Einige Inhalte dieser Anwendung sind momentan nicht verfügbar.
Wenn diese Situation weiterhin besteht, kontaktieren Sie uns bitte unterFeedback&Kontakt
1. (JP2596491) 有力なマクロファージ活性化因子へのヒトビタミンD結合蛋白のインビトロ酵素変換
Anmerkung: Text basiert auf automatischer optischer Zeichenerkennung (OCR). Verwenden Sie bitte aus rechtlichen Gründen die PDF-Version.
【発明の詳細な説明】
発明の技術分野
本発明は、マクロファージ活性化、特に有力なマクロファージ活性化因子のインビトロ生産に関するものである。
発明の背景
A.炎症反応はマクロファージの活性化をもたらす
種々の組織の微生物感染は炎症を引起こして、食細胞の走化性および活性化をもたらす。炎症した組織は、ホスホリパーゼAの活性化によりリゾホスホリピドを放出する。炎症した癌細胞はアルキル−リゾホスホリピドおよびアルキルグリセロール、並びにリゾホスホリピドを生成する。何故なら、癌細胞はアルキルホスホリビドとモノアルキルジアシルグリセロールとを含有するからである。これらリゾホスホリピドおよびアルキルグリセロール、すなわち炎症した正常組織および癌組織における膜脂質の分解生産物は有力なマクロファージ活性化剤である[ヤマモト等、キャンサー・リサーチ、第47巻、第2008頁(1987);ヤマモト等、キャンサー・イミュノロジカル・イミュノテラピー、第25巻、第185頁(1987);ヤマモト等、キャンサー・リサーチ、第24巻、第6044頁(1988)]。
ネズミに対するリゾホスホリピド(5〜20μg/ネズミ1匹)およびアルキルグリロセール(10〜100ng/ネズミ1匹)の投与はマクロファージを活性化させて、免疫グロブリンG−被覆ヒツジ赤血球を食作用(phagocytize)させる。マクロファージはそのリセプタを介して標的赤血球を食作用し、これらリセプタは免疫グロブリンGのFc部分を認識するが補体のC3b部分を認識しない[ヤマモト等、キャンサー・リサーチ、第47巻、第2008頁(1987)]。
リゾホスホリピドもしくはアルキルグリセロールのみでネズミ腹膜マクロファージをインビトロ処理しても摂取活性を増大させない[ヤマモト等、キャンサー・リサーチ、第48巻、第6044頁(1988)]。しかしながら、腹膜細胞(マクロファージとBおよびTリンパ球との混合物)をリゾホスホリピドもしくはアルキルグリセロールと共に2〜3時間にわたり培養すれば、マクロファージのFc−リセプタ媒介による食細胞活性を顕著に向上させる[ヤマモト等、キャンサー・リサーチ、第47巻、第2008頁(1987);ヤマモト等、キャンサー・リサーチ、第48巻、第6044頁(1988)]。
10%胎児牛血清を含有する培地にてマクロファージをリゾホスホリピド処理もしくはアルキルグリセロール処理のBおよびTリンパ球と共に培養すれば、マクロファージの食細胞活性を著しく向上させた[ヤマモト等、キャンサー・リサーチ、第48巻、第6044頁(1988)]。非付着性(BおよびT)リンパ球の間のマクロファージ活性化信号伝達を分析して、リゾホスホリピド処理もしくはアルキルグリセロール処理のB−細胞は信号化因子をT−細胞まで伝達しうることが明かとなった。次いでT−細胞はこの因子を改変して、摂取能力につきマクロファージを最終的に刺激しうる新たな因子を生成する[ヤマモト等、キャンサー・リサーチ、第48巻、第6044(1988)]。
B. ヒトビタミンD結合性蛋白
