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1. (WO2019031326) OFF-FLAVOR REDUCING AGENT AND FOOD USING SAME
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明 細 書

発明の名称 異風味抑制剤と、それを用いた食品

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012  

発明の効果

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035  

実施例

0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16  

明 細 書

発明の名称 : 異風味抑制剤と、それを用いた食品

技術分野

[0001]
 本発明は各種食品が示す異風味を抑制することができる、異風味抑制剤に関するものである。また、該異風味抑制剤を使用した食品に関するものである。
 より具体的には、穀類に由来する素材、野菜、及び飲料における異風味の低減に関するものである。

背景技術

[0002]
 食品における異風味とは、該食品を食した際に、好ましくない風味と認識されるものである。代表的には過度の苦み、収斂味、いやみなどがある。
 収斂味は渋味とも表現される、口中で感じる刺激である。端的には、渋柿を口に含んだときに感じる、口腔の粘膜が「縮められた」ような感覚を伴う刺激であり、厳密な意味での「味覚」には含まれないとする見解も多い。
 特許文献1には、ぶどう種子抽出物を含む飲料において、特定の比率となるようにグルコースとマルトースとを含有させることで、ぶどう種子抽出物に由来する収斂味を防止できる旨記載されている。
[0003]
 特許文献2には、収斂味を呈するポリフェノールに、スクラロースを併用することで、収斂味を呈しにくくなる旨の記載がある。
 特許文献3には、所定量の水溶性茶ポリフェノールが含有した、多価不飽和脂肪酸含有食用植物油脂について記載されている。
 また、穀類由来素材は独特の異風味を示すことが有り、穀類由来素材を用いた食品において問題となることがある。
 特許文献4では、スクラロースが大豆蛋白、小麦蛋白等に由来する蛋白素材臭をマスキングする効果がある旨記載されている。
 特許文献5では、発芽全脂大豆粉末等が、大豆蛋白等の風味を改善する旨の記載がある。
 そして、野菜ないし、野菜由来素材は独特の異風味を示すことが有り、これらを用いた食品において問題となることがある。
 特許文献6では、野菜類を含む各種の消耗品において、クロロゲン酸がオフテイストを覆い隠す効果がある旨記載されている。
 特許文献7では、乳酸発酵卵白を配合することで、野菜の青臭みをマスキングすることができる旨記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2017-99320号公報
特許文献2 : 特開2008-99677号公報
特許文献3 : 特開2015-116188号公報
特許文献4 : 特開2017-205133号公報
特許文献5 : 国際公開WO2008/096703
特許文献6 : 特開2018-85990号公報
特許文献7 : 特開2014-64511号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 本発明は、各種食品が示す異風味を抑制することができる、異風味抑制剤を提供することを課題とする。また、該異風味抑制剤により異風味が抑制された食品を提供することを課題とする。
 該異風味抑制剤は各種の食品に使用することができるが、特に、ハイカカオチョコレート、穀類由来素材、野菜、飲料における異風味の低減に有効に働くものである。

