える帯状の部材によって構成されたベルト21と、ベルト21よりも硬度の高い支持板22と、を備えている。
[0016]
 ベルト21は、図4および図5(A)に示すように、手首Wの外周を略一周するように巻き付けられる。図2に示すように、ベルト21の中央部には、支持板22を保持する支持板保持部21aが形成されている。支持板保持部21aは、外面側(または内面側)に別個の帯状の部材が融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)または接着(接着剤や溶媒による接着)等の方法によって接合されることにより、二重になっており、これらの隙間に挿入された支持板22を保持する。
[0017]
 ベルト21の図1中の左端付近の部分の外面側には、面ファスナー30の雄側(または雌側)31が配置されており、ベルト21の図1中の右端付近の部分の内面側には、面ファスナー30の雌側(または雄側)32が配置されている。面ファスナー30は、例えば、日本でVELCRO(登録商標)又はマジックテープ(登録商標)のような一般的な製品として知られるhook and loop fastenerである。図4に示すようにベルト21を手首Wに巻き付け、雄側31および雌側32が接合することにより、帯体20が手首Wに装着される。なお、帯体20を手首Wに巻き付けた状態で固定する手段は、面ファスナー30に限らず、例えば、スナップ、ボタン、クリップ、またはベルト21の端部を通す枠部材などの固定部材を用いてもよい。
[0018]
 ベルト21は、後述する拡張部40の第1領域A1を融着により連結することが可能な樹脂材料によって構成することが好ましい。ベルト21は、少なくとも拡張部40が連結される連結領域21b(本実施形態では、図2に示すように、後述する支持板22の第1湾曲部22bが配置されている領域と面ファスナー30の雄側31が取り付けられている領域との間の領域)が拡張部40と融着可能な樹脂材料によって構成されていればよく、連結領域21b以外の部分は、拡張部40と融着可能な樹脂材料以外の材料によって形成されていてもよい。
[0019]
 なお、帯体20と拡張部40の連結形態は特に限定されず、例えば、本実施形態のように帯体20と拡張部40が直接固定(連結)されていてもよく、また例えば、注入部60のチューブ61を帯体20に固定し、さらにチューブ61と拡張部40を固定することにより、チューブ61を介して拡張部40を帯体20に連結してもよい。
[0020]
 ベルト21の構成材料は、可撓性を備える材料であれば特に限定されない。そのような材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)が挙げられる。
[0021]
 ベルト21の構成材料には、例えば、熱可塑性材料を用いることができる。熱可塑性材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン等の熱可塑性樹脂又はオレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーを用いることができる。このような材料でベルト21を形成することで、ベルト21は比較的伸びにくくなり、装着者の手首Wの大きさ等に影響されずに、拡張部40を手首Wに押付けた状態を好適に維持することができる。また、後述する拡張部40の第1領域A1が熱可塑性材料で形成される場合には、融着により拡張部40と連結させることが可能になる。
[0022]
 ベルト21において少なくとも拡張部40と重なっている部分は、実質的に透明であることが好ましいが、透明に限定されず、半透明または有色透明であってもよい。これにより、穿刺部位Pを外面側から視認することができ、後述するマーカー40cを穿刺部位Pに容易に位置合わせすることができる。
[0023]
 支持板22は、図2に示すように、ベルト21の二重に形成された支持板保持部21aの間に挿入されることによりベルト21に保持されている。支持板22は、その少なくとも一部が内面側(装着面側)に向かって湾曲した板形状をなしている。支持板22は、ベルト21よりも硬質な材料で構成されており、ほぼ一定の形状を保つようになっている。しかしながら、ベルト21に支持板22を配置する方法は、図示された構成に限定されず、融着や接着のような適切な方法で帯体20の内表面又は外表面に支持板22を接合することを含んでもよい。同様に、他の許容できる構成は、ベルト21が支持板22の両端部に接続される構成である。そのため、支持板22の全体がベルト21に重なることは必須ではない。
