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1. (WO2019065206) EXHAUST-GAS PURIFYING CATALYST
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明 細 書

発明の名称 排ガス浄化用触媒

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015  

図面の簡単な説明

0016  

発明を実施するための形態

0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077  

符号の説明

0078  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 排ガス浄化用触媒

技術分野

[0001]
 本発明は、排ガス浄化用触媒に関する。詳しくは、ウォールフロー型の排ガス浄化用触媒に関する。
 なお、本出願は2017年9月28日に出願された日本国特許出願2017-189040号に基づく優先権を主張しており、その出願の全内容は本明細書中に参照として組み入れられている。

背景技術

[0002]
 自動車エンジンなどの内燃機関から排出される排ガスには、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NO )などの有害成分や、粒子状物質(PM:Particulate Matter)が含まれる。これらの有害成分やPMを排ガス中から効率よく捕集・除去するために、従来から排ガス浄化用触媒が利用されている。
[0003]
 これに関連する先行技術文献として、特許文献1,2が挙げられる。特許文献1には、排ガス流入側の端部が開口した入側セルと、排ガス流出側の端部が開口した出側セルとが、多孔質な隔壁によって仕切られているウォールフロー構造の基材と、パラジウム(Pd)を含んだ触媒層(Pd含有層)と、ロジウム(Rh)を含んだ触媒層(Rh含有層)と、を備えたウォールフロー型の排ガス浄化用触媒が開示されている。特許文献1の排ガス浄化用触媒において、Pd含有層は、隔壁の内部全体に設けられ、Rh含有層は、上記Pd含有層の入側セルと接する側の面を完全に覆うように、隔壁の表面全体に設けられている。特許文献1の排ガス浄化用触媒では、排ガスが隔壁の内部に設けられたPd含有層を通過する時、および/または、隔壁の表面に設けられたRh含有層と接触する時に、有害成分が浄化される。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 日本国特許出願公開2007-185571号公報
特許文献2 : 日本国特許出願公開2009-082915号公報

発明の概要

[0005]
 しかしながら、特許文献1の排ガス浄化用触媒では、隔壁の表面全体を覆うようにRh含有層が配置されている。そのため、圧力損失(圧損)が増大して、内燃機関の出力が低下する問題がある。また近年、排ガス規制や燃費規制は、より一層強化される傾向にある。したがって、排ガス浄化用触媒にあっては、圧損の低減を図るとともに排ガス浄化性能をより一層向上することが望まれている。
[0006]
 本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ウォールフロー型の排ガス浄化用触媒であって、圧損の低減と有害成分の浄化性能の向上とが両立された排ガス浄化用触媒を提供することにある。
[0007]
 本発明により、内燃機関の排気経路に配置され、該内燃機関から排出される排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒が提供される。この排ガス浄化用触媒は、排ガス流入側の端部が開口した入側セルと、排ガス流出側の端部が開口した出側セルとが、多孔質な隔壁によって仕切られているウォールフロー構造の基材と、上記隔壁の内部に、上記排ガス流入側の端部から上記隔壁の延伸方向に沿って、上記入側セルと上記出側セルとに接するように配置されている第1触媒層と、上記隔壁の内部に、上記排ガス流出側の端部から上記隔壁の延伸方向に沿って、上記入側セルと上記出側セルとに接するように配置されている第2触媒層と、を備える。上記第1触媒層および上記第2触媒層のうちのいずれか一方は、酸化触媒を含み且つ還元触媒を含まず、他方は、上記還元触媒を含み且つ上記酸化触媒を含まない。また、上記隔壁の上記入側セルと接する側の表面と上記出側セルと接する側の表面とで、上記第1触媒層と上記第2触媒層との長さの比が異なっている。
[0008]
 上記排ガス浄化用触媒では、2つの触媒層が、いずれも隔壁の内部において入側セルと出側セルとに接するように配置されている。また、2つの触媒層が、隔壁の延伸方向の両端から配置され、かつ、隔壁の入側セルと接する側の表面と出側セルと接する側の表面とで長さの比が異なるように構成されている。このことにより、隔壁に触媒層を効果的に分散配置して、隔壁の細孔内の排ガス流路を広く確保することができる。加えて、酸化触媒と還元触媒とを別々の触媒層に配置することにより、酸化触媒および/または還元触媒に対する排ガスの接触頻度を高めることができる。したがって、上記排ガス浄化用触媒では、例えば特許文献1のように隔壁の表面に触媒層を有する場合や、入側セルおよび出側セルの少なくとも一方と接しない触媒層を有する場合に比べて、相対的に圧損の低減と有害成分の浄化性能の向上とを高いレベルで両立することができる。
[0009]
 本発明の好ましい一態様では、上記第1触媒層が上記還元触媒を含み且つ上記酸化触媒を含まず、上記第2触媒層が上記酸化触媒を含み且つ上記還元触媒を含まない。このことにより、排ガス中のNO をとりわけ良好に浄化することができる。
[0010]
 本発明の好ましい一態様では、上記第1触媒層が上記酸化触媒を含み且つ上記還元触媒を含まず、上記第2触媒層が上記還元触媒を含み且つ上記酸化触媒を含まない。このことにより、排ガス中のHCやCOをとりわけ良好に浄化することができる。
[0011]
 本発明の好ましい一態様では、上記第1触媒層は、上記隔壁の上記入側セルと接する側の表面において、上記隔壁の延伸方向の全長を100%としたときに、上記隔壁の全長の40%以上75%以下の長さで配置されている。このことにより、排ガス浄化用触媒の上流側で活発に浄化反応を生じさせることができる。その結果、上流側における浄化反応時の反応熱を下流側に伝達することができ、触媒全体を効率よく暖機することができる。
[0012]
 本発明の好ましい一態様では、上記第2触媒層は、上記隔壁の上記出側セルと接する側の表面において、上記隔壁の延伸方向の全長を100%としたときに、上記隔壁の全長の35%以上70%以下の長さで配置されている。このような長さの範囲内であると、圧損をより良く低減することができる。したがって、圧損の低減と排ガス浄化性能とをより高いレベルで両立することができる。
[0013]
 本発明の好ましい一態様では、上記隔壁の上記入側セルと接する側の表面全体と、上記隔壁の上記出側セルと接する側の表面全体とが、それぞれ、上記第1触媒層および上記第2触媒層のうちのいずれか一方で覆われている。このことにより、隔壁の延伸方向に対して、排ガスがより均質に流入するようになる。したがって、圧損の低減と触媒性能の向上とをより高いレベルで両立することができる。
[0014]
 本発明の好ましい一態様では、上記隔壁の上記入側セルと接する側の表面から上記出側セルと接する側の表面に向かって、上記第1触媒層は、上記隔壁の延伸方向における長さが漸減するように配置されており、上記第2触媒層は、上記隔壁の上記入側セルと接する側の表面から上記出側セルと接する側の表面に向かって、上記隔壁の延伸方向における長さが漸増するように配置されている。このことにより、上述した触媒層の配置を好適に実現することができる。
[0015]
 本発明の好ましい一態様では、上記内燃機関が、ガソリンエンジンである。内燃機関がガソリンエンジンである場合、上述した効果がより好適に発揮される。