課題を解決するための手段

[0006]
 特許文献1及び2においては、それぞれ所定量の糖質を添加する必要があり、配合上の制限を受ける場合も多かった。
 特許文献3における多価不飽和脂肪酸含有食用植物油脂においては、水溶性茶ポリフェノールは抗酸化作用を期待して添加されているものであり、それが他の食品の収斂味などの異風味を抑制する効果を示すことは開示されていなかった。
 特許文献4では、スクラロースが不快味をマスキングする効果がある旨記載されている。しかし、スクラロース自身には甘味が有り、食品を調製する上で、配合上の制限を受ける場合がある。
 特許文献5では、「発芽全脂大豆粉末、及び酵素失活処理をしていない未発芽全脂大豆粉末」に、食品の風味改善効果がある旨記載されている。しかし、大豆粉にはリポシキゲナーゼが含まれ、この作用により異風味の原因となることが一般に知られており、「発芽全脂大豆粉末、及び酵素失活処理をしていない未発芽全脂大豆粉末」に食品の風味改善効果があるとは考えにくい。
 特許文献6では、クロロゲン酸の添加方法として、「クロロゲン酸は消耗品に直接加えられるか、または消耗品のある成分中に事前に混ぜてもよい。」と記載されている。しかし、クロロゲン酸自体、異風味の原因となり得るものであり、単に添加した場合は、野菜等の異風味を覆い隠すことはできても、クロロゲン酸の異風味を示すことになりかねず、その効果は疑問である。
 特許文献7では、乳酸発酵卵白を配合する必要があり、煩雑である。
[0007]
 本発明者は、より簡易な方法で、異風味を抑制することができる剤の開発に向け、鋭意検討をおこなった。その結果、通常であれば異風味の元となるようなポリフェノール素材を、油脂に微細分散させたものが、各種の異風味の低減に効果があることを見出し、本発明を完成させた。
 そして、該異風味抑制剤が各種の食品、特にハイカカオチョコレート、穀類由来素材、野菜、飲料における異風味の低減に有効に働くを見いだした。
[0008]
すなわち、本発明は、
(1)油相中に、ポリフェノール素材が1~60質量%含有した水相粒子が分散した、異風味抑制剤、
(2)ポリフェノール素材が、イソフラボン素材、ヘスペリジン素材、コーヒーポリフェノール素材、カカオポリフェノール素材、カテキン素材、ルチン及びアントシアニン素材から選ばれる1以上である、前記(1)記載の異風味抑制剤、
(3)水相の割合が0.001~20質量%である、前記(1)記載の異風味抑制剤、
(4)水相の割合が0.001~20質量%である、前記(2)記載の異風味抑制剤、
(5)油相中に、油溶性乳化剤が溶解してなる、前記(1)~(4)いずれか1項に記載の異風味抑制剤、
(6)前記(1)~(4)いずれか1項に記載の異風味抑制剤が0.1~60質量%含有された、異風味が抑制された食品、
(7)ポリフェノール素材を水に溶解し、油相へ微分散する、前記(1)~(4)いずれか1項に記載の異風味抑制剤の製造法、
(8)該食品が、ハイカカオチョコレート様食品、穀類由来素材、野菜、及び飲料から選ばれる1以上である、前記(6)記載の食品、
(9)前記(8)記載の穀類由来素材が、豆類由来素材、麦類由来素材、芋類由来素材、米類由来素材、とうもろこし由来素材から選ばれる1以上である、前記(8)記載の食品、
(10)前記(8)記載の野菜が、ピーマン、にんじん、セロリ、ほうれん草、ケール、キャベツ、タマネギ、なす、キュウリ、ゴーヤ、ズッキーニ、レタス、ニラ、春菊、カリフラワー、ブロッコリー、ネギ、大麦若葉から選ばれる1以上である、前記(8)記載の食品、
(11)前記(8)記載の飲料が、コーヒー飲料又は紅茶飲料である、前記(8)記載の食品、
(12)前記(1)~(4)いずれか1項に記載の異風味抑制剤を、水相粒子として0.0001~0.1質量%含有させる、食品の異風味抑制方法、
(13)該食品が、ハイカカオチョコレート様食品、穀類由来素材、野菜、及び飲料から選ばれる1以上である、前記(12)記載の食品の異風味抑制方法、
(14)前記(13)記載の穀類由来素材が、豆類由来素材、麦類由来素材、芋類由来素材、米類由来素材、とうもろこし由来素材、植物性油脂類から選ばれる1以上である、前記(13)記載の食品の異風味抑制方法、
(15)前記(13)記載の野菜が、ピーマン、にんじん、セロリ、ほうれん草、ケール、キャベツ、タマネギ、なす、キュウリ、ゴーヤ、ズッキーニ、レタス、ニラ、春菊、カリフラワー、ブロッコリー、ネギ、大麦若葉から選ばれる1以上である、前記(13)記載の食品の異風味抑制方法、
(16)前記(13)記載の飲料が、コーヒー飲料又は紅茶飲料である、前記(13)記載の食品の異風味抑制方法、
に関するものである。
[0009]
また換言すると、