[0024]
 支持板22は、ベルト21の長手方向に長い形状をなしている。この支持板22の長手方向における中央部22aは、ほとんど湾曲せずに平板状になっており、この中央部22aの両側には、それぞれ、内面側に向かって、かつ、ベルト21の長手方向(手首Wの周方向)に沿って湾曲した第1湾曲部22b(図2の左側)および第2湾曲部22c(図2の右側)が形成されている。
[0025]
 支持板22の構成材料は、例えば、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(特に硬質ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ-(4-メチルペンテン-1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ブタジエン-スチレン共重合体、芳香族または脂肪族ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。
[0026]
 支持板22は、ベルト21と同様に、拡張部40と重なる部分が実質的に透明であることが好ましいが、透明に限定されず、半透明または有色透明であってもよい。これにより、穿刺部位Pを外面側から確実に視認することができ、後述するマーカー40cを穿刺部位Pに容易に位置合わせすることができる。なお、支持板22は、中央部22aのような平板状の部分を有さず、全長にわたって湾曲しているものであってもよい。
[0027]
 拡張部40は、気体を注入することにより拡張し、穿刺部位Pに圧迫力を付与する機能、および注入された気体を経時的に外部に排出することにより穿刺部位Pに作用する圧迫力を経時的に低減させる機能を備えている。なお、拡張部40に注入する気体は、拡張部40を拡張可能である限り、特に限定されないが、例えば、空気等を用いることができる。
[0028]
 拡張部40は、図5(B)に示すように、樹脂材料からなる樹脂層51と、樹脂層51内に分散された微粒子部52と、微粒子部52の周囲に形成される空間部53と、を有している。また、拡張部40は、拡張部40を穿刺部位Pに位置合わせするためのマーカー40cを有している(図1を参照)。
[0029]
 樹脂層51の構成材料は、可撓性を備える材料であれば特に限定されず、例えば、前述したベルト21の構成材料と同様のものを用いることができる。また、拡張部40は、ベルト21と同質または同種の材料の熱可塑性材料で構成されるのが好ましい。これにより、融着による帯体20との接合を容易に行うことができ、止血器具10を容易に製造することができる。
[0030]
 樹脂層51は、実質的に透明であることが好ましいが、透明に限定されず、半透明または有色透明であってもよい。
[0031]
 微粒子部52は、図5(B)に示すように、略球状であり、1つまたは複数の粒子52aから構成されている。微粒子部52が複数の粒子52aから構成されている場合は、粒子52a同士は分散していてもよいし、分子間力等による凝集によって互いに接触していてもよい。複数の粒子52aが凝集している場合、各粒子52aは略球状を備えるため、隣り合う粒子52aの間に隙間を形成している。このように隙間を備えることによって、隣り合う粒子52aの間を気体が流通することができるため、微粒子部52における気体透過性を向上することができる。
[0032]
 なお、樹脂層51内において微粒子部52を形成する位置、微粒子部52における粒子52aの個数、空間部53や微粒子部52の内径等は、拡張部40から気体を排出可能な限りにおいて特に制限されない。
[0033]
 粒子52aの構成材料は、例えば、珪素、アルミニウム、銅、ステンレス、鉄、所定の2種以上の金属を混ぜ合わせた合金等の公知の金属材料を用いることが好ましい。金属材料によれば、粒子52a同士を反発させて分散させる静電的反発力を比較的容易に形成することができる。ただし、粒子52aの構成材料は、少なくとも微粒子部52を樹脂層51内に形成する際に粒子52a間の静電的反発力等を利用して分散可能な材料であればよい。したがって、金属材料に限定されず例えば、アルミノケイ酸塩、アルミナ、シリカ等のセラミック、熱硬化性エラストマー等の樹脂材料、ラテックス等のポリマー、ガラス等を用いてもよい。なお、微粒子部52を分散させる方法は、静電的反発力を利用する構成に限定されず、微粒子部52を樹脂層51内に形成する際に超音波等によって物理的に粒子52aを分散させてもよい。
