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1. (WO2017155022) POLYMER, COMPOSITION, COATING FILM, LAYERED PRODUCT, BACK SHEET, AND SOLAR CELL MODULE
Document

明 細 書

発明の名称 重合体、組成物、塗膜、積層体、バックシート及び太陽電池モジュール

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008  

先行技術文献

特許文献

0009  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0010   0011   0012   0013   0014  

課題を解決するための手段

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027  

発明の効果

0028   0029   0030   0031  

図面の簡単な説明

0032  

発明を実施するための形態

0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222   0223   0224   0225   0226   0227   0228   0229   0230   0231   0232   0233   0234   0235   0236   0237   0238   0239   0240   0241   0242   0243   0244   0245   0246   0247   0248   0249   0250   0251  

実施例

0252   0253   0254   0255   0256   0257   0258   0259   0260   0261   0262   0263   0264  

符号の説明

0265  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3  

明 細 書

発明の名称 : 重合体、組成物、塗膜、積層体、バックシート及び太陽電池モジュール

技術分野

[0001]
本発明は、重合体、組成物、塗膜、積層体、バックシート及び太陽電池モジュールに関する。

背景技術

[0002]
有機溶剤や水に可溶で室温で架橋しうる含フッ素共重合体は、分子内のC-F結合の高い結合エネルギーおよび低い分極率が故に耐候性、耐薬品性、撥水撥油性、耐汚染性などに優れており、種々の用途に用いられている。
[0003]
例えば、特許文献1には、耐汚染性が優れる硬化塗膜が得られる含フッ素共重合体として、(A)テトラフルオロエチレンおよび/またはヘキサフルオロプロピレン単位30~60モル%、(B)安息香酸ビニルおよび/またはp-t-ブチル安息香酸ビニル単位10~35モル%、および(C)官能基を有する単量体の単位10~40モル%よりなる含フッ素共重合体が記載されている。
[0004]
特許文献2には、(a)テトラフルオロエチレン構造単位、(b)水酸基とカルボキシル基とを含まない非芳香族系のビニルエステルモノマー構造単位、(c)芳香族基とカルボキシル基とを含まない水酸基含有ビニルモノマー構造単位および(f)その他モノマー構造単位からなり、(a)が20モル%以上で49モル%以下、(b)が25モル%以上で69.9モル%以下、(c)が8モル%以上で30モル%以下、および(f)が0モル%または10モル%以下である含フッ素共重合体が記載されている。
[0005]
特許文献3には、フルオロオレフィンの繰返し単位(1)、ビニルモノマーまたはアリルモノマーの繰返し単位(2)、ヒドロキシ基が結合したビニルモノマーまたはヒドロキシ基が結合したアリルモノマーの繰り返し単位(3)、カルボキシル塩基が結合したビニルモノマーまたはアリルモノマーの繰返し単位(4)を含む共重合体であって単位(4)の割合が繰返し単位総数に対して0.4モル%以上でありかつ4モル%未満である含フッ素共重合体が記載されている。
[0006]
また、有機溶剤や水に可溶で室温で架橋しうる含フッ素共重合体を、太陽電池モジュールのバックシートに使用する技術も知られている。
[0007]
例えば、特許文献4には、水不透過性シートの少なくとも一方の面に硬化性官能基含有含フッ素ポリマー塗料の硬化塗膜が形成されてなる太陽電池モジュールのバックシートが記載されている。
[0008]
特許文献5には、基材シートの片側または両側に、フルオロオレフィン(a)に基づく繰り返し単位、架橋性基含有モノマー(b)に基づく繰り返し単位、および、4級炭素原子を含まない炭素数2~20の直鎖または分岐アルキル基と重合性不飽和基とがエーテル結合またはエステル結合によって連結されてなるアルキル基含有モノマー(c)に基づく繰り返し単位、を有する含フッ素ポリマー(A)を含む塗料の硬化塗膜層が形成された太陽電池モジュール用バックシートが記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0009]
特許文献1 : 特開平6-184243号公報
特許文献2 : 特開2004-204205号公報
特許文献3 : 国際公開第2008/035779号
特許文献4 : 特開2007-35694号公報
特許文献5 : 国際公開第2009/157449号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0010]
しかしながら、従来の重合体を含む塗膜は、落下してくる砂によって摩耗しやすく、耐摩耗性に改善の余地があった。
[0011]
本発明は、上記現状に鑑み、基材との良好な初期密着性を有しており、プレッシャークッカーテスト後も良好な密着性を有しており、落砂摩耗性試験で測定される耐摩耗性に優れる塗膜を得ることができる重合体を提供することを目的とする。
[0012]
本発明は、また、基材との良好な初期密着性を有しており、プレッシャークッカーテスト後も良好な密着性を有しており、落砂摩耗性試験で測定される耐摩耗性に優れる塗膜を得ることができる組成物を提供することを目的とする。
[0013]
本発明は、また、基材との良好な初期密着性を有しており、プレッシャークッカーテスト後も良好な密着性を有しており、落砂摩耗性試験で測定される耐摩耗性に優れる塗膜、並びに、上記塗膜を備えるバックシート及び太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
[0014]
本発明は、また、耐摩耗性及び初期密着性に優れる他、プレッシャークッカーテスト後も良好な密着性を有しており、高架橋密度による塗膜強度増加でロール加工時の割れ軽減性にも優れる積層体、並びに、上記積層体を備えるバックシート及び太陽電池モジュールを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0015]
本発明は、パーハロオレフィン単位、水酸基及び芳香環のいずれをも含まないビニルエステル単位及び水酸基含有モノマー単位を含み、水酸基価が110mgKOH/g以上であることを特徴とする重合体である(本明細書において「重合体(A)」ということがある)。
[0016]
上記パーハロオレフィンは、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、及び、ヘキサフルオロプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
[0017]
上記ビニルエステルは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル及びシクロヘキシルカルボン酸ビニルからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
[0018]
上記水酸基含有モノマーは、ヒドロキシアルキルビニルエーテルであることが好ましい。
[0019]
本発明は、重合体(本明細書において「重合体(B)」ということがある)及びポリイソシアネート化合物を含み、上記重合体は、パーハロオレフィン単位及び水酸基含有モノマー単位を含み、かつ、水酸基価が90mgKOH/g以上であり、上記ポリイソシアネート化合物が有するイソシアネート基と前記重合体が有する水酸基との当量比が1.0未満であることを特徴とする組成物である。
[0020]
上記パーハロオレフィンは、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、及び、ヘキサフルオロプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
[0021]
上記水酸基含有モノマーは、ヒドロキシアルキルビニルエーテルであることが好ましい。
[0022]
重合体(B)は、更に、水酸基及び芳香環のいずれをも含まないビニルエステル単位及び水酸基を含まないアルキルビニルエーテル単位からなる群より選択される少なくとも1種の単位(b)を含むことが好ましい。
[0023]
上記組成物は、更に、溶媒を含むことが好ましい。
[0024]
本発明は、上述の重合体を含むか、又は、上述の組成物から形成されることを特徴とする塗膜でもある。
[0025]
本発明は、基材と、上記基材上に設けられており、ウレタン結合を含み、落砂摩耗性が80L以上である塗膜と、を含み、上記塗膜について、JIS D0202-1988に準処して碁盤目テープ剥離試験を行った場合に、100マスのうち、剥離しないマス目の数が30以上であることを特徴とする積層体である。
[0026]
本発明は、上述の塗膜又は上述の積層体を備えることを特徴とするバックシートでもある。
[0027]
本発明は、上述の積層体又は上述のバックシートを備えることを特徴とする太陽電池モジュールでもある。

発明の効果

[0028]
本発明の重合体は、上記構成を有しているので、基材との良好な初期密着性を有しており、プレッシャークッカーテスト後も良好な密着性を有しており、落砂摩耗性試験で測定される耐摩耗性に優れる塗膜を得ることができる。
[0029]
本発明の組成物は、上記構成を有しているので、基材との良好な初期密着性を有しており、プレッシャークッカーテスト後も良好な密着性を有しており、落砂摩耗性試験で測定される耐摩耗性に優れる塗膜を得ることができる。
[0030]
本発明の塗膜は、上記構成を有しているので、基材との良好な密着性を有しており、プレッシャークッカーテスト後も良好な密着性を有しており、落砂摩耗性試験で測定される耐摩耗性に優れる。本発明のバックシート及び太陽電池モジュールは、上記構成を有しているので、上記塗膜以外の層を備える場合に層間が強固に密着しており、プレッシャークッカーテスト後も層間が強固に密着しており、落砂摩耗性試験で測定される耐摩耗性にも優れる。
[0031]
本発明の積層体は、上記構成を有しているので、上記塗膜の耐摩耗性及び上記塗膜と上記基材との初期密着性に優れる他、プレッシャークッカーテスト後も良好な密着性を有しており、高架橋密度による塗膜強度増加でロール加工時の割れ軽減性にも優れる。

図面の簡単な説明

[0032]
[図1] 図1は、太陽電池モジュールの第1の構造の概略断面図である。
[図2] 図2は、太陽電池モジュールの第2の構造の概略断面図である。
[図3] 図3は、太陽電池モジュールの第3の構造の概略断面図である。