(21)油相中に、ポリフェノール素材が1~60質量%含有した水相粒子が分散した、異風味抑制剤、
(22)ポリフェノール素材が、イソフラボン素材、ヘスペリジン素材、コーヒーポリフェノール素材、カカオポリフェノール素材、カテキン素材、ルチン及びアントシアニン素材から選ばれる1以上である、前記(21)記載の異風味抑制剤、
(23)水相の割合が0.001~20質量%である、前記(21)又は(22)記載の異風味抑制剤、
(24)油相中に、油溶性乳化剤が溶解してなる、前記(21)~(23)いずれか1項に記載の異風味抑制剤、
(25)前記(21)~(24)いずれか1項に記載の異風味抑制剤が0.1~60質量%含有された、異風味が抑制された食品、
(26)ポリフェノール素材を水に溶解し、油相へ微分散する、前記(21)~(24)いずれか1項に記載の異風味抑制剤の製造法、
(27)該食品が、ハイカカオチョコレート様食品、穀類由来素材、野菜、及び飲料から選ばれる1以上である、前記(25)記載の食品、
(28)前記(27)記載の穀類由来素材が、豆類由来素材、麦類由来素材、芋類由来素材、米類由来素材、とうもろこし由来素材、植物性油脂類から選ばれる1以上である、前記(27)記載の食品、
(29)前記(27)記載の野菜が、ピーマン、にんじん、セロリ、ほうれん草、ケール、キャベツ、タマネギ、なす、キュウリ、ゴーヤ、ズッキーニ、レタス、ニラ、春菊、カリフラワー、ブロッコリー、ネギ、大麦若葉から選ばれる1以上である、前記(27)記載の食品、
(30)前記(27)記載の飲料が、コーヒー飲料又は紅茶飲料である、前記(27)記載の食品、
(31)前記(21)~(24)いずれか1項に記載の異風味抑制剤を、水相粒子として0.0001~0.1質量%含有させる、ハイカカオチョコレート様食品の異風味抑制方法、
に関するものであり、さらに換言すると、
[0010]
(41)ポリフェノール素材が1~60質量%含有した水相粒子を油相中に分散した状態で含有させる、穀類由来素材の異風味抑制方法、
(42)ポリフェノール素材が、イソフラボン素材、ヘスペリジン素材、コーヒーポリフェノール素材、カカオポリフェノール素材、アントシアニン素材、ルチン素材、及びカテキン素材から選ばれる1以上である、前記(41)記載の方法、
(43)穀類由来素材が、豆類由来素材、麦類由来素材、芋類由来素材、米類由来素材、とうもろこし由来素材、植物性油脂類から選ばれる1以上である、前記(41)又は(42)に記載の方法、
(44)該水相粒子の量が、穀類由来素材を含む食品中で0.0001~0.1質量%とする、前記(41)~(43)いずれか1項に記載の、穀類由来素材の異風味抑制方法、
(45)ポリフェノール素材が1~60質量%含有した水相粒子を油相中に分散した状態で含有させる、異風味が低減された、穀類由来素材の製造方法、
(46)ポリフェノール素材が1~60質量%含有した水相粒子を油相中に分散した状態で含有させる、異風味が低減された穀類由来素材を含む食品の製造方法、
に関するものであり、さらに換言すると、
[0011]
(51)ポリフェノール素材が1~60質量%含有した水相粒子を油相中に分散した状態で含有させる、野菜に由来する異風味抑制方法、
(52)ポリフェノール素材が、イソフラボン素材、ヘスペリジン素材、コーヒーポリフェノール素材、カカオポリフェノール素材、アントシアニン素材、ルチン素材、及びカテキン素材から選ばれる1以上である、前記(51)記載の方法、
(53)野菜が、ピーマン、にんじん、セロリ、ほうれん草、ケール、キャベツ、タマネギ、なす、キュウリ、ゴーヤ、ズッキーニ、レタス、ニラ、春菊、カリフラワー、ブロッコリー、ネギ、大麦若葉から選ばれる1以上である、前記(51)又は(52)に記載の方法、
(54)ポリフェノール素材が1~60質量%含有した水相粒子を油相中に分散した状態で含有させる、野菜に由来する異風味が抑制された、該野菜を含む食品の製造法、
に関するものであり、さらに換言すると、
[0012]
(61)ポリフェノール素材が1~60質量%含有した水相粒子を油相中に分散した状態で含有させる、飲料における異風味低減方法、
(62)ポリフェノール素材が、イソフラボン素材、ヘスペリジン素材、コーヒーポリフェノール素材、カカオポリフェノール素材、アントシアニン素材、ルチン素材、及びカテキン素材から選ばれる1以上である、前記(61)記載の方法、
(63)該飲料が、コーヒー飲料又は紅茶飲料である、前記(61)又は(62)に記載の方法、
(64)飲料中の該水相粒子の量が0.0001~0.001質量%である、前記(61)~(63)いずれか1項に記載の方法、
(65)ポリフェノール素材が1~60質量%含有した水相粒子を油相中に分散した状態で含有させる、異風味が低減された飲料の製造方法、
に関するものである。