図面の簡単な説明

[0016]
[図1] 図1は、一実施形態に係る排ガス浄化装置とその周辺の構造を示す模式図である。
[図2] 図2は、一実施形態に係る排ガス浄化用触媒を模式的に示す斜視図である。
[図3] 図3は、一実施形態に係る排ガス浄化用触媒を模式的に示す部分断面図である。
[図4] 図4は、比較例1~3、例1の圧損増加率を比較したグラフである。
[図5] 図5は、比較例1~3、例1のNO 浄化率を比較したグラフである。
[図6] 図6は、第1触媒層の延伸方向の長さとNO 浄化率との関係を示すグラフである。
[図7] 図7は、比較例1~2、例1、例5のHC浄化率を比較したグラフである。

発明を実施するための形態

[0017]
 以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化することがある。各図における寸法関係(長さ、幅、厚みなど)は、実際の寸法関係を必ずしも反映するものではない。なお、本明細書において数値範囲をA~B(ここでA,Bは任意の数値)と記載している場合は、A以上B以下を意味するものである。
[0018]
 図1は、排ガス浄化装置1とその周辺の構造を示す模式図である。排ガス浄化装置1は、内燃機関(エンジン)2の排気系に設けられている。内燃機関2には、酸素と燃料ガスとを含む混合気が供給される。内燃機関2は、この混合気を燃焼させ、燃焼エネルギーを力学的エネルギーへと変換する。このとき、燃焼された混合気は排ガスとなって排気系に排出される。本実施形態の内燃機関2は、自動車のガソリンエンジンを主体として構成されている。ただし、内燃機関2は、例えば、ガソリンエンジン以外のエンジン(ディーゼルエンジンなど)であってもよい。
[0019]
 排ガス浄化装置1は、排ガスに含まれる有害成分、例えば、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NO )を浄化するとともに、内燃機関2から排出される排ガスに含まれる粒子状物質(PM)を捕集する。排ガス浄化装置1は、内燃機関2と排気系とを連通する排気経路(エキゾーストマニホールド3および排気管4)と、エンジンコントロールユニット(ECU)5と、上流側触媒9と、ガソリンパティキュレートフィルタ(GPF)10と、を備えている。なお、図中の矢印は、排ガスの流通方向を示している。
[0020]
 本実施形態の排気経路はエキゾーストマニホールド3と排気管4とを備えている。すなわち、内燃機関2の排気系と連通する排気ポート(図示せず)には、エキゾーストマニホールド3の一端が接続されている。エキゾーストマニホールド3の他端は、排気管4に接続されている。
[0021]
 排気管4の途中には、上流側触媒9とGPF10とが配置されている。なお、GPF10は、排ガス浄化用触媒の一例である。上流側触媒9の構成については従来と同様でよく、特に限定されない。上流側触媒9は、例えば、従来公知の酸化触媒(DOC:Diesel Oxidation Catalyst)、3元触媒、NO 吸着還元触媒(LNT:Lean NOx Trap)などであってもよい。上流側触媒9は、例えば、担体と、該担体に担持された貴金属、例えば、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)などを備えていてもよい。上流側触媒9は、例えば、GPF10の再生時に、GPF10に流入する排ガスの温度を上昇させる機能を有していてもよい。なお、上流側触媒9は必ずしも必要ではなく省略することもできる。また、GPF10の下流側には下流側触媒を配置することもできる。
[0022]
 ECU5は、排ガス浄化装置1と内燃機関2とに電気的に接続されている。ECU5は、排ガス浄化装置1と内燃機関2とを制御する。ECU5の構成については従来と同様でよく、特に限定されない。ECU5は、例えば、デジタルコンピュータである。ECU5には、入力ポート(図示せず)が設けられている。ECU5は、排ガス浄化装置1および内燃機関2の各部位に設置されているセンサ(例えば圧力センサ8)と電気的に接続されている。これにより、各々のセンサで検知した情報が、上記入力ポートを介して電気信号としてECU5に伝達される。また、ECU5には、出力ポート(図示せず)が設けられている。ECU5は、上記出力ポートを介して制御信号を送信する。ECU5は、例えば内燃機関2から排出される排ガスの量などに応じて、排ガス浄化装置1の起動と停止とを制御する。
[0023]
 図2は、GPF10の斜視図である。図3は、GPF10を筒軸方向に切断した断面の一部を拡大した部分断面図である。なお、図2,3では、排ガスの流動方向を矢印方向で描いている。すなわち、図2,3の左側が排気管4の上流側(フロント側)であり、右側が排気管4の下流側(リア側)である。また、符号Xは、GPF10の筒軸方向、言い換えれば隔壁16の延伸方向を表している。また、符号Yは、符号Xに直交する方向であって、隔壁16の入側セル12と接する面から出側セル14と接する面に向かう方向、言い換えれば、隔壁16の厚み方向を表している。ただし、これは説明の便宜上の方向に過ぎず、GPF10の設置形態を何ら限定するものではない。
[0024]
 GPF10は、排ガスに含まれる有害成分を浄化したり、排ガスに含まれる粒子状物質(PM)を捕集したりする機能を有する。GPF10は、ウォールフロー構造の基材11と、第1触媒層20と、第2触媒層30とを備えている。
[0025]
 基材11は、GPF10の骨組みを構成するものである。基材11は、ハニカム構造体である。基材11としては、従来この種の用途に用いられている種々の素材および形態のものを適宜採用することができる。例えば、コージェライト、チタン酸アルミニウム、炭化ケイ素(SiC)などのセラミックや、ステンレス鋼などの合金に代表されるような、高耐熱性の素材からなるものを採用することができる。本実施形態の基材11は、全体外形が円筒形である。ただし、基材11の全体外形は特に限定されず、例えば、楕円筒形、多角筒形などとすることもできる。
[0026]
 基材11は、排ガス流入側の端部13が開口した入側セル12と、排ガス流出側の端部15が開口した出側セル14と、入側セル12と出側セル14とを仕切る隔壁16と、を有している。入側セル12および出側セル14の形状は特に限定されない。例えば、正方形、平行四辺形、長方形、台形などの矩形状、三角形状、その他の多角形状(例えば、六角形、八角形)、円形など、種々の幾何学形状とすることができる。入側セル12の排ガス流出側の端部には封止部12aが配置されて目封じされている。出側セル14の排ガス流入側の端部には、封止部14aが配置されて目封じされている。
[0027]
 隔壁16は、入側セル12と出側セル14とを仕切っている。隔壁16は、排ガスが通過可能な多孔質構造を有する。隔壁16の気孔率は特に限定されないが、圧損を低減する観点などから、概ね20~70体積%、例えば50~65体積%であるとよい。隔壁16の平均細孔径は特に限定されないが、圧損を低減する観点などから、概ね5~30μm、例えば10~20μmであるとよい。隔壁16は、GPF10の筒軸方向、すなわちX方向に延びている。隔壁16のX方向の全長L は特に限定されないが、概ね10~500mm、例えば50~300mm程度であるとよい。隔壁16のY方向の長さ、すなわち隔壁16の厚みT は特に限定されないが、圧損を低減する観点などから、概ね1~30ミル(1ミルは約25.4μm)程度であるとよい。
[0028]
 第1触媒層20と第2触媒層30とは、いずれも隔壁16の内部に配置されている。第1触媒層20と第2触媒層30とを隔壁16の内部に配置することで、例えば触媒層を隔壁16の表面に設ける場合と比べて、相対的に圧損を低く抑えることができる。なお、本明細書において、「触媒層が隔壁の内部に配置されている」とは、触媒層が主として隔壁16の内部に存在することをいう。より具体的には、例えば、第1触媒層20あるいは第2触媒層30の断面を電子顕微鏡で観察したときに、排ガス流入側の端部13あるいは排ガス流出側の端部15からX方向に沿って0.1L の長さの範囲における金属触媒の全量を100質量%としたときに、隔壁16の内部に存在する金属触媒の割合が、典型的には80質量%以上、例えば90質量%以上、好ましくは95質量%以上であることをいう。したがって、例えば隔壁16の外部(典型的には表面)に触媒層を配置しようとした結果、該触媒層の一部が非意図的に隔壁16の内部へ侵食するような場合とは明確に区別されるものである。
