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1. (WO2017209169) MAGNETIC SENSOR
Document

明 細 書

発明の名称 磁気センサ

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018  

発明の効果

0019  

図面の簡単な説明

0020  

発明を実施するための形態

0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208  

符号の説明

0209  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23  

明 細 書

発明の名称 : 磁気センサ

技術分野

[0001]
 本発明は、磁気センサに関し、特に、磁気抵抗素子を含む磁気センサに関する。

背景技術

[0002]
 磁気センサの構成を開示した先行文献として、特開2013-44641号公報(特許文献1)、国際公開第2015/182365号(特許文献2)、および、国際公開第2016/013345号(特許文献3)がある。
[0003]
 特許文献1に記載された磁気センサは、互いに接続されてブリッジ回路を構成し、ミアンダ状に各々形成された、第1磁気抵抗素子、第2磁気抵抗素子、第3磁気抵抗素子および第4磁気抵抗素子を備える。第1磁気抵抗素子、第2磁気抵抗素子、第3磁気抵抗素子および第4磁気抵抗素子の表面は、絶縁膜によって覆われている。いわゆる固定抵抗である第3磁気抵抗素子および第4磁気抵抗素子の表面には、絶縁膜を挟んで磁性材料からなる磁束集磁膜が形成されている。
[0004]
 特許文献2および特許文献3に記載された磁気センサは、第1磁気抵抗素子、および、第1磁気抵抗素子より抵抗変化率が小さい第2磁気抵抗素子を備える。いわゆる感磁素子である第1磁気抵抗素子は、同心円状に配置されたパターンを含んでいる。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2013-44641号公報
特許文献2 : 国際公開第2015/182365号
特許文献3 : 国際公開第2016/013345号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 特許文献1に記載された磁気センサにおいては、いわゆる感磁素子である第1磁気抵抗素子および第2磁気抵抗素子の各々がミアンダ状のパターンを含んでいるため、水平磁界の検出の等方性が低い。
[0007]
 特許文献2および特許文献3に記載された磁気センサにおいては、第1磁気抵抗素子が同心円状に配置されたパターンを含んでいるため、水平磁界の検出の等方性は高いが、微弱な垂直磁界を検出することができない。
[0008]
 本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、水平磁界の検出の等方性が高く、微弱な垂直磁界も検出することができる、磁気センサを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 本発明に基づく磁気センサは、第1磁気抵抗素子と、第1磁気抵抗素子と電気的に接続されてブリッジ回路を構成する第2磁気抵抗素子と、第1磁気抵抗素子および第2磁気抵抗素子を覆う絶縁層と、絶縁層上に位置する、第1磁性体部材および第1磁性体部材とは異なる第2磁性体部材のうちの少なくとも第1磁性体部材とを備える。第1磁気抵抗素子は、外周縁および内周縁のうちの少なくとも外周縁を有する。第1磁性体部材は、絶縁層に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子の外周縁より内側の領域に位置している。第2磁気抵抗素子は、絶縁層に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子の内周縁より内側の領域に位置して第1磁性体部材で覆われている、または、第1磁気抵抗素子の外周縁より外側の領域に位置して第2磁性体部材で覆われている。
[0010]
 本発明の一形態においては、第1磁性体部材の厚さをxμmとすると、第1磁気抵抗素子の少なくとも一部は、絶縁層に直交する方向から見て、第1磁性体部材の外周縁から内側に2μm離れた位置から、第1磁性体部材の外周縁から外側に下記式(I)で示すyμm離れた位置までの、領域の少なくとも一部に位置している。
 y=-0.0008x +0.2495x+6.6506   (I)
[0011]
 本発明の一形態においては、第1磁性体部材は、絶縁層に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子の外周縁と同心状に位置している。
[0012]
 本発明の一形態においては、第2磁気抵抗素子は、絶縁層に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子の内周縁より内側の領域に位置して第1磁性体部材で覆われている。第1磁性体部材は、絶縁層に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子の内周縁上および内周縁より内側の領域を含む領域に位置している。
[0013]
 本発明の一形態においては、第2磁気抵抗素子は、絶縁層に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子の内周縁より内側の領域に位置して第1磁性体部材で覆われている。第1磁性体部材は、絶縁層に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子および第2磁気抵抗素子のうちの第2磁気抵抗素子のみを覆っている。
[0014]
 本発明の一形態においては、第2磁気抵抗素子は、絶縁層に直交する方向から見て、第1磁性体部材の中心から、第1磁性体部材の外周縁から内側に7μm離れた位置までの、領域に位置している。
[0015]
 本発明の一形態においては、第2磁気抵抗素子は、絶縁層に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子の外周縁より外側の領域に位置して第2磁性体部材で覆われている。第1磁性体部材は、絶縁層に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子および第2磁気抵抗素子のうちの第1磁気抵抗素子の一部のみを覆っている。
[0016]
 本発明の一形態においては、第2磁性体部材は、絶縁層に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子および第2磁気抵抗素子のうちの第2磁気抵抗素子のみを覆っている。
[0017]
 本発明の一形態においては、第2磁気抵抗素子は、絶縁層に直交する方向から見て、第2磁性体部材の中心から、第2磁性体部材の外周縁から内側に7μm離れた位置までの、領域に位置している。
[0018]
 本発明の一形態においては、第1磁気抵抗素子は、絶縁層に直交する方向から見て、同心状に配置されて互いに接続された複数の第1単位パターンを含む。

発明の効果

[0019]
 本発明によれば、水平磁界の検出の等方性が高く、微弱な垂直磁界も検出することができる磁気センサが得られる。

図面の簡単な説明

[0020]
[図1] 本発明の実施形態1に係る磁気センサの構成を示す斜視図である。
[図2] 図1の磁気センサを矢印II方向から見た平面図である。
[図3] 本発明の実施形態1に係る磁気センサの等価回路図である。
[図4] 本発明の実施形態1に係る磁気センサの回路基板における磁気抵抗素子と配線との接続部の積層構造を示す断面図である。
[図5] 本発明の実施形態1に係る磁気センサの第1磁気抵抗素子のパターンを示す平面図である。
[図6] 本発明の実施形態1に係る磁気センサの第2磁気抵抗素子のパターンを示す平面図である。
[図7] 実験例1に係る磁気センサに垂直磁界が印加された際の磁束密度分布を示す磁束線図である。
[図8] 実験例1に係る磁気センサに水平磁界が印加された際の磁束密度分布を示す磁束線図である。
[図9] 実験例1に係る磁気センサに垂直磁界または水平磁界が印加された際の、第1磁性体部材の外周縁からの水平方向の距離と、水平方向の磁界強度との関係を示すグラフである。
[図10] 実験例2に係る磁気センサに垂直磁界が印加された際の、第1磁性体部材の外周縁からの水平方向の距離と水平方向の磁界強度との関係に与える、第1磁性体部材の厚さの影響を示すグラフである。
[図11] 水平方向の磁界強度がピーク値の1/3となる第1磁性体部材の外周縁から外側への水平方向の距離と、第1磁性体部材の厚さとの関係を示すグラフである。
[図12] 本発明の実施形態2に係る磁気センサの平面図である。
[図13] 本発明の実施形態2に係る磁気センサの第2磁気抵抗素子が有するパターンを示す平面図である。
[図14] 本発明の実施形態3に係る磁気センサの構成を示す斜視図である。
[図15] 図14の磁気センサを矢印XV方向から見た平面図である。
[図16] 本発明の実施形態3に係る磁気センサの第1磁気抵抗素子のパターンを示す平面図である。
[図17] 本発明の実施形態3に係る磁気センサの第2磁気抵抗素子が有するパターンを示す平面図である。
[図18] 本発明の実施形態3に係る磁気センサの第2磁気抵抗素子が有するパターンに含まれる単位パターンを示す平面図である。
[図19] 本発明の実施形態4に係る磁気センサの構成を示す斜視図である。
[図20] 図19の磁気センサを矢印XX方向から見た平面図である。
[図21] 本発明の実施形態5に係る磁気センサの構成を示す平面図である。
[図22] 本発明の実施形態5に係る磁気センサの第1磁気抵抗素子のパターンを示す平面図である。
[図23] 本発明の実施形態5に係る磁気センサの第2磁気抵抗素子のパターンを示す平面図である。