発明を実施するための形態

[0033]
以下、本発明を具体的に説明する。
[0034]
本発明の重合体(本明細書において「重合体(A)」ということがある)は、水酸基価が110mgKOH/g以上であることを特徴の1つとする。上記水酸基価としては、120mgKOH/g以上が好ましく、125mgKOH/g以上がより好ましく、130mgKOH/g以上が更に好ましく、180mgKOH/g以下が好ましく、170mgKOH/g以下がより好ましく、160mgKOH/g以下が更に好ましく、150mgKOH/g以下が特に好ましい。
[0035]
上記水酸基価は、重合体(A)の重量と-OH基のモル数より計算にて求める。-OH基のモル数は、NMR測定、IR測定、滴定、元素分析等により求めることができる。
[0036]
重合体(A)は、パーハロオレフィン単位、水酸基及び芳香環のいずれをも含まないビニルエステル単位及び水酸基含有モノマー単位を含むことを特徴とする。
[0037]
上記パーハロオレフィン単位を構成するパーハロオレフィンは、全ての水素原子がハロゲン原子に置換されたオレフィンである。上記パーハロオレフィンを構成するパーハロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)等が挙げられる。
[0038]
なかでも、上記パーハロオレフィンとしては、TFE、CTFE及びHFPからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、TFE及びCTFEからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましい。
[0039]
上記ビニルエステル単位を構成するビニルエステルとしては、カルボン酸ビニルエステルが好ましく、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル及びシクロヘキシルカルボン酸ビニルからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、酢酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル及びシクロヘキシルカルボン酸ビニルからなる群より選択される少なくとも1種が更に好ましく、酢酸ビニル及びバーサチック酸ビニルからなる群より選択される少なくとも1種が特に好ましい。
[0040]
また、上記ビニルエステルとしては、密着性及び耐摩耗性により一層優れることから、カルボン酸の炭素数が6以上のカルボン酸ビニルエステルが好ましく、カルボン酸の炭素数が9以上のカルボン酸ビニルエステルがより好ましい。カルボン酸ビニルエステルにおけるカルボン酸の炭素数の上限は、20が好ましく、15がより好ましい。封止材層との密着性に優れることから、ネオノナン酸ビニルエステル、ネオデカン酸ビニルエステル等のバーサチック酸ビニルが最も好ましい。
[0041]
なお、上記ビニルエステルは、水酸基及び芳香環のいずれをも含まない。また、上記ビニルエステルは、ハロゲン原子を含まないことが好ましい。
[0042]
上記水酸基含有モノマー単位を構成する水酸基含有モノマーとしては、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル、ヒドロキシカルボン酸ビニルエステル、ヒドロキシカルボン酸アリルエステル及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、ヒドロキシアルキルビニルエーテル及びヒドロキシアルキルアリルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、ヒドロキシアルキルビニルエーテルが更に好ましい。
[0043]
上記ヒドロキシアルキルビニルエーテルとしては、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、3-ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2-ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、4-ヒドロキシ-2-メチルブチルビニルエーテル、5-ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6-ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。
[0044]
上記ヒドロキシアルキルアリルエーテルとしては、2-ヒドロキシエチルアリルエーテル、4-ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等が挙げられる。
[0045]
上記ヒドロキシカルボン酸ビニルエステルとしては、ヒドロキシ酢酸ビニル、ヒドロキシプロパン酸ビニル、ヒドロキシブタン酸ビニル、ヒドロキシヘキサン酸ビニル、4-ヒドロキシシクロヘキシル酢酸ビニル等が挙げられる。
[0046]
上記ヒドロキシカルボン酸アリルエステルとしては、ヒドロキシ酢酸アリル、ヒドロキシプロパン酸アリル、ヒドロキシブタン酸アリル、ヒドロキシヘキサン酸アリル、4-ヒドロキシシクロヘキシル酢酸アリル等が挙げられる。
[0047]
上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル等が挙げられる。
[0048]
上記水酸基含有モノマーとしては、なかでも、
式(A):CH =CH-(CH -O-(CH -OH
(式中、lは0または1、mは2~20の整数)で示されるものが更に好ましく、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、2ーヒドロキシエチルビニルエーテル、2-ヒドロキシエチルアリルエーテル及び4-ヒドロキシブチルアリルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の単量体が特に好ましい。
[0049]
上記パーハロオレフィン単位の含有量としては、重合体(A)の全モノマー単位に対して、30~60モル%が好ましく、40~55モル%がより好ましい。
[0050]
上記水酸基及び芳香環のいずれをも含まないビニルエステル単位の含有量としては、重合体(A)の全モノマー単位に対して、1~40モル%が好ましく、10~30モル%がより好ましい。
[0051]
上記水酸基含有モノマー単位の含有量としては、重合体(A)の全モノマー単位に対して、15~40モル%が好ましく、20~35モル%がより好ましい。
[0052]
本明細書において、重合体を構成する上記各モノマー単位の含有量は、NMR、FT-IR、元素分析、蛍光X線分析をモノマーの種類によって適宜組み合わせることで算出できる。
[0053]
重合体(A)は、数平均分子量が3000~100000であることが好ましい。上記数平均分子量は、5000以上であることがより好ましく、8000以上であることが更に好ましく、50000以下であることがより好ましく、35000以下であることが更に好ましい。数平均分子量が小さすぎると、耐候性、耐溶剤性及び耐汚染性に優れると同時に、高い硬度を有する塗膜を形成することができないおそれがあり、数平均分子量が大きすぎると、塗料とした場合の粘度が大きくなり取扱いが困難になるおそれがある。上記数平均分子量は、テトラヒドロフランを溶離液として用いるゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
[0054]
重合体(A)は、示差走査熱量計(DSC)により求めるガラス転移温度(セカンドラン)が10~70℃であることが好ましく、15~60℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が小さすぎると、耐候性、耐溶剤性及び耐汚染性に劣ると同時に、高い硬度を有する塗膜を形成することができないおそれがあり、ガラス転移温度が大きすぎると、塗料とした場合の粘度が大きくなり取扱いが困難になるおそれがある。
[0055]
重合体(A)は、ポリイソシアネート化合物や顔料等との相溶性が良好な点から、酸価が0.6~28.8mgKOH/gであることが好ましく、2~12mgKOH/gであることがより好ましい。
[0056]
重合体(A)は、更に、パーハロオレフィン単位、上記水酸基及び芳香環のいずれをも含まないビニルエステル単位及び水酸基含有モノマー単位とは異なるモノマー単位を含むものであってもよい。例えば、重合体(A)は、芳香環を含み水酸基を含まないカルボン酸ビニルエステル、カルボキシル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、加水分解性シリル基含有モノマー、水酸基を含まないアルキルビニルエーテル、ハロゲン原子及び水酸基を含まないオレフィン等の単位を含むものであってもよい。これらのモノマー単位の含有量は、重合体(A)の全モノマー単位に対して、0~10モル%であってよく、0.1~5モル%が好ましく、0.5~3モル%がより好ましい。
[0057]
上記の芳香環を含み水酸基を含まないカルボン酸ビニルエステルとしては、安息香酸ビニル、パラ-t-ブチル安息香酸ビニル等が挙げられる。
[0058]
上記カルボキシル基含有モノマーとしては、
式(B):R 1a2aC=CR 3a-(CH -COOH
(式中、R 1a、R 2aおよびR 3aは、同じかまたは異なり、いずれも水素原子または炭素数1~10の直鎖または分岐鎖状のアルキル基;nは0以上の整数)で示されるものが好ましく、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、ペンテン酸、ヘキセン酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデシレン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オクタデセン酸、ノナデセン酸、エイコセン酸、22-トリコセン酸等が挙げられる。なかでも、アクリル酸、クロトン酸及びウンデシレン酸からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、アクリル酸及びクロトン酸からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましい。
[0059]
また、上記カルボキシル基含有モノマーとしては、桂皮酸、3-アリルオキシプロピオン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸無水物、フマル酸、フマル酸モノエステル、フタル酸ビニル、ピロメリット酸ビニル、シトラコン酸、メサコン酸、アコニット酸等も挙げられる。
[0060]
上記アミノ基含有モノマーとしては、例えばCH =CH-O-(CH -NH (x=0~10)で示されるアミノビニルエーテル類;CH =CH-O-CO(CH -NH (x=1~10)で示されるアミン類;そのほかアミノメチルスチレン、ビニルアミン、アクリルアミド、ビニルアセトアミド、ビニルホルムアミド等が挙げられる。
[0061]
上記加水分解性シリル基含有モノマーとしては、例えばCH =CHCO (CH Si(OCH 、CH =CHCO (CH Si(OC 、CH =C(CH )CO (CH Si(OCH 、CH =C(CH )CO (CH Si(OC 、CH =CHCO (CH SiCH (OC 、CH =C(CH )CO (CH SiC (OCH 、CH =C(CH )CO (CH Si(CH (OC )、CH =C(CH )CO (CH Si(CH OH、CH =CH(CH Si(OCOCH 、CH =C(CH )CO (CH SiC (OCOCH 、CH =C(CH )CO (CH SiCH (N(CH )COCH 、CH =CHCO (CH SiCH 〔ON(CH )C 、CH =C(CH )CO (CH SiC 〔ON(CH )C 等の(メタ)アクリル酸エステル類;CH =CHSi[ON=C(CH )(C )] 、CH =CHSi(OCH 、CH =CHSi(OC 、CH =CHSiCH (OCH 、CH =CHSi(OCOCH 、CH =CHSi(CH (OC )、CH =CHSi(CH SiCH (OCH 、CH =CHSiC (OCOCH 、CH =CHSiCH 〔ON(CH )C 、ビニルトリクロロシランまたはこれらの部分加水分解物等のビニルシラン類;トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、トリエトキシシリルエチルビニルエーテル、トリメトキシシリルブチルビニルエーテル、メチルジメトキシシリルエチルビニルエーテル、トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、トリエトキシシリルプロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類等が例示される。
[0062]
上記の水酸基を含まないアルキルビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等が挙げられ、なかでも、エチルビニルエーテル及びシクロヘキシルビニルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
[0063]
上記オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、n-ブテン、イソブテンなどの非フッ素系のオレフィン等が挙げられる。
[0064]
重合体(A)は、後述する本発明の組成物、本発明の塗膜、本発明の積層体、本発明のバックシート、本発明の太陽電池モジュール等に好適に利用できる。
[0065]
重合体(A)は、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、または塊重合法で製造することができるが、なかでも溶液重合法で得られたものが好ましい。
[0066]
重合体(A)は、上記単位を与えるモノマーを有機溶媒や重合開始剤を用いる溶液重合法により重合することにより製造することが好ましい。重合温度は、通常0~150℃、好ましくは5~95℃である。重合圧は通常0.1~10MPaG(1~100kgf/cm G)である。
[0067]
上記有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸tert-ブチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、ミネラルスピリットなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、ソルベントナフサなどの芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、tert-ブタノール、iso-プロパノール、エチレングリコールモノアルキルエーテルなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;ジメチルスルホキシドなど、またはこれらの混合物などが挙げられる。
[0068]
上記重合開始剤としては、たとえば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩類(さらに必要に応じて亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ナフテン酸コバルト、ジメチルアニリンなどの還元剤も併用できる);酸化剤(たとえば過酸化アンモニウム、過酸化カリウムなど)と還元剤(たとえば亜硫酸ナトリウムなど)および遷移金属塩(たとえば硫酸鉄など)からなるレドックス開始剤類;アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;イソプロポキシカルボニルパーオキサイド、tert-ブトキシカルボニルパーオキサイドなどのジアルコキシカルボニルパーオキサイド類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;過酸化水素、tert-ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;ジ-tert-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類;tert-ブチルパーオキシアセテート、tert-ブチルパーオキシピバレートなどのアルキルパーオキシエステル類;2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’-アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’-アゾビス[2-(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]、4,4’-アゾビス(4-シアノペンテン酸)などのアゾ系化合物などが使用できる。
[0069]
本発明の組成物は、重合体(本明細書において「重合体(B)」ということがある)及びポリイソシアネート化合物を含む。上記組成物は、塗料として好適に利用できる。
[0070]
重合体(B)は、水酸基価が90mgKOH/g以上であることを特徴の一つとする。上記水酸基価としては、100mgKOH/g以上が好ましく、110mgKOH/g以上がより好ましく、180mgKOH/g以下が好ましく、160mgKOH/g以下がより好ましい。
[0071]
上記水酸基価は、重合体(B)の重量と-OH基のモル数より計算にて求める。-OH基のモル数は、NMR測定、IR測定、滴定、元素分析等により求めることができる。
[0072]
重合体(B)は、パーハロオレフィン単位及び水酸基含有モノマー単位を含む。
[0073]
上記パーハロオレフィン単位は、重合体(A)を構成するパーハロオレフィン単位と同様である。また、上記水酸基含有モノマー単位は、重合体(A)を構成する水酸基含有モノマー単位と同様である。
[0074]
上記パーハロオレフィン単位の含有量としては、重合体(B)の全モノマー単位に対して、30~90モル%が好ましく、30~60モル%がより好ましく、40~55モル%が更に好ましい。
[0075]
上記水酸基含有モノマー単位の含有量としては、重合体(B)の全モノマー単位に対して、10~70モル%が好ましく、10~40モル%がより好ましく、15~35モル%が更に好ましい。
[0076]
重合体(B)は、更に、水酸基及び芳香環のいずれをも含まないビニルエステル単位及び水酸基を含まないアルキルビニルエーテル単位からなる群より選択される少なくとも1種の単位(b)を含むことが好ましく、水酸基及び芳香環のいずれをも含まないビニルエステル単位を含むことがより好ましい。上記ビニルエステル及びアルキルビニルエーテルは、ハロゲン原子を含まないことが好ましい。
[0077]
上記水酸基及び芳香環のいずれをも含まないビニルエステル単位は、重合体(A)を構成する水酸基及び芳香環のいずれをも含まないビニルエステル単位と同様である。上記アルキルビニルエーテル単位は、重合体(A)を構成する水酸基を含まないアルキルビニルエーテル単位と同様である。
[0078]
重合体(B)が単位(b)を含む場合の単位(b)の含有量としては、重合体(B)の全モノマー単位に対して、1~35モル%が好ましく、10~30モル%がより好ましい。
[0079]
重合体(B)は、更に、重合体(A)を構成するモノマー単位として例示した、芳香環を含み水酸基を含まないカルボン酸ビニルエステル、カルボキシル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、加水分解性シリル基含有モノマー、ハロゲン原子及び水酸基を含まないオレフィン等の単位を含むこともできる。これらのモノマー単位の含有量は、重合体(B)の全モノマー単位に対して、0~10モル%であってよく、0.1~5モル%が好ましく、0.5~3モル%がより好ましい。
[0080]
重合体(B)としては、重合体(A)が好ましい。
[0081]
重合体(B)は、数平均分子量が3000~100000であることが好ましい。上記数平均分子量は、5000以上であることがより好ましく、8000以上であることが更に好ましく、50000以下であることがより好ましく、35000以下であることが更に好ましい。数平均分子量が小さすぎると、耐候性、耐溶剤性及び耐汚染性に劣ると同時に、高い硬度を有する塗膜を形成することができないおそれがあり、数平均分子量が大きすぎると、塗料とした場合の粘度が大きくなり取扱いが困難になるおそれがある。上記数平均分子量は、テトラヒドロフランを溶離液として用いるゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
[0082]
重合体(B)は、示差走査熱量計(DSC)により求めるガラス転移温度(セカンドラン)が10~70℃であることが好ましく、15~60℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が小さすぎると、耐候性、耐溶剤性及び耐汚染性に劣ると同時に、高い硬度を有する塗膜を形成することができないおそれがあり、ガラス転移温度が大きすぎると、塗料とした場合の粘度が大きくなり取扱いが困難になるおそれがある。
[0083]
重合体(B)は、ポリイソシアネート化合物や顔料等との相溶性が良好な点から、酸価が0.6~28.8mgKOH/gであることが好ましく、2~12mgKOH/gであることがより好ましい。
[0084]
本発明の組成物は、更にポリイソシアネート化合物を含み、上記ポリイソシアネート化合物が有するイソシアネート基(NCO)と上記重合体が有する水酸基(OH)との当量比(NCO/OH)が1.0未満であることにも特徴がある。
[0085]
当量比が1.0未満であると、上記重合体を上記ポリイソシアネート化合物により架橋させても、重合体(B)が有する水酸基の一部がイソシアネート基との反応に消費されずに残留する。水酸基が残留すると、塗膜中での架橋密度が十分でなく、耐摩耗性は低下すると予想されたが、この予想に反して、優れた耐摩耗性を有する塗膜が得られることが今や判明した。この理由は、残留した水酸基が塗膜中で水素結合を形成するからであると推測される。しかも、残留した水酸基は、基材との密着性にも寄与していると推測される。すなわち、重合体(B)の水酸基価が高く、かつ、上記当量比が1.0未満であることによって、基材との良好な密着性を有しており、落砂摩耗性試験で測定される耐摩耗性に優れる塗膜を得ることができる。
[0086]
上記当量比としては、より一層優れた密着性及び耐摩耗性が得られることから、0.90以下が好ましく、0.85以下がより好ましく、0.20以上が好ましく、0.30以上がより好ましい。
[0087]
上記ポリイソシアネート化合物としては、キシリレンジイソシアネート(XDI)及びビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(水素化XDI、H6XDI)からなる群より選択される少なくとも1種のイソシアネートから誘導されるポリイソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)に基づくブロックイソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)から誘導されるポリイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート(IPDI)から誘導されるポリイソシアネート化合物、及び、水分散性ポリイソシアネート化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物が好ましい。
[0088]
上記ポリイソシアネート化合物として、キシリレンジイソシアネート(XDI)及びビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(水素化XDI、H6XDI)からなる群より選択される少なくとも1種のイソシアネート(以下、イソシアネート(i)ともいう。)から誘導されるポリイソシアネート化合物(以下、ポリイソシアネート化合物(I)ともいう。)を用いた場合、密着性がより優れたものになる。
[0089]
上記ポリイソシアネート化合物(I)としては、例えば、上記イソシアネート(i)と3価以上の脂肪族多価アルコールとを付加重合して得られるアダクト、上記イソシアネート(i)からなるイソシアヌレート構造体(ヌレート構造体)、及び、上記イソシアネート(i)からなるビウレットを挙げることができる。
[0090]
上記アダクトとしては、例えば、下記一般式(1):
[0091]
[化1]