「群特異性成分」もしくは「Gc蛋白」としても知られるヒトビタミンD結合性蛋白は、進化論的に保守された糖蛋白である。これは遺伝子的に多形性の血漿蛋白であって、約52,000の相対的分子量を有し、一般に人間における血漿蛋白の約0.5%を占める。血漿濃度は一般に約260μg/mlである。Gc蛋白の多形性はゲル電気泳動分析によって示すことができ、2種の主たる表現型:Gc1およびGc2を示す[ヒルシフェルド等、ネイチャー、第185巻、第931頁(1960)]。Gc1およびGc2遺伝子の全ヌクレオチドコード化配列、並びに予想アミノ酸配列が報告されている[クック等、ジャーナル・クリニカル・インベスチゲーション、第76巻、第2420頁(1985);ヤング等、プロシーディング・ナショナル・アカデミー・サイエンス・USA、第82巻、第7994頁(1985)]。Gc1はさらにGc1fおよびGc1sサブタイプに分割されて2つのバンド、すなわち「急速」および「低速」バンドとして電気泳動により移動する[スバスチ等、バイオケミストリー、第18巻、第1611頁(1979)]。
クーペンハーバー等、アーカイブズ・バイオケミストリー・バイオフィジークス、第226巻、第218〜223頁(1983)]は、翻訳後のグリコシル化の差がスレオニン残基で生じ、Gc1とGc2との間にアミノ酸の相違を有した蛋白の領域に出現することを報告している。Gc1のCNBr断片はN−アセチルガラクトサミンを含有することが判明したが、用いた方法および基準により相同Gc2 CNBr断片には検出可能なガラクトサミンが報告されなかった。さらにGc1 CNBr断片は、Gc2の相同領域には見つからないシアル酸を含有した。
ビオー等、バイオケミカル・バイオフィジークス・リサーチ・コミューニケーション、第117巻、第324〜331頁(1983)]はGc1のO−グルコシド結合したグリカンにつき推定構造を報告しており、これはセリンもしくはスレオニン残基に結合したシアル酸とガラクトースとN−アセチルガラクトサミンとの線状配置を有する。
Gc蛋白は、文献に報告されている各種の手段により精製することができる。たとえばGc蛋白は、米国赤十字社の廃(retired)血液から25−ヒドロキシ−ビタミンD 3−セファロース(登録商標)親和性クロマトグラフィーにより精製することができる[リンク等、アナリチカル・バイオケミストリー、第157巻、第262頁(1986)]。さらにGc蛋白は、アクチンに対するその特異的結合能力に基づきアクチン−アガロース親和性クロマトグラフィーにより精製することもできる[ハダド等、バイオケミカル・ジャーナル・第218巻、第805頁(1984)]。
ヒトビタミンD結合性蛋白の特性化および集中的な研究、並びにその容易な精製方法の存在にも拘らず、この蛋白から有力なマクロファージ活性化因子への酵素変換は本発明に到るまで示されていない。
発明の要点
有力なマクロファージ活性化因子の生産方法が提供される。ヒトビタミンD結合性蛋白はヒト血清における群特異性成分と同一であって、マクロファージ活性化因子の先駆体である。群特異性成分は、BおよびT細胞のグリコシダーゼの作用によりこの因子まで変換される。
マクロファージ活性化因子の作成方法によれば、群特異性成分を(i)β−ガラクトシダーゼ、または(ii)シアリダーゼ、α−マンノシダーゼもしくはその混合物と組合せたβ−ガラクトシダーゼとインビトロで接触させる。有力なマクロファージ活性化因子が多量に得られる。