発明を実施するための形態

[0021]
 以下、本発明の各実施形態に係る磁気センサについて図を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
[0022]
 (実施形態1)
 図1は、本発明の実施形態1に係る磁気センサの構成を示す斜視図である。図2は、図1の磁気センサを矢印II方向から見た平面図である。図3は、本発明の実施形態1に係る磁気センサの等価回路図である。図2においては、後述する第1磁性体部材の外縁を点線で記載している。図1においては、後述する回路基板100の幅方向をX軸方向、回路基板100の長さ方向をY軸方向、回路基板100の厚さ方向をZ軸方向として示している。なお、図2においては、後述する差動増幅器および温度補償回路などは図示していない。
[0023]
 図1,2に示すように、本発明の実施形態1に係る磁気センサ1は、回路基板100と、回路基板100上に設けられた2つの第1磁性体部材40とを備える。
[0024]
 図2,3に示すように、本発明の実施形態1に係る磁気センサ1の回路基板100には、互いに配線によって電気的に接続されてホイートストンブリッジ型のブリッジ回路を構成する4つの磁気抵抗素子が設けられている。4つの磁気抵抗素子は、2組の第1磁気抵抗素子および第2磁気抵抗素子からなる。具体的には、磁気センサ1は、第1磁気抵抗素子120aおよび第2磁気抵抗素子130aと、第1磁気抵抗素子120bおよび第2磁気抵抗素子130bとを含んでいる。
[0025]
 本実施形態においては、磁気センサ1は、2組の第1磁気抵抗素子および第2磁気抵抗素子を含んでいるが、これに限られず、少なくとも1組の第1磁気抵抗素子および第2磁気抵抗素子を含んでいればよい。磁気センサ1が、1組の第1磁気抵抗素子および第2磁気抵抗素子のみを含む場合には、回路基板100にはハーフブリッジ回路が構成されている。
[0026]
 第1磁気抵抗素子および第2磁気抵抗素子の各々は、AMR(Anisotropic Magneto Resistance)素子である。なお、第1磁気センサおよび第2磁気センサの各々が、AMR素子に代えて、GMR(Giant Magneto Resistance)、TMR(Tunnel Magneto Resistance)、BMR(Ballistic Magneto Resistance)、CMR(Colossal Magneto Resistance)などの磁気抵抗素子であってもよい。
[0027]
 第2磁気抵抗素子130aは、後述するように、第1磁性体部材40によって磁気シールドされて垂直磁界および水平磁界をほとんど検出しない、いわゆる固定抵抗となる。第1磁気抵抗素子120aは、外部磁界が印加されることによって電気抵抗値が変化するいわゆる感磁抵抗である。第2磁気抵抗素子130aの外部磁界に対する抵抗変化率は、第1磁気抵抗素子120aの外部磁界に対する抵抗変化率より低いことが好ましい。
[0028]
 同様に、第2磁気抵抗素子130bは、後述するように、第1磁性体部材40によって磁気シールドされて垂直磁界および水平磁界をほとんど検出しない、いわゆる固定抵抗となる。第1磁気抵抗素子120bは、外部磁界が印加されることによって電気抵抗値が変化するいわゆる感磁抵抗である。第2磁気抵抗素子130bの外部磁界に対する抵抗変化率は、第1磁気抵抗素子120bの外部磁界に対する抵抗変化率より低いことが好ましい。
[0029]
 4つの磁気抵抗素子は、半導体基板110上に形成された配線によって互いに電気的に接続されている。具体的には、第1磁気抵抗素子120aと第2磁気抵抗素子130aとが配線146によって直列に接続されている。第1磁気抵抗素子120bと第2磁気抵抗素子130bとが配線150によって直列に接続されている。
[0030]
 回路基板100の半導体基板110上には、中点140、中点141、電源端子(Vcc)142、接地端子(Gnd)143および出力端子(Out)144がさらに設けられている。
[0031]
 第1磁気抵抗素子120aおよび第2磁気抵抗素子130bの各々は、中点140に接続されている。具体的には、第1磁気抵抗素子120aと中点140とが配線145によって接続され、第2磁気抵抗素子130bと中点140とが配線152によって接続されている。
[0032]
 第1磁気抵抗素子120bおよび第2磁気抵抗素子130aの各々は、中点141に接続されている。具体的には、第1磁気抵抗素子120bと中点141とが配線149によって接続され、第2磁気抵抗素子130aと中点141とが配線148によって接続されている。
[0033]
 配線146は、電流が入力される電源端子(Vcc)142に接続されている。配線150は、接地端子(Gnd)143に接続されている。
[0034]
 図3に示すように、磁気センサ1は、差動増幅器160、温度補償回路161、ラッチおよびスイッチ回路162、並びに、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)ドライバ163をさらに備える。
[0035]
 差動増幅器160は、入力端が中点140および中点141の各々に接続され、出力端が温度補償回路161に接続されている。また、差動増幅器160は、電源端子(Vcc)142および接地端子(Gnd)143の各々に接続されている。
[0036]
 温度補償回路161は、出力端がラッチおよびスイッチ回路162に接続されている。また、温度補償回路161は、電源端子(Vcc)142および接地端子(Gnd)143の各々に接続されている。
[0037]
 ラッチおよびスイッチ回路162は、出力端がCMOSドライバ163に接続されている。また、ラッチおよびスイッチ回路162は、電源端子(Vcc)142および接地端子(Gnd)143の各々に接続されている。
[0038]
 CMOSドライバ163は、出力端が出力端子(Out)144に接続されている。また、CMOSドライバ163は、電源端子(Vcc)142および接地端子(Gnd)143の各々に接続されている。
[0039]
 磁気センサ1が上記の回路構成を有することにより、中点140と中点141との間に、外部磁界の強さに依存する電位差が発生する。この電位差があらかじめ設定された検出レベルを超えると、出力端子(Out)144から信号が出力される。
[0040]
 図4は、本発明の実施形態1に係る磁気センサの回路基板における磁気抵抗素子と配線との接続部の積層構造を示す断面図である。図4においては、磁気抵抗素子として機能する領域Rと、配線として機能する領域Lとの接続部のみ図示している。
[0041]
 図4に示すように、4つの磁気抵抗素子は、SiO 2層またはSi 34層などが表面に設けられた、Siなどからなる半導体基板110上に形成されている。4つの磁気抵抗素子は、半導体基板110上に設けられた、NiとFeとを含む合金からなる磁性体層10が、ミーリングによりパターニングされることにより形成されている。磁性体層10の厚さは、たとえば、0.04μmである。
[0042]
 配線は、半導体基板110上に設けられた、AuまたはAlなどからなる導電層20が、ウエットエッチングによりパターニングされることにより形成されている。導電層20は、配線として機能する領域Lにおいては磁性体層10の真上に位置し、磁気抵抗素子として機能する領域Rには形成されていない。よって、図4に示すように、磁気抵抗素子として機能する領域Rと、配線として機能する領域Lとの接続部においては、導電層20の端部が磁性体層10の直上に位置している。
[0043]
 中点140、中点141、電源端子(Vcc)142、接地端子(Gnd)143および出力端子(Out)144の各々は、半導体基板110の直上に位置する導電層20によって構成されている。
[0044]
 導電層20の直上には、図示しないTi層が設けられている。磁気抵抗素子および配線を覆うように、SiO 2などからなる絶縁層30が設けられている。すなわち、絶縁層30は、第1磁気抵抗素子120a,120bおよび第2磁気抵抗素子130a,130bを覆っている。
[0045]
 図5は、本発明の実施形態1に係る磁気センサの第1磁気抵抗素子のパターンを示す平面図である。図2,5に示すように、第1磁気抵抗素子120a,120bのパターン120は、絶縁層30に直交する方向から見て、仮想円C 1の円周に沿って仮想円C 1の径方向に並ぶように配置されて互いに接続された4つの第1単位パターンを含む。なお、絶縁層30に直交する方向は、半導体基板110の上面に直交する方向と平行である。
[0046]
 4つの第1単位パターンの各々は、仮想円C 1の円周において配線146,148,150,152が位置する部分が開放した仮想C字形状C 11に沿って位置している。4つの第1単位パターンの各々は、仮想C字形状C 11に沿って仮想円C 1の径方向に並ぶように同心円状に配置されたC字状パターン121である。
[0047]
 4つのC字状パターン121は、内側から順に一端と他端とで交互に互いに接続されている。一端同士が接続されているC字状パターン121は、半円弧状パターン122によって互いに接続されている。他端同士が接続されているC字状パターン121は、半円弧状パターン123によって互いに接続されている。
[0048]
 第1磁気抵抗素子120a,120bのパターン120は、2つの半円弧状パターン122および1つの半円弧状パターン123を含む。これにより、4つのC字状パターン121が直列に接続されている。半円弧状パターン122,123は、直線状延在部を含まず、湾曲部のみから構成されている。
[0049]
 4つのC字状パターン121のうちの最も外側のC字状パターンの、半円弧状パターン122と接続されていない側の端部は、導電層20が形成された、配線145または配線149と接続されている。同様に、4つのC字状パターン121のうちの最も内側のC字状パターンの、半円弧状パターン122と接続されていない側の端部は、導電層20が形成された、配線146または配線150と接続されている。ここで、C字状パターン121の端部との接続位置となる導電層20の形成位置を変更することにより、第1磁気抵抗素子120a,120bの電気抵抗値を調整することができる。
[0050]
 具体的には、図4に示す、磁気抵抗素子として機能する領域Rと、配線として機能する領域Lとの接続部において、導電層20を磁気抵抗素子として機能する領域R側に延長することにより、配線として機能する領域Lを拡大して、第1磁気抵抗素子120a,120bの各々の電気抵抗値を低下させることができる。または、磁気抵抗素子として機能する領域Rと、配線として機能する領域Lとの接続部において、導電層20を配線として機能する領域L側に短縮することにより、配線として機能する領域Lを縮小して、第1磁気抵抗素子120a,120bの各々の電気抵抗値を増加させることができる。
[0051]
 上記の第1磁気抵抗素子120a,120bの電気抵抗値の調整は、導電層20の一部を除去または追加形成することにより行なわれるため、絶縁層30を設ける前に行なわれることが好ましい。
[0052]
 最も外側に位置するC字状パターン121の外周縁が、第1磁気抵抗素子120a,120bの外周縁となる。最も内側に位置するC字状パターン121の内周縁が、第1磁気抵抗素子120a,120bの内周縁となる。
[0053]
 図2に示すように、第1磁気抵抗素子120aと第1磁気抵抗素子120bとは、仮想C字形状C 11の向きが互いに異なるように周方向の向きが異なっている。すなわち、第1磁気抵抗素子120aと第1磁気抵抗素子120bとは、C字状パターン121の向きが互いに異なるように、パターン120の周方向の向きが異なっている。
[0054]
 本実施形態においては、第1磁気抵抗素子120aと第1磁気抵抗素子120bとは、C字状パターン121の向きが互いに90°異なるように、パターン120の周方向の向きが90°異なっている。
[0055]
 図6は、本発明の実施形態1に係る磁気センサの第2磁気抵抗素子のパターンを示す平面図である。図2,6に示すように、第2磁気抵抗素子130a,130bは、絶縁層30に直交する方向から見て、仮想円C 1の中心側に位置し、第1磁気抵抗素子120a,120bに囲まれている。すなわち、第2磁気抵抗素子130a,130bは、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子120a,120bの内周縁より内側に位置している。
[0056]