[0092]
(式中、R は、炭素数3~20の脂肪族炭化水素基を表す。R は、フェニレン基又はシクロヘキシレン基を表す。kは、3~20の整数である。)で表される構造を有するものが好ましい。
上記一般式(1)中のR は、上記3価以上の脂肪族多価アルコールに基づく炭化水素基であり、炭素数3~10の脂肪族炭化水素基がより好ましく、炭素数3~6の脂肪族炭化水素基が更に好ましい。
上記R がフェニレン基である場合、1,2-フェニレン基(o-フェニレン基)、1,3-フェニレン基(m-フェニレン基)、及び、1,4-フェニレン基(p-フェニレン基)のいずれであってもよい。中でも、1,3-フェニレン基(m-フェニレン基)が好ましい。また、上記一般式(1)中の全てのR が同じフェニレン基であってもよく、2種以上が混在していてもよい。
上記R がシクロヘキシレン基である場合、1,2-シクロヘキシレン基、1,3-シクロヘキシレン基、及び、1,4-シクロヘキシレン基のいずれであってもよい。中でも、1,3-シクロヘキシレン基が好ましい。また、上記一般式(1)中の全てのR が同じシクロヘキシレン基であってもよく、2種以上が混在していてもよい。
上記kは、3価以上の脂肪族多価アルコールの価数に対応する数である。上記kとして、より好ましくは3~10の整数であり、更に好ましくは3~6の整数である。
[0093]
上記イソシアヌレート構造体は、分子中に、下記一般式(2):
[0094]
[化2]


[0095]
で表されるイソシアヌレート環を1個又は2個以上有するものである。
上記イソシアヌレート構造体としては、上記イソシアネートの三量化反応により得られる三量体、五量化反応により得られる五量体、七量化反応により得られる七量体等を挙げることができる。
中でも、下記一般式(3):
[0096]
[化3]


[0097]
(式中、R は、一般式(1)中のR と同じである。)で表される三量体が好ましい。すなわち、上記イソシアヌレート構造体は、キシリレンジイソシアネート及びビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンからなる群より選択される少なくとも1種のイソシアネートの三量体であることが好ましい。
[0098]
上記ビウレットは、下記一般式(4):
[0099]
[化4]


[0100]
(式中、R は、一般式(1)中のR と同じである。)で表される構造を有する化合物であり、上記イソシアヌレート構造体を得る場合とは異なる条件下で、上記イソシアネートを三量化することにより、得ることができる。
[0101]
上記ポリイソシアネート化合物(I)としては、中でも、上記アダクト、すなわち、キシリレンジイソシアネート及びビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンからなる群より選択される少なくとも1種のイソシアネートと、3価以上の脂肪族多価アルコールと、を付加重合して得られるものであることが好ましい。
[0102]
上記ポリイソシアネート化合物(I)が、上記イソシアネート(i)と3価以上の脂肪族多価アルコールとのアダクトである場合、該3価以上の脂肪族多価アルコールとしては、具体的には、グリセロール、トリメチロールプロパン(TMP)、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、2,4-ジヒドロキシ-3-ヒドロキシメチルペンタン、1,1,1-トリス(ビスヒドロキシメチル)プロパン、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブタノール-3等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、ジグリセロール等の4価アルコール;アラビット、リビトール、キシリトール等の5価アルコール(ペンチット);ソルビット、マンニット、ガラクチトール、アロズルシット等の6価アルコール(ヘキシット)等が挙げられる。中でも、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが特に好ましい。
[0103]
また、上記アダクトの構成成分として用いられるキシリレンジイソシアネート(XDI)としては、1,3-キシリレンジイソシアネート(m-キシリレンジイソシアネート)、1,2-キシリレンジイソシアネート(o-キシリレンジイソシアネート)、1,4-キシリレンジイソシアネート(p-キシリレンジイソシアネート)が挙げられるが、中でも、1,3-キシリレンジイソシアネート(m-キシリレンジイソシアネート)が好ましい。
[0104]
また、上記アダクトの構成成分として用いられるビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(水素化XDI、H6XDI)としては、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,2-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンが挙げられるが、中でも、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンが好ましい。
[0105]
キシリレンジイソシアネート及びビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンからなる群より選択される少なくとも1種のイソシアネートと、上記のような3価以上の脂肪族多価アルコールと、を付加重合することにより、アダクトが得られる。
[0106]
上記アダクトとして、具体的には、例えば下記一般式(5):
[0107]
[化5]