本発明の1具体例によれば、表現型Gc1、サブタイプGc1fの群特異性成分をβ−ガラクトシダーゼおよびシアリダーゼと接触させてマクロファージ活性化因子を生成させる。他の具体例によれば、表現型Gc1、サブタイプGc1sの群特異性成分をβ−ガラクトシダーゼおよびα−マンノシダーゼと接触させる。好ましくは表現型Gc1、サブタイプGc1sの群特異性成分をβ−ガラクトシダーゼおよびα−マンノシダーゼだけでなくシアリダーゼとも接触させて、α−マンノースの代りにシアル酸を含有するGc1s変異体(以下、Gc1s *と称する)の変換を確保する。Gc1s *はGc1fと同様に、マクロファージ活性化因子まで変換するにはβ−ガラクトシダーゼおよびシアリダーゼでの処理を必要とする。同様に表現型Gc1、サブタイプGc1fの群特異性成分はβ−ガラクトシダーゼおよびシアリダーゼだけでなくα−マンノシダーゼとも接触させて、シアル酸の代わりにα−マンノースを含有するGc1f変異体(以下、Gc1f *と称する)の変換を確保する。Gc1f *とはGc1sと同様に、マクロファージ活性化因子まで変換するにはβ−ガラクトシダーゼおよびα−マンノシダーゼでの処理を必要とする。さらに他の具体例においては、表現型Gc2の群特異性成分をβ−ガラクトシダーゼのみと接触させてマクロファージ活性化因子を生成させる。好ましくはマクロファージ活性化因子は、Gc1f(Gc1f *)とGc1s(Gc1s *)とGc2との混合物からなる保存された群特異性成分を3種全ての酵素と接触させてマクロファージ活性化因子を得ることにより作成される。
さらに本発明は、上記方法またはその任意の実施態様にしたがって作成されるマクロファージ活性化因子、並びに医薬上許容しうるキャリヤと組合せたマクロファージ活性化因子からなる組成物にも関するものである。
さらに本発明は、マクロファージ活性化を必要とする個人に対しマクロファージ活性化上有効量の新規なマクロファージ活性化因子を投与することによりマクロファージ活性化を誘発する方法にも関するものである。
ここで用いる「群特異性成分」もしくは「Gc蛋白」という用語は、「ビタミンD結合性蛋白」としても知られる遺伝子的に多形性の糖蛋白を意味し、たとえばGc2、Gc1、並びにたとえばGc1f、Gc1s、Gc1f *およびGc1s *のようなサブタイプなど全ての遺伝子変異体を包含する。単数の表現「群特異性成分」もしくは「Gc蛋白」はしたがって、特記しない限りこれら全ての変異体を包含すると理解される。
「マクロファージ活性化」という用語は、増大した食細胞活性レベルまでマクロファージを刺激することを意味する。
図面の説明
第1A〜1B図および第2A〜2B図はヒト群特異性成分、すなわちそれぞれ表現型Gc1およびGc2の報告されたアミノ酸配列を示す。Gc1配列は第1A図に始まり、第1B図まで続く。Gc2配列は第2A図で始まり、第2B図まで続く。位置152、311、416および420における下線を施したアミノ酸残基は2種の蛋白の間で相違する。
発明の詳細な説明
ヒト群特異性成分として同定されている血清因子は、BおよびT細胞グリコシダーゼの作用によりマクロファージ活性化因子まで変換される。ヒト群特異性成分はこれに結合した特定オリゴ糖成分を有するポリペプチドとして存在し、これら成分の幾つかは容易に入手しうるグリコシダーゼでの処理により容易に除去することができる。これらグリコシダーゼは、Gc蛋白に対するBおよびT細胞の機能と同等である。特異性グリコシダーゼでの作用に際し、群特異性成分は予想外に極めて有力なマクロファージ活性化因子まで変換される。したがって、Gc蛋白からマクロファージ活性化因子への効率的変換は、B−およびT−細胞の不存在下にインビトロで達成される。Gc蛋白の酵素処理により生成された新規なマクロファージ活性化因子は実質的に純粋であり、微量(500pg/体重kg)でさえ宿主に投与すれば極めて増大した食作用マクロファージ活性を示すような高い能力を有する。新規な因子の酵素的発生はマクロファージ活性化にB−およびT−細胞の作用を必要としないので、特に免疫不全症、癌または他のB−もしくはT−細胞機能の阻害を特徴とする他の免疫欠陥症に罹患した個人にマクロファージ活性化を誘発させる治療剤としての用途を有する。
