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1. JP2010517087 - オルト位置のための基準点

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Description

Title of Invention オルト位置のための基準点 DE 102007003818.8 20070125 20141029 G02C 1/00〜13/00 米国特許第6789898(US,B2) 米国特許第6382790(US,B1) 国際公開第00/48035(WO,A1) 特開2006−53227(JP,A) 特開平11−295672(JP,A) EP2008000586 20080125 WO2008089997 20080731 2010517087 20100520 20110117 大隈 俊哉

Technical Field

0001  

Background Art

0002   0003   0004   0005  

Summary of Invention

Technical Solution

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037  

Brief Description of Drawings

0038  

Description of Embodiments

0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075  

Examples

0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175  

Claims

1   2   3   4   5   6   7   8  

Drawings

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15a   15b   16a   16b   17   18   19   20a   20b   21    

Description

オルト位置のための基準点

DE 102007003818.8 20070125 20141029 G02C 1/00〜13/00 patcit 1 : 米国特許第6789898(US,B2)
patcit 2 : 米国特許第6382790(US,B1)
patcit 3 : 国際公開第00/48035(WO,A1)
patcit 4 : 特開2006−53227(JP,A)
patcit 5 : 特開平11−295672(JP,A)
EP2008000586 20080125 WO2008089997 20080731 2010517087 20100520 20110117 大隈 俊哉

Technical Field

[0001]
本発明は、特にプリズム屈折力を有する眼鏡レンズを設計または製造するための方法、システム、および、コンピュータプログラムプロダクトに関し、また、光軸合わせ向上のためのプリズム屈折力を有する眼鏡レンズに関する。

Background Art

[0002]
プリズム屈折力を有する眼鏡レンズ(以下、プリズム眼鏡レンズとも称する)は、斜位を補正するために使用される。図3の概略図に示されるようにプリズム屈折力またはプリズム屈折力pを有する眼鏡レンズが眼鏡着用者の眼の前方にある場合、物点は、眼の補償的合焦運動によってのみ固定することができ、したがって、窩上を中心に結像させることができる。これは、プリズムのベース位置と反対の眼鏡レンズ上の視点の変位cをもたらす。図3に示すケースでは、プリズム偏位を決定する際に、プリズムに加えて、補正レンズのプリズム副作用が考慮に入れられなければならない。
[0003]
プリズム眼鏡レンズによる斜位の補正では、眼の前方のレンズの光軸合わせ及び/又はフレーム内へのプリズム眼鏡レンズの取り付けにおいて、同じ現象、したがって実際の問題が生じる。図4に示されるように、一対の眼は、視軸が物点で交差でき且つその点を容易に両眼で見ることができるようにレンズの後方で調整動作を行なう。プリズム基準点、すなわち、必要なプリズム屈折力が存在する眼鏡レンズ上の点は、眼球回転中心の前方に位置してはならず、それがレンズ前面上の固定主光線と一致するまでベース位置と反対にシフトされなければならない。これによって初めて、光線経路の結像と光線経路の計算とが一致し、また、プリズム基準点が対応する視点と一致する。
[0004]
特に、レンズを心出しする際には、眼鏡技師は、プリズム屈折力のために、光軸合わせデータu ,v の計算に加え、 偏位cも考慮しなければならず、これによって初めて、以下のように前中心またはボックス中心へ向けた基準点の全 偏位u,vを計算することができる。
[Math. 1]


ここで、βはベース位置を示す。
[0005]
しかしながら、この手続きは、誤差が生じ易く、費用および時間がかかるとともに、不正確である。両眼視が乱されないために極めて重要であるのは、まさしく、眼の前方におけるプログレッシブレンズの正確な光軸合わせである。特に、プログレッシブレンズの場合には、眼が下げられるときに主視線が累進チャンネルの中心を正確に通ることを水平方向で確かめなければならず、また、更なるプリズム高さの差が生じないことを垂直方向で確かめなければならない。眼鏡技師がいかに徹底的に作業しても、必要な 偏位を大雑把にしか考慮することができない。

Summary of Invention

Technical Solution

[0006]
本発明の目的は、眼鏡レンズ、特にプリズム屈折力を有する眼鏡レンズのより簡単で且つより正確な光軸合わせを可能にする方法、システム、および、コンピュータプログラムプロダクト、および、光軸合わせ向上のためのプリズム屈折力を有する眼鏡レンズを提供することである。この目的は、請求項1または請求項14の特徴を含む方法、請求項22の特徴を含むコンピュータプログラムプロダクト、請求項23の特徴を含むシステム、および、請求項24の特徴を含む眼鏡レンズによって解決される。好ましい実施形態が従属請求項の主題である。
[0007]
したがって、一態様では、本発明は、眼鏡着用者のためのプリズム屈折力を有する眼鏡レンズまたはプリズム眼鏡レンズを製造するための方法であって、
プリズム処方データを含む眼鏡着用者の個々のユーザデータまたは適用データを取得するステップと、
個々のユーザデータを考慮に入れてプリズム屈折力を有する眼鏡レンズを設計するステップと、
プリズム処方データに応じてプリズム屈折力を有する眼鏡レンズまたはプリズム眼鏡レンズのための特に取り付け点の位置の光軸合わせデータを決定して定めるステップと、
を含む方法を提供する。
[0008]
したがって、眼鏡技師は、特に簡単で且つ正確な態様で、個々の眼鏡着用者のためのプリズム屈折力を有する眼鏡レンズまたはプリズム眼鏡レンズの光軸合わせを行なうことができる。特に、眼鏡技師は、プリズム屈折力を考慮に入れて更なる 偏位を行なう必要なく、個々のプリズム処方データに応じて決定される光軸合わせデータに基づき、簡単な光軸合わせを行なうことができる。これは、特に、光軸合わせ精度の向上をもたらす。
[0009]
プリズム眼鏡レンズすなわちプリズム屈折力を有する眼鏡レンズは、特に、それが好ましくは未加工光学ガラスの幾何学的中心と一致する基準点、特に製造メーカによって定められるプリズム基準点でゼロとは異なるプリズム屈折力を有するように形成される眼鏡レンズであると理解される。プリズム屈折力は、好ましくは、基本的な偏向、すなわち、特にプリズム基準点で光線が眼鏡レンズの2つの表面のうちの一方に対して垂直な場合の光線の偏向に関連する。プリズム基準点は、眼鏡レンズの前面上の点として示されることが好ましい。したがって、プリズム眼鏡レンズのプリズム屈折力は、特に、プリズム処方データにしたがった補正のために導入される及び/又は厚さ減少プリズムによって導入される屈折力であると理解され、この屈折力は、特に、眼鏡レンズ全体にわたって或いは少なくとも特定の視領域または特定の視覚作業のために適合される眼鏡レンズの領域全体にわたって存在するが、プリズムの副作用は、球面、円柱などの非プリズム処方データによって導入されるとは限らない。
[0010]
光軸合わせデータとして、特に、眼鏡レンズ上の及び/又は眼鏡レンズ中の及び/又は眼鏡レンズに対する取り付け点の位置データが決定されてもよい。この場合、取り付け点は、特に、眼鏡着用者のための眼鏡レンズの正しい光軸合わせ時に或いは光軸合わせのために眼鏡着用者のゼロ視野方向で特に個々のユーザデータにしたがって眼鏡レンズの着用位置において眼鏡着用者の瞳孔の前方に水平に位置され或いは正しい光軸合わせのために位置されるようになっている眼鏡レンズ上の又は眼鏡レンズ中の又は眼鏡レンズに対する点である。取り付け点の位置データは、特に、眼鏡レンズのために定められた1つ以上の基準点に対する1または複数の空間的位置として決定されてもよい。好ましい実施形態では、そのような定められた基準点は、眼鏡レンズ上の及び/又は眼鏡レンズ中の永久的なマーキング及び/又は非永久的なマーキングを備える。そのようなマーキングは、彫り込み及び/又はスタンピングまたはスタンプ画像を備える。
[0011]
好ましい実施形態において、光軸合わせデータは、マークされた基準点に対する取り付け点の位置の長さ及び/又は距離及び/又は角度及び/又は比率情報の形態を成す位置データを含む。角度情報は、特に、眼鏡レンズ上の或いは眼鏡レンズ中の永久的な或いは非永久的なマーキングによって好ましくは定められるレンズ水平及び/又はレンズ垂直に対する取り付け点の位置(position)ベクトルまたは位置(location)ベクトルの角度に関連する。
[0012]
更なる好ましい実施形態において、光軸合わせデータは、光軸合わせ位置、特に取り付け点を直接に表示する眼鏡レンズ上の及び/又は眼鏡レンズ中の1つ以上のマーキングを含む。したがって、取り付け点自体は、眼鏡レンズにある及び/又は眼鏡レンズ中の及び/又は眼鏡レンズ上の永久的な或いは非永久的なマーキングとして形成され或いは位置されることが好ましい。この場合、このマーキングは、光軸合わせデータの少なくとも一部を形成する。方法は、決定された光軸合わせデータ或いは光軸合わせデータの少なくとも一部に応じて、特にプリズム処方データに応じて、眼鏡レンズ上に及び/又は眼鏡レンズ中に、特に眼鏡レンズの少なくとも1つの表面上に、特に取り付け点に、特に永久的な及び/又は非永久的な光軸合わせマーキングを施すステップを更に含むことが好ましい。特に好ましくは、光軸合わせマーキングを施すステップは、眼鏡レンズの少なくとも1つの表面上に光軸合わせクロス及び/又は他の適した光軸合わせマーキングをスタンピングすることを含み、この光軸合わせクロスを用いて、眼鏡技師は、正しい光軸合わせのために、眼鏡着用者のために個別に決定される光軸合わせ点に対するプリズム眼鏡レンズの取り付け点の調整を行なうことができる。この目的のため、光軸合わせデータは、好ましくは眼鏡レンズの製造中に眼鏡レンズ製造メーカによって個別に決定され、眼鏡技師に対して与えられる。
[0013]
好ましくは、個々のユーザデータは、眼鏡着用者の視覚障害の補正のための個々の光学補正屈折力または効果または補正データと、眼鏡着用者のための眼鏡レンズの個々の位置決めに関連する及び/又は眼鏡着用者の個々の視覚作業に関連する着用のデータとを含む。プリズム屈折力を有する眼鏡レンズまたはプリズム眼鏡レンズを設計する際には、補正屈折力及び/又は着用のデータが考慮に入れられることが好ましい。
[0014]
したがって、例えば個々の補正データの一部としての個々のユーザデータは、球面、円柱、軸(円柱の軸位置)、プリズム、ベースなどの光屈折力データ及び/又は加入度数を含む。プリズム屈折力を有するレンズまたはプリズム眼鏡レンズは、特に、眼の位置異常の補正に役立つ。この目的のため、ユーザデータは、特に、プリズム処方データ及び/又は補正データ及び/又は処方プリズム、すなわち、特にそのような位置の誤差の補正のための処方値を含む。特に、プリズム処方データは、望まれる眼鏡レンズの要求されるプリズム補正屈折力の大きさ(絶対値)およびベース位置を含む。好ましくは、個々のユーザデータは、眼鏡着用者の複数の視野方向のための個々の補正データを含む。
[0015]
好ましい実施形態において、着用のデータは、少なくとも1つの好ましくは個々の着用位置を少なくとも部分的に定める。この点で、個々のユーザデータは、角膜頂点間距離及び/又は眼球回転中心距離及び/又は瞳孔間距離及び/又は顔形角度及び/又は前方傾斜またはフレームの前方傾斜または広角度を含むことが好ましい。好ましい実施形態において、個々のユーザデータは、フレームデータ、例えば、縦のレンズサイズ及び/又は横のレンズサイズ及び/又は顔形角度及び/又はフレーム屈曲またはフレームのガラス収縮及び/又はレンズ間のブリッジ幅または距離(AzG)及び/又はブリッジ高さ及び/又はフレームに適した最も小さい或いは最小の未加工光学ガラス直径及び/又はレンズまたはボックス中心距離及び/又はレンズ形状を含む。好ましい実施形態において、着用のデータは、好ましくは個々の着用状況または適用状況を少なくとも部分的に定める。この目的のため、個々のユーザデータ、特に個々の着用データは、眼鏡着用者の好ましい主に使用される視領域または好ましい主に使用される視角度の領域及び/又は物体距離及び/又は複数の視角度のための複数の物体距離及び/又は視野方向を含む。
[0016]
好ましい実施形態において、プリズム眼鏡レンズのための光軸合わせデータを決定するステップは、
プリズム処方データとは無関係な特に補助光軸合わせ点または補助取り付け点のドラフト光軸合わせデータおよび補助光軸合わせデータを決定するステップであって、プリズム処方データが無視されるステップと、
プリズム処方値に応じて且つプリズム処方値を考慮に入れて、ドラフト光軸合わせデータおよび補助光軸合わせデータに対する光軸合わせシフトデータを決定するステップと、
を含む。
[0017]
好ましくは、補助光軸合わせデータを決定するステップは、決定される補助光軸合わせデータに応じて或いは補助光軸合わせデータの一部として、眼鏡レンズに及び/又は眼鏡レンズ中に、特に眼鏡レンズの少なくとも1つの表面上に特に永久的な及び/又は非永久的な補助光軸合わせマーキングを施すステップを含む。特に好ましくは、補助光軸合わせマーキングを施すステップは、光軸合わせクロス及び/又は他の適した補助光軸合わせマーキングを眼鏡レンズの少なくとも1つの表面上にスタンピングするステップを含み、これは、特に光軸合わせシフトデータに基づいた取り付け点の決定のための開始点または基準点としての機能を果たす。好ましい実施形態において、光軸合わせシフトデータは、好ましくは眼鏡レンズの製造中に眼鏡レンズ製造メーカによって個別に決定され、眼鏡技師に対して与えられる。
[0018]
好ましくは、プリズム屈折力を有する眼鏡レンズを設計するステップは、
プリズム処方データを伴わない個々のユーザデータを考慮して且つ該ユーザデータに応じて且つプリズム処方データを無視して、特に非プリズムドラフト設計、すなわち、特にプリズム屈折力を伴わない眼鏡レンズのためのドラフト設計を決定するステップと、
プリズム処方データに応じてプリズム屈折力をドラフト設計に対して付加するステップと、
を含む。
[0019]
好ましくは、プリズム屈折力を付加するステップは、更なる個々の光学補正屈折力または効果とは無関係に、特に残存するユーザデータとは無関係に行なわれる。好ましくは、プリズム屈折力を付加するステップは、眼鏡レンズのドラフト設計における後面及び/又は前面を互いに対して傾けることによって行なわれる。選択された座標系に応じて、2つの表面のうちの少なくとも一方がこの座標系内で傾けられる。
[0020]
好ましい実施形態において、特に非プリズムドラフト設計を決定するステップは、ドラフト光軸合わせデータまたは補助光軸合わせデータ、特にドラフト光軸合わせ点または補助光軸合わせ点を決定して定めるステップを含む。好ましくは、ドラフト光軸合わせデータ、特にドラフト光軸合わせ点または補助光軸合わせ点は、ドラフト光軸合わせ点にしたがった眼鏡着用者のための光軸合わせ時にドラフト設計にしたがって形成された特に非プリズムドラフト眼鏡レンズが特に着用データにしたがったドラフト眼鏡レンズの位置決め時にユーザデータ、特にドラフト光軸合わせ点によって構成される眼鏡着用者のための個々の補正屈折力を満たすように決定される。このドラフト眼鏡レンズは形成されないことが好ましい。その代わり、このドラフト設計は、最終的な眼鏡レンズを設計するための好ましい補助設計または設計中間製品としての機能を果たす。好ましい実施形態において、そのようなドラフト設計は、コンピュータを使った最適化方法の中間結果またはデータ中間製品を含む。
[0021]
好ましくは、取り付け点を決定するステップは、補助光軸合わせ点に対する取り付け点のシフトとして取り付けシフトまたは光軸合わせシフトs を決定することを含む。好ましい実施形態において、光軸合わせデータを決定するステップは、眼鏡着用者のために個別に決定された光軸合わせ点のシフトとして 偏位を決定することを含む。好ましくは、 偏位は、マイナスの光軸合わせシフトに対応する。すなわち、c =−s である。好ましくは、光軸合わせシフトs は、プリズム眼鏡レンズのプリズムのベースの方向での取り付け点の補助光軸合わせ点に対するシフトを示す。 偏位は、ベースと反対の方向またはベースから離れる方向での光軸合わせ点のシフトを示すことが好ましい。
[0022]
好ましくは、光軸合わせシフトs 及び/又は 偏位は、プリズム処方データおよび更なる個々のユーザデータに応じて決定される。特に、個々のユーザデータは、好ましくは、角膜頂点間距離e及び/又は眼球回転中心距離b’及び/又は眼鏡レンズのエッジ厚d 及び/又は中心厚及び/又は眼鏡レンズの最小厚d min及び/又はレンズ前方傾斜またはフレーム前方傾斜または広角度及び/又は顔形角度及び/又は眼鏡レンズ直径または眼鏡レンズ形状またはレンズ形状、直径及び/又は少なくとも屈折力及び/又は眼鏡レンズの屈折率及び/又はベースカーブ及び/又は乱視屈折力及び/又は加入度数を含み、光軸合わせデータ、特に光軸合わせシフトs 及び/又は 偏位は、角膜頂点間距離e及び/又は眼球回転中心距離b’及び/又は眼鏡レンズのエッジ厚d 及び/又は中心厚及び/又は眼鏡レンズの最小厚d min及び/又はレンズ前方傾斜またはフレーム前方傾斜または広角度及び/又は顔形角度及び/又は眼鏡レンズ直径または眼鏡レンズ形状またはレンズ形状、直径及び/又は少なくとも1つの屈折力及び/又は眼鏡レンズの屈折率及び/又はベースカーブ及び/又は乱視屈折力及び/又は加入度数に応じて決定される。
[0023]
好ましい実施形態において、mm単位の光軸合わせシフトs は、プリズムのベースへ向かう方向で、
[Math. 2]


