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1. JP1996073209 - ケイ素の精製方法

Anmerkung: Text basiert auf automatischer optischer Zeichenerkennung (OCR). Verwenden Sie bitte aus rechtlichen Gründen die PDF-Version.

[ JA ]
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冶金学的グレードのケイ素(metallurgical grade silicon)の精製方法、特に太陽電池製造用のケイ素を提供するための冶金学的グレードのケイ素の精製方法に関するものである。さらに詳しくは、本発明はスラグ(slag)処理によって溶融ケイ素から不純物を除去することからなるケイ素の精製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】多数の用途において、多数の元素に関して極めて低い不純物濃度(level)をもつケイ素が要求される。すなわち、太陽電池用のケイ素については硼素含有量が0.4ppmwよりも低く且つリン含有量が0.7ppmwよりも低いケイ素が要求される。
【0003】要求される低含有量で不純物を有する太陽電池用ケイ素を得ることを目的として、多数の精製方法及び複数の方法の組合わせがこれまでに提案されている。すなわち、1991年4月8日〜12日にポルトガルのリスボンで開催された第10回欧州光起電太陽エネルギー会議(the 10th European photovoltaic solar energyconference in Lisbon)で発表された鈴木と佐野による刊行物“溶融ケイ素のフラックス処理によって冶金学的ケイ素から硼素を除去するための熱力学(Thermodynamics for removal of boron from metallurgical silicon by flux treatment of molten silicon)”において、フラックス又はスラグ処理による硼素の除去が研究されている。次のスラグ系、CaO-SiO 2 、CaO-MgO-SiO 2 、CaO-BaO-SiO 2及びCaO-CaF 2-SiO 2 を用いてケイ素を処理すると、スラグ系CaO-BaO-SiO 2 を使用した場合には硼素の最大分配係数〔これはスラグ中の硼素濃度(ppmw)とケイ素中の硼素濃度(ppmw)との間の比として定義される〕約2.0が得られることが認められた。また、前記の硼素分配係数は、スラグの塩基度が増大すると共に増大し、最大値に達し、次いで低下することが認められた。鈴木と佐野によって行われた実験は、グラファイト製るつぼにケイ素10 gとスラグ10 gとを入れ、この混合物を溶融し、次いで該混合物を2時間溶融状態に保つことによって行われた。スラグと溶融ケイ素との間の硼素の分配係数が小さいことは、多量のスラグを使用しなければならないことを意味し、また硼素含有量を冶金学的ケイ素の標準的な硼素含有量である20〜100 ppmから太陽電池用ケイ素に要求される硼素含有量である1ppm未満にまで下げるためには前記スラグ処理を多数回反復しなければならないことを意味する。従って、鈴木と佐野の論文に記載された方法は、極めて費用がかかるものでありしかも極めて時間を消費するものである。
【0004】ノールウェー特許出願第901150号明細書には、スラグ処理によって冶金学的グレードのケイ素から硼素を除去する方法であって塩素含有化合物からなるスラグを用いて溶融ケイ素を処理する方法が記載されている。CaO-SiO 2-CaCl 2 含有スラグを使用するのが好ましい。上記スラグは溶融ケイ素に添加され、加熱され、その後に除去される。この方法によれば、ケイ素に対するスラグの重量比 0.5〜0.8を使用することによって硼素含有量が約15 ppmから約5ppmまで下げられる。前記のスラグ処理法において、スラグの全量が溶融ケイ素との接触状態に比較的長時間保たれる。
【0005】前記の硼素分配係数すなわちL B =2は、前記のスラグ抽出法がケイ素から多量の硼素を除去するための効率的な手段であるということを示していない。該スラグ抽出法の効率はいくつかの単純化された理論的な独立変数(arguments)によって評価し得る。いくつかの記号(符号)が下記のように定義される。
[B] o − 投入される(ingoing)ケイ素の硼素含有量(ppmw)
(B) o − 投入されるスラグの硼素含有量(ppmw)
[B] p − 取り出される(outgoing)ケイ素の硼素含有量(ppmw)
(B) p − 取り出されるスラグの硼素含有量(ppmw)
A − ケイ素合金の量(質量単位、例えばkg)
S − スラグの量(質量単位、例えばkg)