 第2磁気抵抗素子130aは、仮想円C 1の中心側から仮想円C 1の外側まで繋がった配線146,148と接続されている。第2磁気抵抗素子130bは、仮想円C 1の中心側から仮想円C 1の外側まで繋がった配線150,152と接続されている。
[0057]
 第2磁気抵抗素子130a,130bは、絶縁層30に直交する方向から見て、2重渦巻き状パターン130を有している。2重渦巻き状パターン130は、2つの第2単位パターンのうちの1つである一方の渦巻き状パターン131、2つの第2単位パターンのうちの他の1つである他方の渦巻き状パターン132、および、一方の渦巻き状パターン131と他方の渦巻き状パターン132とを2重渦巻き状パターン130の中央部にて接続する逆S字状パターン133を含む。逆S字状パターン133は、直線状延在部を含まず、湾曲部のみから構成されている。
[0058]
 2重渦巻き状パターン130は、パターン120と同じ太さで形成されている。従って、一方の渦巻き状パターン131および他方の渦巻き状パターン132の各々は、4つのC字状パターン121の各々と同じ太さである。
[0059]
 図6に示すように、2重渦巻き状パターン130は、仮想円C 1の中心に関して略点対称の形状を有している。すなわち、2重渦巻き状パターン130は、仮想円C 1の中心に関して略180°回転対称な形状を有している。
[0060]
 図2に示すように、第2磁気抵抗素子130aと第2磁気抵抗素子130bとは、逆S字状パターン133の向きが互いに異なるように、2重渦巻き状パターン130の周方向の向きが異なっている。
[0061]
 本実施形態においては、第2磁気抵抗素子130aと第2磁気抵抗素子130bとは、逆S字状パターン133の向きが互いに90°異なるように、2重渦巻き状パターン130の周方向の向きが90°異なっている。
[0062]
 本実施形態に係る磁気センサ1においては、第1磁気抵抗素子120a,120bがC字状パターン121を有している。C字状パターン121は、円弧で構成されている。互いに隣接したC字状パターン121同士は、半円弧状パターン122または半円弧状パターン123によって互いに接続されている。このように、第1磁気抵抗素子120a,120bは、直線状延在部を含んでいないため、磁界検出の異方性が低減されている。
[0063]
 さらに、本実施形態に係る磁気センサ1においては、第1磁気抵抗素子120aおよび第1磁気抵抗素子120bのC字状パターン121の向きが互いに異なるように、パターン120の周方向の向きが異なっていることにより、磁界検出の等方性が高くなっている。
[0064]
 本実施形態に係る磁気センサ1においては、第2磁気抵抗素子130a,130bが2重渦巻き状パターン130を有している。2重渦巻き状パターン130は、主に略円弧状の湾曲部が巻き回されて構成されている。円弧は、多角形の角の数が無限大に大きくなった際の近似形であるため、2重渦巻き状パターン130を流れる電流の向きは、水平方向の略全方位(360°)に亘っている。なお、水平方向は、半導体基板110の上面と平行な方向である。
[0065]
 また、本実施形態に係る磁気センサ1においては、2重渦巻き状パターン130は、中央部が湾曲部のみからなる逆S字状パターン133で構成されている。このように、第2磁気抵抗素子130a,130bは、直線状延在部を含んでいないため、磁気抵抗効果の異方性が低減されている。
[0066]
 さらに、本実施形態に係る磁気センサ1においては、第2磁気抵抗素子130aおよび第2磁気抵抗素子130bの逆S字状パターン133の向きが互いに異なるように、2重渦巻き状パターン130の周方向の向きが異なっていることにより、磁気抵抗効果の等方性が高くなっている。
[0067]
 その理由は以下の通りである。上記のように、2重渦巻き状パターン130は、仮想円C 1の中心に関して略180°回転対称な形状を有している。そのため、第2磁気抵抗素子130aおよび第2磁気抵抗素子130bの各々は、僅かに磁気抵抗効果の異方性を有する。
[0068]
 そこで、第2磁気抵抗素子130aの2重渦巻き状パターン130の周方向の向きと、第2磁気抵抗素子130bの2重渦巻き状パターン130の周方向の向きとを異ならせることにより、それぞれの磁気抵抗効果の異方性を互いに低減することができる。
[0069]
 第2磁気抵抗素子130aの2重渦巻き状パターン130の周方向の向きと、第2磁気抵抗素子130bの2重渦巻き状パターン130の周方向の向きとを90°異ならせた場合には、それぞれの磁気抵抗効果の異方性を最も低減することができる。
[0070]
 この場合は、第2磁気抵抗素子130aが最も高感度である方向と、第2磁気抵抗素子130bが最も低感度である方向とが一致し、第2磁気抵抗素子130aが最も低感度である方向と、第2磁気抵抗素子130bが最も高感度である方向とが一致する。そのため、磁気センサ1に外部磁界が印加された際に中点140と中点141との間に発生する電位差が、磁気センサ1に外部磁界が印加された方向によって変動することを抑制できる。
[0071]
 2重渦巻き状パターン130は、単位面積当たりの密度が高い形状である。第2磁気抵抗素子130a,130bが2重渦巻き状パターン130を有することにより、仮想円C 1内に配置されるパターンを長くして、第2磁気抵抗素子130a,130bを高抵抗にすることができる。第2磁気抵抗素子130a,130bの電気抵抗値が高いほど、磁気センサ1の消費電流を低減できる。
[0072]
 上記のように、2重渦巻き状パターン130を流れる電流の向きを水平方向において分散させて、第2磁気抵抗素子130aおよび第2磁気抵抗素子130bの各々の磁気抵抗効果の異方性を低減することにより、外部磁界が0である時の磁気センサ1の出力が、残留磁化の影響によってばらつくことを抑制することができる。
[0073]
 なお、2重渦巻き状パターン130は逆方向に巻いていてもよく、この場合、2重渦巻き状パターン130の中央部が湾曲部のみからなるS字状パターンで構成される。すなわち、一方の渦巻き状パターンと他方の渦巻き状パターンとが、S字状パターンによって接続される。
[0074]
 本実施形態に係る磁気センサ1においては、第1磁気抵抗素子120a,120bの内側に第2磁気抵抗素子130a,130bを配置しているため、磁気センサ1を小形にできる。また、磁気センサ1においては、第1磁気抵抗素子120a,120bと第2磁気抵抗素子130a,130bとを接続する配線を立体的に引き回す必要がないため、簡易な製造プロセスで回路基板100を製造可能である。
[0075]
 本実施形態に係る磁気センサ1においては、絶縁層30上に2つの第1磁性体部材40が配置されている。第1磁性体部材40の厚さは、たとえば、10μm以上、好ましくは、20μm以上150μm以下である。第1磁性体部材40の厚さが10μm以上の場合、後述するように、第1磁性体部材40によって略水平方向に偏向された垂直磁界を、第1磁気抵抗素子120a,120bにて検出できる。第1磁性体部材40の厚さが20μm以上の場合、第1磁性体部材40によって垂直磁界を略水平方向により効果的に偏向できるため、第1磁気抵抗素子120a,120bにて、より微弱な垂直磁界を検出できる。第1磁性体部材40の厚さが150μm以下の場合、第1磁性体部材40の形成時間が長くなることを抑制して、磁気センサ1の量産性を維持できる。
[0076]
 図2に示すように、第1磁性体部材40は、絶縁層30に直交する方向から見て、円形の外形を有し、かつ、第1磁気抵抗素子120a,120bの外周縁より内側の領域に位置している。なお、第1磁気抵抗素子120a,120bの外周縁より内側の領域とは、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子120a,120bの外周縁の両端を仮想直線で結んだ際に囲まれる領域である。絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子120a,120bの外周縁より内側の領域と、第1磁性体部材40の半分以上が重なっていることが好ましく、第1磁性体部材40の2/3以上が重なっていることがより好ましい。
[0077]
 本実施形態においては、第1磁性体部材40は、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子120a,120bの内周縁より内側の領域に位置している。なお、第1磁気抵抗素子120a,120bの内周縁より内側の領域とは、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子120a,120bの内周縁の両端を仮想直線で結んだ際に囲まれる領域である。第1磁性体部材40は、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子120a,120bの内周縁上および内周縁より内側の領域を含む領域に位置していてもよい。絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子120a,120bの内周縁より内側の領域と、第1磁性体部材40の半分以上が重なっていることが好ましく、第1磁性体部材40の2/3以上が重なっていることがより好ましい。
[0078]
 本実施形態においては、第1磁性体部材40は、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子120a,120bの外周縁と同心状に位置している。
[0079]
 本実施形態においては、第1磁性体部材40は、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子120a,120bおよび第2磁気抵抗素子130a,130bのうちの第2磁気抵抗素子130a,130bのみを覆っている。よって、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁性体部材40は、第1磁気抵抗素子120a,120bに囲まれている。第1磁性体部材40は、電磁鋼、軟鉄鋼、ケイ素鋼、パーマロイ、スーパーマロイ、ニッケル合金、鉄合金またはフェライトなどの、透磁率および飽和磁束密度の高い磁性体材料で構成されている。また、これらの磁性体材料は、保持力が低いことが好ましい。
[0080]
 第1磁性体部材40を構成する磁性体材料として、透磁率が、高温で大きくなり、低温で小さくなる、たとえば、Fe-78Ni合金などを用いた場合、第1磁気抵抗素子120a,120bの抵抗変化率の温度依存性を低減することができる。
[0081]
 第1磁性体部材40は、たとえば、めっきにより形成される。なお、絶縁層30と第1磁性体部材40との間に、他の薄層が設けられていてもよい。第1磁性体部材40がめっきで形成される場合には、絶縁層30と第1磁性体部材40との間に、たとえば、Ti(チタン)を含む密着層、および、Au(金)を含む電極反応層の少なくとも一方が形成されていてもよい。
[0082]
 ここで、第1磁性体部材40が垂直磁界および水平磁界の分布に及ぼす影響をシミュレーションにより検証した実験例1について説明する。実験例1においては、第1磁性体部材40の外形を、直径が140μm、厚さが100μmの円柱状とした。第1磁性体部材40は、パーマロイで構成した。第1磁性体部材40を、第2磁気抵抗素子130a,130bの上方にて、第1磁気抵抗素子120a,120bおよび第2磁気抵抗素子130a,130bのうちの第2磁気抵抗素子130a,130bのみを覆うように配置した。絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子120a,120bの内周縁が、第1磁性体部材40の外周縁の外側に隣接するように、第1磁性体部材40を配置した。印加する垂直磁界または水平磁界の強度は、30mTとした。
[0083]
 図7は、実験例1に係る磁気センサに垂直磁界が印加された際の磁束密度分布を示す磁束線図である。図8は、実験例1に係る磁気センサに水平磁界が印加された際の磁束密度分布を示す磁束線図である。図9は、実験例1に係る磁気センサに垂直磁界または水平磁界が印加された際の、第1磁性体部材の外周縁からの水平方向の距離と、水平方向の磁界強度との関係を示すグラフである。図7,8においては、磁気センサ1を水平方向から見て、第1磁性体部材40、第1磁気抵抗素子120a,120bおよび第2磁気抵抗素子130a,130bのみを図示している。
[0084]