にしたがって、mm単位の角膜頂点間距離eおよびcm/m単位のプリズム屈折力pに応じて決定される。
[0024]
一態様において、本発明は、プリズム屈折力を有する眼鏡レンズまたは眼鏡着用者のためのプリズム眼鏡レンズを製造するための方法であって、
プリズム処方データを含む眼鏡着用者の個々のユーザデータを取得するステップと、
プリズム処方データを伴わない個々のユーザデータを考慮に入れてドラフト設計を決定するステップと、
プリズム処方データを伴わない個々のユーザデータに応じて眼鏡レンズの少なくとも1つの屈折力パラメータのための少なくとも1つの光学ドラフト基準点および取り付け点を決定し、それにより、取り付け点にしたがった眼鏡着用者のための光軸合わせ時に、ドラフト設計にしたがって形成されたドラフト眼鏡レンズが、光学ドラフト基準点を通過する少なくとも1つの主光線における眼鏡着用者のための少なくとも1つの屈折力に関する所定の値を満たすようにする、ステップと、
プリズム処方データに応じてプリズム屈折力をドラフト設計に対して付加するステップと、
プリズム処方データに応じて基準点シフトc を決定するステップと、
を含む方法を提供する。
[0025]
好ましくは、少なくとも1つの屈折力パラメータは、個々のユーザデータに含められるとともに、特に眼鏡レンズのための個々のユーザデータにおいて個別に定められ、その所定値は、少なくとも1つの屈折力がプリズム処方データを含まない場合にはユーザデータにより構成されるこの屈折力パラメータにおける値であり、屈折力パラメータがプリズム屈折力または処方プリズムに関連する場合にはゼロとして定められる。
[0026]
好ましい実施形態では、少なくとも1つの光学ドラフト基準点がプリズム基準点を含み、少なくとも1つの屈折力パラメータに関する所定の値がプリズム屈折力における値ゼロを含む。更なる好ましい実施形態では、少なくとも1つの光学ドラフト基準点が遠見基準点を含み、少なくとも1つの屈折力パラメータに関する所定の値が、個々のユーザデータによって構成される光屈折遠見屈折力における値を含む。更に好ましい実施形態では、少なくとも1つの光学ドラフト基準点が近見基準点を含み、少なくとも1つの屈折力パラメータに関する所定の値が、個々のユーザデータによって構成される光屈折近見屈折力における値を含む。
[0027]
好ましい実施形態では、プリズム処方データがプリズム補正屈折力の垂直成分p を含み、 偏位の及び/又は基準点シフトc の垂直成分c (mm)が以下の式、
[Math. 3]




にしたがって決定される。
[0028]
更なる好ましい実施形態において、光軸合わせシフトs の決定は、任意に前述した反対の算術符号を用いて同様に行なわれる。
[0029]
好ましくは、方法は、
ドラフト眼鏡レンズの少なくとも1つの光学ドラフト基準点を通過する主光線の物体側部分の方向として少なくとも1つの物体側「目標の」方向を決定するステップと、
プリズム処方データに応じてプリズム屈折力をドラフト設計に対して付加することによりプリズムドラフト設計を定めるステップと、
を更に含み、
基準点シフトを決定するステップは、
少なくとも1つのドラフト基準点に対して少なくとも1つの基準点シフトの開始値だけシフトされる少なくとも1つのシフトドラフト基準点を定めるステップと、
プリズムドラフト設計に基づいて少なくとも1つのシフトドラフト基準点を通過する主光線の物体側部分の方向として少なくとも1つの物体側「実際の」方向を決定するステップと、
を含み、
方法は、
少なくとも1つの「目標の」方向および少なくとも1つの「実際の」方向に基づいてプリズムドラフト設計を評価するステップ、
を更に含む。
[0030]
好ましくは、少なくとも1つの「実際の」方向と少なくとも1つの「目標の」方向との一致性が不十分である場合には、プリズムドラフト設計を評価するステップで更なる基準点シフトが決定される。少なくとも1つの「実際の」方向と少なくとも1つの「目標の」方向との一致性が十分である場合には、プリズムドラフト設計が眼鏡レンズ設計として定められる。その後、そのように定められた眼鏡レンズ設計に基づいて、眼鏡レンズを形成することができ、特に、取り付け点における光軸合わせクロスなどの光軸合わせマーキングを眼鏡レンズに設けることができる。
[0031]
好ましくは、眼鏡レンズは、基準表面であって、該基準表面上に或いは該基準表面に対して、取り付け点及び/又は少なくとも1つの光学基準点またはドラフト基準点が定められ及び/又はシフトされる、基準表面と、個々の光学補正データに応じて決定されて調整される処方表面とを備える。好ましい実施形態において、プリズム眼鏡レンズは、基準表面が少なくとも部分的にプログレッシブ面を備える個々の多焦点眼鏡レンズ、特に個々のプログレッシブ眼鏡レンズである。好ましくは、基準表面は、複数の好ましい基準点、特にプリズム基準点及び/又は遠見基準点及び/又は近見基準点を備える眼鏡レンズの表面、または、そのような基準点が割り当てられ或いは表面の屈折力にしたがって割り当てられてもよい表面を示す。特に、少なくとも1つのプログレッシブ面を有するプログレッシブ眼鏡レンズにおいては、基準表面が少なくとも部分的にプログレッシブ面を備える。好ましい実施形態では、基準表面が少なくとも部分的に眼鏡レンズの前面を形成し、一方、処方表面が少なくとも部分的に眼鏡レンズの後面を形成する。他の好ましい実施形態では、基準表面が眼鏡レンズの後面を形成し、一方、処方表面が前面を形成する。更なる好ましい実施形態において、基準表面および処方表面は、少なくとも部分的に一致し、それにより、少なくとも部分的に眼鏡レンズの前面または後面を形成する。ここで、基準点が処方表面上に位置される必要はない。特に、プログレッシブ眼鏡レンズにおいて、基準表面は後面の一部を構成することができ、この場合、基準点、特にプリズム基準点及び/又は遠見基準点及び/又は近見基準点が前面上に位置されて規定される。
[0032]
好ましくは、方法は、補正プリズムドラフト設計を定めるステップを含み、該ステップは、好ましくは、
少なくとも1つの基準点シフトに応じて、基準表面に対して処方表面をシフトさせ及び/又は取り付け点に対して基準表面をシフトさせるステップと、
ユーザデータに応じて処方表面を最適化することにより補正プリズムドラフト設計を決定するステップと、
を含み、
少なくとも1つのシフトドラフト基準点を通過する主光線の物体側部分の方向として少なくとも1つの物体側「実際の」方向を決定するステップは、補正プリズムドラフト設計に基づいて行なわれる。
[0033]
好ましくは、補正プリズムドラフト設計を定めるステップは、
少なくとも1つの基準点シフトに応じて且つ少なくとも基準点シフトに対応して、複数の基準点またはドラフト基準点を取り付け点に対してシフトさせるステップと、
ユーザデータに応じて処方表面を最適化することにより補正プリズムドラフト設計を決定するステップと、
を含み、
少なくとも1つのシフトドラフト基準点を通過する主光線の物体側部分の方向として少なくとも1つの物体側「実際の」方向を決定するステップは、補正プリズムドラフト設計に基づいて行なわれる。
[0034]
好ましくは、方法は、取り付け点にある及び/又は光軸合わせ点を示す或いはマークするための光軸合わせマーキング、特に光軸合わせクロスを用いて眼鏡レンズを形成するステップを含む。
[0035]
また、本発明は、コンピュータシステムにロードされて実行されるときに本発明または本発明の好ましい実施形態に係る方法を実行するようになっているプログラムコードを備えるコンピュータプログラムプロダクトを提供する。
[0036]
更に、本発明は、プリズム眼鏡レンズを製造するためのシステムであって、本発明または本発明の好ましい実施形態に係る方法を実行するようになっているシステムを提供する。
[0037]
また、本発明は、眼鏡着用者のためのプリズム屈折力を有するプリズム眼鏡レンズまたは眼鏡レンズであって、眼鏡着用者のための眼鏡レンズの正しい光軸合わせのために眼鏡着用者のゼロ視野方向で特に個々のユーザデータにしたがって眼鏡レンズの着用位置において眼鏡着用者の瞳孔の前方に水平に位置され或いは位置されるようになっている取り付け点を備え、光軸合わせマーキング、特に光軸合わせクロスが取り付け点に位置されるプリズム眼鏡レンズまたは眼鏡レンズを提供する。