[0108]
(式中、R は、フェニレン基又はシクロヘキシレン基を表す。)で表わされる化合物、すなわち、キシリレンジイソシアネート及びビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンからなる群より選択される少なくとも1種のイソシアネートと、トリメチロールプロパン(TMP)と、を付加重合することにより得られるポリイソシアネート化合物を挙げることができる。
上記一般式(5)中のR で表されるフェニレン基又はシクロヘキシレン基については、上記一般式(1)におけるR について述べたとおりである。
[0109]
上記一般式(5)で表されるポリイソシアネート化合物の市販品としては、タケネートD110N(三井化学社製、XDIとTMPとのアダクト、NCO含有量11.8%)、タケネートD120N(三井化学社製、H6XDIとTMPとのアダクト、NCO含有量11.0%)等が挙げられる。
[0110]
上記ポリイソシアネート化合物(I)が、イソシアヌレート構造体である場合の具体例としては、タケネートD121N(三井化学社製、H6XDIヌレート、NCO含有量14.0%)、タケネートD127N(三井化学社製、H6XDIヌレート、H6XDIの3量体、NCO含有量13.5%)等が挙げられる。
[0111]
上記ポリイソシアネート化合物として、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)に基づくブロックイソシアネート(以下、単にブロックイソシアネートともいう。)を用いることにより、上記組成物が充分なポットライフ(可使時間)を有するものとなる。
上記ブロックイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネート化合物(以下、ポリイソシアネート化合物(II)ともいう。)をブロック化剤で反応させて得られるものが好ましい。
上記ポリイソシアネート化合物(II)としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートと3価以上の脂肪族多価アルコールとを付加重合して得られるアダクト、ヘキサメチレンジイソシアネートからなるイソシアヌレート構造体(ヌレート構造体)、及び、ヘキサメチレンジイソシアネートからなるビウレットを挙げることができる。
[0112]
上記アダクトとしては、例えば、下記一般式(6):
[0113]
[化6]


[0114]
(式中、R は、炭素数3~20の脂肪族炭化水素基を表す。kは、3~20の整数である。)で表される構造を有するものが好ましい。
上記一般式(6)中のR は、上記3価以上の脂肪族多価アルコールに基づく炭化水素基であり、炭素数3~10の脂肪族炭化水素基がより好ましく、炭素数3~6の脂肪族炭化水素基が更に好ましい。
上記kは、3価以上の脂肪族多価アルコールの価数に対応する数である。上記kとして、より好ましくは3~10の整数であり、更に好ましくは3~6の整数である。
[0115]
上記イソシアヌレート構造体は、分子中に、下記一般式(2):
[0116]
[化7]


[0117]
で表されるイソシアヌレート環を1個又は2個以上有するものである。
上記イソシアヌレート構造体としては、上記イソシアネートの三量化反応により得られる三量体、五量化反応により得られる五量体、七量化反応により得られる七量体等を挙げることができる。
中でも、下記一般式(7):
[0118]
[化8]


[0119]
で表される三量体が好ましい。
[0120]
上記ビウレットは、下記一般式(8):
[0121]
[化9]


[0122]
で表される構造を有する化合物であり、上記イソシアヌレート構造体を得る場合とは異なる条件下で、ヘキサメチレンジイソシアネートを三量化することにより、得ることができる。
[0123]
上記ブロック化剤としては、活性水素を有する化合物を用いることが好ましい。上記活性水素を有する化合物としては、例えば、アルコール類、オキシム類、ラクタム類、活性メチレン化合物、及び、ピラゾール化合物からなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
[0124]
このように、上記ブロックイソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネート化合物をブロック化剤で反応させて得られるものであり、上記ブロック化剤は、アルコール類、オキシム類、ラクタム類、活性メチレン化合物、及び、ピラゾール化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
[0125]
上記ブロックイソシアネートを得るためのポリイソシアネート化合物(II)が、ヘキサメチレンジイソシアネートと3価以上の脂肪族多価アルコールとのアダクトである場合、該3価以上の脂肪族多価アルコールとしては、具体的には、グリセロール、トリメチロールプロパン(TMP)、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、2,4-ジヒドロキシ-3-ヒドロキシメチルペンタン、1,1,1-トリス(ビスヒドロキシメチル)プロパン、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブタノール-3等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、ジグリセロール等の4価アルコール;アラビット、リビトール、キシリトール等の5価アルコール(ペンチット);ソルビット、マンニット、ガラクチトール、アロズルシット等の6価アルコール(ヘキシット)等が挙げられる。中でも、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが特に好ましい。
ヘキサメチレンジイソシアネートと、上記のような3価以上の脂肪族多価アルコールとを付加重合することにより、上記アダクトが得られる。
[0126]
上記ポリイソシアネート化合物(II)と反応させる、活性水素を有する化合物としては、具体的には、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、メトキシプロパノール等のアルコール類;アセトンオキシム、2-ブタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類;ε-カプロラクタム等のラクタム類;アセト酢酸メチル、マロン酸エチル等の活性メチレン化合物;3-メチルピラゾール、3,5-ジメチルピラゾール、3,5-ジエチルピラゾール等のピラゾール化合物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
中でも、活性メチレン化合物、オキシム類が好ましく、活性メチレン化合物がより好ましい。
[0127]
上記ブロックイソシアネートの市販品としては、デュラネートK6000(旭化成ケミカルズ社製、HDIの活性メチレン化合物ブロックイソシアネート)、デュラネートTPA-B80E(旭化成ケミカルズ社製)、デュラネートMF-B60X(旭化成ケミカルズ社製)、デュラネート17B-60PX(旭化成ケミカルズ社製)、コロネート2507(日本ポリウレタン工業社製)、コロネート2513(日本ポリウレタン工業社製)、コロネート2515(日本ポリウレタン工業社製)、スミジュールBL-3175(住化バイエルウレタン社製)、LuxateHC1170(オリン・ケミカルズ社製)、LuxateHC2170(オリン・ケミカルズ社製)等が挙げられる。
[0128]
上記ポリイソシアネート化合物として、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)から誘導されるポリイソシアネート化合物(以下、ポリイソシアネート化合物(III)ともいう。)を用いることもできる。ポリイソシアネート化合物(III)としては、ポリイソシアネート化合物(II)として上述したものが挙げられる。
[0129]
ポリイソシアネート化合物(III)の具体例としては、コロネートHX(日本ポリウレタン工業社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート構造体、NCO含有量21.1%)、スミジュールN3300(住化バイエルウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート構造体)、タケネートD170N(三井化学社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート構造体)、スミジュールN3800(住化バイエルウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート構造体プレポリマータイプ)、D-370N(三井化学社製、NCO含有量25.0%)、AE-700(旭化成社製、NCO含有量11.9%)、D-201(三井化学社製、NCO含有量15.8%)等が挙げられる。
[0130]
上記ポリイソシアネート化合物として、イソホロンジイソシアネート(IPDI)から誘導されるポリイソシアネート化合物(以下、ポリイソシアネート化合物(IV)ともいう。)を用いることもできる。
[0131]
上記ポリイソシアネート化合物(IV)としては、例えば、イソホロンジイソシアネートと3価以上の脂肪族多価アルコールとを付加重合して得られるアダクト、イソホロンジイソシアネートからなるイソシアヌレート構造体(ヌレート構造体)、及び、イソホロンジイソシアネートからなるビウレットを挙げることができる。
[0132]
上記アダクトとしては、例えば、下記一般式(9):
[0133]
[化10]


[0134]
(式中、R は、炭素数3~20の脂肪族炭化水素基を表す。R は、下記一般式(10):
[0135]
[化11]


[0136]
で表される基である。kは、3~20の整数である。)で表される構造を有するものが好ましい。
上記一般式(9)中のR は、上記3価以上の脂肪族多価アルコールに基づく炭化水素基であり、炭素数3~10の脂肪族炭化水素基がより好ましく、炭素数3~6の脂肪族炭化水素基が更に好ましい。
上記kは、3価以上の脂肪族多価アルコールの価数に対応する数である。上記kとして、より好ましくは3~10の整数であり、更に好ましくは3~6の整数である。
[0137]
上記イソシアヌレート構造体は、分子中に、下記一般式(2):
[0138]
[化12]


[0139]
で表されるイソシアヌレート環を1個又は2個以上有するものである。
上記イソシアヌレート構造体としては、イソホロンジイソシアネートの三量化反応により得られる三量体、五量化反応により得られる五量体、七量化反応により得られる七量体等を挙げることができる。
中でも、下記一般式(11):
[0140]
[化13]


[0141]
(式中、R は、一般式(9)中のR と同じである。)で表される三量体が好ましい。すなわち、上記イソシアヌレート構造体は、イソホロンジイソシアネートの三量体であることが好ましい。
[0142]
上記ビウレットは、下記一般式(12):
[0143]
[化14]


[0144]
(式中、R は、一般式(9)中のR と同じである。)で表される構造を有する化合物であり、上記イソシアヌレート構造体を得る場合とは異なる条件下で、イソホロンジイソシアネートを三量化することにより、得ることができる。
[0145]
上記ポリイソシアネート化合物(IV)としては、中でも、上記アダクト及び上記イソシアヌレート構造体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。すなわち、上記ポリイソシアネート化合物(IV)は、イソホロンジイソシアネートと、3価以上の脂肪族多価アルコールと、を付加重合して得られるアダクト、及び、イソホロンジイソシアネートからなるイソシアヌレート構造体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
[0146]
上記ポリイソシアネート化合物(IV)が、イソホロンジイソシアネートと3価以上の脂肪族多価アルコールとのアダクトである場合、該3価以上の脂肪族多価アルコールとしては、具体的には、グリセロール、トリメチロールプロパン(TMP)、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、2,4-ジヒドロキシ-3-ヒドロキシメチルペンタン、1,1,1-トリス(ビスヒドロキシメチル)プロパン、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブタノール-3等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、ジグリセロール等の4価アルコール;アラビット、リビトール、キシリトール等の5価アルコール(ペンチット);ソルビット、マンニット、ガラクチトール、アロズルシット等の6価アルコール(ヘキシット)等が挙げられる。中でも、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが特に好ましい。
[0147]
イソホロンジイソシアネートと、上記のような3価以上の脂肪族多価アルコールと、を付加重合することにより、本発明で好適に用いられるアダクトが得られる。
[0148]
本発明で好ましく用いられるアダクトとして、具体的には、例えば下記一般式(13):
[0149]
[化15]


[0150]
(式中、R は、下記一般式(10):
[0151]
[化16]