発明の効果

[0013]
 本発明によれば、簡易な方法で各種食品が示す異風味を抑制する異風味抑制剤を提供することができる。また、異風味が抑制された食品を提供することができる。
 該食品としては特に、ハイカカオチョコレート、穀類由来素材、野菜、飲料において効果を発揮する。

発明を実施するための形態

[0014]
 本発明でいう、異風味抑制剤とは、各種の食品が示す異風味を抑制する効果を有する剤のことである。本発明で異風味とは、食した際に好ましくない風味と感じられるものの総称であり、具体的には、過度の苦み、収斂味、いやみなどが挙げられる。ここで収斂味とは、渋味とも表現される、口中で感じる刺激であり、端的には、渋柿を口に含んだときに感じる、口腔の粘膜が「縮められた」ような感覚を伴う刺激であり、代表的な異風味である。
 収斂味はより具体的には、濃いお茶を飲んだときに感じる感触や、カカオ含量の多いチョコレートを食した際に感じる感触である。本発明にかかる異風味抑制剤は、各種の異風味を抑制する効果を有するものであるが、特に収斂味を抑制する効果が優れたものである。
 なお、本発明においては、異風味を抑制する効果があれば、それを「異風味抑制剤」と称する。
[0015]
 本発明に係る異風味抑制剤の効果の源は、ポリフェノール素材であると推察される。ただし、本発明においてポリフェノール素材は水相に存在し、それが油相中に分散している必要がある。ポリフェノール素材自体は、その多くがそれ自身、収斂味などの異風味を示すものであり、それが食品中に単に存在した場合は、収斂味即ち異風味を示すことになる。
 油相中における水相粒子の大きさは、500nm以下であることが望ましく、より望ましくは300nm以下である。適当な粒子径となることで、効果の高い異風味抑制剤を得ることができる。
 なお、本発明において水相とは、水に水溶性成分が溶解したものである。また油相とは、油に油溶性成分が溶解したものである。なお、油溶性成分を用いない配合においては、油脂自身を油相と称することがある。
[0016]
 本発明で油相に使用する油脂に限定はなく、大豆油、菜種油、米油、綿実油、パーム油、パーム核油、ココナッツオイル、カカオバターをはじめとする各種植物性油脂、及び牛脂や豚油のような動物性油脂、およびこれらを分別、硬化、エステル交換から選ばれる1以上の加工を施した油脂を1以上使用できる。
 本発明において、たとえば、ハイカカオチョコレートにおける、カカオに由来する異風味を抑制する場合には、チョコレートの硬さに影響を与えないように、カカオバターを使用することが望ましい。このように、最終的に使用する食品に応じて、適宜、油脂を選択することができる。
[0017]
 本発明において、ポリフェノール素材とは、ポリフェノールを多く含む素材を指す。具体的には、イソフラボン素材、ヘスペリジン素材、コーヒーポリフェノール素材、カカオポリフェノール素材、カテキン素材、ルチン及びアントシアニン素材から選ばれる1以上を使用することができる。より望ましくはコーヒーポリフェノール素材、ヘスペリジン素材であり、さらに望ましくはコーヒーポリフェノール素材である。適当なポリフェノール素材を使用することで、効果の高い収斂味抑制剤を得ることができる。
 なお、コーヒーポリフェノール素材としては、具体的には生コーヒー豆エキスを挙げることができ、カカオポリフェノール素材としてはカカオエキスをあげることができる。また、カテキン素材としては茶抽出物を挙げることができる。コーヒーポリフェノール素材における有効成分は、クロロゲン酸であると言われている。
[0018]
 本発明の異風味抑制剤においては、油相中にポリフェノール素材が含有した水相粒子が分散している必要がある。なお、本発明において、単に[水相粒子]と言うときには、「ポリフェノール素材が含有した水相粒子」のことを指す。
 水相におけるポリフェノール素材の量は1~60質量%であることが必要であり、この量はより望ましくは1.3~37質量%であり、さらに望ましくは1.5~35質量%である。適当な量のポリフェノール素材が水相中に存在することで、効果の高い異風味抑制剤を得ることができる。