Brief Description of Drawings

[0038]
[fig. 1] 本発明の第1の好ましい実施形態を説明するための眼鏡レンズ設計の概略断面を示す。
[fig. 2] 本発明の第2の好ましい実施形態を説明するための背景としての基本偏向状態の平面プリズムの概略図である。
[fig. 3] 眼鏡レンズにおけるプリズム屈折力の誘導による光線経路の影響の概略図である。
[fig. 4] 典型的なプリズム眼鏡レンズを有する眼鏡を介した両眼視における光線経路の概略図である。
[fig. 5] 個々の顧客パラメータを入力するためのマスクまたはグラフィカルユーザインタフェースの一例を示す。
[fig. 6] 現在の眼鏡に関連するデータを入力するためのマスクまたはグラフィカルユーザインタフェースの一例を示す。
[fig. 7] 視領域の個人の優先傾向及び優先順位付けに関連するデータを入力するためのマスクまたはグラフィカルユーザインタフェースの一例を示す。
[fig. 8] 個々の眼鏡レンズ設計における遠見基準点および近見基準点の位置を示す概略図である。
[fig. 9] 2つの眼の視覚高さが異なる一例を示す。
[fig. 10] 図10Aは主視距離近見を示す概略図であり、図10Bは屈折距離近見(図10b)を示す概略図である。
[fig. 11] 結果の表示のためのグラフィカルユーザインタフェースの一例を示す。
[fig. 12] 結果、設計変更、または、調整の表示のためのグラフィカルユーザインタフェースの一例を示す。
[fig. 13] 注文書の一例を示す。
[fig. 14] 定められた着用位置における眼鏡レンズの生理的および物理的モデルの概略図である。
[fig. 15] 図15Aはリスティング則を考慮しない眼鏡レンズにおける軸位置を示す概略図であり、図15Bはリスティング則を考慮した眼鏡レンズにおける軸位置を示す概略図である。
[fig. 16] 図16Aおよび図16Bは、個別に計算されたプログレッシブ眼鏡レンズの非永久的スタンピングの2つの例を示す。
[fig. 17] 個別に最適化された左のプログレッシブ眼鏡レンズの永久的彫り込みの一例を示す。
[fig. 18] 個別に最適化された眼鏡レンズのためのレンズパケットの一例を示す。
[fig. 19] レンズパケットで使用される絵文字の記号解説を示す。
[fig. 20] 図20Aは着用者の眼の前方にある個人の眼鏡レンズの光軸合わせの一例を示し、図20Bは標準的な眼鏡レンズの光軸合わせの一例を示す。
[fig. 21] 図21A〜図21Cは個々の眼鏡レンズの屈折力の測定の概略図である。

Description of Embodiments

[0039]
以下、好ましい実施形態の添付図面を参照して、本発明を例示的に説明する。
[0040]
基準点のシフト、特に基準点シフトc の決定のためには、多くの影響パラメータを考慮に入れることが好ましい。これらのパラメータは、球面、円柱、軸、プリズム、ベース、及び/又は、加入度数などの個々の処方データ、及び/又は、角膜頂点間距離(CVD)、前方傾斜、及び/又は、顔形角度などの着用位置に関する個々のデータ、及び/又は、ベースカーブ、中心厚、及び/又は、屈折率などの眼鏡レンズパラメータを含むことが好ましい。これらの影響パラメータの少なくとも一部は、特に眼鏡レンズを注文する際に製造メーカに送られることが好ましい。製造メーカは、特に製造メーカに提供される影響パラメータを考慮に入れて、本発明、特に本発明の好ましい実施形態にしたがってプリズム眼鏡レンズを製造するための方法を実行することが好ましい。製造メーカは、眼鏡着用者の眼の固視微動にしたがって近似的な方法または正確な方法で眼鏡レンズ上の視点位置を計算することが好ましい。当初の基準点、特に同じ物体光線方向における対応する視点からのずれが顧客または眼鏡技師に対して伝えられ、それにより、顧客または眼鏡技師が、光軸合わせ補正を概算(BZ、したがって、レンズ全体がシフトされる)しなければならないだけでなく、それを製造メーカによって指定された値および情報(例えば、取り付け点マーキングの形態を成す)を用いて高い精度で且つ簡単な方法で行なうことができるようにすることが好ましい。
[0041]
好ましい実施形態においては、特に製造および最適化の際に、特に製造メーカにより、少なくとも1つの基準点、好ましくは全ての基準点のシフト、特に基準点シフトc 、および、視領域が、取り付け点を除き、レンズ内で特に取り付け点に対してシフトされる。レンズを取り付ける際、眼鏡技師は、もはや、プリズム眼鏡レンズと非プリズム眼鏡レンズとを区別する必要がなく、そのため、作業の流れが明らかに容易になるとともに、生じ得る誤差の原因が解消される。
[0042]
図1を参照して本発明の好ましい実施形態に係る方法について説明する。ここで、ドラフト設計は、処方されたプリズム屈折力または処方プリズムを除き、眼鏡着用者のための複数の、好ましくは全ての個々の処方データを満たす基準となる。このドラフト設計の場合、ドラフト基準点、特にドラフトプリズム基準点B および取り付け点B が前面上で指定される。好ましくは、デカルト座標系(x−y−z)が指定され、この座標系のx−y平面がプリズム基準点B において前面に接することが好ましい。z軸は、これに対して垂直であることが好ましい。座標の原点は、プリズム基準点に定められることが好ましい。また、ゼロ視軸は、好ましくは個々のユーザデータにしたがって眼球回転中心Z’と共に取り付け点B を通ってゼロ視野方向に沿って定められる。特に、ドラフト設計を提供するため、プリズムなしで処方表面(傾き及び曲率)が計算される。
[0043]
ドラフト設計に従う、すなわち、プリズムなしのドラフト眼鏡レンズの場合、眼球回転中心Z’およびプリズム基準点(B =(p 1x,p 1y))を通る主光線が決定され、また、その物体側方向が「目標の」方向t 1Sとして定められる。次に、例えば座標系内で後面を傾けることによって、プリズム屈折力、特に処方プリズムが加えられ、また、基準点シフトcの初期値が以下の式によって求められる。
[Math. 4]


ここで、90°の基本位置におけるプリズム成分の場合、p =p 90=psinβである。
[Math. 5]


ここで、0°の基本位置におけるプリズム成分の場合、p =p =pcosβである。
[0044]
基準点シフトc=(c ;c )および眼球回転中心距離b’は、mmの単位で使用されるのが好ましく、また、プリズムp=(p ;p )はcm/m単位で使用されるのが好ましい。
[0045]
好ましくは、プリズム基準点B と共に、例えば遠見基準点及び/又は近見基準点などの更なる基準点、及び/又は、例えばプログレッシブ眼鏡レンズの遠見領域及び/又は近見領域及び/又はチャンネル領域などの視領域が、例えば同じ値c およびc だけ前面上でシフトされることが好ましい。次に、処方表面が再計算され、シフトされた基準点B を通り且つ結果として得られる「実際の」方向t の主光線が求められる。
[0046]
好ましい実施形態では、例えば(x1,y1)における簡単な繰り返し(例えばニュートン反復)により、xおよびyにおいて同時反復が行なわれ、「実際の」方向t と「目標の」方向t 1Sとが十分に一致するまで前面上の基準点B がシフトされる(且つ、処方表面が毎回再計算される)。取り付け点B は変わらない。
[0047]
シフトについては、特に、以下に従う。
[Math. 6]


[0048]
好ましい実施形態では、yおよびxにおいて別個の繰り返しが行なわれる。外部繰り返しはy座標にわたってのみ行なわれる。各水平断面において、レンズ前面上の主光線の貫通点のそれぞれのx座標は、既知の方法(主視線の計算)によって、例えば以下のステップを用いて求められる。
2y=y BP+c 90=p 1y+c 90を指定する
初期値Δy=0を指定する
a)p 2yをp 2y+25Δyと置き換える
b)処方表面(傾き及び曲率)を計算する
c)高さp 2y=>p 2x,c において主視線を更新する
d)プリズム基準点またはシフトされたプリズム基準点を通る眼球回転中心からの主光線を計算する
e)Δy=t 1y−t 1Syに設定する
f)Δyが十分に小さい場合にはキャンセルし、そうでない場合には、c =p 2y−p 1yとして、a)から繰り返し始める。
[0049]
多くの場合、垂直シフトc を正確に計算することは、水平シフトc を正確に計算することよりも重要である。これは、一対の眼の融合機構が明らかに垂直方向で制限され、したがって、引き起こされる垂直プリズム差が非常に小さい値(例えば、0.5cm/m)でも不適合(眼精疲労障害、二重像)をもたらす場合があるからである。
[0050]
製造メーカが欠測データまたは計算ツールの不足に起因して着用位置で主光線反復を行なうことができない場合には、図4に関連する以下の一連の式を用いて垂直シフトを計算してもよい。
偏向角度
[Math. 7]


ここで、
eは、角膜頂点間距離(例えば、13mm)であり、
b’は、眼球回転中心距離(例えば、e+13.5)であり、
は、レンズのエッジ厚であり、
minは、最小眼鏡レンズ厚(特に、眼鏡レンズの最小エッジ厚)であり、
BPは、y座標プリズム基準点(p 1y)であり、
BZは、y座標光軸合わせ点であり、
α は、レンズの前方傾斜(例えば、9°/180 )であり、
は、垂直シフトである。
[0051]
本発明によって達成され得る向上は、90枚のレンズの典型的な系統的計算を示す。
屈折率n=1.597、レンズ直径=65mm、取り付け点(または、光軸合わせ点)BZ=(0;4mm)、プリズム基準点BP=(0,0)
5つの異なる屈折力S’:−10.0D,−5.0D,0.0D,+5.0D,+10.0D
2つの異なる垂直プリズム:P90:−6.0cm/m,+6.0cm/m
3つの異なる前方傾斜:0°,10°,20°
3つの異なる角膜頂点間距離e:8mm,14mm,20mm
[0052]
本発明の好ましい実施形態では、前述したように、垂直シフトが、各レンズ毎に反復法によって求められ、その後、表1に挙げられる求められた 偏位cの垂直成分c のための他の好ましい計算方法と比較された。表1において、これらの他の好ましい方法と好ましい反復法との偏差が、全90枚のレンズの統計的平均値の形態でまとめられている。表2は、全90枚のレンズにおける 偏位cの対応する比較値を個別に示す。
[Table 1]




[Table 2]