γ−インタフェロンとしても知られるT−細胞リンホキンマクロファージ活性化因子はリンホキン生産性T−細胞により少量で生成され、或いは遺伝子工学によって得られる。他方、本発明の新規なマクロファージ活性化因子はGc蛋白から容易に得ることができ、この蛋白は公知の精製法に従い廃ヒト血液の血漿から多量に精製することができる。
ヒトGc蛋白表現型Gc1およびGc2、並びにGc1サブタイプGc1fおよびGc1sは、特にGc分子のポリペプチド部分に結合したオリゴ糖における差として現される。本発明の新規なマクロファージ活性化因子は、β−ガラクトシダーゼとシアリダーゼとの組合せ或いはβ−ガラクトシダーゼとα−マンノシダーゼとの組合せと共にそれぞれ培養してGc1fもしくはGc1s蛋白から効率的に産生させることができる。Gc1sが少なくとも部分的に、α−マンノースの代りにシアル酸(N−アセチル−D−ノイラミン酸、すなわち「NeuNAc」)を含有するGc1s変異体Gc1s *からなる場合、Gc1s/Gc1s *混合物を処理すべく用いられる酵素の混合物は有利にはシアリダーゼをも含む。同様にGc1fが少なくとも部分的に、シアル酸の代りにα−マンノースを含有するGc1f変異体Gc1f *からなる場合、酵素の混合物は有利にはβ−ガラクトシダーゼおよびシアリダーゼだけでなくα−マンノシダーゼをも含有する。β−ガラクトシダーゼ単独によるGc2蛋白の処理はマクロファージ活性化因子を効率的に生成する。市販酵素の作用によるGc蛋白からマクロファージ活性化因子へのインビトロ変換は極めて効率的であって、極めて高いマクロファージ活性化因子の活性が得られる。
遺伝子多形性に基づき、保存廃ヒト血液から得られるGc蛋白は恐らく3種全ての主たるGc型を含有する。したがって、Gc蛋白の混合物からマクロファージ活性化因子への完全変換は、酵素混合物としての3種全ての酵素での処理により最も容易に達成することができる。
Gc1およびGc2表現型の分子は文献に報告されたように位置152、311、416および420における4種のミノ酸が相違すると思われ、第1A〜1B図(Gc1)および第2A〜2B図(Gc2)で示される。その相違点は次の通りである:
152 311 416 420
Gc1 G1u Arg G1u Thr
Gc2 G1y Glu Asp Lys
3種全ての主たるGc型、すなわちGc1s、Gc1fおよびGc2は、付着したオリゴ糖の種類にて相違するが、殆どのGc2分子はグリコシル化されていないと思われる。グリコシル化型のGc2のみが、ここに説明する方法によるマクロファージ活性化因子の先駆体である。Gc1f、Gc1sおよびGc2の各分子をガラクトース特異性レクチンビーズと共に培養(混合反応)すれば3種全てのマクロファージ活性剤の先駆体型を吸収する。したがって、3種の主たるヒトGc型のそれぞれにおける外側オリゴ糖部分はガラクトースであると思われる。
β−ガラクトシダーゼ単独で処理されたGc2蛋白はマクロファージを効率的に活性化する。したがって、分子がそのグリコシル化型で存在する程度までGc2蛋白からガラクトースを除去すれば、マクロファージ活性化因子が生成する。他方、Gc1蛋白をマクロファージ活性化因子まで変換するには2種のグリコシダーゼが必要とされる。Gc1fからマクロファージ活性化因子への変換は、β−ガラクトシダーゼとシアリダーゼとの組合せ(またはGc1f *の場合にはβ−ガラクトシダーゼとα−マンノシダーゼとの組合せ)と共に培養することを必要とする。Gc1sの変換はβ−ガラクトシダーゼとα−マンノシダーゼ(またはGc1s *の場合にはβ−ガラクトシダーゼとシアリダーゼ)を必要とする。
Gc1蛋白のオリゴ糖部分における最内部の糖はN−アセチルガラクトサミンである[コッペンハーバー等、アーキテクチャー・バイオケミカル・バイオフィジークス、第226巻、第218〜223頁(1983)]。エンド−N−アセチルグルコサミニダーゼによるGc1蛋白の処理はN−アセチルガラクトサミンの開裂を生ぜしめて、マクロファージ活性化因子まで変換しえない分子をもたらす。