[0152]
で表される基である。)で表される化合物、すなわち、イソホロンジイソシアネートとトリメチロールプロパン(TMP)とを付加重合することにより得られるポリイソシアネート化合物を挙げることができる。
[0153]
上記一般式(10)で表されるポリイソシアネート化合物(イソホロンジイソシアネートのTMPアダクト体)の市販品としては、タケネートD140N(三井化学社製、NCO含有量11%)等が挙げられる。
[0154]
イソホロンジイソシアネートからなるイソシアヌレート構造体の市販品としては、デスモジュールZ4470(住化バイエルウレタン社製、NCO含有量11%)等が挙げられる。
[0155]
上記ポリイソシアネート化合物として、水分散性ポリイソシアネート化合物を用いることもできる。上記水分散性ポリイソシアネート化合物とは、水性媒体中に加えて攪拌したときに水分散体を形成しうるポリイソシアネート化合物をいう。このような水分散性ポリイソシアネート化合物としては、例えば、(1)疎水性ポリイソシアネートと親水性基を有するポリイソシアネートとの混合物、(2)疎水性ポリイソシアネートとイソシアネート基を有さず親水性基を有する分散剤との混合物、(3)親水性基を有するポリイソシアネートのみ等が挙げられる。なお、本発明において、親水性基とはアニオン性基、カチオン性基又はノニオン性基をいう。上記水分散性ポリイソシアネート化合物としては、親水性基を有するポリイソシアネートであることが特に好ましい。
[0156]
上記疎水性ポリイソシアネートとは、親水性基を有さないものであり、例えば、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、エチル(2,6-ジイソシアナート)ヘキサノエート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4-または2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8-ジイソシアナート-4-イソシアナートメチルオクタン、2-イソシアナートエチル(2,6-ジイソシアナート)ヘキサノエート等の脂肪族トリイソシアネート;1,3-ビス(イソシアナートメチルシクロヘキサン)、1,4-ビス(イソシアナートメチルシクロヘキサン)、1,3-ジイソシアナートシクロヘキサン、1,4-ジイソシアナートシクロヘキサン、3,5,5-トリメチル(3-イソシアナートメチル)シクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、2,5-ジイソシアナートメチルノルボルナン、2,6-ジイソシアナートメチルノルボルナン等の脂環族ジイソシアネート;2,5-ジイソシアナートメチル-2-イソシネートプロピルノルボルナン、2,6-ジイソシアナートメチル-2-イソシネートプロピルノルボルナン等の脂環族トリイソシアネート;m-キシリレンジイソシアネート、α,α,α’α’-テトラメチル-m-キシリレンジイソシアネート等のアラルキレンジイソシアネート;m-またはp-フェニレンジイソシアネート、トリレン-2,4-ジイソシアネート、トリレン-2,6-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、ジフェニル-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナート-3,3’-ジメチルジフェニル、3-メチル-ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルエーテル-4,4’-ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアナートフェニル)チオホスフェート等の芳香族トリイソシアネート;上記のジイソシアネート又はトリイソシアネートのイソシアネート基同士を環化二量化して得られるウレトジオン構造を有するポリイソシアネート;上記のジイソシアネート又はトリイソシアネートのイソシアネート基同士を環化三量化して得られるイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート;上記のジイソシアネート又はトリイソシアネートを水と反応させることにより得られるビュレット構造を有するポリイソシアネート;上記のジイソシアネート又はトリイソシアネートを二酸化炭素と反応させて得られるオキサダイアジントリオン構造を有するポリイソシアネート;アロファネート構造を有するポリイソシアネートなどが挙げられる。これらの中でも、緻密な架橋塗膜を形成し、硬化塗膜の耐アルコール性をより向上することができることから、イソシアヌレート構造を有するポリイソシアネートが好ましい。 
[0157]
上記親水性基を有するポリイソシアネートとしては、例えば、親水性基及びイソシアネート基を有するポリエーテル、ポリエステル、ポリウレタン、ビニル重合体、アルキド樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、水分散性が良好であることから、親水性基とイソシアネート基とを有するポリエーテル又はビニル重合体が好ましく、親水性基とイソシアネート基を有するポリエーテルがより好ましい。これらの親水性基を有するポリイソシアネートは、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
[0158]
水分散性ポリイソシアネート化合物の市販品としては、バイヒジュール XP 2700(住化バイエルウレタン社製)、バイヒジュール3100(住化バイエルウレタン社製)等が挙げられる。
[0159]
上記ポリイソシアネート化合物としては、なかでも、タケネートD120N(三井化学社製、NCO含有量11%)、スミジュールN3300(住化バイエルウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート構造体)がより好ましい。
[0160]
本発明の組成物は、更に溶媒を含むことが好ましい。上記溶媒としては、水又は有機溶媒が好ましい。上記有機溶媒としては、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸tert-ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸セロソルブ、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなどのアミド類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;プロピレングリコールメチルエーテルなどのアルコール類;ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素類;これらの混合溶媒などがあげられる。また、弱溶剤と呼ばれる、労働安全衛生法の第三種有機溶剤およびそれに相当する溶剤もあげられる。有機溶媒溶液とする場合は、重合体(B)の濃度を5~95質量%、好ましくは10~80質量%とすればよい。
[0161]
上記組成物は、更に、重合体(B)以外の樹脂を含むことも好ましい。他の樹脂としては、ポリスチレン、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、ポリイソシアネート系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂(たとえば塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体など)、ケトン樹脂、石油樹脂のほか、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン類の塩素化物などの有機系樹脂;シリカゲルやケイ酸などの無機系樹脂;重合体(B)以外の各種フッ素樹脂(たとえばテトラフルオロエチレンやクロロトリフルオロエチレンの単独重合体またはこれらと他の単量体との共重合体など)等が挙げられる。他の樹脂の割合は、重合体(B)100質量部に対し、900質量部以下、好ましくは500質量部以下である。下限は目的とする特性を得るのに必要な量であり、樹脂の種類によって決まる。(メタ)アクリル系樹脂の場合は通常5質量部以上、好ましくは10質量部以上である。
[0162]
上記組成物は、これらの樹脂のうち、特に相溶性に優れた(メタ)アクリル系樹脂を含むことが好ましく、得られる塗膜に高光沢、高硬度、仕上り外観のよさを与える。
[0163]
(メタ)アクリル系樹脂としては、従来より塗料用に使用されている(メタ)アクリル系重合体があげられるが、特に(i)(メタ)アクリル酸の炭素数1~10のアルキルエステルの単独重合体または共重合体、および(ii)側鎖および/または主鎖末端に硬化性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましく採用される。
[0164]
上記(i)の(メタ)アクリル系重合体としては、たとえば、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸の炭素数1~10のアルキルエステルの単独重合体および共重合体、あるいはこれらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体との共重合体があげられる。
[0165]
上記共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、たとえば、芳香族基を有する(メタ)アクリレート類、α位にフッ素原子または塩素原子を有する(メタ)アクリレート類、アルキル基がフッ素原子で置換されたフルオロアルキル(メタ)アクリレート類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレンなどの芳香族ビニルモノマー類、エチレン、プロピレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのオレフィン類、フマル酸ジエステル類、マレイン酸ジエステル類、(メタ)アクリロニトリルなどがあげられる。
[0166]
上記(ii)の(メタ)アクリル系重合体としては、上記(i)で説明した(メタ)アクリル系重合体を与える単量体と共に、硬化性官能基を有する単量体を共重合したものが例示できる。硬化性官能基含有単量体としては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基などを有する単量体があげられる。上記(ii)の(メタ)アクリル系重合体の具体例としては、たとえば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2-アミノエチル(メタ)アクリレート、2-アミノプロピル(メタ)アクリレートなどの硬化性官能基を有する単量体と上記(メタ)アクリル酸の炭素数1~10のアルキルエステルとの共重合体、または、これらと上記共重合可能なエチレン性不飽和単量体との共重合体があげられるが、これらのみに限定されるものではない。
[0167]
(メタ)アクリル系重合体の数平均分子量はGPCで測定して1000~200000であることが好ましく、2000~100000であることがより好ましい。大きくなると溶剤溶解性が低下する傾向にあり、小さくなると耐候性に問題が生じる傾向にある。
[0168]
上記組成物は、更に、添加剤を含むこともできる。添加剤としては、硬化促進剤、顔料、分散剤、流動性改善剤、レベリング剤、消泡剤、ゲル化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、親水化剤、つや消し剤、密着改良剤、難燃剤等が挙げられる。
[0169]
上記顔料としては、二酸化チタンが挙げられる。上記二酸化チタンとしては、特に限定されず、ルチル型、アナターゼ型のいずれであってもよいが、耐候性の面からルチル型が好ましい。また、上記二酸化チタンとして、二酸化チタン微粒子の表面を無機処理した二酸化チタンや有機処理した二酸化チタン、あるいは無機および有機の両方で処理した二酸化チタンであってもよい。無機処理した二酸化チタンとしては、例えば、二酸化チタン微粒子の表面をアルミナ(Al )又はシリカ(SiO )、ジルコニア(ZrO )で被覆したものが挙げられる。有機処理した二酸化チタンとしては、シランカップリング剤により表面処理されたものや、有機シロキサンにより表面処理されたもの、有機ポリオールにより表面処理されたもの、アルキルアミンにより表面処理されたもの等が挙げられる。更に、二酸化チタンは、滴定法により得られる塩基価が酸価よりも高いものが、好ましい。
[0170]
上記二酸化チタンの市販品としては、例えば、D-918(堺化学工業社製)、R-960、R-706、R-931(デュポン社製)、PFC-105(石原産業社製)等が挙げられる。
[0171]
上記二酸化チタンの含有量としては、重合体(B)100質量部に対して1~500質量部であることが好ましい。1質量部未満であると、紫外線を遮蔽できないおそれがある。500質量部を超えると、紫外線による黄変、劣化のおそれがある。上記二酸化チタンの含有量としては、5質量部以上がより好ましく、10質量部以上が更に好ましく、300質量部以下がより好ましく、200質量部以下が更に好ましい。
[0172]
上記顔料としては、また、カーボンブラックが挙げられる。上記カーボンブラックとしては、特に限定されず一般に公知のものが挙げられる。上記カーボンブラックは、紫外線遮蔽効果の点で、平均粒子径が10~150nmであることが好ましく、20~100nmであることがより好ましい。上記平均粒子径は、電子顕微鏡での観察により得られる値である。
[0173]
上記カーボンブラックは、上記組成物中で凝集していてもよいが、この場合の平均粒径は、紫外線遮蔽効果の点で50~1000nmが好ましく、100~700nmがより好ましく、100~500nmがさらに好ましい。上記平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布計での測定により得られる値である。
[0174]
上記カーボンブラックの含有量は、重合体(B)100質量部に対して0.5~80質量部であることが好ましい。カーボンブラックの含有量が上述の範囲内であると、上記組成物中によく分散できる。上記カーボンブラックの含有量は、重合体(B)100質量部に対して3質量部以上がより好ましく、10質量部以上が更に好ましく、60質量部以下がより好ましく、50質量部以下が更に好ましい。
上記カーボンブラックの市販品としては、例えば、MA-100(三菱化学社製)、Raven-420(コロンビアカーボン社製)等が挙げられる。
[0175]
上記組成物が上記顔料を含む場合、後述する分散剤又は流動性改善剤を更に含むことが好ましい。
[0176]
上記分散剤としては、酸基を有する(但し、不飽和基を有するものを除く)化合物が挙げられる。上記酸基としては、リン酸基、カルボン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。なかでも、より長期にわたり顔料の凝集を防止し、上記組成物の貯蔵安定性に優れる点で、リン酸基及びカルボン酸基からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、リン酸基がより好ましい。上記分散剤はまた、不飽和基を有しない化合物からなる。不飽和基を有しないため、紫外線曝露による化合物の変性が生じにくい。
[0177]
上記分散剤は、重量平均分子量が300~1000000であることが好ましい。300未満であると、吸着樹脂層の立体安定化が不十分で、二酸化チタンの凝集を防止できないおそれがある。1000000を超えると、色別れや、耐候性の低下をまねくおそれがある。上記重量平均分子量は1000以上であることがより好ましく、100000以下であることがより好ましい。上記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(ポリスチレン換算)により測定することができる。
[0178]
上記分散剤は、二酸化チタン表面に効果的に吸着する点で、酸価が3~2000mgKOH/gであることが好ましい。酸価は、5mgKOH/g以上がより好ましく、10mgKOH/g以上が更に好ましく、1000mgKOH/g以下がより好ましく、500mgKOH/g以下が更に好ましい。上記酸価は、塩基性物質を用いた酸塩基滴定法により測定することができる。
[0179]
上記分散剤は、更に、塩基を有していてもよい。上記塩基としては、例えば、アミノ基等が挙げられる。
[0180]
上記分散剤の塩基価は、分散剤の長期の貯蔵安定性が良好となる点で、15mgKOH/g以下が好ましく、5mgKOH/g以下がより好ましい。上記分散剤の酸価が15mgKOH/g以下である場合、塩基価は5mgKOH/g未満であることが更に好ましい。
上記分散剤は、実質的に塩基を含まないことが更に好ましい。なお、実質的に塩基を含まないとは、コンタミネーション、反応残査、測定誤差等を考慮し、測定値として塩基価が0.5mgKOH/g以下をいう。上記塩基価は、酸性物質を用いた酸塩基滴定法により測定することができる。
[0181]
上記分散剤として、市販品を使用してもよい。例えば、ディスパロン2150、ディスパロンDA-325、DA-375、DA-1200(商品名、楠本化成社製)、フローレンG-700、G-900(商品名、共栄社化学社製)、SOLSPERSE26000、32000、36000、36600、41000、55000(商品名、日本ルーブリゾール社製)、DISPERBYK-102、106、110、111、140、142、145、170、171、174、180(商品名、ビックケミー・ジャパン社製)等を挙げることができる。なかでも、長期の貯蔵安定性が良好となる点で、ディスパロンDA-375、フローレンG-700、SOLSPERSE36000が好ましく、ディスパロンDA-375がより好ましい。
[0182]
上記分散剤は、上記二酸化チタンと共に使用することが好ましい。上記分散剤の含有量は、二酸化チタン100質量部に対して0.1~100質量部であることが好ましい。0.1質量部未満であると、顔料沈降防止効果が得られないおそれがある。100質量部を超えると、色別れや、耐候性の低下をまねくおそれがある。上記分散剤の含有量は、0.5質量部以上であることがより好ましく、1.5質量部以上であることが更に好ましく、50質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることが更に好ましい。
[0183]
上記流動性改善剤としては、酸基及び塩基を有する会合型アクリル系ポリマーが挙げられる。上記会合型アクリル系ポリマーとは、アクリル系ポリマー鎖に含有される極性基が、ポリマー鎖内、あるいはポリマー鎖間の水素結合あるいは電気的相互作用による部分的吸着等により、構造を形成し、結果、液の粘度を増加させる効果を持つものである。
[0184]
上記アクリル系ポリマーとしては、例えば、主たるモノマー成分として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートからなる共重合体が挙げられる。なお、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを含む。
[0185]
上記酸基としては、カルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基が好ましい。なかでも、より長期にわたり顔料の凝集を防止し、上記組成物の貯蔵安定性を維持できる点で、カルボン酸基が好ましい。上記塩基としては、アミノ基が挙げられる。
[0186]
また、上記流動性改善剤は、カルボン酸と、ヒドロキシアミンもしくはヒドロキシイミンの窒素含有化合物との反応物であってもよい。反応させるカルボン酸と窒素含有化合物の比率は、1:1が最も好ましい。カルボン酸としては、ジカルボン酸、酸無水物が挙げられる。上記ヒドロキシアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、プロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、n-ブチルジエタノールアミン等の1級、2級、3級アルカノールアミンやその混合物を挙げることができる。上記ヒドロキシイミンとしては、例えば、オキサゾリン構造をもつもの、具体的には、Alkaterge T(商品名、Angus Chemical社製)等を挙げることができる。
[0187]
上記流動性改善剤は、重量平均分子量が1000~1000000であることが好ましい。1000未満であると、会合による構造形成が不十分で二酸化チタンの沈降を防止できないおそれがある。1000000を超えると、液の粘度が増加し過ぎ、塗装性を損なうおそれがある。上記重量平均分子量は5000以上であることがより好ましく、100000以下であることがより好ましい。上記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(ポリスチレン換算)により測定することができる。
[0188]
上記流動性改善剤として、市販品を使用してもよい。例えば、SOLTHIX250(商品名、日本ルーブリゾール社製)等を挙げることができる。
[0189]
上記流動性改善剤の含有量は、上記組成物中0.05~20質量%であることが好ましい。0.05質量%未満であると、二酸化チタンの沈降を防止できないおそれがある。20質量%を超えると分離や色別れのおそれがある。上記流動性改善剤の含有量は、0.1質量%以上であることがより好ましく、0.3質量%以上であることが更に好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることが更に好ましい。
[0190]
上記難燃剤としては、燃焼初期において非燃焼性のガスを発生して、燃焼性ガスの希釈及び/又は酸素遮断により難燃性を発揮するものであることが好ましい。
[0191]
上記難燃剤としては、周期律表5B族を含む化合物、周期律表7B族のハロゲン化合物を含む化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
[0192]
周期律表7B族のハロゲン化合物を含む化合物としては、脂肪族、脂環族、芳香族有機ハロゲン化合物、例えば臭素系のテトラブロモビスフェノールA(TBA)、デカブロモジフェニルエーテル(DBDPE)、オクタブロモジフェニルエーテル(OBDPE)、TBAエポキシ/フェノキシオリゴマー、臭素化架橋ポリスチレン、塩素系の塩素化バラフィン、パークロロシクロペンタデカンなどが挙げられる。
[0193]
周期律表5B族を含む化合物としては、リン化合物としては例えばリン酸エステル、ポリリン酸塩系などが挙げられる。また、アンチモン化合物がハロゲン化合物と組み合わせて使用することが好ましく、例えば三酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどが挙げられる。このほか、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化モリブデンも使用できる。
これらの難燃剤は重合体(B)の種類に応じて、少なくとも1種と配合量を任意に選ぶことができ、これらに限定されるものではない。
[0194]
上記難燃剤としては、具体的には、リン窒素含有組成物(A)、又は、臭素含有化合物とアンチモン含有化合物との混合物(B)がより好ましい。重合体(B)にこれらの難燃剤を組み合わせることにより、高い難燃性が発揮される。
[0195]
上記リン窒素含有組成物(A)は、ピロリン酸ピペラジンとメラミンシアヌレートの混合物であることが好ましい。ピロリン酸ピペラジンとしては、例えば、特開昭48-088791号公報や米国特許第4599375号に開示されるものが挙げられる。メラミンシアヌレートとしては、メラミンとシアヌール酸との反応生成物を粉末化したもの等が挙げられる。上記メラミンとシアヌール酸との反応生成物は、その構造内に多量の窒素原子を有し、約350℃以上の高温にさらされると窒素ガスを発生して燃焼を阻害する働きを示す。
[0196]
上記リン窒素含有組成物(A)は、上記ピロリン酸ピペラジンに対するメラミンシアヌレートの質量比が0.014~3.000の範囲であることが好ましい。メラミンシアヌレートが上述の範囲であると難燃性が向上し、塗膜のブロッキング性も良好となる。上記ピロリン酸ピペラジンに対するメラミンシアヌレートの質量比は、混合物中0.04以上がより好ましく、0.1以上が更に好ましく、1.4以下がより好ましく、0.5以下が更に好ましい。
[0197]
上記リン窒素含有組成物(A)として使用可能な市販品としては、例えば、SCFR-200(堺化学工業社製)、SCFR-110(堺化学工業社製)等が挙げられる。
[0198]
上記臭素含有化合物としては、臭素含有率が65%以上であり、融点が200℃以上で、かつ、5%分解温度が340℃以上の芳香族系化合物であることが好ましい。
具体的には、上記臭素含有化合物は、デカブロモジフェニルオキサイド、1,2-ビス(2,3,4,5,6-ペンタブロモフェニル)エタン、トリス(トリブロモフェノキシ)トリアジン、エチレンビステトラブロモフタロイミド、ポリブロモフェニルインダン、臭素化フェニレンオキサイド、及び、ポリペンタブロモベンジルアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
[0199]
なかでも、融点が高く、塗膜を加熱硬化した場合にも融解、ブリードアウトしない点で、式(a)で表される1,2-ビス(2,3,4,5,6-ペンタブロモフェニル)エタンがより好ましい。
[化17]