[0034]
 空間部53は、樹脂層51の内表面および外表面の間を連通しないように樹脂層51内に分散された気体を含有している。ここで、空間部53は、微粒子部52の周りを全周に亘って囲むように配置しなくてもよく、例えば、微粒子部52の周りの一部の範囲を囲むように配置してもよい。このように空間部53を配置する場合、微粒子部52の一部は樹脂層51と接触する。
[0035]
 図6(A)に示すように、拡張部40が拡張した状態で、樹脂層51の厚みは薄くなる。また、空間部53は、拡張部40の拡張した状態で、空間部53の体積を維持する。このため、図6(B)に示すように、拡張部40の拡張した状態で、樹脂層51の外表面は、微粒子部52および空間部53により、樹脂層51の内部から押されて突出する。すなわち、微粒子部52および空間部53の一部は、樹脂層51の外表面を樹脂層51の内部から押し出して樹脂層51の外表面を突出させる。この突出した部分は、拡張部40の外表面の一部に凹凸部51aを形成する。拡張部40の外表面に凹凸部51aが形成されることによって、拡張部40の表面と手首Wとの接触面積が増加して、拡張部40の表面と手首Wとの摩擦力が増加する。これによって、穿刺部位Pに対する拡張部40のズレを防止して、穿刺部位Pを好適に圧迫することができる。
[0036]
 なお、微粒子部52の粒子52aの直径は、第1シート41および第2シート42の樹脂層51内に分散可能であり、かつ、拡張部40が拡張した状態で拡張部40の表面の一部に凹凸部51aを形成することができれば特に限定されないが、例えば、1~200μmであり、より好ましくは1~10μmである。
[0037]
 拡張部40は、図1および図2に示すように、第1シート41および第2シート42を重ね合わせて袋状にすることによって形成している。拡張部40の内部には、図2に示すように、気体を注入可能な拡張空間40aが形成されている。
[0038]
 図3(A)には、拡張部40を形成する前の状態の第1シート41を示し、図3(B)には、拡張部40を形成する前の状態の第2シート42を示し、図3(C)には、各シート41、42により構成した拡張部40を帯体20のベルト21に連結した状態を示している。
[0039]
 第1シート41は、図3(A)に示す平面視において、略矩形状の外形形状を備えている。第1シート41には、矩形状の部分から外方に突出した突出部41cが設けられている。
[0040]
 第2シート42は、図3(B)に示す平面視において、略矩形状の外形形状を備えている。第2シート42には、矩形状の部分から外方に突出した突出部42cが設けられている。また、第2シート42の平面視の略中央部には、マーカー40cが設けられている。
[0041]
 図3(C)に示すように、第1シート41の突出部41cと第2シート42の突出部42cとの間には、後述する注入部60のチューブ61が配置されている。そして、各突出部41c、42cはチューブ61に接着剤により接着されている。これにより、チューブ61は、拡張部40に保持される。なお、第1シート41および第2シート42の外形形状は、上記の形状に特に限定されず、例えば、丸、楕円、多角形であってもよい。また、突出部41c、42cは設けなくてもよい。
[0042]
 第1シート41は、図3(A)に示すように、第1シート41の中央部41bおよび周縁部41aにおいて、樹脂層51における微粒子部52および空間部53の分布、すなわち、樹脂層51における微粒子部52および空間部53の体積含有率が、樹脂層51の他の部位よりも少なくなるように形成されている。
[0043]
 同様に、第2シート42は、図3(B)に示すように、第2シート42の中央部42bおよび周縁部42aにおいて、樹脂層51における微粒子部52および空間部53の分布、すなわち、樹脂層51における微粒子部52および空間部53の体積含有率が、樹脂層51の他の部位よりも少なくなるように形成されている。
[0044]
 拡張部40の第1領域A1は、樹脂層51における微粒子部52および空間部53の分布の少ない領域で構成される。つまり、拡張部40において、第1シート41の周縁部41a、第2シート42の周縁部42a、第1シート41の中央部41bおよび第2シート42の中央部42bは、第1領域A1となる。
[0045]
 拡張部40の第2領域A2は、第1領域A1よりも樹脂層51における微粒子部52および空間部53の分布の多い領域である。