[0053]
本発明の更なる態様では、眼鏡レンズにおける光軸合わせシフト及び/又は 偏位を求めるために、特に、眼鏡着用者のフレームに関する一連の個々のパラメータが考慮に入れられる。この態様に関する好ましい方法は、プリズム眼鏡レンズおよび非プリズム眼鏡レンズの両方、すなわち、プリズム処方を伴う眼鏡レンズおよびプリズム処方を伴わない眼鏡レンズの両方に適用することができる。製造メーカが、簡単な個々のパラメータに加えて、特にフレームデータ(レンズ間の距離、横のレンズサイズおよび縦のレンズサイズ、顔形角度)、瞳孔間距離、および、光軸合わせデータをも知っている場合には、シフトにおいて法線光軸合わせも考慮に入れられてもよい。その結果、眼鏡技師は、心出しした状態で、すなわち、 偏位を何ら伴うことなく、各レンズを取り付けることができ、このとき、基準点は眼の前方の正しい位置にある。このことは、個々の処方表面を有する眼鏡レンズにおいて、レンズをもはや偏心化する必要がなくなってレンズ直径がフレームサイズのみによって決まるため、製造メーカの半加工品の在庫をかなり減らすことができるという更なる利点を有する。このことは、特に、ベースカーブが高く、顔形角度が大きく、横のレンズサイズが大きいスポーツメガネ類用のレンズにおいて、眼鏡技師にとって、光軸合わせおよびフレーム選択の更なる大きな簡略化となる(利用可能なレンズ直径がもはや制約ではなくなる)。
[0054]
以下、非限定的な例に基づき、本発明の好ましい実施形態の更なる特徴および利点を更に詳しく説明する。
[0055]
以下では、個々に求めることができる遠見基準点および近見基準点を、設計点「遠見」および設計点「近見」とそれぞれ称する。特に、個々に求められた遠見基準点すなわち設計点「遠見」は、着用者が自分の遠視力を最適に補正され且つ着用者の個人的な視習慣に対応する点に相当する。個別に決定される近見基準点すなわち設計点「近見」は、着用者が自分の近視力を最適に補正され且つ自分にとって快適なように自分の視界を下げることができる点に相当する。
[0056]
従来のプログレッシブ眼鏡レンズ(多焦点レンズ)は、通常はプログレッシブ前面を備えるが、眼側の処方表面は注文を受けた後に製造される。ベースカーブ系による製造では、視覚障害に適合されて、事前に製造され、これにより標準化された限られた数(例えば72個)のプログレッシブ面が使用される。しかしながら、これらは、それぞれの屈折力に個々に適用されるのではなく、屈折力範囲の一定の帯域に適用される。プログレッシブ面の最適化は、ベースカーブ毎または屈折力範囲毎の平均屈折力に関してのみ行なわれる。これは、屈折データが最適化された屈折力から逸脱する場合に、使用できる視領域が制限してしまう。
[0057]
従来のプログレッシブレンズでは、注文された屈折力が、球面、円柱、軸、あるいはまた、プリズムおよびベースにおいて、半加工品の基礎となっている計算から既に小さなずれがあるため、設計が保たれる可能性が制限され、そのためにユーザに不快感を与えてしまう場合がある。また、従来のプログレッシブレンズの最適化は、着用者のレンズ、フレーム、および、顧客データの個別性を満たさないことが多い標準値にのみ基づいている。
[0058]
屈折力が最適化されたプログレッシブレンズにおいて、従来のプログレッシブレンズの欠点は、各屈折力の組み合わせ毎に個別にオンラインで最適化される非球面処方表面または非トーリック処方表面によって解消される。フリーフォーム技術(自由形状技術)により、屈折力が最適化されたプログレッシブレンズを製造することができる。計算および製造のノウハウに応じて、個々のプログレッシブレンズがフリーフォーム技術を用いて同様に製造することができる。
[0059]
また、個々の処方箋(球面、円柱、軸、加入度数、プリズム、ベース)および着用者の眼の前方におけるレンズの個々の位置(CVD、FFA、前方傾斜、瞳孔間距離)を考慮に入れて最適化および計算することができる個々のプログレッシブレンズが知られている。
[0060]
個々のプログレッシブレンズの第2のグループは、例えば着用者の個人的な活動または着用者の優先度によるなどの異なる方法で個別化されるプログレッシブレンズである。しかしながら、これらのプログレッシブレンズは、個々のパラメータを考慮しないか、部分的にしか考慮しない。これらのプログレッシブレンズは、通常は実際の状況に該当しない人相の標準モデルに基づいており、そのため、光学的なずれ及び/又は性能損失をもたらす。
[0061]
なお、いずれの場合でも、プログレッシブ眼鏡レンズの設計は、これまで、固定的に定められてきた。好ましい本発明の方法を用いると、眼鏡レンズの設計を顧客のニーズに合わせることができる。この場合、個々の顧客パラメータ(例えば、瞳孔間距離(PD)、隔膜頂点間距離(CVD)、フレーム形状、前方傾斜(FI)、顔形角度、遠見基準点及び/又は近見基準点の個々の位置、個々の近見距離など)が考慮に入れられる。
[0062]
個々の設計を計算して眼鏡レンズを製造するための好ましい本発明の方法では、顧客の視経験およびニーズまたは視覚ニーズが考慮に入れられることが好ましい。したがって、顧客(眼鏡着用者)の協力を得て、例えば眼鏡技師の技術的なノウハウを使用して、個々のプログレッシブ眼鏡レンズを形成することができる。過去のモデルの利点および欠点を考慮に入れることが好ましい。
[0063]
空間的位置、特に遠見基準点及び/又は近見基準点の垂直及び/又は水平位置の計算または最適化では、例えば、Rodenstock GmbH社の3Dビデオセンタリング装置ImpressionISTのような適切な3D測定装置によって、あるいは、従来の測定ツールによって、自動的に求められる個々のパラメータ(例えば、瞳孔間距離PD、角膜頂点間距離CVD、前方傾斜FI、顔形角度FFAなど)が考慮に入れられる。
[0064]
個々のパラメータは以下の範囲で変化し得る。
瞳孔間距離(PD):30〜80mm
角膜頂点間距離(CVD):3〜50mm
前方傾斜(FI):−10〜+20度
顔形角度(FFA):−10〜+35度
[0065]
また、個々のパラメータに加えて、眼鏡着用者特有の視傾向が考慮されてもよい。
[0066]
図5〜図7は、個々の顧客パラメータを入力するためのグラフィカルユーザインタフェースを示す。
[0067]
例えば、第1のマスクまたはグラフィカルユーザインタフェース(図示せず)では、顧客に関する情報(例えば、氏名、連絡先、フレーム選択など)を入力することができ、または例えばデータベースから取り込むことができる。適切なトレーサ(例えば、Rodenstock社のImpressionIST)によって直接に測定され得る或いはデータベースから取り出され得る選択されたフレームを表示することもできる。
[0068]
図5は、眼鏡着用者の個々のデータ(処方値)を入力するためのマスクまたはグラフィカルユーザインタフェース120の一例を示す。個々のデータは、マスクまたはグラフィカルユーザインタフェースの対応する入力フィールドまたはセクションへ直接に入力することができ或いは例えばデータベースから取り出すことができる。灰色の背景を有するフィールドは、プログラムによって自動的に計算されてデータで埋められる。
[0069]
図5に示されるグラフィカルユーザインタフェース120は、
・球面「sph」円柱「cyl」、軸、プリズム、ベースなどの個々の屈折データを入力するための入力フィールドを備えるセクション「屈折データ」(セクション122)
・眼鏡着用者の眼の個々のパラメータ及び/又は個々の着用位置(瞳孔間距離「PD」、角膜頂点間距離「CVD」、前方傾斜「FI」、顔形角度「FFA」)を入力するための入力フィールドを備えるセクション「個々のパラメータ」(セクション124)
・フレームおよび光軸合わせデータ(取り付け高さ、横のレンズサイズ、縦のレンズサイズ、レンズ間距離「AZG」)を入力するための入力フィールドを備えるセクション「フレームおよび光軸合わせデータ」(セクション126)および任意にボックス寸法に一致される眼鏡の光軸合わせを表示するための表示セクション(セクション127)
を含む。
[0070]
フレームデータは、対応する入力フィールドに入力することができる。これらの値は、フレームが例えばトレーサによってまたはフレームのリストから選択される場合には、自動的に入力され得る。光軸合わせデータは、任意に、3Dビデオセンタリングシステム(例えば、Rodenstock GmbH社の3Dビデオセンタリングシステム)から直接適用され得る。機能「ボックス寸法に一致」を用いると、フレームを、場合により変化されるフレームデータに適合させることができる。
[0071]
セクション126「フレームおよび光軸合わせデータ」では、例えばフレームが以前にトレーサによって適用され或いは測定されていなかった場合に、フレームをデータベースから選択することができる。特に、フレームは、初めのポップアップウインドウ内のリストから選択することができる。形状データおよびフレームデータも表示されることが好ましい。選択は、それを確認することによって適用することができる。また、多くの異なるフレーム形状からおおよそのフレームを選択することもできる(「近似形状」)。ここで、共通の形状の選択からフレームを選択することができる他のポップアップウインドウが開いてもよい。
[0072]
図5に示されるグラフィカルユーザインタフェース120は、セクションまたは入力フィールド「インセット」(セクション132)を更に備える。眼鏡着用者の輻輳挙動が標準的なケースから外れる近視のものである場合、入力フィールド「インセット」におけるデフォルト値を必要に応じて変えることができる。インセット値は、個々の顧客パラメータを考慮して計算されることが好ましい。
[0073]
また、グラフィカルユーザインタフェース120は、
・屈折能検査における個々の近見距離(屈折距離近見)
・主視距離近見
・個々の加入屈折力
を入力するための対応する入力フィールドを有するセクション134「設計パラメータ」を備える。
[0074]
個々の近見距離に関するデータが入力されない場合には、屈折能検査において加入度数2.5Dまで個々の近見距離が40cmであると仮定する。すなわち、注文された加入度数が40cmで決定されたものとし、眼鏡着用者の主視距離がこの距離にあるものとする。加入度数が更に高い場合には、加入度数の逆数が最大近見距離に対応する。2つの入力フィールド「屈折距離近見」および「主視距離近見」のうちの一方だけが記入される場合には、その値が他のそれぞれの距離に関しても当てはまると仮定する。インセットおよび非点収差は主視距離「近見」に関して計算される。
[0075]
屈折距離「近見」および主視距離「近見」における異なる値が対応する入力フィールドに入力される場合には、主視距離における個々の加入屈折力も自動的に計算される。個々の加入屈折力は、それが引渡範囲(0.75D〜3.50D)外である場合あるいは注文された加入度数から0.5Dを超えてずれがある場合に表示される。
Examples
[0076]
注文加入度数(屈折)=2.00D、主視距離近見=30cm、屈折距離近見=40cm。2.00Dの注文加入度数が30cmにおいて最適化され、加入度数が適合される。インセットに加えて、斜め入射の非点収差が所望の主視距離において補正される。
[0077]
ここで、1つの距離(主視距離または屈折距離)だけが指定される場合には、注文加入度数が所定の距離に関連すると仮定する。ここでは、加入度数の適合は行なわれず、注文加入度数に関して、指定された近見距離で、眼鏡レンズ設計または眼鏡レンズが計算されて最適化される。近見距離(主視距離及び/又は屈折距離)が指定されない場合には、屈折が40cmで行なわれたものとし、また、この屈折距離が近視力で主視距離に対応するものとする。ここでは、加入度数の適合は行なわれず、40cmにおいて注文加入度数に関して眼鏡レンズ設計または眼鏡レンズが計算されて最適化される。通常、製造メーカから入手可能な加入度数は0.75D〜3.5Dの範囲にある。以下の簡単な計算に基づいて、眼鏡技師は、眼鏡レンズが入手できるかどうかを確認することができる。
[Math. 8]


ここで、
IZは、個々の加入屈折力(D)であり、
Addは、加入度数(D)であり、
RDNは、屈折距離近見の大きさ(メートル)であり、
MVDNは、主視距離近見の大きさである。
[0078]
実施例:
可能である:
加入屈折力=1.75D
屈折距離近見=40cm
主視距離近見=30cm
IZ=1.75D−2.50D+3.33D=2.58D
不可能である:
加入屈折=2.00D
屈折距離近見=40cm
主視距離近見=20cm
IZ=2.00D−2.50D+5.00D=4.50D
[0079]
計算においては、近見距離の変化に起因する遠近調節の変化が生じないと仮定する。しかしながら、これは単に近似を表わすにすぎない。
[0080]
図5に示されるグラフィカルユーザインタフェース120は、セクションまたは入力フィールド「ベースカーブ」(セクション135)を更に備えており、この入力フィールドには選択されたフレームに最も適合するベースカーブを入力することができる。特に、眼鏡フレームの屈曲に応じて偏位ベースカーブを入力できるとともに、それを眼鏡レンズの最適化で考慮することができる。プログラムは、それぞれの屈折データおよびそれぞれのベースカーブのニーズについて最も適した屈曲またはベースカーブを自動的に計算する。プログラムによって計算されるベースカーブは、入力フィールド「ベースカーブ」に入力されるベースカーブとは異なる場合がある。入力される或いは注文されるベースカーブは、特にエッジ厚を非常に高める場合がある強力に湾曲される裏面または後面上の平面および凸面が生じないように自動的にチェックされることが好ましい。
[0081]
図6は、現在のこれまで着用された眼鏡に関連する個々のデータを入力するためのマスクまたはグラフィカルユーザインタフェース140を示す。
[0082]
過去のレンズに関する情報は、わかっている場合には、このマスクに入力することができる。例えば、顧客が単焦点レンズ、多焦点レンズ、または、プログレッシブレンズを有していたかどうか、あるいは、それが顧客の最初の眼鏡レンズである(過去の眼鏡レンズがない)かどうかをリスト142(「レンズタイプ」)から選択することができる。プログレッシブレンズが着用されていた場合には、例えば材料、屈折力、及び/又は、累進長に関する更なる情報が例えばポップアップメニューで作られてもよい。更に、選択された過去の製品に基づいて過去の眼鏡レンズの累進長を自動的に或いは手動で入力することができる。特に、過去の眼鏡レンズの累進長は、例えば「標準的」長さとして或いは長い累進長として或いは短い(「XS」)累進長として大雑把に分類されてもよい。
[0083]
過去のレンズの加入度数がわかっている場合には、それを専用の入力フィールド144「過去のレンズの加入度数」に入力できる。したがって、過去のレンズの加入度数を新たな加入度数と比較できる。加入度数の増大が0.5Dを超える場合には、加入度数の増大の特殊性を指摘する備考フィールドが(例えばポップアップウインドウとして)現われてもよい。
[0084]
図7は、個人の優先度及び視領域の重みに関するデータを入力するためのマスクまたはグラフィカルユーザインタフェース146(「設計プロファイラ」)の一例を示す。
[0085]
遠見、中間距離、および、近見、並びに、眼鏡着用者の活動的な行動に関する5つの異なる絵文字はそれぞれ、眼鏡着用者が自分の設計プロファイルを選択する際に比較評価すべき領域を象徴している。絵文字は、それぞれの距離領域の一例としての役割を果たしており、その距離において想定し得る活動のいくつかを表わしているにすぎない。割り当てられるべきポイントを用いて、領域を重み付けることができる。
[0086]
一具体例では、4つの異なる領域(遠見、中間距離、近見、および、活動的行動)に対して全部で9個のポイントを割り当てることができる。それぞれの距離領域が顧客にとって重要になればなるほど、また、1つの領域に該当する顧客活動が多ければ多いほど、この領域に多くのポイントが割り当てられる。領域毎のポイントの数および総数を制限することができる。例えば、最大5ポイントが1つの領域に対して割り当てられてもよいが、全体で9ポイントを超えない。
[0087]
割り当てられるポイントは、眼鏡着用者の個々の設計プロファイルを決定する。すなわち、簡単な言葉で表わすと、与えられる総ポイントに対して遠見に対して割り当てられるポイントが多いほど、個々の遠見基準ポイントが低くなり、また、総ポイントに対して近見に対して割り当てられるポイントが多いほど、個々の近見基準点が高くなる。活動的行動および中間距離視覚におけるポイントは、主に、累進帯長に影響を及ぼし、したがって、眼鏡レンズがどの程度歪みが無いのかも決定する。各領域に対する同数のポイントの割り当ては、バランスのとれたユニバーサルデザインに対応する。
[0088]
図8は、個人の眼鏡レンズ設計148の遠見基準点および近見基準点の位置を示す。遠見基準点(領域150)および近見基準点(領域152)を見つけることができるのが好ましい領域(150および152)は灰色の背景を有する。光軸合わせ及び/又は取り付け点の位置が十字形154(光軸合わせクロス)によってマークされる。遠見基準点は2つの丸括弧156の真ん中にある。近見基準点は近見測定円158の真ん中にある。
[0089]
遠見基準点の垂直高さは、眼鏡着用者の個人データに応じて、この眼鏡レンズのために製造メーカにより設定された光軸合わせ及び/又は取り付け点に関して+4〜−4mmの範囲でフレキシブルに決定できることが好ましい。近見距離点は、光軸合わせ及び/又は取り付け点よりも垂直下側13〜20mmの間でフレキシブルに決定できることが好ましい。これは、好ましくは最小値13mmおよび最大値24mmを有することができるフレキシブルに選択できる累進長をもたらす。遠見基準点および近見基準点を許容できる範囲内で0.1mmの間隔で自由に決定できることが好ましい。例えば遠見基準点が−4mmの垂直高さへとシフトされる場合には、近見基準点を少なくとも−17mmの垂直高さにしなければならない。遠見基準点が+4mmへとシフトされる場合には、17mmの最小累進長が得られる。これは、近見基準点が好ましくは−13mmを超えてシフトされないからである。
[0090]
下側フレームエッジから近見基準点までの最小垂直距離は2mmであることが好ましい。遠見基準点は、上側フレームエッジから6mm、好ましくは8mmの最小垂直距離を有することが好ましい。最大許容累進長は、上側および下側フレームエッジのそれぞれからの遠見基準点および近見基準点の最小許容距離を用いて計算することができる。累進長は、遠見基準点と近見基準点との間の垂直距離として定められる。
[0091]
プログレッシブレンズで設計点をシフトすることによって得られる効果は、以下の表から理解できる。
[Table 3]