[0200]
上記臭素含有化合物として、市販品を用いてもよく、例えば、SAYTEX8010(アルベマール社製)等が挙げられる。
[0201]
上記アンチモン含有化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等の酸化アンチモンが挙げられる。なかでも、安価に入手できる点で、三酸化アンチモンが好ましい。
[0202]
上記難燃剤の含有量は、重合体(B)100質量部に対して1~45質量部であることが好ましい。上記難燃剤の含有量が上述の範囲であると、上記組成物への良好な分散性と上記組成物から得られる塗膜の難燃性の向上が期待できる。上記難燃剤の含有量が1質量部未満では難燃性の向上が期待できないおそれがあり、45質量部を超えると組成物や塗膜の物性を維持するのが困難となるおそれがある。上記難燃剤の含有量は、重合体(B)100質量部に対して30質量部以下がより好ましく、20質量部以下が更に好ましく、15質量部以下が特に好ましい。また、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上が更に好ましい。
[0203]
上記難燃剤が上記リン窒素含有組成物(A)である場合、その含有量は、重合体(B)100質量部に対して8~19質量部であることが好ましい。上記リン窒素含有組成物(A)の含有量は、重合体(B)100質量部に対して9質量部以上がより好ましく、10質量部以上が更に好ましく、17質量部以下がより好ましく、15質量部以下が更に好ましい。
[0204]
上記難燃剤が上記臭素含有化合物とアンチモン含有化合物との混合物(B)である場合、その含有量は、重合体(B)100質量部に対して、臭化含有化合物の含有量が1~30質量部であることが好ましく、アンチモン含有化合物の含有量が0.5~15質量部であることが好ましい。上記臭素含有化合物の含有量は、重合体(B)100質量部に対して、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上が更に好ましく、20質量部以下がより好ましく、15質量部以下が更に好ましい。上記アンチモン化合物の含有量は、重合体(B)100質量部に対して、1.5質量部以上がより好ましく、2.5質量部以上が更に好ましく、10質量部以下がより好ましく、7.5質量部以下が更に好ましい。
[0205]
上記硬化促進剤としては、たとえば有機スズ化合物、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルとアミンとの反応物、飽和または不飽和の多価カルボン酸またはその酸無水物、有機チタネート化合物、アミン系化合物、オクチル酸鉛などがあげられる。
[0206]
上記有機スズ化合物の具体例としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジオクチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズフタレート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズ、ジブチルスズメトキシドなどがあげられる。
[0207]
また上記酸性リン酸エステルとは、
[化18]


部分を含むリン酸エステルのことであり、たとえば
(R -O) -P(=O)-(OH) 3-b
(式中、bは1または2、R は有機残基を示す)で示される有機酸性リン酸エステルなどがあげられる。
[0208]
具体的には
[化19]