[0029]
 第1触媒層20と第2触媒層30とは、それぞれ金属触媒を含んでいる。金属触媒は、例えば、排ガス中の有害成分を浄化(無害化)したり、隔壁16の細孔に捕集されたPMを燃焼・除去したりするための反応触媒である。金属触媒としては、従来この種の分野で酸化触媒または還元触媒として使用し得ることが知られている金属種を適宜採用することができる。金属触媒の一好適例として、白金族であるRh、Pd、Pt、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)およびこれらの合金が挙げられる。金属触媒は、上記白金族に加えて、あるいは上記白金族にかえて、例えば、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)などを含んでいてもよい。
[0030]
 本実施形態では、第1触媒層20と第2触媒層30とが、相互に異なる金属種を含んでいる。詳しくは、第1触媒層20および第2触媒層30のうちの一方が酸化触媒を含み、且つ還元触媒を含まない。他方が、還元触媒を含み、且つ酸化触媒を含まない。酸化触媒と還元触媒とを別々の触媒層に分けて配置することで、金属触媒の粒成長(シンタリング)や合金化を抑制して、排ガスとの接触面積を広く確保することができる。これにより、所望の触媒活性を長期にわたって安定的に発現させることができる。したがって、GPF10の耐久性を向上することができる。酸化触媒の一好適例として、Pd、Pt、Pd-Pt合金が挙げられる。還元触媒は、酸化触媒よりも還元性能の高い金属触媒であればよい。還元触媒の一好適例として、Rhが挙げられる。
[0031]
 好適な一態様では、第1触媒層20が、還元触媒、例えばRhを含む。また、第2触媒層30が、酸化触媒、例えばPdおよびPtのうちの少なくとも一方を含む。この実施形態では、第1触媒層20が酸化触媒を含まず、第2触媒層30が還元触媒を含まない。かかる態様によれば、排ガス中のNO をとりわけ良好に浄化することができる。
[0032]
 他の好適な一態様では、第1触媒層20が、酸化触媒、例えばPdおよびPtのうちの少なくとも一方を含む。また、第2触媒層30が、還元触媒、例えばRhを含む。この実施形態では、第1触媒層20が還元触媒を含まず、第2触媒層30が酸化触媒を含まない。かかる態様によれば、排ガス中のHCやCOをとりわけ良好に浄化することができる。
[0033]
 酸化触媒および還元触媒は、典型的には担体に担持されている。担体としては、従来この種の用途に使用し得ることが知られているものを適宜採用することができる。例えば、アルミナ(Al )、セリア(CeO )、ジルコニア(ZrO )、シリカ(SiO )、チタニア(TiO )などの金属酸化物や、これらの固溶体、例えばジルコニア-セリア複合酸化物(ZC複合酸化物:ZrO -CeO )を好適に採用することができる。なかでも、アルミナやZC複合酸化物が好ましい。
[0034]
 第1触媒層20と第2触媒層30とは、それぞれ、金属触媒や該金属触媒を担持している担体の他に、適宜に任意成分を含んでもよい。かかる任意成分としては、例えば、金属触媒が担持されていない助触媒、酸素吸蔵能を有する酸素吸蔵材(OSC材:oxygen storage capacity)、NO 吸蔵能を有するNO 吸着剤、安定化剤などが挙げられる。助触媒としては、例えば、アルミナやシリカが挙げられる。OSC材としては、例えば、セリアやセリアを含む複合酸化物、例えば、ZC複合酸化物などが挙げられる。
[0035]
 安定化剤としては、例えば、ランタン(La)、イットリウム(Y)などの希土類元素、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)などのアルカリ土類元素、その他遷移金属元素などが挙げられる。これらの元素は、典型的には酸化物の形態で触媒層内に存在する。第1触媒層20および第2触媒層30のうち、酸化触媒を含む触媒層には、安定化剤、例えばバリウム元素を含むことが好ましい。これにより、酸化触媒の被毒が好適に抑えられ、触媒活性を向上することができる。また、酸化触媒の分散性が高められて、酸化触媒の粒成長をより高いレベルで抑制することができる。
[0036]
 第1触媒層20と第2触媒層30との、それぞれのコート量は特に限定されない。隔壁16の排ガスの流通性を高くして、圧損をより良く低減する観点からは、基材の体積(セルの容積を含めた全体の嵩容積)1L当たりについて、概ね100g/L以下、好ましくは80g/L以下、例えば70g/L以下とするとよい。一方、排ガス浄化性能をより良く向上する観点からは、基材の体積1L当たりについて、概ね5g/L以上、好ましくは10g/L以上、例えば20g/L以上とするとよい。上記範囲を満たすことにより、圧損の低減と排ガス浄化性能の向上とをさらに高いレベルで両立することができる。また、第1触媒層20と第2触媒層30とのコート量の比は特に限定されないが、圧損をより良く低減する観点からは、例えば、第1触媒層:第2触媒層=30~70:70~30とするとよい。
[0037]
 第1触媒層20は、排ガス流入側の端部13から、隔壁16の延伸方向(X方向)に沿って配置されている。図3の第1触媒層20は、略逆台形の断面形状を有する。言い換えれば、第1触媒層20は、隔壁16の入側セル12と接する側の表面から出側セル14と接する側の表面に向かって、X方向の長さが漸減するように配置されている。第2触媒層30は、排ガス流出側の端部15から、隔壁16の延伸方向(X方向)に沿って配置されている。図3の第2触媒層30は、略台形の断面形状を有する。言い換えれば、第2触媒層30は、隔壁16の入側セル12と接する側の表面から出側セル14と接する側の表面に向かって、X方向の長さが漸増するように配置されている。
[0038]
 第1触媒層20と第2触媒層30とは、それぞれ、入側セル12と出側セル14とに接するように配置されている。第1触媒層20の最大厚み(Y方向の最大長さ)は、隔壁16の厚みT と同じである。また、第2触媒層30の最大厚み(Y方向の最大長さ)は、隔壁16の厚みT と同じである。このことにより、触媒層をY方向に分散配置して、圧損を好適に低減することができる。また、排ガスと金属触媒との接触性を高めて、排ガス浄化性能を向上することができる。なお、本明細書において「隔壁16の厚みT と同じ」とは、厳密に解釈されるべきものではなく、製造精度などに起因した誤差(概ね0.95T ~1.05T 、好ましくは0.98T ~1.02T 、例えば0.99T ~1.01T 程度の変動)を許容し得るものである。
[0039]
 GPF10では、隔壁16の、入側セル12と接する側の表面と出側セル14と接する側の表面とで、第1触媒層20と第2触媒層30との面積比が異なっている。すなわち、隔壁16の入側セル12と接する側の表面において、第1触媒層20の面積をA 1-inとし、第2触媒層30の面積をA 2-inとする。また、隔壁16の出側セル14と接する側の表面において、第1触媒層20の面積をA 1-outとし、第2触媒層30の面積をA 2-outとする。このとき、面積比(A 1-in/A 2-in)と、面積比(A 1-out/A 2-out)との値が、相互に異なっている。本実施形態では、(A 1-in/A 2-in)>(A 1-out/A 2-out)である。
[0040]
 GPF10では、隔壁16の、入側セル12と接する側の表面と出側セル14と接する側の表面とで、第1触媒層20の延伸方向の長さと第2触媒層30の延伸方向の長さとの比が異なっている。すなわち、隔壁16の入側セル12と接する側の表面において、第1触媒層20の延伸方向の長さをL 1-inとし、第2触媒層30の延伸方向の長さをL 2-inとする。また、隔壁16の出側セル14と接する側の表面において、第1触媒層20の延伸方向の長さをL 1-outとし、第2触媒層30の延伸方向の長さをL 2-outとする。このとき、長さ比(L 1-in/L 2-in)と、長さ比(L 1-out/L 2-out)との値が、相互に異なっている。このことにより、触媒層をX方向に分散配置して、圧損を好適に低減することができる。また、排ガスと金属触媒との接触性を好適に高めて、排ガス浄化性能を向上することができる。本実施形態では、(L 1-in/L 2-in)>(L 1-out/L 2-out)である。