 図9においては、縦軸に水平方向の磁界強度(mT)、横軸に第1磁性体部材の外周縁からの水平方向の距離(μm)を示している。第1磁性体部材の外周縁からの水平方向の距離は、第1磁性体部材40の外周縁から外側に離れた距離を正の値、第1磁性体部材40の外周縁から内側に離れた距離を負の値で示している。垂直磁界が印加された際の水平方向の磁界強度の分布を実線Vで、水平磁界が印加された際の水平方向の磁界強度の分布を実線Hで示している。
[0085]
 図7に示すように、実験例1に係る磁気センサに上方から下方に向かう垂直磁界を印加した場合、第1磁性体部材40の上面側において、透磁率の高い第1磁性体部材40に磁束が引き寄せられて集められた。第1磁性体部材40に進入した磁束は、第1磁性体部材40を垂直方向に通過した後、第1磁性体部材40の下面側から、拡散しつつ放出された。
[0086]
 このとき、第1磁性体部材40の直下に位置する第2磁気抵抗素子130a,130bには、磁界が略垂直方向に印加された。そのため、第2磁気抵抗素子130a,130bは、垂直磁界をほとんど検出しなかった。一方、第1磁性体部材40の外周縁の下方に位置する第1磁気抵抗素子120a,120bには、図7中の矢印で示すように略水平方向に偏向された磁界が印加された。そのため、第1磁気抵抗素子120a,120bは、垂直磁界を略水平方向に偏向された磁界として検出することができた。
[0087]
 図8に示すように、実験例1に係る磁気センサに左側から右側に向かう水平磁界を印加した場合、第1磁性体部材40の左側面側において、第1磁性体部材40に磁束が引き寄せられて集められた。第1磁性体部材40に進入した磁束は、第1磁性体部材40を水平方向に通過した後、第1磁性体部材40の右側面側から、拡散しつつ放出された。
[0088]
 このとき、図8中の矢印で示すように、第1磁性体部材40の直下に位置する第2磁気抵抗素子130a,130bには、水平方向の磁界がほとんど印加されなかった。そのため、第2磁気抵抗素子130a,130bは、水平磁界をほとんど検出しなかった。一方、第1磁性体部材40の外周縁の下方に位置する第1磁気抵抗素子120a,120bには、水平方向の磁界が印加された。そのため、第1磁気抵抗素子120a,120bは、水平磁界を検出することができた。
[0089]
 図9に示すように、第1磁性体部材40の外周縁の外側の位置における水平方向の磁界強度が、印加した垂直磁界または水平磁界の強度である30mTより高い領域が生じていた。具体的には、垂直磁界を印加した場合においては、第1磁性体部材40の外周縁から内側に約2μm離れた位置から、第1磁性体部材40の外周縁から外側に約10μm離れた位置まで、水平方向の磁界強度が、印加した垂直磁界の強度である30mTより高くなっていた。また、水平磁界を印加した場合においても、第1磁性体部材40の外周縁の外側の位置では、水平方向の磁界強度が、印加した水平磁界の強度である30mTより高くなっていた。これらは、第1磁性体部材40に引き寄せられて集められた磁界が、高い磁界強度で第1磁性体部材40から水平方向に放出されたためである。この高い磁界強度の水平方向の磁界が、第1磁気抵抗素子120a,120bに印加された。
[0090]
 図9に示すように、第1磁性体部材40の外周縁から内側に約7μm以上離れた位置では、水平方向の磁界強度が、印加した垂直磁界または水平磁界の強度である30mTの1/3以下となっていた。よって、第1磁性体部材40の外周縁から内側に約7μm以上離れた位置に、第2磁気抵抗素子130a,130bが設けられていることが好ましい。
[0091]
 上記のように、第1磁性体部材40の外周縁から内側に約2μm離れた位置から、第1磁性体部材40の外周縁から外側に約10μm離れた位置までの、領域においては、水平方向の磁界強度が、印加した垂直磁界または水平磁界の強度である30mTより高くなっていた。よって、この領域の少なくとも一部に、第1磁気抵抗素子120a,120bの少なくとも一部が設けられていることが好ましい。絶縁層30に直交する方向から見て、上記の領域に設けられた第1磁気抵抗素子120a,120bによって、第1磁性体部材40の外周全周の1/2以上が取り囲まれていることが好ましく、第1磁性体部材40の外周全周の2/3以上が取り囲まれていることがさらに好ましい。
[0092]
 また、第1磁性体部材40が、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子120a,120bの外周縁と同心状に位置し、かつ、第1磁気抵抗素子120a,120bに囲まれていることにより、第1磁性体部材40の外周縁から外側に放出された水平方向の磁界を第1磁気抵抗素子120a,120bに周方向において略均等に印加させることができた。
[0093]
 実験例1の結果から、本発明の実施形態1に係る磁気センサ1は、垂直磁界による第2磁気抵抗素子130a,130bの抵抗変化を抑制しつつ、第1磁気抵抗素子120a,120bの垂直磁界の検出感度を高めることができることを確認できた。すなわち、第1磁気抵抗素子120a,120bは、微弱な垂直磁界を検出することができる。また、本発明の実施形態1に係る磁気センサ1は、水平磁界による第2磁気抵抗素子130a,130bの抵抗変化を抑制しつつ、第1磁気抵抗素子120a,120bの水平磁界の検出感度を高めることができることを確認できた。すなわち、第1磁気抵抗素子120a,120bは、微弱な水平磁界を検出することができる。
[0094]
 ここで、磁気センサに垂直磁界が印加された際の第1磁性体部材の外周縁からの水平方向の距離と水平方向の磁界強度との関係に与える、第1磁性体部材の厚さの影響をシミュレーションにより検証した実験例2について説明する。
[0095]
 図10は、実験例2に係る磁気センサに垂直磁界が印加された際の、第1磁性体部材の外周縁からの水平方向の距離と水平方向の磁界強度との関係に与える、第1磁性体部材の厚さの影響を示すグラフである。図10においては、縦軸に水平方向の磁界強度(mT)、横軸に第1磁性体部材の外周縁からの水平方向の距離(μm)を示している。図11は、水平方向の磁界強度がピーク値の1/3となる第1磁性体部材の外周縁から外側への水平方向の距離と、第1磁性体部材の厚さとの関係を示すグラフである。図10,11においては、第1磁性体部材の外周縁からの水平方向の距離は、第1磁性体部材40の外周縁から外側に離れた距離を正の値、第1磁性体部材40の外周縁から内側に離れた距離を負の値で示している。
[0096]
 実験例2においては、第1磁性体部材40の外形を、直径が140μmの円柱状とした。第1磁性体部材40の厚さxを、10μm、20μm、50μm、100μmおよび150μmの5種類とした。第1磁性体部材40は、パーマロイで構成した。第1磁性体部材40の配置は、実験例1と同様にした。印加する垂直磁界の強度は、30mTとした。
[0097]
 図10に示すように、第1磁性体部材40の厚さxが厚くなるにしたがって、水平方向の磁界強度のピーク値が大きくなった。なお、図10に示すグラフは、パーマロイが取り得る透磁率の10000以上100000以下の範囲においては、第1磁性体部材40の透磁率への依存性が小さく、第1磁性体部材40の透磁率が変わった場合にもほとんど変化しない。
[0098]
 磁気センサ1のブリッジ回路から安定した出力を得るためには、第1磁気抵抗素子120a,120bに、水平方向の磁界強度のピーク値の1/3以上の強度の水平方向の磁界が印加され、かつ、第2磁気抵抗素子130a,130bに印加される水平方向の磁界の強度が、水平方向の磁界強度のピーク値の1/10以下であることが好ましい。
[0099]
 図10に示すように、第1磁性体部材40の厚さxによらず、第1磁性体部材40の外周縁から内側に2μm以内の領域では、水平方向の磁界強度がピーク値の1/3以上となっていた。
[0100]
 図11に示すように、水平方向の磁界強度がピーク値の1/3となる第1磁性体部材40の外周縁から外側への水平方向の距離yは、第1磁性体部材40の厚さxが厚くなるにしたがって長くなっていた。厚さxと距離yとの関係は、下記の近似式(I)で表される。
 y=-0.0008x +0.2495x+6.6506   (I)
[0101]
 すなわち、第1磁性体部材40の外周縁から外側に上記yμm以内の領域では、水平方向の磁界強度がピーク値の1/3以上となる。よって、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁性体部材40の外周縁から内側に2μm離れた位置から、第1磁性体部材40の外周縁から外側に上記式(I)で示すyμm離れた位置までの、領域では、水平方向の磁界強度がピーク値の1/3以上となる。
[0102]
 図10に示すように、第1磁性体部材40の厚さxによらず、第1磁性体部材40の外周縁から内側に7μm以上の領域では、水平方向の磁界強度がピーク値の1/10以下となっていた。すなわち、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁性体部材40の中心から、第1磁性体部材40の外周縁から内側に7μm離れた位置までの、領域では、水平方向の磁界強度がピーク値の1/10以下となっていた。
[0103]
 よって、第1磁気抵抗素子120a,120bの少なくとも一部が、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁性体部材40の外周縁から内側に2μm離れた位置から、第1磁性体部材40の外周縁から外側に上記式(I)で示すyμm離れた位置までの、領域の少なくとも一部に位置していることが好ましい。
[0104]
 また、第2磁気抵抗素子130a,130bが、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁性体部材40の中心から、第1磁性体部材40の外周縁から内側に7μm離れた位置までの、領域に位置していることが好ましい。
[0105]
 上記のように、本発明の実施形態1に係る磁気センサ1は、垂直磁界および水平磁界を高感度に検出することができる。また、本発明の実施形態1に係る磁気センサ1は、第1磁気抵抗素子120a,120bが同心円状に配置された複数の第1単位パターンを含むことにより、水平磁界の検出の等方性が高い。
[0106]
 本実施形態においては、第2磁気抵抗素子130a,130bの2重渦巻き状パターン130は、第1磁気抵抗素子120a,120bのパターン120と同じ太さで形成されている。これにより、第1磁気抵抗素子120a,120bと第2磁気抵抗素子130a,130bとを同一工程により形成した場合においても、第1磁気抵抗素子120a,120bおよび第2磁気抵抗素子130a,130bの加工精度のばらつきは低減され、出力特性が安定した磁気センサ1を作製することができる。
[0107]
 ただし、2重渦巻き状パターン130がパターン120より細いパターンで形成されていてもよい。この場合、第2磁気抵抗素子130a,130bの磁気抵抗効果は、第1磁気抵抗素子120a,120bの磁気抵抗効果よりさらに小さくなる。その結果、第2磁気抵抗素子130a,130bの磁気抵抗効果が抑制され、第2磁気抵抗素子130a,130bの抵抗変化率が著しく小さくなる。
[0108]
 これにより、磁気センサ1に外部磁界が印加された際に中点140と中点141との間に発生する電位差を大きくして、磁気センサ1の検出感度を高くできる。また、第2磁気抵抗素子130a,130bの電気抵抗値が高いため、磁気センサ1に高い磁界強度の外部磁界が印加された際の中点140と中点141との間に発生する電位差の減少が比較的小さく、磁気センサ1の出力特性を安定させることができる。
[0109]
 なお、本実施形態においては、第2磁気抵抗素子130a,130bは、第1磁性体部材40により磁気シールドされて、垂直磁界および水平磁界をほとんど検出しないため、必ずしも第2磁気抵抗素子130a,130bの抵抗変化率が、第1磁気抵抗素子120a,120bの抵抗変化率より小さくなくてもよい。
[0110]
 (実施形態2)
 以下、本発明の実施形態2に係る磁気センサについて図を参照して説明する。なお、本発明の実施形態2に係る磁気センサは、第2磁気抵抗素子が有するパターンが主に、本発明の実施形態1に係る磁気センサ1と異なるため、本発明の実施形態1に係る磁気センサ1と同様である構成については説明を繰り返さない。
[0111]
 図12は、本発明の実施形態2に係る磁気センサの平面図である。図13は、本発明の実施形態2に係る磁気センサの第2磁気抵抗素子が有するパターンを示す平面図である。図12に示すように、本発明の実施形態2に係る磁気センサ2は、回路基板200と、回路基板200上に設けられた2つの第1磁性体部材40とを備える。