[0046]
 図3(C)に示すように、後述するマーカー40cは、第1シート41の中央部41bに設けられている。また、第1シート41と第2シート42とが重ね合わされた状態で、第1シート41の中央部41bは第2シート42の中央部42bに対向するように配置される。つまり、マーカー40cが形成された位置およびマーカー40cの周囲は、第1領域A1に配置されている。第1領域A1では、微粒子部52の体積含有率が比較的少ないため、微粒子部52によって視界を遮られることが少ない。このため、穿刺部位Pを外面側から視認することができ、マーカー40cを穿刺部位Pに容易に位置合わせすることができる。
[0047]
 また、図3(C)に示すように、第1シート41の周縁部41aと第2シート42の周縁部42aは、第1シート41と第2シート42とが重ね合わされた状態で第1接合部F1により接合している。つまり、第1接合部F1は、第1領域A1に配置されている。
[0048]
 また、図3(C)に示すように、第1シート41の周縁部41aのうちの一辺と、帯体20の連結領域21bの内面側とが第2接合部F2により接合されている。つまり、第2接合部F2は、第1領域A1に配置されている。なお、第1接合部F1および第2接合部F2における接合は、例えば、融着、接着剤による接着等の方法で行うことができる。
[0049]
 上記のように、第1接合部F1および第2接合部F2は、微粒子部52および空間部53の体積含有率が比較的少ない第1領域A1に配置されているため、樹脂層51の厚みが第2領域A2に比べて厚い。このため、樹脂層51の厚みが薄くなることによる接合部分の強度低下を抑制することができる。
[0050]
 なお、第2接合部F2を融着により接合する場合は、第1シート41の樹脂層51に用いられる樹脂材料と、帯体20の連結領域21bに用いられる樹脂材料とを同一の熱可塑性材料とし、第2接合部F2において融着することにより、第1シート41と帯体20との結合力を強めることができる。ただし、第1シート41に用いられる樹脂材料と、帯体20の連結領域21bに用いられる樹脂材料は異なっていてもよい。同様に、第1接合部F1を融着により接合する場合は、第1シート41に用いられる樹脂材料と、第2シート42に用いられる樹脂材料とを同一の熱可塑性材料にすることによって、第1接合部F1における第1シート41と第2シート42との結合力を強めることができる。ただし、第1シート41に用いられる樹脂材料と、第2シート42に用いられる樹脂材料は、異なっていてもよい。
[0051]
 拡張部40の樹脂層51では、気体の溶解・拡散現象に基づく気体透過が発生する。気体透過係数は、透過する領域の厚み(気体分子が移動する距離)に反比例する。ここで、第2領域A2は、第1領域A1に比べて空間部53の体積含有率が高く形成されている。空間部53は、気体を含有し、その中で気体分子が自由に運動できる自由体積を形成している。同じ厚みの樹脂層51で比べた場合、樹脂層51に空間部53を備える方が、樹脂層51に空間部53を備えない場合に比べて、気体透過係数に寄与する理論上の厚みが小さくなる。このため、第2領域A2は、第1領域A1に比べて単位面積あたりの気体透過量が大きい。これにより、拡張部40が拡張した状態で、第2領域A2を介して拡張部40内の気体を経時的に排出することができる。また、気体透過性を向上するために厚みを小さくする必要がないため、拡張部40の強度も維持することができる。
[0052]
 なお、第1領域A1においても気体の溶解・拡散現象によって、気体が経時的に拡張部40の外部に排出される。このため、第2領域A2における気体の排出を主導的なものとして、気体の排出量の調整を容易なものとするためには、第2領域A2の単位面積あたりの気体透過量は、好ましくは第1領域A1の単位面積あたりの気体透過量の10倍以上であり、より好ましくは100倍以上であり、さらに好ましくは1000倍以上である。これにより、止血器具10は、第1領域A1と第2領域A2との単位面積あたりの気体透過量の差により、拡張部40の穿刺部位Pに付与する圧迫力の経時的な低減を好適に調整することができる。
[0053]
 第2領域A2は、以下の条件1、2を満たす減圧プロトコルを実現可能に形成されていることが好ましい。
(条件1)帯体20を手首Wに巻き付けた状態で、拡張後4時間にわたって第2領域A2を介して気体を拡張部40の外部に排出することで、1時間経過するごとの拡張部40の内圧が、その1時間前の拡張部40の内圧の70~97%(好ましくは、75~94%)となる;