[0041]
 好適な一態様では、隔壁16の延伸方向の全長L を100%としたときに、第1触媒層20の入側セル12と接する側の表面における延伸方向の長さL 1-inと、出側セル14と接する側の表面における延伸方向の長さL 1-outとが、次式:5%≦|L 1-in-L 1-out|;例えば、次式:10%≦|L 1-in-L 1-out|≦20%;を満たしている。他の好適な一態様では、隔壁16の延伸方向の全長L を100%としたときに、第2触媒層30の入側セル12と接する側の表面における延伸方向の長さL 2-inと、出側セル14と接する側の表面における延伸方向の長さL 2-outとが、次式:5%≦|L 2-in-L 2-out|;例えば、次式:10%≦|L 2-in-L 2-out|≦20%;を満たしている。このことにより、ここに開示される技術の効果をより高いレベルで発揮することができる。
[0042]
 隔壁16の入側セル12と接する側の表面において、第1触媒層20の延伸方向の長さL 1-inは特に限定されないが、好適な一態様では、隔壁16の延伸方向の全長L を100%としたときに、L 1-inが、概ね35%以上、典型的には40%以上、例えば50%以上であって、L よりも短く、概ね80%以下、典型的には75%以下、例えば70%以下である。また、第2触媒層30の延伸方向の長さL 2-inは特に限定されないが、好適な一態様では、隔壁16の延伸方向の全長L を100%としたときに、L 2-inが、概ね20%以上、典型的には25%以上、例えば30%以上であって、L よりも短く、概ね65%以下、典型的には60%以下、例えば50%以下である。
[0043]
 好適な一態様では、隔壁16の入側セル12と接する側の表面において、L 1-inが隔壁16の全長L の40~75%、例えば50%以上の長さとなるように第1触媒層20が配置されている。このことにより、GPF10の上流側、すなわち排ガス流入側の端部13に近い領域で浄化反応を活発に生じさせることができる。その結果、浄化反応時の反応熱をGPF10の下流側、すなわち排ガス流出側の端部15に近い領域に伝達することができ、触媒全体を効率よく暖機することができる。例えば、運転中や信号待ちなどの一時停止中にエンジンが起動・停止を繰り返すようなエコカーでは、エンジンの起動・停止に伴って排ガスの温度が不安定になりがちであるが、このような態様によれば、より安定的に排ガス浄化性能を発揮することができる。
[0044]
 他の好適な一態様では、隔壁16の入側セル12と接する側の表面において、隔壁16の全長L と、第1触媒層20の長さL 1-inと、第2触媒層30の長さL 2-inとが、次式:0.8L ≦(L 1-in+L 2-in)≦1.2L ;例えば、次式:0.9L ≦(L 1-in+L 2-in)≦1.1L ;を満たしている。なかでも、隔壁16の入側セル12と接する側の表面全体が、第1触媒層20および第2触媒層30のうちの少なくとも一方で覆われていることが好ましい。特には、本実施形態のように、隔壁16の入側セル12と接する側の表面全体が、第1触媒層20および第2触媒層30のうちのいずれか一方で覆われていることが好ましい。隔壁16の入側セル12と接する側の表面において、隔壁16の全長L と、第1触媒層20の長さL 1-inと、第2触媒層30の長さL 2-inとは、次式:L ≦(L 1-in+L 2-in)≦1.2L を満たすことがより好ましく、次式:L =(L 1-in+L 2-in)を満たすことが特に好ましい。これにより、X方向において、排ガスの流量をより良く均一化することができる。したがって、圧損の低減と排ガス浄化性能の向上とをより高いレベルで両立することができる。
[0045]
 なお、本実施形態では、隔壁16の入側セル12と接する側の表面において、第1触媒層20の延伸方向の長さL 1-inが、第2触媒層30の延伸方向の長さL 2-inよりも長い。すなわち、L 1-inとL 2-inとが、L 1-in>L 2-inである。ただし、L 1-inとL 2-inとは、L 1-in=L 2-inであってもよく、L 1-in<L 2-inであってもよい。
[0046]
 隔壁16の出側セル14と接する側の表面において、第1触媒層20の延伸方向の長さL 1-outは特に限定されないが、好適な一態様では、隔壁16の延伸方向の全長L を100%としたときに、L 1-outが、概ね25%以上、典型的には30%以上、例えば40%以上であって、L よりも短く、概ね70%以下、典型的には65%以下、例えば60%以下である。また、第2触媒層30の延伸方向の長さL 2-outは特に限定されないが、好適な一態様では、隔壁16の延伸方向の全長L を100%としたときに、L 2-outが、概ね30%以上、典型的には35%以上、例えば40%以上であって、L よりも短く、概ね75%以下、典型的には70%以下、例えば60%以下である。
[0047]
 好適な一態様では、隔壁16の出側セル14と接する側の表面において、L 2-outが隔壁16の全長L の35~70%、例えば40%以上の長さで第2触媒層30が配置されている。このことにより、GPF10の入側セル12に排ガスが流入する時の圧損を、より良く低減することができる。したがって、圧損の低減と排ガス浄化性能とをより高いレベルで両立することができる。
[0048]
 他の好適な一態様では、隔壁16の出側セル14と接する側の表面において、隔壁16の全長L と、第1触媒層20の長さL 1-outと、第2触媒層30の長さL 2-outとが、次式:0.8L ≦(L 1-out+L 2-out)≦1.2L ;例えば、次式:0.9L ≦(L 1-out+L 2-out)≦1.1L ;を満たしている。なかでも、隔壁16の出側セル14と接する側の表面全体が、第1触媒層20および第2触媒層30のうちの少なくとも一方で覆われていることが好ましい。特には、本実施形態のように、隔壁16の出側セル14と接する側の表面全体が、第1触媒層20および第2触媒層30のうちのいずれか一方で覆われていることが好ましい。隔壁16の出側セル14と接する側の表面において、隔壁16の全長L と、第1触媒層20の長さL 1-outと、第2触媒層30の長さL 2-outとは、次式:L ≦(L 1-out+L 2-out)≦1.2L を満たすことがより好ましく、次式:L =(L 1-out+L 2-out)を満たすことが特に好ましい。このことにより、X方向において、排ガスの流量をより良く均一化することができる。したがって、圧損の低減と排ガス浄化性能の向上とをより高いレベルで両立することができる。
[0049]
 なお、本実施形態では、隔壁16の出側セル14と接する側の表面において、第1触媒層20の延伸方向の長さL 1-outが、第2触媒層30の延伸方向の長さL 2-outよりも長い。すなわち、L 1-outとL 2-outとが、L 1-out>L 2-outである。ただし、L 1-outとL 2-outとは、L 1-out=L 2-outであってもよく、L 1-out<L 2-outであってもよい。
[0050]
 また、本実施形態では、隔壁16の全体、すなわち延伸方向と厚み方向との全体にわたって、第1触媒層20および第2触媒層30のうちのいずれか一方が配置されている。このような構成によれば、圧損をより良く低減することができると共に、排ガス中から有害成分を高い確率で取り除くことができる。また、排ガスが触媒層の配置されていない部分をすり抜けて浄化不足のまま排出されることをより良く抑制することができる。
[0051]
 本実施形態において、GPF10は、第1触媒層20と第2触媒層30とが重なり合った第3の触媒層40をさらに備えている。第3の触媒層40は、隔壁16の全体にわたって触媒層を形成しようとしたときに、第1触媒層20と第2触媒層30との界面付近において、第1触媒層20と第2触媒層30とが重なり合った領域である。第3の触媒層40は、酸化触媒と還元触媒とをいずれも含むため、第1触媒層20や第2触媒層30とは異なる触媒層として把握される。圧損の低減と排ガス浄化性能の向上とを高いレベルで両立する観点から、第3の触媒層40は、隔壁16の全体の体積を100%としたときに、概ね10%以上、例えば20%以上、一例では30%以上であって、概ね80%以下、例えば70%以下、一例では60%以下であってもよい。