[0092]
遠見基準点および近見基準点の位置は、左右の眼鏡レンズにおいて同じであることが好ましい。しかしながら、視覚高さが異なる場合には、眼の一方の視領域に悪影響がおよぶ場合がある。両眼の視領域が十分に使用されるようにするためには、光軸合わせ点からの近見基準点のそれぞれの小さい方の垂直距離を選択して決定することが有益である。
[0093]
図9はこの関係を明らかにしている。図9中、
F1 L,Rは、左側(L)および右側(R)の眼鏡レンズの垂直距離「光軸合わせ点〜上側フレームエッジ」を示し、
F2 L,Rは、左側(L)および右側(R)の眼鏡レンズの垂直距離「下側光軸合わせ点〜下側フレームエッジ」を示す。
[0094]
図9では、光軸合わせ点と遠見基準点とが一致している。近見基準点の適切な垂直位置の選択が下側フレームエッジに基づいて行なわれる場合には、右眼に関して光軸合わせ点からの近見基準点の垂直距離−18mmが得られ、また、前記距離は左眼に関しては−17mmである。この場合、小さい方の距離を選択して決定することが好ましい。
[0095]
計算または最適化においては、屈折能検査における物体距離「遠見」および「近見」に関するデータが考慮に入れられる。したがって、実際の着用状況に対応するビーム経路をより正確にシミュレートすることができ、その結果、結像の質を向上させることができる。
[0096]
特に、レンズを計算する際には、眼鏡レンズの実際の着用位置での近視力における主視距離を考慮に入れることができる。図10Aは、眼鏡レンズの実際の着用位置での近視力における主視距離を示し、図10Bは、屈折能検査における屈折距離近見または近見距離を示す。
[0097]
一般に、40cmの近見屈折距離において加入度数が決定された(最大2.50Dまでの加入度数に適用され、更に高い加入度数においては、1/加入度数が当てはまる)とされ、また、それが40cmの近視力での主視距離に対応するとされる。近視力における主視距離が近見屈折距離において逸脱する場合には、この主視距離において個々の眼鏡レンズ設計を最適化することができる。
[0098]
眼鏡着用者の個人データに基づいて遠見基準点及び/又は近見基準点の最適な個々の位置が決定されると、そのように決定された遠見基準点および近見基準点の位置による対応する眼鏡レンズの設計が、場合によっては眼鏡着用者の更なる個人のパラメータを考慮して自動的に計算される。
[0099]
図11に示すように、結果(設計推奨)を表わすために適切なグラフィカルユーザインタフェース160Aを用いて設計案を視覚化することができる。設定時の選択に応じて、追加のグラフィカルユーザインタフェース160B(設計調整装置)が示されてもよく(図12参照)、この追加のグラフィカルユーザインタフェースを用いて、ユーザは、結果表示に加えて、遠見及び/又は近見基準点の個々の位置を変えることにより及び/又は眼鏡着用者の個人データ(特に、優先度、フレームデータなど)を変えることにより、設計を能動的に変えることができるようになる。また、適切なグラフィカルユーザインタフェース(好ましくは3次元モジュールの形態を成す)を用いて眼鏡レンズの対応する幾何学的データ(中心厚、エッジ厚、ベースカーブ、重量)を計算して視覚化することもできる。
[0100]
グラフィカルユーザインタフェース160A,160Bは、2つの領域に分けられる。すなわち、上側領域162には、提案された個々の眼鏡レンズ設計を用いた「視覚」及び/又は「性能」に関する情報が示され、下側領域164には、個々の眼鏡レンズまたは眼鏡の「外観」および「幾何学的形態」が示される。
[0101]
領域「外観」164には、特に、縁の付いた眼鏡レンズの眼鏡レンズ美学に関する美的特性およびデータ(例えば、重量や、製造高さ、最大エッジ厚、中心厚、ベースカーブなどの幾何学的データ、)を視覚化してグラフィック表示することができる。眼鏡レンズの美的特性の視覚化は、例えば図11および図12に示されるように、例えば、決定された幾何学的データを伴う眼鏡レンズのモデル166の3次元グラフィック表示によって達成されてもよい。眼鏡レンズの美的特性の表示は、ベースカーブおよび屈折率の選択によって影響されてもよい。選択が効果に依存してもよい。
[0102]
更に、領域「外観」164は、製造高さ、最大エッジ厚、中心厚、重量、縁付きレンズのベースカーブなどの眼鏡レンズの幾何学的特性に関する数値が示されるサブ領域168を備えていてもよい。これらの値は、任意に実際のレンズ幾何学的データから逸脱する近似値であってもよい。彫り込みに加え、個別に決定された遠見基準点および近見基準点がマーキング点として示されてもよい。
[0103]
適切なボタンを用いて縁付き眼鏡レンズの表示169を異なる静的視点(上側から見たフレーム、前側から見たフレーム、側方から見たフレーム、斜め上から見たフレーム)で示すことができる。また、アニメーションボタンを押すことにより、縁付き眼鏡レンズを選択された表示で動的に回転させることができる。より表示のために、対応するボタンによって画像が拡大されてもよい。
[0104]
更に、領域「外観」164は、屈折率に関する数値を表示するためのセクション170と、ベースカーブを表示するためのセクション(セクション172)とを備える。ベースカーブおよび屈折率に関して表示された値は、効力範囲、必要な直径、ベースカーブ希望、および、屈折データから成る。したがって、マスク「注文値」に入力されるベースカーブ希望から逸脱する可能性がある。レンズのベースカーブおよび屈折率において技術的に実現できる値は、対応する選択フィールドによって変えることができる。デフォルトのベースカーブや屈折率などの変更がなされる場合には、ボタン「リフレッシュ」を押すことにより、変更値にしたがってグラフィック表示よび幾何学的データを再計算することができる。
[0105]
眼鏡レンズの美的特性の視覚化に加えて、眼鏡レンズの光学特性の視覚化が行なわれる(視領域、特に個々の視領域の空間的な位置およびサイズ)。視領域のサイズの表示は、あり得る材料依存性を考慮に入れることなく処方データに関連して行なうことができるにすぎない。無論、材料依存性の考慮がなされてもよい。「外観」の視覚化に加えて、眼鏡レンズによる「視覚」の視覚化も行なわれる。特に、視覚快適性(例えば、下転、ロッキング、周辺視野、歪みなど)の視覚化がなされてもよい。
[0106]
また、個々の眼鏡レンズの視領域、視覚快適性、及び/又は、美的特性および美学に関連する性能値の適切な表示がなされてもよい。更に、別の設計案の性能値も表示されてもよい。
[0107]
したがって、グラフィカルユーザインタフェース160A,160Bの領域「視覚」162は、常に、幾つかのサブ領域へと分けられる。
[0108]
領域162のサブ領域174「両眼視領域表示」では、顧客および指定フレームにおける設計理想が省略記号によって概略的に示される。灰色領域は収差(例えば、0.5Dよりも大きい着用位置での非点収差)を有する領域である。また、0.5D等非点収差線の経路を任意に示してもよい。遠見基準点および近見基準点の垂直高さがそれぞれ(任意に異なる色の)線175,176によって特徴付けられてもよい。領域162のサブ領域177には、遠見基準点および近見基準点の空間位置(特に、光軸合わせ点に対する垂直高さ)の数値が示される。
[0109]
領域162のサブ領域178「設計プロファイル」には、視領域のサイズの互いに対する定性比較が、例えば異なる長さの棒グラフの形態で示される。ここで、Fは遠見領域を示し、Zは中間領域を示し、Nは近見領域を示す。それぞれの棒グラフまたはスライドの長さは、対応する距離領域に関連付けられる優先順位のそれぞれの設定と相関している。設計プロファイルにおける長さは過去の全てのマスクの値からの結果であるため、当該長さは、以前に顧客によってなされた優先度及び重み付けから逸脱する場合がある。また、個々の眼鏡レンズによる動的な視覚的印象の定性的評価を示すことができる。動的な視覚的印象を表わす棒グラフ(棒グラフの「ダイナミクス」)が高いほど、累進領域長が長くなるとともに、眼鏡レンズが単焦点レンズに更に類似するようになり、眼鏡レンズが有するロッキング効果が少なくなる。
[0110]
また、眼鏡技師及び/又は眼鏡着用者が、このように計算された眼鏡レンズを能動的に変更できるようにしてもよい。変更は、例えば、空間位置、特に遠見基準点及び/又は近見基準点の垂直高さを能動的に変えることによって行なわれる。あるいは、視領域の重み付けを変えることができる。
[0111]
遠見基準点及び/又は近見基準点の位置及び/又は視領域に関する優先度の変更または適合は、例えばグラフィカルユーザインタフェースによって行なうことができる。スライドコントロール180の形態を成す適切なグラフィカルユーザインタフェースの一例が図12に示されている。図12に示されるスライドコントロール180によって、遠見基準点及び/又は近見基準点の位置の直接的な適合が可能である。
[0112]
遠見基準点及び/又は近見基準点の位置が変更された新たな眼鏡レンズ設計がリアルタイムで計算されて視覚化されることが好ましい。古い眼鏡レンズ設計に対する新しい眼鏡レンズ設計の光学特性の違い或いは変化も視覚化されることが好ましい。
[0113]
設計推奨(図11)において説明された可能性に加えて、ボックス次元および指定された光軸合わせにおいておおよその両眼顧客フレームに対応する楕円が、例えば設計調整装置においてフェードインされてもよい。また、ここでは、例えば遠見基準点および近見基準点のためのスライドコントロールを上方または下方へスライドさせることにより提案された個々の設計を変えることができる。遠見基準点および近見基準点のための表示フィールドにおける注文パラメータでは、それに対応して、基準点の位置における数値が変化する。また、遠見基準点および近見基準点のための線が両眼視領域表示においてもシフトする。
[0114]
設計推奨の灰色の視領域に加えて、変更された個々の設計を示す好ましくは着色された(例えば黄色)視領域線(例えば、0.5D等非点収差線)が現われてもよい。また、サブ領域178設計プロファイルでは、視領域の互いに対するサイズの関係および棒グラフ「ダイナミクス」の長さも変化する。セクション「設計プロファイラ」での割り当てポイントは、セクション「設計調整装置」での変更によって影響されないことが好ましい。
[0115]
以下の例は、眼鏡着用者の得られた個々のデータに応じて遠見基準点および近見基準点が個別に決定される個々のプログレッシブ設計を示す。
[0116]
実施例1:眼鏡着用者が建築家である
眼鏡着用者は、広い中間領域を重視するとともに、ロッキング動作が殆どない、なるべく「目立たない眼鏡レンズ」を持ちたいと思っている。これは、一日の殆どにおいて、眼鏡着用者が仕事関連のために中間領域(中距離)を使用するからである。眼鏡着用者の現在の眼鏡では、眼鏡着用者は、累進帯長が18mmのプログレッシブレンズを着用する。
[0117]
この眼鏡着用者に関しては、選択されたフレームおよび対応する光軸合わせのために、プログラムは、光軸合わせ及び/又は取り付け点よりも上側+2.4mmに遠見基準点を設定することを示す。近見基準点は、光軸合わせ及び/又は取り付け点よりも下側−19mmにあることが最適である。このプログレッシブ眼鏡レンズを用いて、建築家は、リラックスした頭位、幅広い中間領域、および、建築家の視習慣による僅かなロッキング動作について良好に妥協している。
[0118]
実施例2:眼鏡着用者が編集者である
眼鏡着用者は、大きな近見領域を重視するとともに、自分の視力を自分の現在の眼鏡レンズよりも下げなければならないことを望んでいる。これは、一日の殆どにおいて、眼鏡着用者が仕事関連のために近見領域内で仕事をして過ごすからである。眼鏡着用者の現在の眼鏡では、彼は、累進帯長が18mmのプログレッシブレンズを着用する。この眼鏡着用者に関しては、選択されたフレームおよび対応する光軸合わせのために、プログラムは、光軸合わせ及び/又は取り付け点よりも上側1.5mmに遠見基準点を設定することを示す。近見基準点は、光軸合わせ及び/又は取り付け点よりも下側−15.5mmにあることが最適である。したがって、編集者は、幅広い近見領域およびリラックスした頭位について良好に妥協している。
[0119]
眼鏡着用者が眼鏡レンズにおいて幅広い中間領域および近見領域と僅かなロッキング動作とを特に重視する場合、プログラムは、他の入力パラメータに応じて遠見基準点を上方へシフトすることを示す。このとき、遠見基準点は光軸合わせ及び/又は取り付け点よりも上側である。屈折データおよび個々のパラメータに応じて、光軸合わせ及び/又は取り付け点には、最大で+0.25Dの「ぼけ」が生じ得る。光軸合わせ点におけるこの僅かなぼけに加えて、遠見領域には、側方制限も生じ得る。これは、眼鏡着用者が、−遠見基準点が上方へシフトされるときに−、眼鏡レンズの累進がより早く始まるため、ゼロ視野方向で見るからである。眼鏡レンズの累進領域の位置が変更されたことに起因して、これにしたがって、視領域は、光軸合わせ点の高さで更に小さくなる場合がある。これは、周辺収差が「上方へ」シフトされるからである。しかしながら、遠見基準点の位置を選択する場合、眼鏡着用者は、自分の個々の視習慣にしたがって設計されて最適化された眼鏡レンズ設計または眼鏡レンズを得る。
[0120]
実施例3:眼鏡着用者が野外で作業する
眼鏡着用者は、大きな遠見領域を特に重視する。これは、一日の殆どにおいて、眼鏡着用者が仕事関連のために遠見領域を使用するからである。眼鏡着用者の現在の眼鏡では、眼鏡着用者は、累進帯長が18mmのプログレッシブレンズを着用する。この眼鏡着用者に関しては、選択されたフレームおよび対応する光軸合わせのために、プログラムは、遠見基準点を自動的に計算して光軸合わせ及び/又は取り付け点よりも下側−2.5mmに設定することを示す。近見基準点は、光軸合わせ及び/又は取り付け点よりも下側−18.4mmにあることが最適である。このプログレッシブ眼鏡レンズを用いると、眼鏡着用者は、大きい遠見領域を有するとともに、僅かなロッキング動作と良好に使用できる中間および近見領域とについて良好に妥協している。
[0121]
実施例4:
どの活動及び視覚ニーズにおいて眼鏡着用者が自分の眼鏡を使用するかについての質問にしたがって、例えば以下のプロファイル結果が得られる。