(条件2)帯体20を手首Wに巻き付けた状態で、拡張後4時間経過した後の拡張部40内の内圧が初期内圧の30~80%(好ましくは、40~71%)となる。
[0054]
 空間部53の体積は、第2領域A2に設けられる空間部53の個数、第2領域A2の厚み、第2領域A2を形成する材料の材質、止血器具10を使用する際の使用条件(止血時の拡張部40内外における圧力差)等に応じて、例示した上記の減圧プロトコルを実現し得るように形成することが可能である。なお、本実施形態のように第2領域A2に複数の空間部53を形成している場合、空間部53の配列(分布)を調整して第2領域A2の気体の排出量を調整することも可能である。
[0055]
 図6(A)に示すように、拡張部40は、帯体20の内面側に配置されている。このため、拡張部40を拡張させると、帯体20により、拡張部40の手首Wの体表面から離れる方向への拡張は抑制される。これによって、拡張部40の圧迫力が手首W側に集中し、穿刺部位Pに好適に圧迫力を付与することができる。また、拡張部40は、帯体20により手首Wに押付けられて内圧が高まるため、拡張部40内の気体を好適に外部に排出することができる。
[0056]
 また、拡張部40は、図6(A)に示すように、支持板22の第1湾曲部22bと重なる位置に配置している。このため、拡張部40を拡張させた際、支持板22により拡張部40の手首Wの体表面から離れる方向への拡張が抑制され、拡張部40の圧迫力が手首W側に集中する。支持板22により穿刺部位Pへ圧迫力を集中させることができるため、穿刺部位Pを好適に止血することができる。
[0057]
 マーカー40cは、図2に示すように、拡張部40において、帯体20側に配置される外面側の略中央(第1シート41の略中央)に設けられている。拡張部40にこのようなマーカー40cを設けることによって、拡張部40を穿刺部位Pに対して容易に位置合わせすることができるため、拡張部40の位置ズレが抑制される。また、マーカー40cは、拡張部40の帯体20側に設けられているため、マーカー40cが穿刺部位Pと直接接触しない。なお、マーカー40cを設ける位置は、拡張部40を穿刺部位Pに位置合わせ可能である限りにおいて特に限定されない。例えば、マーカー40cは、拡張部40の内表面において、手首W側に配置される外面側の略中央(第2シート42の略中央)に設けられていてもよい。
[0058]
 マーカー40cの形状は、特に限定されず、例えば、円、三角形、四角形等が挙げられ、本実施形態では、四角形をなしている。
[0059]
 マーカー40cの大きさは、特に限定されないが、例えば、マーカー40cの形状が四角形をなしている場合、その一辺の長さが1~4mmの範囲であることが好ましい。一辺の長さが5mm以上であると、穿刺部位Pの大きさに対してマーカー40cの大きさが大きくなるため、拡張部40の中心部を穿刺部位Pに位置合わせし難くなる。
[0060]
 マーカー40cの材質は、特に限定されず、例えば、インキ等の油性着色料、色素を混練した樹脂等が挙げられる。
[0061]
 マーカー40cの色は、拡張部40を穿刺部位Pに位置合わせすることができる色であれば特に限定されないが、緑色系が好ましい。緑色系にすることにより、マーカー40cを血液や皮膚上で容易に視認することができるため、拡張部40を穿刺部位Pに位置合わせすることがより容易となる。
[0062]
 また、マーカー40cは半透明または有色透明であることが好ましい。これにより、穿刺部位Pをマーカー40cの外面側から視認することができる。
[0063]
 拡張部40にマーカー40cを設ける方法は特に限定されないが、例えば、マーカー40cを拡張部40に印刷する方法、マーカー40cの片面に接着剤を塗布して拡張部40に貼り付ける方法等が挙げられる。
[0064]
 注入部60は、拡張部40に気体を注入するための部位であり、図1に示すように、拡張部40に接続されている。
[0065]
 注入部60は、その基端部が拡張部40に接続され、その内腔が拡張部40の内部に連通する可撓性を有するチューブ61と、チューブ61の内腔と連通するようにチューブ61の先端部に配置された袋体62と、袋体62に接続された逆止弁(図示せず)を内蔵する管状のコネクタ63と、を備えている。
[0066]