Gc蛋白表現型およびサブタイプは、分子における蛋白部分のアミノ酸残基に結合した次のオリゴ等構造を有する糖蛋白として特性化されると思われる:
特定の理論に拘束されるものでないが、上記グリコシル化は、アミノ酸位置420にて生ずるスレオニン残基を介し(Gc1表現型)または近隣のアミノ酸位置418で生ずるスレオニン残基を介し(Gc2表現型)、Gc糖蛋白の特定蛋白部分で生じてO−グリコシド結合Ga1NAcα(1→0)−Thrを形成すると思われる。したがって特定の理論に拘束されるものでないが、新規なマクロファージ活性化因子は、ヒト群特異性成分のアミノ酸配列とアミノ酸残基(スレオニン420および/または418)に結合した末端N−アセチルガラクトサミン基とを実質的に有する実質的に純粋型の蛋白質からなる。
さらに特定の理論に拘束されるものでないが、Gcタイプ1fおよび1s *は同じオリゴ糖部分を有するがアミノ酸配列にて相違すると思われる。まだ未知のアミノ酸配列の変化部位は、アミノ酸位置420の近くに存在すると推定される。同様に、Gcタイプ1sおよび1f *も同じオリゴ糖部分を有するが、アミノ酸配列にて相違すると思われる。
本発明の方法に使用するための高純度のヒトGc蛋白は、リンク等の方法[アナリチカル・バイオケミストリー、第157巻、第262頁(1986)、その全開示を参考のためここに引用する]にしたがい廃血液から25−ヒドロキシビタミンD 3−セファロース(登録商標)親和性クロマトグラフィーにより最も容易に作成される。さらにGc蛋白は、ハダド等の方法[バイオケミカル・ジャーナル、第218巻、第805頁(1984)]にしたがいアクチン−アガロース親和性クロマトグラフィーにより精製することもでき、これはアクチンに対するGc蛋白の結合特異性を利用する。ハダド等の全開示を参考のためここに引用する。Gc蛋白を高純度で得る他の方法は文献に報告されている。
本発明の実施に用いられるグリコシダーゼは周知されかつ市販されている。β−ガラクトシダーゼ(β−D−ガラクトシダーゼガラクトヒドロラーゼ、EC3.2.1.23)は大腸菌(Escherichia coli)から得られる。β−ガラクトシダーゼはたとえばベーリンガー・マンハイム・バイオケミカルス社、インジアナポリス、インジアナ州からカタログNo.634395号として入手できる。
α−マンノシダーゼ(α−D−マンノシドマンノヒドロラーゼ、EC3.2.1.24)はタチナタマメ(Canavalia ensiformis)から得られる。これはたとえばベーリンガー・マンハイム・バイオケミカルス社からカタログNo.269611として入手できる。
「ノイラミニナーゼ」としても知られるシアリダーゼ(アシルノイラミニルヒドロラーゼ、EC3.2.1.18)はクロストリジウム・ペルフリンゲンス(C1ostridium perfringens)、ビブリオ・コレラエ(Vibrio cholerae)またはアースロバクター・ウレアファシエンス(Arthrobacter ureafaciens)から得られる。これら3種の全てのシアリダーゼはベーリンガー・マンハイム・バイオケミカルス社からカタログNo.107590、1080725および269611として入手できる。
Gc蛋白は、加水分解上有効量の1種もしくはそれ以上の上記グリコシダーゼとの接触によりマクロファージ活性化因子まで容易に変換される。Gc蛋白からマクロファージ活性化因子への実質的に完全な変換を達成するのに充分な量の酵素を用いることができる。約0.1単位(1単位は1μモルの基質を1分間で触媒する酵素の量である)の各酵素をGc蛋白2.6μg当りに使用すればこの目的に充分である。好ましくは、糖蛋白をマクロファージ活性化因子まで変換するのに実際に必要とされる量より過剰の酵素を用いて完全変換を確保する。