[0112]
 図12,13に示すように、本発明の実施形態2に係る磁気センサ2の第1磁気抵抗素子120a,120bのパターンは、絶縁層30に直交する方向から見て、仮想円C 2の円周に沿って仮想円C 2の径方向に並ぶように配置されて互いに接続された3つの第1単位パターンを含む。3つの第1単位パターンの各々は、仮想円C 2の円周において配線146,148,150,152が位置する部分が開放した仮想C字形状C 21に沿って位置している。3つの第1単位パターンの各々は、仮想C字形状C 21に沿って仮想円C 2の径方向に並ぶように配置されたC字状パターンである。
[0113]
 図12に示すように、第1磁気抵抗素子120aと第1磁気抵抗素子120bとは、仮想C字形状C 21の向きが互いに異なるように周方向の向きが異なっている。すなわち、第1磁気抵抗素子120aと第1磁気抵抗素子120bとは、C字状パターンの向きが互いに異なるように、パターンの周方向の向きが異なっている。
[0114]
 本実施形態においては、第1磁気抵抗素子120aと第1磁気抵抗素子120bとは、C字状パターンの向きが互いに90°異なるように、パターンの周方向の向きが90°異なっている。
[0115]
 図12,13に示すように、第2磁気抵抗素子230a,230bは、絶縁層30に直交する方向から見て、仮想円C 2の中心側に位置し、第1磁気抵抗素子120a,120bに囲まれている。すなわち、第2磁気抵抗素子230a,230bは、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子120a,120bの内周縁より内側に位置している。
[0116]
 第2磁気抵抗素子230a,230bは、仮想円C 2の円周に沿って仮想円C 2の径方向に並ぶように線対称に配置された第2単位パターンである14個の半円弧状パターン231を含むパターン230を有している。パターン230は、第1磁気抵抗素子120a,120bのパターン120と同じ太さで形成されている。ただし、パターン230の太さが、パターン120の太さより細くてもよい。
[0117]
 14個の半円弧状パターン231は、内側から順に一端と他端とで交互に互いに接続されている。一端同士が接続されている半円弧状パターン231は、半円弧状パターン232によって互いに接続されている。他端同士が接続されている半円弧状パターン231は、半円弧状パターン233によって互いに接続されている。最も内側に位置して互いに線対称な半円弧状パターン231同士は、互いの一端同士を直線状延在部234によって接続されている。直線状延在部234の長さは、10μmより短い。
[0118]
 第2磁気抵抗素子230a,230bのパターン230は、6つの半円弧状パターン232、6つの半円弧状パターン233および直線状延在部234を含む。これにより、14個の半円弧状パターン231が直列に接続されている。半円弧状パターン232,233は、直線状延在部を含まず、湾曲部のみから構成されている。
[0119]
 本実施形態に係る磁気センサ2においては、第2磁気抵抗素子230a,230bが半円弧状パターン231を有している。半円弧状パターン231は、円弧で構成されている。互いに隣接した2つの半円弧状パターン231同士は、半円弧状パターン232,233によって互いに接続されている。第2磁気抵抗素子230a,230bは、長さが10μmより短い直線状延在部234のみを含んでいるため、磁界検出の異方性が低減されている。
[0120]
 第2磁気抵抗素子230aと第2磁気抵抗素子230bとは、パターン230の周方向の向きが異なっている。本実施形態においては、第2磁気抵抗素子130aと第2磁気抵抗素子130bとは、パターン230の周方向の向きが90°異なっている。これにより、第2磁気抵抗素子230aおよび第2磁気抵抗素子230bの各々の磁気抵抗効果の異方性を互いに低減することができる。
[0121]
 本実施形態に係る磁気センサ2においても、第1磁気抵抗素子120a,120bの内側に第2磁気抵抗素子230a,230bを配置しているため、磁気センサ2を小形にできる。また、磁気センサ2においても、第1磁気抵抗素子120a,120bと第2磁気抵抗素子230a,230bとを接続する配線を立体的に引き回す必要がないため、簡易な製造プロセスで回路基板200を製造可能である。
[0122]
 図12に示すように、第1磁性体部材40は、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子120a,120bおよび第2磁気抵抗素子230a,230bのうちの第2磁気抵抗素子230a,230bのみを覆っている。
[0123]
 本実施形態に係る磁気センサ2においても、垂直磁界および水平磁界を高感度に検出することができる。また、本発明の実施形態2に係る磁気センサ2は、第1磁気抵抗素子120a,120bが同心円状に配置された複数の第1単位パターンを含むことにより、水平磁界の検出の等方性が高い。
[0124]
 なお、本実施形態においては、第2磁気抵抗素子230a,230bは、第1磁性体部材40により磁気シールドされて、垂直磁界および水平磁界をほとんど検出しないため、必ずしも第2磁気抵抗素子230a,230bの抵抗変化率が、第1磁気抵抗素子120a,120bの抵抗変化率より小さくなくてもよい。
[0125]
 (実施形態3)
 以下、本発明の実施形態3に係る磁気センサについて図を参照して説明する。なお、本発明の実施形態3に係る磁気センサは、第1磁気抵抗素子および第2磁気抵抗素子の各々が有するパターンと、第2磁気抵抗素子の配置とが主に、本発明の実施形態1に係る磁気センサ1と異なるため、本発明の実施形態1に係る磁気センサ1と同様である構成については説明を繰り返さない。
[0126]
 図14は、本発明の実施形態3に係る磁気センサの構成を示す斜視図である。図15は、図14の磁気センサを矢印XV方向から見た平面図である。図14,15に示すように、本発明の実施形態3に係る磁気センサ3は、回路基板300と、回路基板300上に設けられた、2つの第1磁性体部材40および2つの第2磁性体部材50とを備える。
[0127]
 本発明の実施形態3に係る磁気センサ3の回路基板300には、互いに配線によって電気的に接続されてホイートストンブリッジ型のブリッジ回路を構成する4つの磁気抵抗素子が設けられている。4つの磁気抵抗素子は、2組の第1磁気抵抗素子および第2磁気抵抗素子からなる。具体的には、磁気センサ3は、第1磁気抵抗素子320aおよび第2磁気抵抗素子330aと、第1磁気抵抗素子320bおよび第2磁気抵抗素子330bとを含んでいる。
[0128]
 図16は、本発明の実施形態3に係る磁気センサの第1磁気抵抗素子のパターンを示す平面図である。図15,16に示すように、第1磁気抵抗素子320a,320bは、絶縁層30に直交する方向から見て、2重渦巻き状パターン320を有している。2重渦巻き状パターン320は、絶縁層30に直交する方向から見て、仮想円の円周に沿って仮想円の径方向に並ぶように同心円状に配置されて互いに接続された2つの第1単位パターンを含む。
[0129]
 2重渦巻き状パターン320は、第1単位パターンである一方の渦巻き状パターン321、第1単位パターンである他方の渦巻き状パターン322、および、一方の渦巻き状パターン321と他方の渦巻き状パターン322とを2重渦巻き状パターン320の中央部にて連結するS字状パターン323を含む。S字状パターン323は、直線状延在部を含まず、湾曲部のみから構成されている。
[0130]
 2重渦巻き状パターン320は、一方の渦巻き状パターン321および他方の渦巻き状パターン322の各々の端部に、2重渦巻き状パターン320の長さ調整用冗長部324,325を有する。長さ調整用冗長部324,325は、一方の渦巻き状パターン321および他方の渦巻き状パターン322の各々の端部が湾曲しつつ折り返されて構成されている。一方の渦巻き状パターン321に設けられた長さ調整用冗長部324と、他方の渦巻き状パターン322に設けられた長さ調整用冗長部325とは、2重渦巻き状パターン320の径方向において互いに反対側に位置している。長さ調整用冗長部324,325の各々は、直線状延在部を含まず、湾曲部のみから構成されている。
[0131]
 2重渦巻き状パターン320は、長さ調整用冗長部324,325において、配線を構成する導電層20と接続されている。長さ調整用冗長部324,325と導電層20との接続位置を変更することにより、第1磁気抵抗素子320a,320bの電気抵抗値を調整することができる。
[0132]
 具体的には、図4に示す、磁気抵抗素子として機能する領域Rと、配線として機能する領域Lとの接続部において、導電層20を磁気抵抗素子として機能する領域R側に延長することにより、配線として機能する領域Lを拡大して、第1磁気抵抗素子320a,320bの各々の電気抵抗値を低下させることができる。または、磁気抵抗素子として機能する領域Rと、配線として機能する領域Lとの接続部において、導電層20を配線として機能する領域L側に短縮することにより、配線として機能する領域Lを縮小して、第1磁気抵抗素子320a,320bの各々の電気抵抗値を増加させることができる。
[0133]
 上記の第1磁気抵抗素子320a,320bの電気抵抗値の調整は、導電層20の一部を除去または追加形成することにより行なわれるため、絶縁層30を設ける前に行なわれることが好ましい。
[0134]
 図16に示すように、2重渦巻き状パターン320は、2重渦巻き状パターン320の中心点に関して略点対称の形状を有している。すなわち、2重渦巻き状パターン320は、2重渦巻き状パターン320の中心点に関して略180°回転対称な形状を有している。
[0135]
 図15に示すように、第1磁気抵抗素子320aと第1磁気抵抗素子320bとは、S字状パターン323の向きが互いに異なるように、2重渦巻き状パターン320の周方向の向きが異なっている。
[0136]
 本実施形態においては、第1磁気抵抗素子320aと第1磁気抵抗素子320bとは、S字状パターン323の向きが互いに90°異なるように、2重渦巻き状パターン320の周方向の向きが90°異なっている。
[0137]
 なお、2重渦巻き状パターン320は逆方向に巻いていてもよく、この場合、2重渦巻き状パターン320の中央部が湾曲部のみからなる逆S字状パターンで構成される。すなわち、一方の渦巻き状パターン321と他方の渦巻き状パターン322とが、逆S字状パターンによって接続される。
[0138]
 図17は、本発明の実施形態3に係る磁気センサの第2磁気抵抗素子が有するパターンを示す平面図である。図18は、本発明の実施形態3に係る磁気センサの第2磁気抵抗素子が有するパターンに含まれる第2単位パターンを示す平面図である。なお、図17においては、第2磁気抵抗素子330a,330bが有する同一形状の3つのパターン330のうちの1つのみを図示している。
[0139]
 図15,17に示すように、第2磁気抵抗素子330a,330bは、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子320a,320bの外周縁より外側に位置している。
[0140]
 第2磁気抵抗素子330a,330bにおいては、複数の曲部を有して折り返した8つの第2単位パターン370を含む同一形状の3つのパターン330が直列に接続されている。第2磁気抵抗素子330aにおいては、同一形状の3つのパターン330が配線147によって互いに接続されている。第2磁気抵抗素子330bにおいては、同一形状の3つのパターン330が配線151によって互いに接続されている。パターン330は、2重渦巻き状パターン320より細いパターンで形成されている。これにより、第2磁気抵抗素子330a,330bにおいて、必要な電気抵抗値を確保している。第2磁気抵抗素子330a,330bの電気抵抗値が高いほど、磁気センサ3の消費電流を低減できる。
[0141]
 図17に示すように、8つの第2単位パターン370は、仮想円C 3上に配置されて互いに接続されている。図18に示すように、第2単位パターン370は、始端部370aから終端部370bまでの間に、14個の曲部B 1~B 14および15個の直線状延在部L 1~L 15を有して、折り返している。すなわち、第2単位パターン370は、始端部370aおよび終端部370bを口部とした袋状の形状を有している。
[0142]