【0006】M A とM S は反応中は一定であると仮定する。このことは系内の硼素の全含有量が低い場合には良好な近似であり、しかも2つの相の間の物質の交換は系の全体量に比べて小さい。交換されるべき量が多い場合には、状況はより一層複雑であるが、同様の算出が可能である。実際の反応は、平衡方向に向かって進行するが、決して平衡に達することはない。このためには下記の1〜3、すなわち
1. 硼素の分配係数、L B が一定であること
2. スラグとケイ素の間の平衡の確立は界面で迅速であり、平衡全体からの逸脱が前記の2つの相内の硼素の移動によるものであること
3. 投入合金とスラグ材料とが唯一の硼素供給源であり、硼素が系から失われることがないこと
が仮定される。
【0007】スラグを除去する前にスラグ全部を添加ししかもスラグと溶融ケイ素との間に長い接触時間が存在する前記の方法においては、スラグをケイ素から除去する時点の平衡においてスラグとケイ素はせいぜい(at best)均質であろう。
【0008】スラグとケイ素との間で平衡が得られる前記のスラグ処理法に関する硼素精製の可能性は、下記の通りに算出し得る。
この式を下記の式:
と組合わせ、整理することによって、取り出される(outgoing)ケイ素の硼素含有量は
として算出し得る。
【0009】この式はスラグ処理したケイ素の硼素含有量を、冶金学的ケイ素の単位当りのスラグ消費量の関数として与える。スラグ材料の不純物含有量は、ケイ素について得ることができる純度の限界を設定し、この限界は下記の通りである。
【0010】スラグとケイ素とを平衡に至らしめるスラグ処理法実施中の硼素含有量の変化を図1に示す。図1から、最初に硼素を約10 ppmw含有しているケイ素において約1ppmwの硼素含有量を得るためには、ケイ素に対するスラグの比を3よりもかなり上で使用することが必要であることが認め得る。すなわち、慣用のスラグ抽出法を使用する場合には、1ppmwよりも低い硼素含有量を得るためには大量のスラグを使用しなければならない。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、ケイ素から不純物、特に硼素を除去するためのスラグ処理によるケイ素の精製方法であって、従来法に比べて高められた精製効率を得ることを可能にする方法を提供することにある。
【0012】従って、本発明は容器に入れた溶融ケイ素を溶融ケイ素から硼素及び/又は他の不純物を取り除く能力をもつスラグで処理することによって溶融ケイ素から不純物を除去するケイ素の精製方法に関する。該方法は溶融ケイ素に対してスラグを連続的に又は実質的に連続的に添加すること及び除去すべき1種又は複数の不純物元素について該スラグと溶融ケイ素との間で平衡が達成されるや否や連続的に又は実質的に連続的に前記スラグを不活性化させるか又は溶融ケイ素から除去することを特徴とする。
【0013】本発明の一つの態様によれば、スラグの密度を増大させる1種又はそれ以上の成分をスラグに添加することによってスラグを不活性化させて、該スラグ処理を行う容器の底の上に沈降するスラグを得る。スラグの密度を増大させるための成分としては、バリウム化合物及び/又はストロンチウム化合物を使用するのが好ましい。
【0014】前記のスラグ処理を行う容器の底のスラグ相として沈降するスラグをさらに不活性化させるためには、容器の下部に配置した適当な冷却装置を用いて該スラグ相の温度を低下させる。すなわち、前記の容器の下部には冷却液を循環させるための冷却管を取り付け得る。
【0015】本発明の別の態様によれば、溶融ケイ素よりも高い密度をもつスラグが溶融ケイ素浴の上部に連続的に又は実質的に連続的に添加され、次いでスラグ処理を行う容器の底部から該スラグが連続的に又は実質的に連続的に取り出される。
【0016】さらに別の態様によれば、溶融ケイ素よりも低い密度をもつスラグが溶融ケイ素に溶融ケイ素を入れた容器の底部又は下部から連続的に又は実質的に連続的に供給され、それによって該スラグは溶融ケイ素の上部に上昇し、そこで該スラグが容器から連続的に又は実質的に連続的に除去される。ケイ素よりも低い密度をもつスラグの具体例はNa 2O-SiO 2 を基材としたスラグである。
【0017】本発明の方法の別の態様によれば、前記スラグ処理はスラグとケイ素の向流を用いて行われる。スラグとケイ素の向流は1個の容器中で連続的に行われるか、又は別法として2個又はそれ以上の容器を介して溶融ケイ素と溶融スラグを向流で移動させることによって2個又はそれ以上の容器中で行い得る。このようにして、ケイ素からスラグに抽出すべき不純物を最も低い含有量で有するスラグを、これら不純物を最も低い含有量で有するケイ素と接触させる。このようにしてスラグの消費量がさらに低減される。
【0018】スラグの全体量をケイ素との平衡にまでもっていく方法と比べて、本発明の方法によってスラグ消費量が著しく低減できることが認められた。
【0019】本発明の方法では、ケイ素を精製するために使用される慣用のスラグ組成物を使用し得る。好ましいスラグはCaO-SiO 2 からなるものであるが、別の公知のスラグも使用できる。