Gc蛋白と酵素とを、たとえば燐酸塩緩衝液または酢酸塩緩衝液にて接触させることができる。燐酸塩緩衝液が好適である(pH5.5)。酵素反応を行なうべく糖業者に知られた他の培地を用いることもできる。
反応は、酵素反応を行なうのに適した任意の温度で行なうことができる。典型的には温度は25〜37℃の範囲とすることができ、約37℃が好適である。基質と酵素とを反応媒体中でGc蛋白からマクロファージ活性化因子への実質的変換が達成されるまで培養する。用いる実際の培養時間はたとえば反応体の濃度、反応温度などの諸因子に依存しうると思われるが、37℃にて約30分間の反応時間にて一般にGc蛋白からマクロファージ活性化因子への完全変換を得るのに充分である。
Gc蛋白からマクロファージ活性化因子への変換は、酵素反応に適する任意の容器で行なうことができる。シアリダーゼは不溶性型(たとえばビーズ化したアガローズ(シグマ・ケミカル・カンパニー社、カタログNo.N−4483)に付着)にて使用し、同様な分子量のシアリダーゼ断片による得られたマクロファージ活性化因子の汚染を回避するのが好適である。マクロファージ活性化因子は、適する酵素を液体培地中でGc蛋白に添加し、次いで液体を濾過してマクロファージ活性化因子を回収することにより製造することができる。たとえば酵素−Gc蛋白の反応混合物を無菌の100 kDa切断フィルタ(たとえばアミコンYM100)に通過させて、固定化シアリダーゼ、β−ガラクトシダーゼ(MW=540 kDa)およびα−マンノシダーゼ(MW=190 kDa)を除去することができる。濾液は実質的に純粋な高活性のマクロファージ活性化因子を含有する。
多量のGc蛋白からマクロファージ活性化因子への変換を所望する場合は、最も有利には全酵素を固相に含有させる。β−ガラクトシダーゼおよびシアリダーゼもしくはα−マンノシダーゼ、最も好ましくは3種全ての酵素の混合物を、たとえばシアン ブロマイドのような適するカップリング剤によりたとえばアガロースビーズに固定する。酵素を固体支持体に付着させる方法は当業者に知られている。固定化酵素との培養(混合反応)によるGc蛋白からマクロファージ活性化因子への変換が好適である。何故なら、その後に酵素混合物からマクロファージ活性化因子を分離する工程が省略されるからである。
固定化酵素または液相酵素のいずれを用いるかに拘らず、生成混合物を限外フィルタ(好ましくは約0.45μ以下の孔径を有するフィルタ)に通過させてマクロファージ活性化因子の無菌調製物を得ることが望ましい。
特定の理論に拘束されるものでないが、B−細胞はβ−ガラクトシダーゼに対応する機能を有し、さらにT−細胞はシアリダーゼおよびα−マンノシダーゼに対応する機能を有すると思われる。
Gc蛋白は、正規配列でBおよびTリンパ球の膜酵素によりインビボ改変されてマクロファージ活性化因子を生成すると思われる。
その増大した食細胞活性を特徴とするマクロファージ活性化は、宿主免疫防御メカニズムにおける主たる第1段階である。マクロファージ活性化はBおよびTリンパ球機能を必要とし、この機能は新規なマクロファージ活性化因子を生成するよう段階的にGc蛋白を改変する。Gc蛋白からマクロファージ活性化因子への本発明によるインビトロ変換に用いるグリコシダーゼはマクロファージ活性化因子の産生に必要とされるB−およびT−細胞機能に対応するので、マクロファージ活性化因子のインビトロ酵素発生はB−およびT−細胞の機能を必要としない。すなわち、インビトロの酵素発生マクロファージ活性化因子を免疫不全症、癌および罹患した患者の免疫欠陥症を特徴とする他の症状の治療に使用することができる。さらに、ここに説明したインビトロ発生のマクロファージ活性化因子はヒト由来であるため、たとえば免疫原性のような副作用が最小であると思われる。