[0052]
 なお、上述したような構成のGPF10は、例えば以下のような方法で製造し得る。先ず図2に示すような基材11を用意する。次に、2種類の触媒層形成用スラリー、すなわち、第1スラリーと第2スラリーとを調製する。触媒層形成用スラリーは、相互に異なる金属触媒成分(典型的には金属触媒をイオンとして含む溶液)を必須の成分として含み、それぞれ、その他の任意成分、例えば担体、助触媒、OSC材、バインダ、各種添加剤などを含み得る。なお、スラリーの性状(粘度や固形分率など)は、使用する基材11のサイズや隔壁16の気孔率、触媒層20の所望の性状などによって適宜調整するとよい。
[0053]
 例えば、第1スラリーと第2スラリーとは、上述した断面形状の第1触媒層20および第2触媒層30を好適に形成する観点から、それぞれ、温度25℃、せん断速度400s -1のときの粘度η 400が、50mPa・s以下(例えば1~50mPa・s)、好ましくは30mPa・s以下、より好ましくは20mPa・s以下、特には15mPa・s以下(例えば1~15mPa・s)の低粘性となるように調整するとよい。また、第1スラリーと第2スラリーとの粘度は、概ね同等(典型的には、両者の差が10mPa・s以下、例えば、両者の差が5mPa・s以下)とするとよい。なお、上記スラリー粘度は、25℃の温度環境下において、市販のせん断粘度計を用いて測定される粘度である。
[0054]
 次に、上記調製した第1スラリーを基材11の排ガス流入側の端部13から入側セル12に流入させ、X方向に沿って隔壁16の所定の長さL 1-inに供給する。そして、出側セル14の側から吸引して入側セル12と出側セル14との間に圧力差を生じさせる。スラリーの吸引速度は、上述した断面形状の第1触媒層20を好適に形成する観点から、概ね10~100m/s、好ましくは10~80m/s、例えば50m/s以下とするとよい。このことによって、隔壁16の細孔内に第1スラリーを行き渡らせる。次に、第1スラリーを付与した基材11を所定の温度および時間で乾燥、焼成する。乾燥や焼成の方法は従来の触媒層形成時と同様でよい。これにより、略逆台形の断面形状を有する第1触媒層20を、隔壁16の内部に形成する。
[0055]
 次に、上記調製した第2スラリーを基材11の排ガス流出側の端部15から出側セル14に流入させ、X方向に沿って隔壁16の所定の長さL 2-outに供給する。第2スラリーを供給する長さL 2-outは、隔壁16のX方向の全長L から第1触媒層20の形成されている部分の長さL 1-outを差し引いて決定するとよい。そして、入側セル12の側から吸引して出側セル14と入側セル12との間に圧力差を生じさせる。スラリーの吸引速度は、上述した断面形状の第2触媒層30を好適に形成する観点から、概ね10~100m/s、好ましくは10~80m/s、例えば50m/s以下とするとよい。このことによって、隔壁16の細孔内に第2スラリーを行き渡らせる。次に、第2スラリーを付与した基材11を所定の温度および時間で乾燥、焼成する。乾燥や焼成の方法は従来の触媒層形成時と同様でよい。これにより、略台形の断面形状を有する第2触媒層30を、隔壁16の内部に形成する。
[0056]
 以上のような構成のGPF10では、内燃機関2から排出された排ガスが、排ガス流入側の端部13から入側セル12に流入する。入側セル12に流入した排ガスは、多孔質構造の隔壁16を通過して、出側セル14に到達する。このとき、隔壁16の内部には、第1触媒層20と第2触媒層30とが配置されている。そのため、排ガスが隔壁16内の第1触媒層20および/または第2触媒層30を通過する間に、排ガス中から有害成分やPMが除去される。隔壁16を通過して出側セル14に到達した排ガスは、有害成分やPMが除去された状態で、排ガス流出側の端部15からGPF10の外部へと排出される。
[0057]
 以下、本発明に関する試験例を説明するが、本発明を以下の試験例に示すものに限定することを意図したものではない。
[0058]
≪試験例I-1≫
 まず、比較例1~3として、酸化触媒と還元触媒とを同一の触媒層に含んだ排ガス浄化用触媒を作製した。
 具体的には、先ず、図2に示すようなウォールフロー型のコージェライト基材(全長122mm、外径113mm、容積1.3L、セル数300セル/in 、平均細孔径20μm、気孔率65%)を用意した。
 次に、アルミナ粉末(γ-Al )28gと、ZC複合酸化物(Zr/Ce比率=7/2)粉末57gと、硫酸バリウム(BaSO )2.5gと、硝酸ロジウム溶液(Rh換算で0.2g)と、硝酸パラジウム溶液(Pd換算で0.8g)とをイオン交換水中で混合して、スラリーAを調製した。
[0059]
 次に、比較例1,2では、上記調製したスラリーAをコージェライト基材の排ガス流入側の端部から入側セルに流入させ、減圧吸引法によって、隔壁の延伸方向に沿って基材の全長L と同じ長さで隔壁内部にコートし、乾燥および焼成することにより、触媒層を形成した。なお、基材の単位体積あたりの触媒層のコート量は88.5g/Lとした。また、触媒層の最大厚みは、比較例1で隔壁の厚みT の50%、比較例2で隔壁と同じ厚みT とした。すなわち、比較例1では、触媒層が入側セルに接し、出側セルには接していない。比較例2では、触媒層が入側セルおよび出側セルに接している。このようにして、単一の触媒層を有する比較例1,2の排ガス浄化用触媒を作製した。
[0060]
 また、比較例3では、上記調製したスラリーAを、コージェライト基材の排ガス流入側の端部から入側セルに流入させ、減圧吸引法によって、隔壁の延伸方向に沿って基材の全長L の55%にあたる部分の隔壁内部にコートし、乾燥および焼成することにより、入側触媒層を形成した。同様に、上記調製したスラリーAを排ガス流出側の端部から出側セルに流入させ、減圧吸引法によって、隔壁の延伸方向に沿って基材の全長L の55%にあたる部分の隔壁内部にコートし、乾燥および焼成することにより、出側触媒層を形成した。なお、基材の単位体積あたりの入側触媒層および出側触媒層のコート量は、それぞれ比較例1,2の半分(44.25g/L)とした。また、入側触媒層および出側触媒層の最大厚みは、それぞれ隔壁と同じ厚みT とした。このようにして、入側触媒層および出側触媒層を有する比較例3の排ガス浄化用触媒を作製した。
[0061]
 次に、例1として、図3に示すような構成の排ガス浄化用触媒を作製した。
 具体的には、先ず、アルミナ粉末(γ-Al )18gと、ZC複合酸化物(Zr/Ce比率=7/2)粉末42gと、硝酸ロジウム溶液(Rh換算で0.2g)とをイオン交換水中で混合して、Rhスラリーを調製した。
 次に、アルミナ粉末(γ-Al )10gと、ZC複合酸化物(Zr/Ce比率=7/2)粉末15gと、硫酸バリウム(BaSO )2.5gと、硝酸パラジウム溶液(Pd換算で0.8g)とをイオン交換水中で混合して、Pdスラリーを調製した。
[0062]
 次に、上記調製したRhスラリーを、コージェライト基材の排ガス流入側の端部から入側セルに流入させ、減圧吸引法によって、隔壁の延伸方向に沿って隔壁内部にコートし、乾燥および焼成することにより、入側セルおよび出側セルに接するように隔壁内部に第1触媒層を形成した。なお、基材の単位体積あたりの第1触媒層のコート量は60.2g/Lとした。また、第1触媒層は、隔壁の入側セルと接する側の表面において、基材の全長L の70%(0.7L )にあたる部分に形成した。また、第1触媒層の最大厚みは、隔壁と同じ厚みT とした。
[0063]
 次に、上記調製したPdスラリーを、コージェライト基材の排ガス流出側の端部から出側セルに流入させ、減圧吸引法によって、隔壁の延伸方向に沿って隔壁内部にコートし、乾燥および焼成することにより、入側セルおよび出側セルに接するように隔壁内部に第2触媒層を形成した。なお、基材の単位体積あたりの第2触媒層のコート量は28.3g/Lとした。また、第2触媒層は、隔壁の出側セルと接する側の表面において、基材の全長L の40%(0.4L )にあたる部分に形成した。また、第2触媒層の最大厚みは、隔壁と同じ厚みT とした。
 このようにして、第1触媒層および第2触媒層を有する例1の排ガス浄化用触媒を作製した。
[0064]
[表1]