【0020】本発明の方法に従ってスラグを連続的に又は実質的に連続的に添加し、次いで連続的に又は実質的に連続的に不活性化させるか又は溶融ケイ素から取り除く場合には、ケイ素に添加される少量のスラグの物質収支、dMs は下記の式の通りである。
【0021】この式を硼素の分配係数L B に関する式と一緒にし、適当な境界条件を用いて解くと、取り出されるケイ素の硼素含有量は下記の式:
として算出し得ることが認められる。
【0022】スラグ材料の不純物含有量は、処理したケイ素について得ることができる純度に関して、スラグとケイ素の間の平衡を用いる従来法によって得ることができる純度と同じ限度に設定する。しかしながら、図1から認め得るように、スラグ処理中の溶融ケイ素中の硼素含有量の変化は、従来法を用いた場合よりも本発明の方法を用いた場合のほうがはるかに早い。すなわち、図1から、10〜50 ppmwの硼素含有量をもつケイ素を、ケイ素に対するスラグの重量比として3よりも小さい重量比を用いて処理することによって約0.5 ppmwよりも小さい硼素含有量を得ることができることが認め得る。
【0023】本発明の方法は、溶融ケイ素とスラグとを入れるための容器を少なくとも1個有し且つ溶融したケイ素の上部に又は溶融したケイ素の底部で液状スラグを添加するための手段を有する適当な装置中で実施し得る。さらにまた、前記容器にはケイ素を溶融し、溶融物を所定の温度に保つための加熱装置を取り付けなければならない。本発明の方法を実施するための適当な装置としては、アーク炉、プラズマ加熱炉及び誘導加熱炉並びに抵抗加熱炉が挙げられる。
【0024】本発明の方法を添付の図面を参照してさらに説明する。図1は、本発明の方法(“本発明”と明記した)と、スラグの全量を溶融ケイ素と比較的長時間接触状態に保つ前記の方法(“従来法”と明記した)とについて、ケイ素からの理論的硼素抽出量をスラグ消費量の関数として示すグラフである。従来法によれば、理論的硼素抽出量を算出するのにL B =2.0の硼素分配係数が使用されている。
【0025】図2は本発明の方法を実施するのに使用したアーク炉であって溶融ケイ素から硼素を抽出するためのアーク炉を示すものである。図2には、ケイ素4とスラグ材料とを溶融するための電極3を取り付けた容量50dm 3 をもつグラファイト製るつぼ2から構成されるアーク炉1が示される。アーク炉1は、さらに炉にスラグを連続的に供給するための装置5が取り付けられている。この炉は70kWの最大負荷(load)を有する。スラグを不活性化させるために、この炉は底部に少々不十分な熱絶縁を有する。
【0026】
【発明の実施の態様】
実施例1(本発明)
前記のアーク炉1中で硼素40 ppmwを含有するケイ素20kgを溶融した。このケイ素に対して、CaO 60重量%とSiO 2 40重量%とからなる組成をもつ低硼素スラグ40kgをスラグ供給装置5により連続的に加え、その間はほとんど瞬間的な溶融を提供する速度で加熱した。溶融は炉内を探針する(probing)することによって調べた。スラグの密度はケイ素の密度よりも高く、従ってスラグは炉内のケイ素層よりも下のスラグ層6に沈降した。スラグの添加を終えた後に、精製ケイ素を炉1から取り出した。試験中の平均負荷(mean load)は58.5kWであった。得られた精製ケイ素の硼素含有量は約1ppmwであり、図1から認め得るようにこれは本発明の方法について得ることができる理論値に極めて近い値である。
【0027】 実施例2(従来法)
比較のために試験を行い、実施例1と同じ組成をもつスラグ40kgを炉1中で溶融し、その後に硼素40 ppmwを含有するケイ素20kgを溶融スラグに連続的に添加し、その間は供給物をほとんど瞬間的な溶融を提供する速度で加熱した。2種類の溶融物を完全に溶融した後に約1.5時間接触させ、その後にケイ素を炉から取り出した。ケイ素の硼素含有量は11 ppmwであり、これは図1に示した従来法の理論値よりも僅かに高かった。試験中の平均負荷は65.7kWであった。この比較実施例はケイ素と下部のスラグの間の高度の平衡を示すものであり、スラグの不十分な不活性化を示す。底部ライニングを介した冷却は殆ど(fearly)一定であることから、負荷は冷却が底部スラグ層で起こるということを示唆している。より低い53.4kWの負荷で試験を反復した。この場合にはケイ素の硼素含有量は20 ppmwになり、これは図1の従来法の理論値よりもはるかに高い値であった。
【0028】実施例2と比べて実施例1は、本発明の方法が文献の記載による方法と比べて著しく高い硼素除去量を与えることを示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法(“本発明”と明記した)と、スラグの全量を溶融ケイ素と比較的長時間接触させる前記の方法(“従来法”と明記した)とについて、ケイ素からの理論的な硼素抽出量をスラグ消費量の関数として示すグラフである。
【図2】本発明の方法を実施するのに使用した、溶融ケイ素から硼素をスラグ抽出するためのアーク炉の縦断面図である。
【符号の説明】
1 アーク炉
2 グラファイト製るつぼ
3 電極
4 ケイ素
5 スラグの連続供給装置
6 スラグ層