マクロファージ活性化因子の投与から生じうる免疫学的反応を最小化させるには、表現型Gc1の個人にGc1由来のマクロファージ活性化因子のみを与えるのが好適である。同様にGc2型の個人における免疫学的反応の危険は、Gc2由来のマクロファージ活性化因子のみを投与して最小化される。
さらに新規なマクロファージ活性化因子は、B−もしくはT−細胞機能の破壊もしくは喪失を特徴とする病状の処置にも有用であると思われる。これら病状はマクロファージ活性化の欠損を特徴とする。本発明による外来マクロファージ活性化因子の添加は、完全B−もしくはT−細胞機能の不存在下でさえマクロファージ活性の復活をもたらす。
マクロファージ活性化因子は、単独で或いは他の治療と組合せてマクロファージ活性化を誘発させるべく個人に投与することができる。投与するマクロファージ活性化因子の量はたとえば薬剤の効力、求めるマクロファージ活性化の接続時間および程度、患者の体格および体重、病気の種類など種々の因子に依存する。一般に、患者の体重1kg当り約0.5ng程度に少ない因子の投与で実質的なマクロファージ活性化が生ずる。1つの処置によれば、ヒト患者は3〜5日毎に約30〜35ng程度に少ないマクロファージ活性化因子を摂取して、マクロファージ活性化の有意なレベルを維持する。
マクロファージ活性化因子は、実質的なマクロファージ活性化を誘発させるのに充分な量の因子を循環させるよう供給する便利な手段によって投与することができる。たとえば、静脈注射または筋肉注射により供給することができる。静脈内投与が投与経路として現在好適である。
マクロファージ活性化因子は、医薬上許容しうるキャリヤ(特に蛋白質薬品の供給に適するようなキャリヤ)に混入することができる。因子は水または塩水溶液に可溶性である。したがって、薬理学的用途に好適な処方は、この薬剤の塩水溶液で構成される。処方物は必要に応じ他の薬剤、たとえば浸透圧バランスを維持するアジュバントを含有することもできる。たとえば、注射用の典型的キャリヤは0.9%のNaClの水溶液もしくは燐酸塩緩衝塩水(0.01Mの燐酸ナトリウムを含有する0.9%のNaCl水溶液、=pH7.0)で構成することができる。
以下、限定はしないが実施例により本発明を説明する。
実施例1
A.Gc蛋白からマクロファージ活性化因子への変換
0.01Mの燐酸ナトリウムと0.9%のNaClと1mMのMgSO 4とを含有する1mlの燐酸塩緩衝塩水(PBS−Mg)におけるGc蛋白(2.6μg;Gc1もしくはGc2)を、0.1Uの次の酵素または酵素組合物を含有する2μlのPBS−Mgで処理した。
Gc1f/Gc1s *の変換:シアリダーゼ(ベーリンガー・マンハイム・バイオケミカルス社、カタログNo.107590)およびβ−ガラクトシダーゼ(ベーリンガー社、カタログNo.634395);
Gc1sの変換:α−マンノシダーゼ(ベーリンガー社、カタログNo.107379)およびβ−ガラクトシダーゼ;
Gc2の変換:β−ガラクトシダーゼのみ。
各酵素−Gc蛋白の混合物を微小遠沈管にて37℃で30分間にわたり培養した。次いで、処理されたGc蛋白を含有する反応混合物を次の分析のため0.1%の卵アルブミン(EA)培地にて10 -4、10 -5もしくは10 -6に希釈した。
B.マクロファージ活性化因子のインビトロ分析
1.マクロファージ組織培養物の作成
0.01Mの燐酸ナトリウムと0.9%のNaClと5単位/mlのヘパリンとを含有する5mlの燐酸塩緩衝塩水をBALB/cネズミの腹腔に注射することにより、腹膜細胞を集めた。腹膜細胞を剔出し、低速遠心分離により洗浄すると共に、0.1%卵アルブミン(EA)培地を補充した組織培養培地RPMI 1640に1〜2×10 6細胞/mlの濃度で懸濁させた。1mlの細胞懸濁物を、組織培養プレート(コスター社、ケンブリッジ、マサチューセッツ州)の直径16mmの穴に置かれた12mmのカバーグラスに載せた。これらプレートを5%CO 2培養器にて37℃で30分間培養して、カバーグラスに対しマクロファージを付着させた。カバーグラスを外し、RPMI培地中で緩和に攪拌して浸漬させることにより非付着性のB−およびT−細胞を脱着させ、EA−培地を含有する新たな組織培養穴に入れた。