 本実施形態においては、第2単位パターン370は、14個の曲部B 1~B 14の各々において直角に屈曲している。第2単位パターン370は、10μm以上の長さの直線状延在部を含まない。すなわち、15個の直線状延在部L 1~L 15の各々の長さは、10μmより短い。
[0143]
 ただし、第2磁気抵抗素子330a,330bが有するパターンは、上記に限られず、10μm以上の長さの直線状延在部を含まずに複数の曲部を有して折り返した少なくとも1つの第2単位パターンを含んでいればよい。
[0144]
 第2磁気抵抗素子330a,330bが上記のパターンを有することにより、第2磁気抵抗素子330a,330bの磁気抵抗効果が抑制されて抵抗変化率が著しく小さくなる。その結果、第2磁気抵抗素子330a,330bの抵抗変化率が、第1磁気抵抗素子320a,320bの抵抗変化率より低くなる。
[0145]
 本実施形態に係る磁気センサ3においては、第1磁気抵抗素子320a,320bが2重渦巻き状パターン320を有している。2重渦巻き状パターン320は、主に略円弧状の湾曲部が巻き回されて構成されている。円弧は、多角形の角の数が無限大に大きくなった際の近似形であるため、2重渦巻き状パターン320を流れる電流の向きは、水平方向の略全方位(360°)に亘っている。よって、第1磁気抵抗素子320a,320bは、水平方向の略全方位(360°)に亘って、外部磁界を検出することができる。
[0146]
 また、本実施形態に係る磁気センサ3においては、2重渦巻き状パターン320は、中央部が湾曲部のみからなるS字状パターン323で構成され、外周部が湾曲部のみからなる長さ調整用冗長部324,325で構成されている。このように、第1磁気抵抗素子320a,320bの各々は、直線状延在部を含んでいないため、磁界検出の異方性が低減されている。
[0147]
 さらに、本実施形態に係る磁気センサ3においては、第1磁気抵抗素子320a,320bの各々のS字状パターン323の向きが互いに異なるように、2重渦巻き状パターン320の周方向の向きが異なっていることにより、磁界検出の等方性が高くなっている。
[0148]
 本実施形態に係る磁気センサ3においては、第2磁気抵抗素子330a,330bの各々は、10μm以上の長さの直線状延在部を含まずに14個の曲部B 1~B 14の各々において直角に屈曲して、始端部370aおよび終端部370bを口部とした袋状の形状を有する第2単位パターン370を含んでいる。
[0149]
 これにより、第2単位パターン370を流れる電流の向きを水平方向において分散させて、第2磁気抵抗素子330a,330bの磁気抵抗効果の異方性を低減することができる。また、外部磁界が0である時の磁気センサ3の出力が、残留磁化の影響によってばらつくことを抑制することができる。
[0150]
 さらに、複数の第2単位パターン370が仮想円C 3上に配置されていることによって、パターン330を流れる電流の向きを水平方向において分散させて、第2磁気抵抗素子330a,330bの磁気抵抗効果の異方性を低減することができる。
[0151]
 本実施形態に係る磁気センサ3においても、第1磁気抵抗素子320a,320bと第2磁気抵抗素子330a,330bとを接続する配線を立体的に引き回す必要がないため、簡易な製造プロセスで回路基板300を製造可能である。
[0152]
 パターン330が2重渦巻き状パターン320より細いパターンで形成されているため、第2磁気抵抗素子330a,330bの磁気抵抗効果が抑制され、第2磁気抵抗素子330a,330bの抵抗変化率が著しく小さくなる。
[0153]
 これにより、磁気センサ3に外部磁界が印加された際に中点140と中点141との間に発生する電位差を大きくして、磁気センサ3の検出感度を高くできる。また、第2磁気抵抗素子330a,330bの電気抵抗値が高いため、磁気センサ3に高い磁界強度の外部磁界が印加された際の中点140と中点141との間に発生する電位差の減少が比較的小さく、磁気センサ3の出力特性を安定させることができる。
[0154]
 本実施形態に係る磁気センサ3においては、絶縁層30上に2つの第1磁性体部材40と2つの第2磁性体部材50が配置されている。第1磁性体部材40および第2磁性体部材50の各々の厚さは、たとえば、10μm以上、好ましくは、20μm以上150μm以下である。なお、これらの厚さは互いに異なっていてもよいが、これらの厚さが互いに同一である場合には、2つの第1磁性体部材40と2つの第2磁性体部材50とを同一の工程において作製することができ、2つの第1磁性体部材40および2つの第2磁性体部材50を容易に作製できる。
[0155]
 図15に示すように、第1磁性体部材40は、絶縁層30に直交する方向から見て、円形の外形を有し、かつ、第1磁気抵抗素子320a,320bの外周縁より内側の領域に位置している。本実施形態においては、第1磁性体部材40は、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子320a,320bの外周縁と同心状に位置している。
[0156]
 本実施形態においては、第1磁性体部材40は、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子320a,320bおよび第2磁気抵抗素子330a,330bのうちの第1磁気抵抗素子320a,320bの中央部のみを覆っている。よって、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁性体部材40は、第1磁気抵抗素子320a,320bの外周部に囲まれている。
[0157]
 第2磁性体部材50は、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子320a,320bおよび第2磁気抵抗素子330a,330bのうちの第2磁気抵抗素子330a,330bのみを覆っている。第2磁気抵抗素子330a,330bは、絶縁層30に直交する方向から見て、第2磁性体部材50の中心から、第2磁性体部材50の外周縁から内側に7μm離れた位置までの、領域に位置していることが好ましい。第2磁性体部材50は、電磁鋼、軟鉄鋼、ケイ素鋼、パーマロイ、スーパーマロイ、ニッケル合金、鉄合金またはフェライトなどの、透磁率および飽和磁束密度の高い磁性体材料で構成されている。また、これらの磁性体材料は、保持力が低いことが好ましい。
[0158]
 本発明の実施形態3に係る磁気センサ3は、垂直磁界による第2磁気抵抗素子330a,330bの抵抗変化を抑制しつつ、第1磁性体部材40によって第1磁気抵抗素子320a,320bの垂直磁界の検出感度を高めることができる。
[0159]
 また、本発明の実施形態3に係る磁気センサ3は、第2磁性体部材50によって水平磁界による第2磁気抵抗素子330a,330bの抵抗変化を抑制しつつ、第1磁性体部材40によって第1磁気抵抗素子320a,320bの水平磁界の検出感度を高めることができる。
[0160]
 第1磁性体部材40によって第1磁気抵抗素子320a,320bの水平磁界の検出感度を高めることができる理由は、第1磁性体部材40に覆われていることにより第1磁気抵抗素子320a,320bの中央部に印加される水平磁界の強度は低くなるが、第1磁気抵抗素子320a,320bの中央部より円周が長くパターン全体に占める抵抗値の比率が大きい第1磁気抵抗素子320a,320bの外周部に、第1磁性体部材40から高い磁界強度で放出された水平方向の磁界が印加されるため、全体的に見ると、第1磁性体部材40によって第1磁気抵抗素子320a,320bに印加される水平磁界の強度が高くなるためである。
[0161]
 本実施形態に係る磁気センサ3においても、垂直磁界および水平磁界を高感度に検出することができる。また、本発明の実施形態3に係る磁気センサ3は、第1磁気抵抗素子320a,320bが同心円状に配置された複数の第1単位パターンを含むことにより、水平磁界の検出の等方性が高い。
[0162]
 なお、本実施形態においては、第2磁気抵抗素子330a,330bは、第2磁性体部材50により磁気シールドされて、垂直磁界および水平磁界をほとんど検出しないため、必ずしも第2磁気抵抗素子330a,330bの抵抗変化率が、第1磁気抵抗素子320a,320bの抵抗変化率より小さくなくてもよい。
[0163]
 (実施形態4)
 以下、本発明の実施形態4に係る磁気センサについて図を参照して説明する。なお、本発明の実施形態4に係る磁気センサは、第1磁気抵抗素子および第2磁気抵抗素子の各々が有するパターンが主に、本発明の実施形態3に係る磁気センサ3と異なるため、本発明の実施形態3に係る磁気センサ3と同様である構成については説明を繰り返さない。
[0164]
 図19は、本発明の実施形態4に係る磁気センサの構成を示す斜視図である。図20は、図19の磁気センサを矢印XX方向から見た平面図である。図19,20に示すように、本発明の実施形態4に係る磁気センサ4は、回路基板400と、回路基板400上に設けられた、2つの第1磁性体部材40および2つの第2磁性体部材50とを備える。
[0165]
 本発明の実施形態4に係る磁気センサ4の回路基板400には、互いに配線によって電気的に接続されてホイートストンブリッジ型のブリッジ回路を構成する4つの磁気抵抗素子が設けられている。4つの磁気抵抗素子は、2組の第1磁気抵抗素子および第2磁気抵抗素子からなる。具体的には、磁気センサ4は、第1磁気抵抗素子420aおよび第2磁気抵抗素子430aと、第1磁気抵抗素子420bおよび第2磁気抵抗素子430bとを含んでいる。
[0166]
 第1磁気抵抗素子420a,420bは、絶縁層30に直交する方向から見て、2重渦巻き状パターンを有している。2重渦巻き状パターンは、絶縁層30に直交する方向から見て、仮想円の円周に沿って仮想円の径方向に並ぶように同心円状に配置されて互いに接続された2つの第1単位パターンを含む。
[0167]
 2重渦巻き状パターンは、第1単位パターンである一方の渦巻き状パターン、第1単位パターンである他方の渦巻き状パターン、および、一方の渦巻き状パターンと他方の渦巻き状パターンとを2重渦巻き状パターンの中央部にて連結するS字状パターンを含む。S字状パターンは、直線状延在部を含まず、湾曲部のみから構成されている。
[0168]
 第1磁気抵抗素子420aと第1磁気抵抗素子420bとは、S字状パターンの向きが互いに異なるように、2重渦巻き状パターンの周方向の向きが異なっている。
[0169]
 本実施形態においては、第1磁気抵抗素子420aと第1磁気抵抗素子420bとは、S字状パターンの向きが互いに90°異なるように、2重渦巻き状パターンの周方向の向きが90°異なっている。
[0170]
 なお、2重渦巻き状パターンは逆方向に巻いていてもよく、この場合、2重渦巻き状パターンの中央部が湾曲部のみからなる逆S字状パターンで構成される。すなわち、一方の渦巻き状パターンと他方の渦巻き状パターンとが、逆S字状パターンによって接続される。
[0171]
 図20に示すように、第2磁気抵抗素子430a,430bは、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子420a,420bの外周縁より外側に位置している。第2磁気抵抗素子430a,430bは、絶縁層30に直交する方向から見て、ミアンダ状パターンを有している。第2磁気抵抗素子430a,430bのミアンダ状パターンは、第1磁気抵抗素子420a,420bの2重渦巻き状パターンと同じ太さで形成されている。ただし、第2磁気抵抗素子430a,430bのミアンダ状パターンの太さが、第1磁気抵抗素子420a,420bの2重渦巻き状パターンの太さより細くてもよい。
[0172]
 図20に示すように、第1磁性体部材40は、絶縁層30に直交する方向から見て、円形の外形を有し、かつ、第1磁気抵抗素子420a,420bの外周縁より内側の領域に位置している。本実施形態においては、第1磁性体部材40は、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子420a,420bの外周縁と同心状に位置している。
[0173]
 本実施形態においては、第1磁性体部材40は、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子420a,420bおよび第2磁気抵抗素子430a,430bのうちの第1磁気抵抗素子420a,420bの中央部のみを覆っている。よって、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁性体部材40は、第1磁気抵抗素子420a,420bの外周部に囲まれている。