 チューブ61は、図3(C)に示すように、第1シート41の突出部41cと第2シート42の突出部42cとの間に挟まれるようにして拡張部40に接続されている。ただし、拡張部40においてチューブ61を接続する位置は、チューブ61の内腔が拡張部40の拡張空間40aと連通している限り、特に限定されない。
[0067]
 拡張部40を拡張(膨張)させる際には、コネクタ63にシリンジ(図示せず)の先筒部を挿入して逆止弁を開き、このシリンジの押し子を押して、シリンジ内の気体を注入部60を介して拡張部40内に注入する。拡張部40が拡張すると、チューブ61を介して拡張部40と連通している袋体62も膨張し、気体が漏れずに、拡張部40を加圧できていることを目視で確認できる。拡張部40内に気体を注入した後、コネクタ63からシリンジの先筒部を抜去すると、コネクタ63に内蔵された逆止弁が閉じて気体の漏出が防止される。
[0068]
 次に、本実施形態に係る止血器具10の使用方法について説明する。
[0069]
 止血器具10を手首Wに装着する前は、図2に示すように、拡張部40は、拡張していない状態となっている。図4、図5(A)および図6(A)に示すように、右手の手首Wの橈骨動脈Rに穿刺を行う場合、穿刺部位Pは、親指側へ片寄った位置にある。通常、穿刺部位Pにはイントロデューサーシースが留置されている。このイントロデューサーシースが留置されたままの状態の手首Wに帯体20を巻き付け、拡張部40に設けられたマーカー40cが穿刺部位P上に重なるように拡張部40および帯体20を位置合わせして、面ファスナー30の雄側31および雌側32を接触させて接合し、帯体20を手首Wに装着する。
[0070]
 この際、止血器具10は、注入部60が、橈骨動脈Rの血流の下流側(掌側)に向くように、手首Wに対して装着される。これにより、手首よりも上流側での手技や、上流側に位置する器具(例えば、血圧計等)に干渉することなしに、注入部60の操作が可能となる。また、止血器具10を、注入部60が下流側に向くように右手の手首Wに装着することで、拡張部40は、手首Wの親指側へ片寄って位置する橈骨動脈Rに位置する。なお、動脈の場合、血管の上流側とは、血管の心臓に近づく方向をいう。また、血管の下流側とは、血管の心臓から遠ざかる方向をいう。
[0071]
 なお、止血器具10は、左手の手首の橈骨動脈に穿刺を行う場合に使用してもよい。この場合、注入部60は、橈骨動脈の血流の上流側に向くように、左手の手首に対して装着される。
[0072]
 止血器具10を手首Wに装着した後、注入部60のコネクタ63にシリンジ(図示せず)を接続し、前述したようにして気体を拡張部40内に注入し、拡張部40を拡張させる。
[0073]
 この際、気体の注入量により、症例に応じて、拡張部40の拡張度合、すなわち、穿刺部位Pに作用する圧迫力を容易に調整することができる。例えば、仮に、拡張部40に気体を注入しすぎて拡張部40が過拡張した場合は、シリンジを用いて拡張部40内から余剰な気体を排出すればよい。
[0074]
 拡張部40を拡張させた後、コネクタ63からシリンジを離脱させる。そして穿刺部位Pからイントロデューサーシースを抜去する。
[0075]
 拡張部40を拡張させた後は、穿刺部位Pに圧迫力を付与しつつ、第2領域A2を介して、血管閉塞を防止できる程度に拡張部40内の気体が経時的に拡張部40の外部に排出される。
[0076]
 なお、仮に、拡張部40の拡張後、止血が十分に行われていない場合は、拡張部40に気体を注入して、拡張部40の内圧を上昇させてもよい。例えば、拡張部40の内圧を、拡張部40に気体を注入した時の内圧に戻したい場合は、拡張部40から排出された分の気体を注入すればよい。
[0077]
 所定の時間が経過して、穿刺部位Pの止血が完了したら、止血器具10を手首Wから取り外す。止血器具10は、面ファスナー30の雄側31および雌側32を剥がすことによって手首Wから取り外される。
[0078]
 以上のように、本実施形態に係る止血器具10は、手首Wの穿刺部位Pに巻き付けるための帯体20と、帯体20を手首Wに巻き付けた状態で固定する固定手段30と、帯体20に連結され、かつ、気体を注入することにより拡張し、穿刺部位Pを圧迫する拡張部40と、を備えている。拡張部40は、樹脂材料からなる樹脂層51と、樹脂層51内に分散された微粒子部52と、微粒子部52の周囲に形成される空間部53と、を有している。空間部53は、樹脂層51の内表面及び外表面の間を連通しないように樹脂層51内に分散された気体を含有している。
[0079]