などがあげられる。
[0209]
上記有機チタネート化合物としては、たとえばテトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、トリエタノールアミンチタネートなどのチタン酸エステルがあげられる。市販品としては、たとえばマツモトファインケミカル社製のオルガチックスTC-100、TC-750、TC-760、TA-30などがあげられる。
[0210]
さらに上記アミン系化合物の具体例としては、たとえばブチルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N-メチルモルホリン、1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン-7(DBU)などのアミン系化合物、さらにはそれらのカルボン酸などの塩、過剰のポリアミンと多塩基酸よりえられる低分子量ポリアミド樹脂、過剰のポリアミンとエポキシ化合物の反応生成物などがあげられる。
[0211]
上記硬化促進剤は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記硬化促進剤の配合割合は重合体(B)100質量部に対して1.0×10 -6~1.0×10 -2質量部程度が好ましく、5.0×10 -5~1.0×10 -3質量部程度がさらに好ましい。
[0212]
顔料の具体例としては、たとえば二酸化チタン、炭酸カルシウムもしくはカーボンブラックなどの無機顔料;フタロシアニン系、キナクリドン系もしくはアゾ系などの有機顔料などがあげられるが、これらのみに限定されるものではない。顔料の添加量の上限は、通常重合体(B)100質量部に対して約200質量部までである。
[0213]
上記親水化剤としては、メチルシリケート、エチルシリケート、フルオロアルキルシリケート、それらの縮合体が使用できる。市販品としては、たとえばコルコート社製のET40、ET48など、三菱化学社製のMS56、MS56S、MS57など、ダイキン工業社製のGH700、GH701などがあげられる。
[0214]
上記つや消し剤としては、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタンなどが挙げられる。上記つや消し剤の添加量は、重合体(B)に対して、1~100質量%であることが好ましい。市販品としては、たとえば冨士シリシア社製のサイリシア350、サイリシア436、サイリシア446、サイロホービック100、サイロホービック200、グレース社製のサイロイドED2、サイロイドED30、サイロイドED50などがあげられる。
[0215]
上記密着改良剤としては、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリブタジエンポリオールなどの各種ポリオール系添加剤、シランカップリング剤などがあげられる。上記密着改良剤の添加量は、重合体(B)に対して、0.1~50質量%であることが好ましい。市販品としては、たとえば楠本化成社製のフレクソレッゾ148、フレクソレッゾ188、フレクソレッゾA308、宇部興産社製のETERNACOLL UH-50、ETERNACOLL UM-90、ADEKA社製のアデカポリエーテルP-400、アデカポリオールBPX-21、日本曹達社製のNISSO-PB GI-1000、GI-2000、GI-3000、宇部興産社製のPH-50、PH-100、クローダジャパン社製のPriplast-1838、Priplast-3192などがあげられる。
[0216]
本発明は、重合体(A)を含むことを特徴とする塗膜でもある。上記塗膜は、この特徴によって、基材との良好な密着性を有しており、プレッシャークッカーテスト後も良好な密着性を有しており、落砂摩耗性試験で測定される耐摩耗性に優れる。上記塗膜は、硬化塗膜であることが好ましい。
[0217]
本発明は、また、上記組成物から形成されることを特徴とする塗膜でもある。上記塗膜は、この特徴によって、基材との良好な密着性を有しており、プレッシャークッカーテスト後も良好な密着性を有しており、落砂摩耗性試験で測定される耐摩耗性に優れる。上記塗膜を形成する上記組成物に含まれる重合体(B)は、密着性及び耐摩耗性の観点から、重合体(A)であることが好ましい。
[0218]
上記塗膜は、上記組成物を基材等に塗布し、所望により乾燥及び硬化させることにより行うことができる。上記乾燥及び硬化は、10~300℃、通常は100~200℃で、30秒から3日間行うことができる。上記乾燥及び硬化させた後、養生してもよく、上記養生は、通常、20~300℃にて1分間~3日間で完了する。
[0219]
上記塗膜は、ウレタン結合を含み、落砂摩耗性が80L以上であることによっても特徴づけられる。上記塗膜は、これらの特徴によって、耐摩耗性に優れる他、基材との良好な初期密着性を有しており、プレッシャークッカーテスト後も良好な密着性を有しており、高架橋密度による塗膜強度増加でロール加工時の割れ軽減性にも優れる。これらの特徴を備える塗膜は、上述した組成物から好適に製造することができる。特に、上記ウレタン結合は、上記組成物に含まれるポリイソシアネート化合物が有するイソシアネート基と重合体(B)が有する水酸基とが反応することによって形成される。上記塗膜がウレタン結合を含むことは、赤外分光法(IR)により確認することができる。
[0220]
上記落砂摩耗性の上限は特に限定されないが、250Lであってよい。上記落砂摩耗性は、JIS A 1452:1972 建築材料及び建築構成部分の摩耗試験方法(落砂法)により測定することができる。
[0221]
上記塗膜は、膜厚が5μm以上であることが、隠蔽性、耐候性、耐薬品性、耐湿性が良好な点から好ましい。より好ましくは7μm以上、更に好ましくは10μm以上である。上限は、余り厚くすると軽量化効果が得られなくなるので、1000μm程度が好ましく、100μm程度がより好ましい。膜厚としては、特に10~40μmが好ましい。
[0222]
上記塗膜は、各種の基材上に設けることができる。上記基材と上記塗膜との間にプライマー層を設けてもよいが、上記塗膜が密着性に優れることから、上記基材と上記塗膜とを充分な接着強度で直接接着させることが可能である。上記塗膜及び上記基材を備える積層体も、本発明の好適な態様の1つである。
[0223]
上記基材の材料としては、金属、セラミック、樹脂、ガラス等が挙げられる。上記基材としては、後述する水不透過性シートも挙げられる。
[0224]
上記金属としては、鉄;SUS304、SUS316L、SUS403等のステンレス;アルミニウム;亜鉛メッキ、アルミニウムメッキ等を施したメッキ鋼鈑等が挙げられる。上記セラミックとしては、陶器、磁器、アルミナ材、ジルコニア材、酸化ケイ素材等が挙げられる。上記樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂等が挙げられる。本発明の重合体を含む塗膜、本発明の組成物から得られる塗膜、及び、本発明の塗膜は、シリコーン樹脂からなる基材とも、良好な初期密着性を有しており、プレッシャークッカーテスト後も良好な密着性を有している。
[0225]
本発明は、基材と、上記基材上に設けられており、ウレタン結合を含み、落砂摩耗性が80L以上である塗膜と、を含み、上記塗膜について、JIS D0202-1988に準処して碁盤目テープ剥離試験を行った場合に、100マスのうち、剥離しないマス目の数が30以上であることを特徴とする積層体でもある。
[0226]
本発明の積層体は、これらの特徴によって、耐摩耗性及び初期密着性に優れる他、プレッシャークッカーテスト後も良好な密着性を有しており、高架橋密度による塗膜強度増加でロール加工時の割れ軽減性にも優れる。上記塗膜は、上述した組成物から好適に製造することができる。特に、上記ウレタン結合は、上記組成物に含まれるポリイソシアネート化合物が有するイソシアネート基と重合体(B)が有する水酸基とが反応することによって形成される。上記塗膜がウレタン結合を含むことは、赤外分光法(IR)により確認することができる。
[0227]
剥離しないマス目の数としては、50以上が好ましく、70以上がより好ましく、90以上が更に好ましく、100であることが特に好ましい。
[0228]
上記塗膜は、上記基材上に直接設けられていることが好ましい。
[0229]
上記積層体は、更に、上記積層体を121℃、湿度100%RH、2気圧で60時間放置するプレッシャークッカーテストを行った後、碁盤目テープ剥離試験を行った場合に、100マスのうち、剥離しないマス目の数が30以上であることも好ましい。剥離しないマス目の数としては、50以上が好ましく、70以上がより好ましく、90以上が更に好ましく、100であることが特に好ましい。
[0230]
上記積層体に含まれる上記基材の材料としては、上述した材料が挙げられるが、なかでも、ポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい。
[0231]
上記積層体は、太陽電池モジュールのバックシートとして好適に使用できる。
[0232]
本発明は、上記塗膜を備えることを特徴とするバックシートでもある。上記バックシートは、太陽電池モジュールの裏面を保護するための、太陽電池モジュールのバックシートとして好適に使用される。上記太陽電池モジュールは、通常、表面層と、太陽電池セルと、太陽電池セルを封止するための封止材層と、バックシートとを備えている。上記バックシートには、機械的強度、耐候性、防水・防湿性、電気絶縁性等の特性が要求されることが知られている。本発明のバックシートは、落砂摩耗性試験で測定される耐摩耗性という新規な課題を解決するものであり、上記課題は上記塗膜を備えることによって解決される。
[0233]
上記バックシートは、更に、水不透過性シートを備えることが好ましい。上記水不透過性シートは、上記封止材や上記太陽電池セルに水分が透過しないように設けられる層であり、水が実質的に透過しない材料であれば使用できるが、重量や価格、可撓性等の点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)シート、SiO 蒸着PETシート、アルミニウムやステンレススチール等の金属薄シート等が多用されている。なかでもPETシートがよく用いられている。厚さは通常50~250μm程度である。なかでも特に防湿性が必要な場合はSiO 蒸着PETシートがよく用いられている。厚さは通常10~20μm程度である。
[0234]
上記塗膜は、上記水不透過性シートの少なくとも一方の面に形成されている。上記塗膜は、水不透過性シートの片面のみに形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。上記水不透過性シートと上記塗膜とは、直接接着していてもよいし、その他の層を介して接着していてもよいが、直接接着していることが好ましい。その他の層としては、プライマー層を挙げることができる。
[0235]
上記プライマー層の形成は、従来公知のプライマー用塗料を用いて、常法により行う。プライマー用の塗料としては、例えばエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等が代表例として挙げられる。
[0236]
上記塗膜は、膜厚が5μm以上であることが、隠蔽性、耐候性、耐薬品性、耐湿性が良好な点から好ましい。より好ましくは7μm以上、更に好ましくは10μm以上である。上限は、余り厚くすると軽量化効果が得られなくなるので、1000μm程度が好ましく、100μm程度がより好ましい。膜厚としては、特に10~40μmが好ましい。
[0237]
上記塗膜との密着性を向上させるために、上記水不透過性シートに従来公知の表面処理を行ってもよい。表面処理としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ放電処理、化成処理、金属シートの場合はブラスト処理等が例示できる。
[0238]
上記バックシートは、太陽電池モジュールの封止材層と接着させて使用することができる。上記バックシートが上記水不透過性シートの片面のみに上記塗膜を備える場合、上記水不透過性シートと上記封止材層とを接着させてもよいし、上記塗膜と上記封止材層とを接着させてもよい。上記塗膜は、上記水不透過性シートとの密着性に優れ、しかも、上記封止材層との密着性にも優れることから、上記塗膜と上記封止材層とを接着させることが好ましい。また、上記塗膜は、耐候性にも優れることから、上記塗膜を太陽電池モジュールの最外面に位置させることも好ましい。以上のことから、上記バックシートは、上記水不透過性シートの両面に上記塗膜を備えることが好ましい。
[0239]
上記封止材層は、封止材からなり、上記太陽電池セルを内部に封止している。上記封止材としては、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、EVAであることが好ましい。
[0240]
上述の積層体又は上述のバックシートを備える太陽電池モジュールも本発明の一つである。
[0241]
上記太陽電池モジュールの好ましい構造としては、例えば、図1~3に示すものが挙げられる。
[0242]
図1に示される第1の構造において、太陽電池セル1は、封止材層2に封止されており、該封止材層2は、表面層3とバックシート4とで挟まれている。バックシート4は更に水不透過性シート5と塗膜6とから構成されている。この第1の構造では、塗膜6は封止材層2側にのみ設けられている。なお、図1~図3において、塗膜6は、上述した塗膜である。
[0243]
上記封止材層2は、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等で構成される。
上記表面層3には、通常ガラス板が用いられるが、樹脂シート等のフレキシブルな材料を用いてもよい。
[0244]
図2に示される第2の構造は、水不透過性シート5の両面に塗膜6が形成されてなる3層構造のものである。
[0245]
この第2の構造は、バックシートの膜厚は増加するものの、封止材層2側の塗膜6による密着性と、封止材層2と反対側の塗膜6による耐候性との両方の利点を併せもつものである。
[0246]
3層構造のバックシートとしては、また、水不透過性シートの一方の面に上述した塗膜が形成され、他方の面に、上述した塗膜とは異なる塗膜、含フッ素ポリマーシート、ポリエステルシートまたはポリエステル塗料の塗膜(他のシートまたは塗膜)が形成されてなる3層構造のバックシートでもよい。
[0247]
図3に示される第3の構造は、水不透過性シート5の封止材層2側に塗膜6が形成され、封止材層2と反対側に他の塗膜7が形成されている構造である。
塗膜7を構成する材料は、上述した塗膜とは異なる塗膜でも、含フッ素ポリマーシートでも、ポリエステルシートでも、ポリエステル塗料の塗膜でもよい。
また、上記塗膜と封止材層との密着性をさらに向上させるために、上記塗膜に従来公知の表面処理を行ってもよい。表面処理としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ放電処理、化成処理、ブラスト処理等が例示できる。
[0248]
上述した塗膜と異なる塗膜としては、例えば特開2004-214342号公報に記載されているポリフッ化ビニリデン(PVdF)にテトラアルコキシシランまたはその部分加水分解物を配合した塗料の塗膜、VdF/TFE/CTFE共重合体とアルコキシシラン単位含有アクリル樹脂との混合塗料の塗膜、VdF/TFE/HFP共重合体と水酸基含有アクリル樹脂との混合塗料の塗膜、VdF/HFP共重合体にアミノシランカップリング剤を配合した塗料の塗膜等が挙げられる。膜厚は、通常、5~300μmとすることが、隠蔽性、耐候性、耐薬品性、耐湿性が良好な点から好ましい。より好ましくは10~100μm、更に好ましくは10~50μmである。この場合も、プライマー層等を介してもよい。
[0249]
上記含フッ素ポリマーシートとしては、PVdFシートやポリフッ化ビニル(PVF)シート、PCTFEシート、TFE/HFP/エチレン共重合体シート、TFE/HFP共重合体(FEP)シート、TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)共重合体(PFA)シート、エチレン/TFE共重合体(ETFE)シート、エチレン/CTFE共重合体(ECTFE)シート等、現在のバックシートに使用されている含フッ素ポリマーシートが挙げられる。膜厚は、通常、5~300μmとすることが、耐候性が良好な点から好ましい。より好ましくは10~100μm、更に好ましくは10~50μmである。
[0250]
上記ポリエステルシートとしては、従来のバックシートで使用されているものがそのまま使用でき、その水不透過性シート5への接着はアクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリエステル系接着剤等によって行うことができる。膜厚は、通常5~300μmとすることが、耐候性、コスト、透明性が良好な点から好ましい。より好ましくは10~100μm、更に好ましくは10~50μmである。
[0251]
上記ポリエステル塗料としては、多価カルボン酸と多価アルコール等とを用いた飽和ポリエステル樹脂を用いたもの、無水マレイン酸、フマル酸等とグリコール類とを用いた不飽和ポリエステル樹脂を用いたもの等があげられ、ロールコート、カーテンコート、スプレーコート、ダイコート等の塗装方法により塗膜を形成できる。膜厚は、5~300μmとすることが隠蔽性、耐候性、耐薬品性、耐湿性が良好な点から好ましい。より好ましくは10~100μm、更に好ましくは10~50μmである。この場合も、プライマー層等を介してもよい。
実施例
[0252]
つぎに本発明を参考例をあげて説明するが、本発明はかかる参考例のみに限定されるものではない。
[0253]
参考例の各数値は以下の方法により測定した。
[0254]
(1)重合体を構成する各モノマー単位の含有量
元素分析から測定したフッ素含有量(質量%)と HNMRスペクトルによる組成分析から各モノマー単位の含有量(モル%)を算出した。
[0255]
(2)水酸基価
重合時の水酸基モノマーの実仕込量と固形分濃度を使用して計算から算出した。
[0256]
(3)落砂摩耗性
JIS A 1452:1972 建築材料および建築構成部分の摩耗試験方法(落砂法)による。
[0257]
(4)密着性
各参考例で得られたバックシートを初期状態とPCT(プレッシャークッカーテスト、121℃、湿度100%RH、2気圧)60時間後の塗膜に対してJIS D0202-1988に準処して碁盤目テープ剥離試験を行った。セロハンテープ(「CT24」、ニチバン社製)を用い、指の腹でフィルムに密着させた後剥離した。判定は、100マスの内、剥離しないマス目の数で表した。
[0258]
(5)耐候性
SWOM(スガ試験機社製耐候性試験機:試験時間6000時間)を用い、初期の60度光沢を100として6000時間後の光沢保持率で表わす。
[0259]
参考例1
容量6000mlのステンレス製オートクレーブに酢酸ブチル2500g、ネオノナン酸ビニルエステル584g、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)527gを投入し、減圧窒素置換の操作を行い、テトラフルオロエチレン(TFE)658gを仕込んだ。撹拌下に60.0℃まで昇温し、過酸化物系重合開始剤30gを仕込み重合を開始した。反応器内圧が1.0MPaGから0.4MPaGへ低下した時点で反応を停止し、重合体を含む溶液を得た。この重合体の組成及び水酸基価を表1に示す。
[0260]
反応により得られた重合体を含む溶液485.0g(重合体の含有量が65質量%)、白色顔料として酸化チタン(堺化学工業社製のD918)63.0g、酢酸ブチル208.0gを顔料分散機を用いて分散させ、顔料を含む分散液を調製した。
この分散液100質量部にイソシアネート系硬化剤(住化バイエル社製のスミジュールN3300)を、上記イソシアネート系硬化剤が有するイソシアネート基(NCO)と上記重合体が有する水酸基(OH)との当量比(NCO/OH)が表1の当量比になるように配合して、組成物を調製した。
[0261]
水不透過性シートとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)シート(東レ社製のルミラーS10、厚さ250μm)の両面をコロナ放電処理し、このシートの片面に上記組成物を乾燥塗膜厚が25μmとなるように塗装し、150℃で3分間乾燥して2層構造の積層体を作製した。さらに、反対側の面に上記組成物を乾燥塗膜厚が25μmとなるように塗装し、150℃で3分間乾燥して3層構造のバックシート積層体を作製した。このバックシート積層体について、落砂摩耗性、初期密着性、PCT後の密着性および耐候性を調べた。結果を表1に示す。
[0262]
参考例2~11及び比較参考例1~5
参考例1と同様にして、重合体、組成物及びバックシートを作製した。結果を表1に示す。
[0263]
[表1]