・眼鏡着用者は、車を定期的に運転し、TVを見る。
・眼鏡着用者は、楽器を演奏して、週に2回オーケストラリハーサルに参加する。
・夜には、眼鏡着用者は日刊新聞を好んで読む。
・眼鏡着用者は、週に少なくとも1回、クラブでスポーツ、例えばジョギングまたはハンドボールをする。
[0122]
眼鏡着用者の現在の眼鏡において、眼鏡着用者は、通常の累進帯長を有するプログレッシブレンズを着用する。優先度がわからず、また、この顧客の活動が遠見領域、中間距離領域、および、近見領域へと等しく分配されるため、同じ数のポイントが、全ての距離に対して割り当てられ、また、活動の挙動または動態に対しても割り当てられる。すなわち、全ての視領域および動的挙動または動的特性が等しく重み付けられる。この具体例では、図7に示される「設計プロファイラ」の全ての領域に2ポイントが割り当てられる。グラフィカルユーザインタフェース「設計推奨」では、過去のマスクへの個々の入力を考慮して計算結果が表示される。プログラムは、この顧客について、基準点を自動的に計算して遠見基準点を0mmに位置決めし且つ近見基準点を−18mmに位置決めすることを示す。この眼鏡レンズは、設計を選択する際に遠見領域のうちの1つでの任意の活動に重点を置かないため、累進帯長が18mmのバランスのとれたユニバーサルなプログレッシ眼鏡レンズ(例えば、Rodenstock GmbH社の眼鏡レンズ「ImpressionILT」(登録商標))に相当する。
[0123]
実施例5:
どの活動及び視覚ニーズにおいて眼鏡着用者が自分の眼鏡を使用するかについての質問にしたがって、例えば以下のプロファイル結果が得られる。
・眼鏡着用者は、1日の殆どを仕事関連のために車の中で過ごすため、邪魔されない遠視力を特に重視する。
・眼鏡着用者は、ダッシュボードを明確に見るために中距離の視力だけを必要とする。
・近視力は、契約の締結などの短い筆記行為のためだけに必要とされる。
・この余暇では、眼鏡着用者は、好んでテニスやスカッシュをする。眼鏡レンズにおいてロッキング動作がほとんどないことが眼鏡着用者にとって特に重要である。
[0124]
眼鏡着用者の現在の眼鏡において、眼鏡着用者は、通常の累進帯長(PZL)を有するプログレッシブレンズを着用する。眼鏡着用者の優先度は明らかに遠視力であり、中間距離および近見は補助的な役割を果たす。したがって、この例では、4ポイントが遠見に対して割り当てられ、1ポイントが中間距離および近見に割り当てられた(図7参照)。歪みがないことおよび良好な空間認知などの動的スポーツの要件のために、図7に示される「設計プロファイラ」では、活動の挙動または動態が3ポイントで重み付けられた。グラフィカルユーザインタフェース「設計推奨」では、過去のマスクへの個々の入力を考慮して計算結果が表示される。プログラムは、この顧客について、基準点を自動的に計算して遠見基準点を−1.1mmに位置決めし且つ近見基準点を−18.5mmに位置決めすることを示す。近見基準点の位置および関連する比較的長い累進帯長に起因して、眼鏡レンズは、単焦点レンズに類似しており、歪みが殆ど無い。これは、眼鏡着用者のスポーツ活動に積極的に影響を与える。
[0125]
実施例6:
どの活動及び視覚ニーズにおいて眼鏡着用者が自分の眼鏡を使用するかについての質問にしたがって、例えば以下のプロファイル結果が得られる。
・眼鏡着用者は車を運転しているときには通常は眼鏡を外すため、遠視力は補助的な役目を果たす。
・中距離の視力が眼鏡着用者にとって特に重要である。
・眼鏡着用者は、例えば自分のグラフィックスケッチにおける湾曲線の場合のような、普段と違う歪みに対して非常に敏感である。
・仕事の後、眼鏡着用者は好んで推理小説を読む。
・眼鏡着用者のストレスの多い仕事に起因して、眼鏡着用者はスポーツや他の活動に時間を使う余裕がない。
[0126]
したがって、この眼鏡着用者にとって最も重要な距離は中間距離であり、近視力も重要であり、遠視力および活動の挙動は補助的な役割を果たす。したがって、図7に示される「設計プロファイラ」では、1ポイントが遠視力および活動挙動のそれぞれに対して割り当てられ、3ポイントが中間距離に割り当てられ、2ポイントが近視力に割り当てられる。グラフィカルユーザインタフェース「設計推奨」では、過去のマスクへの個々の入力を考慮して計算結果が表示される。プログラムは、この顧客について、基準点を自動的に計算して遠見基準点を+0.7mmに位置決めし且つ近見基準点を−18.5mmに位置決めすることを示す。したがって、想定し得る最も大きい中間領域が実現される。近見基準点の位置および関連する比較的長い累進帯長に起因して、眼鏡レンズは、単焦点レンズに類似しており、歪みが殆ど無い。これは、眼鏡着用者のグラフィックスケッチを伴う仕事中に眼鏡着用者にメリットがある。
[0127]
実施例7:
どの活動及び視覚ニーズにおいて眼鏡着用者が自分の眼鏡を使用するかについての質問にしたがって、例えば以下のプロファイル結果が得られる。
・眼鏡着用者は遠視力活動のために眼鏡を殆ど使用せず、したがって、眼鏡は補助的な役割を果たす。
・文書を読むことが眼鏡着用者の仕事にとって特に重要である。
・眼鏡着用者は、近視力作業のための快適な下転を重視する。
・どちらかといえば動かない仕事場での姿勢に起因して、ロッキング動作は補助的な役割を果たす。
・時折のコンピュータ作業のために中距離の視力が必要である。
[0128]
この眼鏡着用者にとって最も重要な距離は近見距離である。中距離も重要であり、遠視力および活動の挙動は補助的な役割を果たす。したがって、図7に示される「設計プロファイラ」では、4ポイントが近視力に対して割り当てられ、2ポイントが中距離に割り当てられ、1ポイントが遠視力および活動挙動のそれぞれに対して割り当てられる。グラフィカルユーザインタフェース「設計推奨」では、過去のマスクへの個々の入力を考慮して計算結果が表示される。プログラムは、この顧客について、基準点を自動的に計算して遠見基準点を+0.8mmに位置決めし且つ近見基準点を−17.0mmに位置決めすることを示す。したがって、想定し得る最も大きい中間領域および近見領域が顧客のニーズのために実現される。近見基準点の位置に起因して、近視力作業のための快適な下転を望む眼鏡着用者の希望が、眼鏡着用者の個人のプログレッシブレンズにおいて実現する。
[0129]
ボタン「活動的選択の適用」を用いると、注文のためにどのデータが適用されるべきかを決定できる。例えば、現在のところ活動的である(背景にない)領域のためのデータが常に適用される。ボタン「活動的選択の適用」が押された後、結果が記入された注文フォームを印刷することができる。注文フォームは、例えば、色、コーティング、ColorMatic色、測定フレームなどの更なる詳細と共に仕上げられてもよい。また、個々のデータを記憶し及び/又は眼鏡レンズ製造メーカへオンラインで送信することもできる。
[0130]
眼鏡着用者の個人データは、適切な注文フォームよって得ることもでき、また、眼鏡レンズ製造メーカへ転送することもできる。図13は典型的な注文フォームを示す。注文フォームには、得られた個々の屈折データ(球面、円柱、軸、プリズム、ベース)、フレームおよび光軸合わせデータ、眼鏡着用者の眼の個々のパラメータおよび個々の着用位置(瞳孔間距離、顔形角度、前方傾斜、角膜頂点間距離など)、および、任意に更なる個々のデータが示されている。注文フォームを用いて、遠見基準点及び/又は近見基準点の位置がユニバーサルなプログレッシブレンズ設計(例えば、Rodenstock GmbH社のImpression(登録商標)またはImpressionXS(登録商標))の位置に対応するように遠見基準点及び/又は近見基準点の位置を選択することができる。また、16mmの中程度の累進帯長を定めることもできる。あるいは、遠見基準点及び/又は近見基準点の位置が個々のフレームデータに応じて定められてもよい(フレーム最適化設計)。このようにすれば、例えば、遠見基準点を光軸合わせ点(すなわち、0mmの位置)に定めることができ、また、近見基準点を下側フレームエッジの上側2mmの位置に定めることができる。更に、先に詳しく説明したように、更なる個々のデータを考慮して(例えば、活動および視領域に関する優先度に重点を置いて)遠見基準点および近見基準点の位置を個別に決定することができる。
[0131]
次に、個々の眼鏡レンズが計算されて最適化される。この場合、最適化は、得られた個々のデータ、特に眼鏡着用者の個々のパラメータおよび個々の着用位置(顔形角度、前方傾斜、瞳孔間距離、角膜頂点間距離など)に関するデータの少なくとも一部を考慮して行なわれる。
[0132]
着用状況における眼鏡レンズの結像特性を表わすために及び/又は計算するために、幾何光学では、以下の2つの計算方法が知られている。
・光線を用いる計算(レイトレーシング)
・波面を用いる計算(ウェーブトレーシング)
[0133]
用語「レイトレーシング」は、光線(ドイツ語:Strahl)とトレーシング(ドイツ語:Verfolgung)とから成る。幾何光学において、レイトレーシング法は、光学的結合を表わすために使用される。しかしながら、レイトレーシングを用いた眼鏡レンズの計算は、実際の光線または主光線を除く眼鏡レンズの各ポイント毎に眼鏡レンズを通過する隣接光線の「随伴」束もシミュレートしなければならないため、多大な時間を要する。
[0134]
個々の眼鏡レンズは、波面トレーシング法によって、特に局所的な波面最適化によって計算されることが好ましい。用語「ウェーブトレーシグ」は、波(ドイツ語:Welle)とトレーシング(ドイツ語:Verfolgung)とから成る。波面は、光学的結像を表わすために或いは計算するために光線のように使用することができる。波面は、伝搬波の同じ位相の面である。そのような波面のそれぞれは、単一物体における隣接光線束の全ての特性を組み合わせる。これにより、計算時間をかなり短くすることができ、それにより、単一の眼鏡レンズのそれぞれの個々の最適化が可能になる。特に、設計点遠見及び/又は近見の自由選択に起因して、眼鏡レンズにおける結像特性の配分を眼鏡着用者の個々の視習慣に合わせることができる。
[0135]
図14は、定められた着用位置における眼鏡レンズの生理的および物理的モデルの概略図を示しており、無限に離れた物体184からの光線が全て平行であり平らな波面186で反射されるのが図13から分かる。一方、近い物体188からの光線は発散する。したがって、波面190は湾曲される。好ましくは球状の前面192と個別に計算されたプログレッシブ非トーリック後面194とを有する眼鏡レンズは、このとき、対応する物体184,188が眼200の網膜上に鮮明に形成されるように各波面196,198が眼側で湾曲されていることを確認しなければならない。理想的なケースでは、これらの波面が眼側で全ての視野方向にわたって同じ度合いまで湾曲されなければならない。
[0136]
眼鏡レンズの計算のため、複数の評価点(好ましくは7000個を超える評価点)を有する個別に計算されるべきプログレッシブ面の柔軟な表面設計を使用することが好ましい。この場合、これらの評価点のそれぞれには、それ自体の局所波面トレーシングが割り当てられる。個々のプログレッシブ面は、評価点で評価される目標機能を最小にすることにより且つ生理的視覚モデルを考慮に入れることにより最適化されることが好ましい。このようにすると、注文を受けた後、個々の波面トレーシングにより、可変の目標機能にしたがって、眼鏡レンズの最適化を、非常に迅速に、したがってオンラインで行なうことができる。
[0137]
眼鏡レンズの計算は、高次元空間内での2000個を超える最適化パラメータを用いた最適化を含むことが好ましい。このように行なわれるリアルタイムオンライン最適化のためにマルチプロセッサメインフレームコンピュータを使用することができる。
[0138]
眼鏡レンズの個々の最適化では、低次の収差(球面、円柱、プリズム)だけでなく、高次の収差(例えば、コマ収差および球面収差)も最小限に抑えられることが好ましい。この点に関しては、US7063421B1を参照されたい。個別に計算された眼鏡レンズの製造は、例えば、計算された表面データをμm範囲で精密に実現できる精密機械によって、好ましくはCNC研削・研磨機によって行なわれる。
[0139]
個々の眼鏡レンズの最適化においては、リスティング則が特に考慮に入れられることが好ましい。
[0140]
図15Aおよび図15Bは、リスティング則を考慮しない眼鏡レンズ(図15A)およびリスティング則を考慮した眼鏡レンズ(図15B)における軸位置の概略図である。
[0141]
眼は周辺視野偏位中に僅かな眼球回旋または眼偏位運動を行なうため、眼鏡レンズ全体にわたって固定された円柱軸が存在してはならず、それが水平から垂直への移行時に変化しなければならない(図15B)。眼中に存在する円柱(屈折に起因して知られる)が眼鏡レンズによってうまく補正される場合、眼鏡レンズ内の円柱の軸位置は、眼がその眼球回旋に起因して実際にとる軸位置と十分に一致しなければならない。眼の軸位置と眼鏡レンズの軸位置とが一致しない場合には、2つの斜めに交差する円柱が生じる。斜めの側方の視野偏位の場合、眼鏡着用者は、補正されない非点収差を有する。これは、1つの領域で視力の喪失をもたらす。個々の眼鏡レンズの計算では、ねじり調整が考慮されることが好ましい。リスティング則の考慮は、
・顧客の屈折円柱が高くなればなるほど、及び/又は、
・視野偏位が水平および垂直の偏位運動から大きく逸脱すればするほど、及び/又は、
・視野偏位が全体的に強くなればなるほど或いは大きくなればなるほど、
いっそう意味を持つようになる。
[0142]
プログレッシブ前面および球状/トーリック処方表面を有する従来のプログレッシブ眼鏡レンズでは、リスティング則を適用することができない。すなわち、遠近両用の個々の眼側自由形状面を有する眼鏡レンズとは異なる。
[0143]
個々のプログレッシブ眼鏡レンズの最適化および計算では、個々の事前 偏位(predecentration)が考慮に入れられることが更に好ましい。したがって、使用できる直径が拡大される。最適な事前 偏位は、フレームおよび眼鏡レンズの形状に関連するデータと光軸合わせに関連するデータとに基づいて自動的に計算することができる。あるいは、個々の事前 偏位を眼鏡技師自身によって設定することができる。この場合には、特定の光軸合わせカードにより決定される所望の直径も考慮に入れることができる。特に、最大5mmまでの事前 偏位を考慮することができる。