[0065]
(圧損の評価)
 上記作製した排ガス浄化用触媒の圧損増加率を測定した。
 具体的には、先ず、触媒層をコートする前のハニカム基材(リファレンス)を準備し、6m /minの風量で空気を流通させたときの圧力を測定した。次に、上記作製した排ガス浄化用触媒(触媒層付きのハニカム基材)を用いて、リファレンスと同様に6m /minの風量で空気を流通させたときの圧力を測定した。そして、次式:〔(排ガス浄化用触媒の圧力-リファレンスの圧力)/リファレンスの圧力〕×100;から圧損増加率(%)を算出した。なお、圧損増加率は、数値が小さいほど圧損の上昇が抑えられ好適であることを表している。結果を表1の該当欄に示す。表1では、比較例1の圧損増加率を基準(100%)とした相対値で表している。
[0066]
 図4は、比較例1~3、例1の圧損増加率を比較したグラフである。
 表1および図4に示すように、例1および比較例2~3では、圧損増加率が比較例1のおよそ半分にまで低減されていた。なかでも、例1は圧損増加率の値が最も小さかった。この理由として、出側セルに接しない触媒層を形成した比較例1では、該触媒層を形成した部分で排ガスの流路が狭められ、排ガスの流入が不利になったことが考えられる。これに対して、入側セルと出側セルとに接するように隔壁と同じ厚みで触媒層を形成した例1では、該触媒層を形成した後においても、隔壁内の排ガスの流路が相対的に広く確保されたことが考えられる。
[0067]
(排ガス浄化性能の評価)
 上記作製した排ガス浄化用触媒について、車両評価で浄化性能を評価した。
 具体的には、先ず、各排ガス浄化用触媒をガソリン直噴車両の排気経路に設置し、熱交換器を用いて触媒入ガス温度を100℃から520℃まで昇温速度10℃/minで昇温させた。このときの入ガス濃度と出ガス濃度との比から、NO 成分の浄化率を連続的に測定し、NO 成分の浄化率が50%に達したときの触媒入ガス温度(T 50-NO )を、評価した。そして、各例につき、比較例1のT 50-NO を基準(100%)とした相対値を逆数にして、NO 浄化率を求めた。結果を表1の該当欄に示す。なお、NO 浄化率は、NO 浄化性能に優れるものほど値が大きくなるように表されている。
[0068]
 図5は、比較例1~3、例1のNO 浄化率を比較したグラフである。
 表1および図5に示すように、例1では、比較例1~3に比べて、顕著にNO 浄化率が向上していた。この理由として、比較例1では、触媒層への排ガスの接触頻度が相対的に低かったことが考えられる。また、比較例2,3では、隔壁内部全体に酸化触媒と還元触媒とを配置したことで、金属触媒の粒成長や合金化が生じ、金属触媒への排ガスの接触頻度が低下したことが考えられる。これに対して、例1では、酸化触媒と還元触媒とを隔壁の延伸方向にそれぞれ分けて配置することにより、金属触媒への排ガスの接触頻度が向上したことが考えられる。
[0069]
≪試験例I-2≫
 第1触媒層および第2触媒層について、隔壁の延伸方向の長さ(L 1-in、L 1-out、L 2-in、L 2-out)を表2のように変化させたこと以外は例1と同様に、例2~4の排ガス浄化用触媒を作製した。そして、上記した試験例I-1と同様に、排ガス浄化性能の評価を行った。結果を表2の該当欄に示す。表2では、比較例1のNO 浄化率を基準(100%)とした相対値で表している。
[0070]
[表2]