2.ヒツジ赤血球/ウサギ抗赤血球IgG結合体の作成
洗浄されたヒツジ赤血球を、ウサギ抗ヒツジ赤血球抗体の精製IgGフラクションの亜凝集希釈物で被覆した。RPMI 1640培地におけるウサギIgG被覆ヒツジ赤血球の0.5%懸濁物を次の食作用分析に用いるため作成した。
3.食作用分析
上記Aからの1mlの希釈反応混合物を上記B.1からのマクロファージ被覆カバーグラスに載せ、5%CO 2培養器にて37℃で2時間培養した。次いで培地を除去し、0.5mlの0.5%赤血球−IgG結合体懸濁物をマクロファージ被覆カバーグラスに添加し、37℃にて1時間培養した。次いでカバーグラスを低張性溶液(水における1/5希釈の燐酸塩緩衝塩水)で洗浄して、未摂取の赤血球を溶解させた。摂取された赤血球を有するマクロファージを計数した。マクロファージ1個当りに摂取された赤血球の平均個数も測定した。マクロファージ食作用活性を、「摂取指数(Ingestion index)」(赤血球を摂取したマクロファージの比率×マクロファージ1個当りに摂取された赤血球の平均数)として計算した。データを第1表(Gc1)および第2表(Gc2)に示す。
実施例2
A.固定化酵素によるGc蛋白からマクロファージ活性化因子への変換
1.固定化酵素の作成
100mgのCNBr−活性化アガロース(セファロース(登録商標)4B)を1mMのHClで洗浄し、次いでNaHCO 3緩衝液(0.1M、pH8.3)およびNaCl(0.5M)を含有するカップリング緩衝液(300μl)に懸濁させた。β−ガラクトシダーゼとα−マンノシダーゼとシアリダーゼ(各酵素2U)を600μlのカップリング緩衝液に混入し、室温で2時間にわたり転動ミキサで培養した。アガロースにおける残留活性基を、室温での2時間にわたるカップリング緩衝液中における0.2Mグリシンとの培養により封鎖した。アガロース−固定化酵素をカップリング緩衝液で洗浄して未吸収の蛋白およびグリシンを除去し、次いでNaCl(0.5M)を含有する酢酸塩緩衝液(0.1M、pH4)と追加のカップリング緩衝液とで洗浄した。アガロース−固定化酵素の調製物を4℃で貯蔵した。
2.Gc蛋白からマクロファージ活性化因子への変換
1mlのPBS−Mg(pH5.5)におけるGc蛋白(2.6μg;Gc1、Gc2もしくはその混合物)を上記で作成されたアガロース−固定化酵素(各酵素2単位)の混合物と1mlのPBS−Mg(pH5.5)にて合した。この反応混合物を5mlのプラスチックチューブにて37℃で30分間にわたり転動ミキサーで培養(混合反応)した。次いで反応混合物を卓上遠心分離器で2,000rpmにて15分間にわたり遠心分離した。各反応混合物の上澄液を集め、滅菌された孔径0.45μのフィルタ[タイプHA、ミリポア・カンパニー社、ベッドフォード、マサチューセッツ州]で濾過して希釈した。
B.マクロファージ活性化因子のインビボ分析
酵素改変されたGc蛋白(40、10、4および1pg試料)を体重20gまでのBALB/cネズミに筋肉内投与した。投与してから18時間後、腹膜細胞を集めて組織培養プレートの16mm穴における12mmのカバーグラスに載せた。これらプレートを37℃で30分間培養してマクロファージを付着させた。カバーグラスをRPMI 1640培地で洗浄して非付着性細胞を脱着させ、次いで新たな穴に入れた。実施例1B.2で作成したウサギIgG−被覆ヒツジ赤血球をこのカバーグラスに載せ、食作用分析を実施例1B.3におけると同様に行なった。結果を第3表に示す。
発明の思想およびその本質的特徴から逸脱することなく本発明を他の態様で実施することもでき、したがって本発明の範囲を示すには上記の説明だけでなく請求の範囲を参照すべきである。