[0174]
 第2磁性体部材50は、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子420a,420bおよび第2磁気抵抗素子430a,430bのうちの第2磁気抵抗素子430a,430bのみを覆っている。
[0175]
 本発明の実施形態4に係る磁気センサ4は、垂直磁界による第2磁気抵抗素子430a,430bの抵抗変化を抑制しつつ、第1磁性体部材40によって第1磁気抵抗素子420a,420bの垂直磁界の検出感度を高めることができる。
[0176]
 また、本発明の実施形態4に係る磁気センサ4は、第2磁性体部材50によって水平磁界による第2磁気抵抗素子430a,430bの抵抗変化を抑制しつつ、第1磁性体部材40によって第1磁気抵抗素子420a,420bの水平磁界の検出感度を高めることができる。
[0177]
 本実施形態に係る磁気センサ4においても、垂直磁界および水平磁界を高感度に検出することができる。また、本発明の実施形態4に係る磁気センサ4は、第1磁気抵抗素子420a,420bが同心円状に配置された複数の第1単位パターンを含むことにより、水平磁界の検出の等方性が高い。
[0178]
 なお、本実施形態においては、第2磁気抵抗素子430a,430bは、第2磁性体部材50により磁気シールドされて、垂直磁界および水平磁界をほとんど検出しないため、必ずしも第2磁気抵抗素子430a,430bの抵抗変化率が、第1磁気抵抗素子420a,420bの抵抗変化率より小さくなくてもよい。
[0179]
 (実施形態5)
 以下、本発明の実施形態5に係る磁気センサについて図を参照して説明する。なお、本発明の実施形態5に係る磁気センサは、第1磁気抵抗素子および第2磁気抵抗素子が有するパターン、並びに、第1磁性体部材の形状が主に、本発明の実施形態1に係る磁気センサ1と異なるため、本発明の実施形態1に係る磁気センサ1と同様である構成については説明を繰り返さない。
[0180]
 図21は、本発明の実施形態5に係る磁気センサの構成を示す平面図である。図22は、本発明の実施形態5に係る磁気センサの第1磁気抵抗素子のパターンを示す平面図である。図23は、本発明の実施形態5に係る磁気センサの第2磁気抵抗素子のパターンを示す平面図である。
[0181]
 図21に示すように、本発明の実施形態5に係る磁気センサ5は、回路基板500と、回路基板500上に設けられた2つの第1磁性体部材45とを備える。
[0182]
 図21,22に示すように、本発明の実施形態5に係る磁気センサ5の第1磁気抵抗素子520a,520bのパターンは、絶縁層30に直交する方向から見て、仮想円C 5の円周に沿って仮想円C 5の径方向に並ぶように配置されて互いに接続された4つの第1単位パターンを含む。4つの第1単位パターンの各々は、仮想円C 5の円周において配線146,148,150,152が位置する部分が開放した仮想C字形状C 51に沿って位置している。4つの第1単位パターンの各々は、仮想C字形状C 51に沿って仮想円C 5の径方向に並ぶように同心状に配置されたC字状パターン521である。
[0183]
 4つのC字状パターン521は、内側から順に一端と他端とで交互に互いに接続されている。一端同士が接続されているC字状パターン521は、仮想円C 5の径方向に延びる直線状パターン522によって互いに接続されている。他端同士が接続されているC字状パターン521は、仮想円C 5の径方向に延びる直線状パターン523によって互いに接続されている。
[0184]
 第1磁気抵抗素子520a,520bのパターン520は、2つの直線状パターン522および1つの直線状パターン523を含む。これにより、4つのC字状パターン521が直列に接続されている。
[0185]
 最も外側に位置するC字状パターン521の外周縁が、第1磁気抵抗素子520a,520bの外周縁となる。最も内側に位置するC字状パターン521の内周縁が、第1磁気抵抗素子520a,520bの内周縁となる。
[0186]
 図21に示すように、第1磁気抵抗素子520aと第1磁気抵抗素子520bとは、仮想C字形状C 51の向きが互いに異なるように周方向の向きが異なっている。すなわち、第1磁気抵抗素子520aと第1磁気抵抗素子520bとは、C字状パターン521の向きが互いに異なるように、パターン520の周方向の向きが異なっている。
[0187]
 本実施形態においては、第1磁気抵抗素子520aと第1磁気抵抗素子520bとは、C字状パターン521の向きが互いに90°異なるように、パターン520の周方向の向きが90°異なっている。
[0188]
 図21,23に示すように、第2磁気抵抗素子530a,530bは、絶縁層30に直交する方向から見て、仮想円C 5の中心側に位置し、第1磁気抵抗素子520a,520bに囲まれている。すなわち、第2磁気抵抗素子530a,530bは、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子520a,520bの内周縁より内側に位置している。
[0189]
 第2磁気抵抗素子530aは、仮想円C 5の中心側から仮想円C 5の外側まで繋がった配線146,148と接続されている。第2磁気抵抗素子530bは、仮想円C 5の中心側から仮想円C 5の外側まで繋がった配線150,152と接続されている。
[0190]
 第2磁気抵抗素子530a,530bは、絶縁層30に直交する方向から見て、2重渦巻き状パターン530を有している。2重渦巻き状パターン530は、2つの第2単位パターンのうちの1つである一方の渦巻き状パターン531、2つの第2単位パターンのうちの他の1つである他方の渦巻き状パターン532、および、一方の渦巻き状パターン531と他方の渦巻き状パターン532とを2重渦巻き状パターン530の中央部にて接続する逆S字状パターン533を含む。逆S字状パターン533は、長さが10μmより短い複数の直線状延在部で構成されている。
[0191]
 2重渦巻き状パターン530は、パターン520と同じ太さで形成されている。従って、一方の渦巻き状パターン531および他方の渦巻き状パターン532の各々は、4つのC字状パターン521の各々と同じ太さである。ただし、2重渦巻き状パターン530の太さが、パターン520の太さより細くてもよい。
[0192]
 図23に示すように、2重渦巻き状パターン530は、仮想円C 5の中心に関して略点対称の形状を有している。すなわち、2重渦巻き状パターン530は、仮想円C 5の中心に関して略180°回転対称な形状を有している。
[0193]
 図21に示すように、第2磁気抵抗素子530aと第2磁気抵抗素子530bとは、逆S字状パターン533の向きが互いに異なるように、2重渦巻き状パターン530の周方向の向きが異なっている。
[0194]
 本実施形態においては、第2磁気抵抗素子530aと第2磁気抵抗素子530bとは、逆S字状パターン533の向きが互いに90°異なるように、2重渦巻き状パターン530の周方向の向きが90°異なっている。
[0195]
 本実施形態に係る磁気センサ5においては、第1磁気抵抗素子520a,520bがC字状パターン521を有している。C字状パターン521は、略正8角形を構成する8辺のうちの略7辺で構成されている。このように、第1磁気抵抗素子520a,520bは、多角形を構成する辺のうちの大部分の辺で構成されているため、磁界検出の異方性が低減されている。
[0196]
 さらに、本実施形態に係る磁気センサ5においては、第1磁気抵抗素子520aおよび第1磁気抵抗素子520bのC字状パターン521の向きが互いに異なるように、パターン520の周方向の向きが異なっていることにより、磁界検出の等方性が高くなっている。
[0197]
 本実施形態に係る磁気センサ5においては、第2磁気抵抗素子530a,530bが2重渦巻き状パターン530を有している。2重渦巻き状パターン530は、主に略正8角形を構成する辺が巻き回されて構成されている。
[0198]
 本実施形態に係る磁気センサ5においては、第2磁気抵抗素子530aおよび第2磁気抵抗素子530bの逆S字状パターン533の向きが互いに異なるように、2重渦巻き状パターン530の周方向の向きが異なっていることにより、磁気抵抗効果の等方性が高くなっている。
[0199]
 本実施形態に係る磁気センサ5においては、第1磁気抵抗素子520a,520bの内側に第2磁気抵抗素子530a,530bを配置しているため、磁気センサ5を小形にできる。また、磁気センサ5においても、第1磁気抵抗素子520a,520bと第2磁気抵抗素子530a,530bとを接続する配線を立体的に引き回す必要がないため、簡易な製造プロセスで回路基板500を製造可能である。
[0200]
 本実施形態に係る磁気センサ5においては、絶縁層30上に2つの第1磁性体部材45が配置されている。図21に示すように、第1磁性体部材45は、絶縁層30に直交する方向から見て、正8角形の外形を有し、かつ、第1磁気抵抗素子520a,520bの外周縁より内側の領域に位置している。ここで、第1磁気抵抗素子520a,520bの外周縁より内側の領域とは、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子520a,520bの外周縁端を仮想直線で結んだ際に囲まれる領域である。この第1磁気抵抗素子520a,520bの外周縁より内側の領域と、第1磁性体部材45の半分以上が重なっていることが好ましく、第1磁性体部材45の2/3以上が重なっていることがより好ましい。
[0201]
 第1磁性体部材45は、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子520a,520bの内周縁より内側の領域に位置している。第1磁性体部材45は、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子520a,520bの内周縁上および内周縁より内側の領域を含む領域に位置していてもよい。ここで、第1磁気抵抗素子520a,520bの内周縁より内側の領域とは、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子520a,520bの内周縁端を仮想直線で結んだ際に囲まれる領域である。この第1磁気抵抗素子520a,520bの内周縁より内側の領域と、第1磁性体部材45の半分以上が重なっていることが好ましく、第1磁性体部材45の2/3以上が重なっていることがより好ましい。
[0202]
 本実施形態においては、第1磁性体部材45は、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子520a,520bの外周縁と同心状に位置している。
[0203]
 本実施形態においては、第1磁性体部材45は、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁気抵抗素子520a,520bおよび第2磁気抵抗素子530a,530bのうちの第2磁気抵抗素子530a,530bのみを覆っている。よって、絶縁層30に直交する方向から見て、第1磁性体部材40の外周は、その全周の1/2以上が第1磁気抵抗素子120a,120bに取り囲まれている。
[0204]
 本実施形態に係る磁気センサ5においても、垂直磁界および水平磁界を高感度に検出することができる。また、本発明の実施形態5に係る磁気センサ5は、第1磁気抵抗素子520a,520bが多角形状に配置された複数の第1単位パターンを含むことにより、水平磁界の検出の等方性が高い。
[0205]
 本実施形態においては、第1磁気抵抗素子520a,520b、第2磁気抵抗素子530a,530b、および、第1磁性体部材45の各々が、同心状の正8角形に沿う形状を有しているが、これらの形状は、上記に限られず、同心状の多角形に沿う形状であればよい。この多角形の角の数を多くするほど、第1磁気抵抗素子520a,520bの水平磁界の検出の等方性が高くすることができる。
[0206]
 なお、本実施形態においては、第2磁気抵抗素子530a,530bは、第1磁性体部材45により磁気シールドされて、垂直磁界および水平磁界をほとんど検出しないため、必ずしも第2磁気抵抗素子530a,530bの抵抗変化率が、第1磁気抵抗素子520a,520bの抵抗変化率より小さくなくてもよい。
[0207]
 上述した実施形態の説明において、組み合わせ可能な構成を相互に組み合わせてもよい。
[0208]
 今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