 上記のように構成した止血器具10によれば、空間部53は、気体を含有し、その中で気体分子が自由に運動できる自由体積を形成している。このため、拡張部40は、樹脂層51に空間部53を備えない場合に比べて、気体透過性が向上する。ゆえに、拡張部40は、樹脂層51内の空間部53により気体透過量を制御することができるため、気体透過量を増やすために拡張部40の厚みを過剰に薄くする必要がない。また、拡張部40は、空間部53内に微粒子部52を備えるため、空間部53の変形を抑えつつ、拡張部40の強度を高めることができる。これにより、拡張部40の強度を良好に保ちつつ、医師や看護師が操作することなく、穿刺部位Pに作用する圧迫力を経時的に低減することが可能となる。
[0080]
 また、微粒子部52は、金属材料からなる。これにより、粒子52a同士を反発させて分散させる静電的反発力を比較的容易に形成することができるため、止血器具10を容易に製造することができる。
[0081]
 また、微粒子部52は、複数の粒子52aから構成され、複数の粒子52aは、隣り合う粒子52aの間に隙間を形成する。隣り合う粒子52aの間を気体が流通することができるため、微粒子部52における気体透過性が向上する。これにより、拡張部40内の気体をより一層好適に排出することができる。
[0082]
 また、微粒子部52は、拡張部40が拡張した状態で、拡張部40の外表面の一部に凹凸部51aを形成する。このため、拡張部40の外表面と手首Wとの接触面積が増加するため、摩擦が増加することによって穿刺部位Pに対する拡張部40のズレを防止して、穿刺部位Pを好適に圧迫することができる。
[0083]
 また、拡張部40は、樹脂層51に形成されたマーカー40cを有し、マーカー40cが形成された位置およびマーカー40cの周囲(第1領域A1)の樹脂層51における微粒子部52の分布は、樹脂層51の他の部位(第2領域A2)よりも少ない。このため、穿刺部位Pの視認性を確保し、マーカー40cを用いて穿刺部位Pに対する拡張部40の位置合わせを容易に行うことができる。
[0084]
 (変形例1)
 図7は、変形例1に係る止血器具100を示す図である。以下、前述した実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
[0085]
 変形例1に係る止血器具100は、拡張部40と帯体20との間に、補助圧迫部170を備える点およびマーカー40cが補助圧迫部170に設けられている点において、前述した実施形態と相違する。
[0086]
 補助圧迫部170は、拡張部40と同様に袋状に形成されている。補助圧迫部170は、その内部空間が拡張部40の拡張空間40aと連通するように、拡張部40に取り付けられている。このため、拡張部40に気体を注入すると補助圧迫部170も拡張される。なお、補助圧迫部170は、スポンジ状の物質、弾性材料、綿のような繊維の集合体、またはこれらの組合せなどによって構成してもよい。
[0087]
 マーカー40cは、補助圧迫部170の外表面において、拡張部40の中央に近い側の端部に設けられている。補助圧迫部170にこのようなマーカー40cを設けることによって、拡張部40を穿刺部位Pに対して容易に位置合わせすることができるため、拡張部40の位置ズレが抑制される。また、マーカー40cは、補助圧迫部170に設けられているため、拡張部40の第2領域A2における気体の透過が妨げられることがない。なお、マーカー40cを設ける位置は、拡張部40を穿刺部位Pに位置合わせ可能である限り特に限定されない。例えば、マーカー40cは、拡張部40側に設けられていてもよい。また、マーカー40cは、拡張部40を穿刺部位Pに位置合わせ可能である限り、ベルト21や支持板22に設けられていてもよい。
[0088]
 上記変形例1に係る止血器具100によれば、図7に実線の矢印で示すように、補助圧迫部170によって、拡張部40が付与する圧迫力の方向を、穿刺部位Pに向かう方向に調整することができる。また、補助圧迫部170が設けられているため、拡張部40の第2領域A2と帯体20との間の空間を、前述した実施形態と比較してより一層大きく確保することができ、第2領域A2において帯体20と接触せずに露出している部分の面積を増加させることができる。このため、この露出した部分から気体をより一層良好に排出することができる。
[0089]
 (変形例2)