[0144]
個別に計算された眼鏡レンズは、個別に決定された遠見および近見の基準点または設計点、個々の屈折データ、眼鏡着用者の個々のパラメータ、および、着用状況(例えば、瞳孔間距離、前方傾斜、顔形角度、角膜頂点間距離など)に応じて最適化される個々のプログレッシブ眼側自由形状面と球状または回転対称な非球状の物体側前面とを有することが好ましい。
[0145]
個々の遠見基準点および近見基準点の位置は、非永久的なマーキングを用いた個別スタンピングによってマーク付けされることが好ましい。好ましくは、個々の遠見基準点および近見基準点の位置は、眼鏡レンズの永久マーキングまたはミクロ彫り込みと再構成規則(テンプレート、光軸合わせカード)とによって独自に再構成することができる。
[0146]
図16A,Bは、2つの個々のプログレッシブ眼鏡レンズの非永久的なスタンピングの例を示す。
[0147]
本発明の好ましい方法にしたがって最適化される個々の眼鏡レンズの非永久的なマーキングまたはスタンピングは、「可動」および「固定」部から成る。可動部は、遠見基準点または設計点遠見の位置をマークする2つの丸括弧202と、近見基準点または設計点「近見」の位置をマークする近見測定円204とを含む。遠見基準点は丸括弧202の真ん中に位置され、また、近見基準点は近見測定円204の真ん中に位置される。遠見基準点および近見基準点の位置に応じて、個々の眼鏡レンズのスタンピングはそのように異なって見える場合がある。光軸合わせ点及び/又は取り付け点の位置は十字形206(光軸合わせクロス)によってマークされる。
[0148]
通常の場合、プリズム基準点208は、光軸合わせ点の下側4mmに位置される。屈折左右不同症が更に高く且つ顧客が特定の重み付けに関する特定の希望がある場合(例えば、プリズム垂直差が近見領域で一致されるべき場合)には、プリズム一致点を所望の方向にシフトさせることができる。
[0149]
図16Aに示される例では、遠見基準点が光軸合わせ点の高さに位置される。近見基準点は、光軸合わせ点の下側−18mmの垂直高さに位置される。図16Bは、個々の眼鏡レンズの個々のスタンピングまたは個々のスタンピング像の更なる例を示す。眼鏡レンズは、大きな遠見距離を特に重視する眼鏡着用者のために個別に計算されて最適化される。遠見基準点は、光軸合わせ点及び/又は取り付け点の下側−4mmの垂直高さに位置され、また、近見基準点は、光軸合わせ点及び/又は取り付け点の下側−18mmの垂直高さに位置される。
[0150]
遠見基準点および近見基準点の位置(特に、光軸合わせ点及び/又は取り付け点に対する垂直高さ)における値も眼鏡レンズに永久的に彫り込まれることが好ましい。
[0151]
例外的なケースでは、スタンピングが前述したものと異なっていてもよい。また、遠見基準点および近見基準点及び/又は光軸合わせ点及び/又は取り付け点の位置の明確な非永久的マーキングが省かれてもよい。しかしながら、基準点は、光軸合わせカード、1mmのステップのスタンプスケール、および、レンズパケットを備える再構成規則によって独自に決定することができる。基準点を再構成するため、眼鏡フレームが、マークされた光軸合わせ点を有する光軸合わせカードの光軸合わせクロス上に置かれ、また、遠見基準点および近見基準点の位置が眼鏡レンズ上に描かれる。また、遠見基準点および近見基準点の位置は、鼻のベースカーブおよび指標彫り込みの下側に永久的に彫り込まれる値を用いて決定されてもよい。
[0152]
基準点の位置の再構成に加えて、対応する光軸合わせカードにより、未加工−円形眼鏡レンズの最適な直径を決定することができる。
[0153]
光軸合わせカードによる最適な直径の決定は、以下のように行なうことができる。
1)側方光軸合わせに関係なく、光軸合わせカードの最も小さい外接直径円に対応する選択されたフレームのための対応する最小直径を決定する。この値は、直径オーダーの第1の値、例えば50/60に対応する。
2)取り付けプロセスで決定される視点を、それが光軸合わせカードの光軸合わせクロスと一致するように光軸合わせカード上に位置決めする。
3)最大所要直径を読み取る。殆どのケースである鼻方向での 偏位(フレームの中心距離よりも小さい瞳孔間距離PD)において、これは、フレームに側頭部に外接する円の直径である。この値は、直径オーダーの第2の値、例えば50/60に対応する。使用できる直径と最小直径との間の差は10mmを越えないことが好ましい。
4)直径が鼻方向および側頭部に等しい場合、注文の中心バージョンが推奨される。
[0154]
非永久的なマーキングまたはスタンピングに加えて、個々の眼鏡レンズは、永久的な(ミクロ−)彫り込みも有する。
[0155]
図17は、後方から(すなわち、眼側から)見た、個別に最適化された左側の眼鏡レンズの永久的な彫り込みを示す。眼鏡レンズの位置合わせのための機能的な彫り込み或いは永久的なマーキングは、無限の標示である。2つの機能的な彫り込み210,212は、光軸合わせ点または光軸クロスの高さにある34mmの相互距離に位置される。鼻の無限標識212の下側には、ベースカーブ彫り込み214と指標彫り込み216とが位置されており、これらはいずれも2桁の数字を有する。その下側には、遠見基準点および近見基準点の位置のための彫り込み218がある。第1の数は、光軸合わせ点及び/又は取り付け点に対する遠見基準点の垂直距離を示す。第2の数は、光軸合わせ点及び/又は取り付け点に対する近見基準点の垂直距離を示す。
[0156]
遠見基準点は、好ましくは、光軸合わせ点よりも下側または上側の−4mm〜+4mmの範囲内にあってもよい。近見基準点は、好ましくは、光軸合わせ点及び/又は取り付け点よりも下側の−13mm〜−20mmの範囲内にあってもよい。
[0157]
2桁の加入度数彫り込み220は、機能的な彫り込み210の下側に側頭部に位置される。
[0158]
要約すると、図17には、
∞ 機能的彫り込み
25 加入度数
65 ベースカーブ
60 屈折率
−4 光軸合わせ点及び/又は取り付け点からの遠見基準点の個々の垂直距離
18 光軸合わせ点及び/又は取り付け点からの近見基準点の個々の垂直距離
が示されている。
[0159]
仕上げられてスタンピングされた眼鏡レンズは、レンズパケット内に詰め込まれて、眼鏡技師/顧客に対して供給される。レンズパケットの一例が図18に示されている。図19は、レンズパケットで使用される絵文字および記号のリストを示す。
[0160]
眼鏡着用者の個人データが各レンズパケット上に印刷される。より具体的には、以下のデータが各レンズパケット上に印刷される。
・レンズタイプ、材料、色、コーティング、直径
・注文された値:球面、円柱、軸、プリズム(結果)、ベース(結果)、加入度数
・プリズム基準点における測定可能なプリズムを含む、凹面頂点測定位置における距離および加入度数の測定点での焦点距離計の目標測定値(ERPおよび注文プリズムから成る)
・プリズム屈折データを伴う:屈折のタイプに関する情報:PD光軸合わせ(PMZ)、または、方程式ケース(FF)、および、必要な光軸合わせ補正のサイズおよび方向
・一般的な注文データ、加入度数情報、および、レンズパケットの背後の手数料
・個々のパラメータに関する情報:単眼PD、CVD、FI、FFA
・設計点に関する情報:光軸合わせ点及び/又は取り付け点に対する遠見基準点および近見基準点の位置
・レンズのベースカーブ、事前 偏位、および、インセット、レンズ形状および光軸合わせのデータがわかっている場合における取り付け用の補正PD(COR PD)の表示
[0161]
レンズパケットは、特に、眼鏡フレームにおける正しい取り付けのための関連データ、特にフレームおよびレンズの形状に関連するデータを含む。
[0162]
特に、レンズ形状および光軸合わせデータが指示される注文(スポーツ眼鏡類に関するものなど)においては、補正された瞳孔間距離PDが取り付けのために計算される(COR PD)。これは、レンズを既に備えた眼鏡において正しい顧客PDを得るために必要である。また、補正プリズムを有する眼鏡レンズの場合、COR PDは、形状が指示されていた場合に顧客PDの代わりに取り付け用に使用されるようになっている。水平および垂直ベース位置を伴うプリズムのために必要な光軸合わせ補正は、眼鏡レンズの計算で既に考慮に入れられている。したがって、レンズパケットにおける光軸合わせ補正のための値は常にゼロである。
[0163]
形状指示を伴わない注文では、COR PDを計算することができない。これは、その計算のために必要とされるパラメータ(フレームおよび光軸合わせのデータ)が伝えられないからである。補正プリズムが好ましい最適化方法にしたがって個別に最適化されるプログレッシブ眼鏡レンズでは、レンズが計算されるときに既に、水平および垂直ベース位置を伴うプリズムのための光軸合わせ補正が考慮に入れられることが好ましい。レンズパケットにおける光軸合わせ補正のための値はゼロのままである。形状が指示されない注文では、この値がPDに関連する。
[0164]
図20Aおよび図20Bは、眼鏡着用者の眼の前方にあるプログレッシブ眼鏡レンズの光軸合わせ、および、基準点の対応する位置を示す。図20Aに示される眼鏡レンズは、遠見基準点および近見基準点の位置が本発明の好ましい方法にしたがって個別に決定される個々の眼鏡レンズである。特に、図20Aに示される眼鏡レンズの位置は、フレームデータに応じて個別に定められる。図20Bに示される眼鏡レンズは標準的な眼鏡レンズである。
[0165]
個別に計算されたプログレッシブ眼鏡レンズは、基準点要求にしたがって調整される。このことは、光軸合わせ点及び/又は取り付け点(または、光軸合わせクロス)がゼロ視野方向での習慣的な頭位および体位で瞳孔の真ん中にあるべきことを意味する。最小取り付け高さは、近見基準点の位置によって決まる。しかしながら、フレームでは近見基準点よりも下側少なくとも2mmのままであることが好ましい。したがって、最小取り付け高さは、光軸合わせ点の下側15mmであることが好ましい。プログレッシブレンズが光軸合わせ推奨と異なって調整される場合には、結像特性が制限される場合がある。
[0166]
眼鏡レンズの光軸合わせが誤っている場合、特に光軸合わせが非常に低い場合には、この低い光軸合わせが遠見領域で既に僅かな制限をもたらす。最適化を内在する着用状況では眼鏡レンズが着用されないため、特に差異が生じる。
[0167]
しかしながら、遠見領域とは異なり、近見領域では、更に低い光軸合わせを伴う眼鏡レンズにおいてかなりの制限が見出され得る。一方では、これらの制限は、フレームサイズに応じてフレームに近見領域がもはや存在せず且つ眼鏡着用者が近視力で近見領域よりも明らかに狭い累進領域を覗き込むという事実に起因する。他方では、最適化を内在する着用状況で眼鏡レンズが着用されないため、更なる誤差が生じる。また、同じ下転では、近見屈折力が達成されず、顧客は更なる調節の努力をなす。
[0168]
したがって、前述したように、遠見基準点及び/又は近見基準点をシフトすることにより視領域の強調を正確に生み出すことができる。また、主視野方向が偏位する場合、例えば特に背の高い或いは低い人の場合には、主視領域がそれぞれの主視野方向と一致するように個別に主視領域を配置できる。
[0169]
基準点では、いわゆる目標測定値も測定される。この場合、目標測定値は、注文値に加えて、個々の眼鏡レンズのレンズパケット上に示される。目標測定値は、凹面頂点測定位置に関連することが好ましい。許容誤差の考慮は、注文値に関連せず、目標測定値に関連する。
[0170]
遠見屈折力
球面、円柱、および、軸のための目標測定値は、遠見基準点でチェックされる。この遠見基準点は、光軸合わせ点の好ましくは+4〜−4mmの範囲内に異なる態様で個別に位置される。遠見基準点の正確な位置は、ベースカーブおよび指標彫り込みよりも下側の加入度数彫り込みから解釈することができる。遠見屈折力の測定が図21Aに概略的に示されている。
[0171]
プリズム屈折力
プリズム基準点では、厚さ減少プリズム(ベース位置は常に270°)と補正プリズムとの組み合わせ屈折力が測定される。プリズム屈折力の測定が図21Bに概略的に示されている。
[0172]
近見屈折力
近見基準点は、光軸合わせ点よりも下側の−13〜−20mmの範囲内に異なる態様で個別に位置される。近見基準点の正確な位置は、ベースカーブおよび指標彫り込みよりも下側の加入度数彫り込みから解釈することができる。近見屈折力の測定が図21Cに概略的に示されている。
[0173]
加入度数
加入度数の目標測定値は、遠見基準点と近見基準点との間の平均屈折力の差(球状の等価物)に対応する。しかしながら、多くの場合、注文された彫り込まれた加入度数の一致をチェックすることは容易であり且つ一般に十分である。
[0174]
前述した方法にしたがったフレキシブルな眼鏡レンズ設計は、特に、以下の有利な特徴によって特徴付けられる。
・全ての屈折データ(屈折力最適化)、フレームおよび光軸合わせのデータ、並びに、PD,CVD,FI,FFAを考慮に入れることによる視覚障害の最適な補正
・全ての個々のパラメータおよび屈折データが最適化において考慮に入れられるため、視領域が常に最適なサイズを有して理想的に重なり合う
・最適化
・着用位置の最適化
・全ての屈折データの最適化
・コマ収差や球面収差などの高次の収差を考慮した波面最適化
・リスティング則の考慮
・フリーフオーム技術(自由形状技術)を用いた最適化
・最も高い自発的適合性
・100%収束から逸脱して注文できるピンポイントの正確さのインセット(例えば、片眼の人の場合)
・屈折左右不同症の場合でも右/左側で同一の視領域
・遠視力のための屈折データを0.12Dのステップでも注文できる
・プリズム/MDMなどの注文
・完璧な美学
[0175]
顧客のニーズおよびパラメータにしたがって個別に決定されて計算される眼鏡レンズ設計は、バランスのとれたユニバーサルな眼鏡レンズ設計の特性、すなわち、全ての距離にわたって最大限に大きい視領域を示すと同時に、中央視領域と周辺視領域との間での調和的移行を伴う。したがって、そのような設計またはそのような眼鏡レンズは、広範な毎日の状況(車の運転、余暇時間、読書など)にとって最適な視覚快適性を与える。