[0071]
 図6は、第1触媒層の延伸方向の長さとNO 浄化率との関係を示すグラフである。
 表2および図6に示すように、例1~4は概ね同等のNO 浄化率であり、いずれも比較例1に比べて凡そ10%もNO 浄化率が向上していた。したがって、NO 浄化性能の観点からは、隔壁の入側セルと接する側の表面において、隔壁の延伸方向の全長L を100%としたときに、第1触媒層の延伸方向の長さL 1-inが、50~75%であるとよいといえる。
[0072]
≪試験例II≫
 例1の第1触媒層と第2触媒層とを逆さにして、例5の排ガス浄化用触媒を作製した。そして、上記した試験例I-1と同様に、圧損と排ガス浄化性能の評価を行った。なお、ここではNO 成分の浄化率にかえて、上記した試験例I-1に準じて、HC成分の浄化率(HC浄化率)を評価した。結果を表3の該当欄に示す。表3では、比較例1のHC浄化率を基準(100%)とした相対値で表している。HC浄化率は、HC浄化性能に優れるものほど値が大きくなるように表されている。
[0073]
[表3]


[0074]
 図7は、比較例1~2、例1、例5のHC浄化率を比較したグラフである。
 表3および図7に示すように、例5では、例1よりもさらにHC浄化率が向上していた。したがって、HC浄化性能の観点からは、第1触媒層に酸化触媒を配置することが好ましいといえる。
[0075]
 以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
[0076]
 例えば、上述した実施形態では、GPF10が、第1触媒層20と第2触媒層30とに加えて、さらに第3の触媒層40を備えていたが、これには限定されない。GPF10は、2つの触媒層、すなわち、第1触媒層20および第2触媒層30のみを備えていてもよい。
[0077]
 例えば、上述した実施形態では、排ガス浄化用触媒がGPF10であったが、これには限定されない。例えば内燃機関2がディーゼルエンジンである場合、排ガス浄化用触媒は、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)であり得る。