 図8(A)および図8(B)は、変形例2に係る止血器具200を示す図である。以下、前述した実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
[0090]
 変形例2に係る止血器具200は、拡張部40が備える微粒子部252の構成が前述した実施形態と相違する。
[0091]
 微粒子部252は、空隙を備える多孔質粒子252aを含む。多孔質粒子252aとしては、特に限定されないが、例えば、ゼオライトが挙げられる。なお、樹脂層51には、多孔質粒子252aを含む微粒子部252と、多孔質粒子252aを含まない微粒子部とを適宜含ませることが可能である。
[0092]
 上記変形例2に係る止血器具200の微粒子部252は、多孔質粒子252aを含む。このため、多孔質粒子252a内にも気体が流通することができるため、より気体透過性を向上させることができる。これにより、拡張部40内の気体をより一層好適に排出することができる。
[0093]
 以上、実施形態および変形例を通じて本発明に係る止血器具を説明したが、本発明は説明した各構成のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
[0094]
 例えば、止血器具を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
[0095]
 また、本発明は、手首に装着して使用する止血器具に限らず、脚等に装着して使用する止血器具にも適用することができる。
[0096]
 また、前述した実施形態では、拡張部を2枚のシートによって構成していたが、樹脂層、微粒子部および空間部を備え、かつ、気体によって拡張可能である限りにおいて当該構成に特に限定されない。例えば、拡張部は、1枚のシートによって構成されており、当該シートを折り重ね、縁部を接着または融着して袋状に形成してもよい。また、拡張部は、縁部を備えない風船状の部材によって構成されていてもよい。
[0097]
 また、第2領域は、2枚のシートそれぞれに設けられていたが、拡張部が拡張した状態で、拡張部内の気体を経時的に外部に排出することができる限りにおいて第2領域の配置は特に限定されない。
[0098]
 本出願は、2016年7月6日に出願された日本国特許出願第2016-134600号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。

符号の説明

[0099]
10 止血器具、
20 帯体、
30 面ファスナー(固定手段)、
40 拡張部、
40c マーカー、
41 第1シート、
42 第2シート、
51 樹脂層、
51a 凹凸部、
52 微粒子部、
53 空間部、
60 注入部、
100 止血器具、
170 補助圧迫部、
200 止血器具、
252 微粒子部、
252a 多孔質粒子、
A1 第1領域、
A2 第2領域、
W 手首(肢体)、
P 穿刺部位(止血部位)、
R 橈骨動脈。

請求の範囲

[請求項1]
 肢体の止血すべき部位に巻き付けるための帯体と、
 前記帯体を前記肢体に巻き付けた状態で固定する固定手段と、
 前記帯体に連結され、かつ、気体を注入することにより拡張する拡張部と、を備え、
 前記拡張部は、
 樹脂材料からなる樹脂層と、
 前記樹脂層内に分散された微粒子部と、
 前記微粒子部の周囲に形成される空間部と、を有し、
 前記空間部は、前記樹脂層の内表面及び外表面の間を連通しないように前記樹脂層内に分散された気体を含有する、止血器具。
[請求項2]
 前記微粒子部は、金属材料からなる、請求項1に記載の止血器具。
[請求項3]
 前記微粒子部は、複数の粒子から構成され、
 複数の前記粒子は、隣り合う前記粒子の間に隙間を形成する、請求項1または請求項2に記載の止血器具。
[請求項4]
 前記微粒子部は、前記拡張部が拡張した状態で、前記拡張部の外表面の一部に凹凸部を形成する、請求項1~3のいずれか1項に記載の止血器具。
[請求項5]
 前記微粒子部は、多孔質粒子を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の止血器具。
[請求項6]
 前記拡張部は、前記樹脂層に形成されたマーカーを有し、
 前記マーカーが形成された位置および前記マーカーの周囲の前記樹脂層における前記微粒子部の分布は、前記樹脂層の他の部位よりも少ない、請求項1~5のいずれか1項に記載の止血器具。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]