[0264]
表中の略号の説明
TFE:テトラフルオロエチレン
CTFE:クロロトリフルオロエチレン
VV9:ネオノナン酸ビニルエステル
VV10:ネオデカン酸ビニルエステル
VBz:安息香酸ビニル
VAc:酢酸ビニル
EVE:エチルビニルエーテル
HBVE:4-ヒドロキシブチルビニルエーテル
HEVE:2-ヒドロキシエチルビニルエーテル
AA:アクリル酸
CA:クロトン酸

符号の説明

[0265]
1:太陽電池セル
2:封止材層
3:表面層
4:バックシート
5:水不透過性シート
6:本発明の組成物から形成された塗膜
7:他の塗膜

請求の範囲

[請求項1]
パーハロオレフィン単位、水酸基及び芳香環のいずれをも含まないビニルエステル単位及び水酸基含有モノマー単位を含み、
水酸基価が110mgKOH/g以上である
ことを特徴とする重合体。
[請求項2]
前記パーハロオレフィンは、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、及び、ヘキサフルオロプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載の重合体。
[請求項3]
前記ビニルエステルは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル及びシクロヘキシルカルボン酸ビニルからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1又は2記載の重合体。
[請求項4]
前記水酸基含有モノマーは、ヒドロキシアルキルビニルエーテルである請求項1、2又は3記載の重合体。
[請求項5]
重合体及びポリイソシアネート化合物を含み、
前記重合体は、パーハロオレフィン単位及び水酸基含有モノマー単位を含み、かつ、水酸基価が90mgKOH/g以上であり、
前記ポリイソシアネート化合物が有するイソシアネート基と前記重合体が有する水酸基との当量比が1.0未満である
ことを特徴とする組成物。
[請求項6]
前記パーハロオレフィンは、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、及び、ヘキサフルオロプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項5記載の組成物。
[請求項7]
前記水酸基含有モノマーは、ヒドロキシアルキルビニルエーテルである請求項5又は6記載の組成物。
[請求項8]
前記重合体は、更に、水酸基及び芳香環のいずれをも含まないビニルエステル単位及び水酸基を含まないアルキルビニルエーテル単位からなる群より選択される少なくとも1種の単位(b)を含む請求項5、6又は7記載の組成物。
[請求項9]
更に、溶媒を含む請求項5、6、7又は8記載の組成物。
[請求項10]
請求項1、2、3又は4記載の重合体を含むか、又は、請求項5、6、7、8又は9記載の組成物から形成されることを特徴とする塗膜。
[請求項11]
基材と、前記基材上に設けられており、ウレタン結合を含み、落砂摩耗性が80L以上である塗膜と、を含み、
前記塗膜について、JIS D0202-1988に準処して碁盤目テープ剥離試験を行った場合に、100マスのうち、剥離しないマス目の数が30以上である
ことを特徴とする積層体。
[請求項12]
請求項10記載の塗膜又は請求項11記載の積層体を備えることを特徴とするバックシート。
[請求項13]
請求項11記載の積層体又は請求項12記載のバックシートを備えることを特徴とする太陽電池モジュール。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]