符号の説明

[0209]
 1,2,3,4,5 磁気センサ、10 磁性体層、20 導電層、30 絶縁層、40,45 第1磁性体部材、50 第2磁性体部材、100,200,300,400,500 回路基板、110 半導体基板、120,230,330,520 パターン、120a,120b,320a,320b,420a,420b,520a,520b 第1磁気抵抗素子、121,521 C字状パターン、122,123,231,232,233 半円弧状パターン、130,320,530 2重渦巻き状パターン、130a,130b,230a,230b,330a,330b,430a,430b,530a,530b 第2磁気抵抗素子、131,132,321,322,531,532 渦巻き状パターン、133 逆S字状パターン、140,141 中点、145,146,147,148,149,150,151,152 配線、160 差動増幅器、161 温度補償回路、162 スイッチ回路、163 ドライバ、234,L 1~L 15 直線状延在部、323,533 S字状パターン、324,325 長さ調整用冗長部、370 第2単位パターン、370a 始端部、370b 終端部、522,523 直線状パターン、B 1~B 14 曲部、C 1,C 2,C 3,C 5 仮想円、C 11,C 21,C 51 C字形状。

請求の範囲

[請求項1]
 第1磁気抵抗素子と、
 前記第1磁気抵抗素子と電気的に接続されてブリッジ回路を構成する第2磁気抵抗素子と、
 前記第1磁気抵抗素子および前記第2磁気抵抗素子を覆う絶縁層と、
 前記絶縁層上に位置する、第1磁性体部材および該第1磁性体部材とは異なる第2磁性体部材のうちの少なくとも前記第1磁性体部材とを備え、
 前記第1磁気抵抗素子は、外周縁および内周縁のうちの少なくとも前記外周縁を有し、
 前記第1磁性体部材は、前記絶縁層に直交する方向から見て、前記第1磁気抵抗素子の前記外周縁より内側の領域に位置しており、
 前記第2磁気抵抗素子は、前記絶縁層に直交する方向から見て、前記第1磁気抵抗素子の前記内周縁より内側の領域に位置して前記第1磁性体部材で覆われている、または、前記第1磁気抵抗素子の前記外周縁より外側の領域に位置して前記第2磁性体部材で覆われている、磁気センサ。
[請求項2]
 前記第1磁性体部材の厚さをxμmとすると、
 前記第1磁気抵抗素子の少なくとも一部は、前記絶縁層に直交する方向から見て、前記第1磁性体部材の前記外周縁から内側に2μm離れた位置から、前記第1磁性体部材の前記外周縁から外側に下記式(I)で示すyμm離れた位置までの、領域の少なくとも一部に位置している、請求項1に記載の磁気センサ。
 y=-0.0008x +0.2495x+6.6506   (I)
[請求項3]
 前記第1磁性体部材は、前記絶縁層に直交する方向から見て、前記第1磁気抵抗素子の前記外周縁と同心状に位置している、請求項1または請求項2に記載の磁気センサ。
[請求項4]
 前記第2磁気抵抗素子は、前記絶縁層に直交する方向から見て、前記第1磁気抵抗素子の前記内周縁より内側の領域に位置して前記第1磁性体部材で覆われており、
 前記第1磁性体部材は、前記絶縁層に直交する方向から見て、前記第1磁気抵抗素子の前記内周縁上および前記内周縁より内側の領域を含む領域に位置している、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[請求項5]
 前記第2磁気抵抗素子は、前記絶縁層に直交する方向から見て、前記第1磁気抵抗素子の前記内周縁より内側の領域に位置して前記第1磁性体部材で覆われており、
 前記第1磁性体部材は、前記絶縁層に直交する方向から見て、前記第1磁気抵抗素子および前記第2磁気抵抗素子のうちの前記第2磁気抵抗素子のみを覆っている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[請求項6]
 前記第2磁気抵抗素子は、前記絶縁層に直交する方向から見て、前記第1磁性体部材の中心から、前記第1磁性体部材の前記外周縁から内側に7μm離れた位置までの、領域に位置している、請求項5に記載の磁気センサ。
[請求項7]
 前記第2磁気抵抗素子は、前記絶縁層に直交する方向から見て、前記第1磁気抵抗素子の前記外周縁より外側の領域に位置して前記第2磁性体部材で覆われており、
 前記第1磁性体部材は、前記絶縁層に直交する方向から見て、前記第1磁気抵抗素子および前記第2磁気抵抗素子のうちの前記第1磁気抵抗素子の一部のみを覆っている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
[請求項8]
 前記第2磁性体部材は、前記絶縁層に直交する方向から見て、前記第1磁気抵抗素子および前記第2磁気抵抗素子のうちの前記第2磁気抵抗素子のみを覆っている、請求項7に記載の磁気センサ。
[請求項9]
 前記第2磁気抵抗素子は、前記絶縁層に直交する方向から見て、前記第2磁性体部材の中心から、前記第2磁性体部材の前記外周縁から内側に7μm離れた位置までの、領域に位置している、請求項8に記載の磁気センサ。
[請求項10]
 前記第1磁気抵抗素子は、前記絶縁層に直交する方向から見て、同心状に配置されて互いに接続された複数の第1単位パターンを含む、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の磁気センサ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]