符号の説明

[0078]
1 排ガス浄化装置、2 内燃機関、10 GPF(排ガス浄化用触媒)、11 基材、12 入側セル、14 出側セル、16 隔壁、20 第1触媒層、30 第2触媒層

請求の範囲

[請求項1]
 内燃機関の排気経路に配置され、該内燃機関から排出される排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒であって、
 排ガス流入側の端部が開口した入側セルと、排ガス流出側の端部が開口した出側セルとが、多孔質な隔壁によって仕切られているウォールフロー構造の基材と、
 前記隔壁の内部に、前記排ガス流入側の端部から前記隔壁の延伸方向に沿って、前記入側セルと前記出側セルとに接するように配置されている第1触媒層と、
 前記隔壁の内部に、前記排ガス流出側の端部から前記隔壁の延伸方向に沿って、前記入側セルと前記出側セルとに接するように配置されている第2触媒層と、
 を備え、
 前記第1触媒層および前記第2触媒層のうちのいずれか一方は、酸化触媒を含み且つ還元触媒を含まず、他方は、前記還元触媒を含み且つ前記酸化触媒を含まず、
 前記隔壁の、前記入側セルと接する側の表面と、前記出側セルと接する側の表面とで、前記第1触媒層と前記第2触媒層との長さの比が異なっている、
排ガス浄化用触媒。
[請求項2]
 前記第1触媒層が前記還元触媒を含み且つ前記酸化触媒を含まず、前記第2触媒層が前記酸化触媒を含み且つ前記還元触媒を含まない、
請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
[請求項3]
 前記第1触媒層が前記酸化触媒を含み且つ前記還元触媒を含まず、前記第2触媒層が前記還元触媒を含み且つ前記酸化触媒を含まない、
請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
[請求項4]
 前記第1触媒層は、前記隔壁の前記入側セルと接する側の表面において、前記隔壁の延伸方向の全長を100%としたときに、前記隔壁の全長の40%以上75%以下の長さで配置されている、
請求項1~3の何れか一つに記載の排ガス浄化用触媒。
[請求項5]
 前記第2触媒層は、前記隔壁の前記出側セルと接する側の表面において、前記隔壁の延伸方向の全長を100%としたときに、前記隔壁の全長の35%以上70%以下の長さで配置されている、
請求項1~4の何れか一つに記載の排ガス浄化用触媒。
[請求項6]
 前記隔壁の前記入側セルと接する側の表面全体と、前記隔壁の前記出側セルと接する側の表面全体とが、それぞれ、前記第1触媒層および前記第2触媒層のうちのいずれか一方で覆われている、
請求項1~5の何れか一つに記載の排ガス浄化用触媒。
[請求項7]
 前記第1触媒層は、前記隔壁の前記入側セルと接する側の表面から前記出側セルと接する側の表面に向かって、前記隔壁の延伸方向における長さが漸減するように配置されており、
 前記第2触媒層は、前記隔壁の前記入側セルと接する側の表面から前記出側セルと接する側の表面に向かって、前記隔壁の延伸方向における長さが漸増するように配置されている、
請求項1~6の何れか一つに記載の排ガス浄化用触媒。
[請求項8]
 前記内燃機関が、ガソリンエンジンである、請求項1~7の何れか一つに記載の排ガス浄化用触媒。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]