Claims

[1]
眼鏡着用者のためのプリズム眼鏡レンズを製造するための方法であって、
プリズム補正屈折力の垂直成分pyを有するプリズム処方データを含む眼鏡着用者の個々のユーザデータを取得するステップと、
プリズム処方データを伴わない個々のユーザデータを考慮に入れてドラフト設計を決定するステップと、
プリズム処方データを伴わない個々のユーザデータに応じて眼鏡レンズの少なくとも1つの屈折力パラメータのための少なくとも1つの光学ドラフト基準点および取り付け点を決定し、それにより、取り付け点にしたがった眼鏡着用者のための光軸合わせ時に、ドラフト設計にしたがって形成されたドラフト眼鏡レンズが、光学ドラフト基準点を通過する少なくとも1つの主光線における眼鏡着用者のための少なくとも1つの屈折力に関する所定の値を満たすようにする、ステップと、
プリズム処方データに応じてプリズム屈折力をドラフト設計に対して付加するステップと、
プリズム処方データに応じて基準点シフトcBを決定するステップと、
を含み、
前記プリズム処方データがプリズム補正屈折力の垂直成分pyを含み、偏位cZの及び/又は基準点シフトcBの垂直成分cy(mm)が以下の式、
[Math. 2]


にしたがって決定される、
方法。
[2]
少なくとも1つの光学ドラフト基準点がプリズム基準点を含み、少なくとも1つの屈折力パラメータに関する所定の値がプリズム屈折力における値ゼロを含み、及び/又は、
少なくとも1つの光学ドラフト基準点が遠見基準点を含み、少なくとも1つの屈折力パラメータに関する所定の値が、個々のユーザデータによって構成される光屈折遠見屈折力における値を含み、及び/又は、
少なくとも1つの光学ドラフト基準点が近見基準点を含み、少なくとも1つの屈折力パラメータに関する所定の値が、個々のユーザデータによって構成される光屈折近見屈折力における値を含む、
請求項1に記載の方法。
[3]
眼鏡着用者のためのプリズム眼鏡レンズを製造するための方法であって、
プリズム処方データを含む眼鏡着用者の個々のユーザデータを取得するステップと、
プリズム処方データを伴わない個々のユーザデータを考慮に入れてドラフト設計を決定するステップと、
プリズム処方データを伴わない個々のユーザデータに応じて眼鏡レンズの少なくとも1つの屈折力パラメータのための少なくとも1つの光学ドラフト基準点および取り付け点を決定し、それにより、取り付け点にしたがった眼鏡着用者のための光軸合わせ時に、ドラフト設計にしたがって形成されたドラフト眼鏡レンズが、光学ドラフト基準点を通過する少なくとも1つの主光線における眼鏡着用者のための少なくとも1つの屈折力に関する所定の値を満たすようにする、ステップと、
ドラフト眼鏡レンズの少なくとも1つの光学ドラフト基準点を通過する主光線の物体側部分の方向として少なくとも1つの物体側「目標の」方向を決定するステップと、
プリズム処方データに応じてプリズム屈折力をドラフト設計に対して付加することによりプリズムドラフト設計を定めるステップと、
プリズム処方データに応じて基準点シフトcBを決定するステップと、
を含み、
前記基準点シフトを決定するステップは、
少なくとも1つのドラフト基準点に対して少なくとも1つの基準点シフトの開始値だけシフトされる少なくとも1つのシフトドラフト基準点を定めるステップと、
プリズムドラフト設計に基づいて少なくとも1つのシフトドラフト基準点を通過する主光線の物体側部分の方向として少なくとも1つの物体側「実際の」方向を決定するステップと、
を含み、
方法は、
少なくとも1つの「目標の」方向および少なくとも1つの「実際の」方向に基づいてプリズムドラフト設計を評価するステップ、
を更に含み、
少なくとも1つの「実際の」方向と少なくとも1つの「目標の」方向との一致性が不十分である場合には、前記プリズムドラフト設計を評価するステップで更なる基準点シフトが決定され、特に少なくとも1つの「実際の」方向と少なくとも1つの「目標の」方向との一致性が十分である場合には、プリズムドラフト設計が眼鏡レンズ設計として定められる、
方法。
[4]
眼鏡レンズは、
基準表面であって、該基準表面上に或いは該基準表面に対して、取り付け点及び/又は少なくとも1つの光学基準点またはドラフト基準点が定められ及び/又はシフトされる、基準表面と、
個々の光学補正データに応じて決定されて調整される処方表面と、
を備える請求項1から 請求項3のいずれか一項に記載の方法。
[5]
補正プリズムドラフト設計を定めるステップを更に含み、該ステップは、
−少なくとも1つの基準点シフトに応じて、基準表面に対して処方表面をシフトさせ及び/又は取り付け点に対して基準表面をシフトさせるステップと、
−ユーザデータに応じて処方表面を最適化することにより補正プリズムドラフト設計を決定するステップと、
を含み、
前記少なくとも1つのシフトドラフト基準点を通過する主光線の物体側部分の方向として少なくとも1つの物体側「実際の」方向を決定するステップは、補正プリズムドラフト設計に基づいて行なわれる、
請求項4に記載の方法。
[6]
取り付け点にある及び/又は光軸合わせ点を示す或いはマークするための光軸合わせマーキング、特に光軸合わせクロスを用いて眼鏡レンズを形成するステップを更に含む請求項1から 請求項5のいずれか一項に記載の方法。
[7]
コンピュータシステムにロードされて実行されるときに請求項1から 請求項6のいずれか一項に記載の方法を実行するようになっているプログラムコードを備えるコンピュータプログラム。
[8]
プリズム眼鏡レンズを製造するためのシステムであって、請求項1から 請求項6のいずれか一項に記載の方法を実行するようになっているシステム。

Drawings

[ Fig. 1]

[ Fig. 2]

[ Fig. 3]

[ Fig. 4]

[ Fig. 5]

[ Fig. 6]

[ Fig. 7]

[ Fig. 8]

[ Fig. 9]

[ Fig. 10]

[ Fig. 11]

[ Fig. 12]

[ Fig. 13]

[ Fig. 14]

[ Fig. 15a]

[ Fig. 15b]

[ Fig. 16a]

[ Fig. 16b]

[ Fig. 17]

[ Fig. 18]

[ Fig. 19]

[ Fig. 20a]

[ Fig. 20b]

[ Fig. 21]