[0019]
 本発明の異風味抑制剤において、水相の割合は、水相におけるポリフェノール素材の量により相違する。よって、明確に定義することは難しいが、概ね、0.001~20質量%であることが望ましい。この量は、より望ましくは0.002~15質量%であり、さらに望ましくは0.005~10質量%である。
[0020]
 本発明に係る異風味抑制剤は、異風味を抑制したい食品に配合し、使用することができる。ここで、チョコレートのように、油分が比較的多い食品の場合は、使用する油分の一部もしくは全部と置き換えて使用することができる。また、油分が少ないか、ほとんど含まない食品、すなわち、水系の食品においては、分散して使用する。
 本発明に係る異風味抑制剤を好ましく適用できる食品としては、チョコレートや各種飲料、野菜、穀類を挙げることができる。飲料としては、コーヒーや紅茶を挙げることができる。野菜としては、ピーマン、にんじん、セロリ、ほうれん草、ケール、キャベツ、タマネギ、なす、キュウリ、ゴーヤ、ズッキーニ、レタス、ニラ、春菊、カリフラワー、ブロッコリー、ネギ、大麦若葉を挙げることができる.。
[0021]
 本発明で穀類とは穀物とも称される、植物から得られる食材の総称の一つである。たとえば豆類、麦類、芋類、米、コーンの他、その他の各種の油糧作物を挙げることができる。そして、穀類由来素材とは、これらの穀類に由来する素材であり、たとえば、豆類由来素材、麦類由来素材、芋類由来素材、米類由来素材、とうもろこし由来素材の他、その他の各種の油糧作物由来の植物性油脂であり、より望ましくは、豆類由来素材、麦類由来素材、各種の植物性油脂類である。
 より具体的には、豆類由来素材のうち、大豆由来素材として、脱脂大豆、分離大豆蛋白質素材、濃縮大豆蛋白質素材、粒状大豆蛋白質素材、豆乳、大豆粉、大豆油があり、小麦に由来するグルテンやふすま、を挙げることができる。米類由来素材としては、米粉、米糠、米油を挙げることができ、とうもろこし由来素材としては、コーンスターチ、コーン油を挙げることができる。各種の植物性油脂類としては、菜種油、パーム油、ごま油、綿実油を挙げることができる。
 特に、大豆に由来する素材や、麦類に由来する素材は独特の風味を有する物もあり、その風味が、食品として広範囲に使用する場合に、妨げとなる場合もある。本発明は、このような穀類に由来する素材の異風味を抑制する方法を提供するものである。
 また、各種の植物性油脂においては、たとえば精製時の脱臭温度を下げた場合は、異風味が油脂に感じられる場合もある。ここで、精製時の脱臭温度を下げた場合は、トランス酸が生じる割合を下げることができると言われている。
 なお、たとえば大豆油は、大豆に由来する素材であり、かつ、文言上、植物性油脂類でもある。上記の「植物性油脂類」としては、それまでに挙げた穀類由来素材に含まれない油脂類を列挙したに過ぎず、文言上、「植物性油脂類」には、大豆油、米油、コーン油をはじめとする各種の植物性油脂が含まれることは言うまでも無い。
[0022]
 本発明に係る異風味抑制剤においては、水相及び/又は油相中に乳化剤が溶解していることが望ましい。特に油相中に油溶性乳化剤が溶解していることが望ましい。なお、油溶性乳化剤とは、油脂に溶解する乳化剤であり、本発明ではHLBが7以下の乳化剤を指す。
 油溶性乳化剤としては、ポリグリセリンエステル、シュガーエステル、ソルビタンエステル、モノグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1以上が望ましく、より望ましくはポリグリセリンエステル、シュガーエステル、蒸留モノグリセリドが好ましく、特にポリグリセリンエステルが好ましく、そのうちポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが最も好ましい。なお、ポリグリセリン縮合リシノレートはPGPRと略称されることがある。
 油相における油溶性乳化剤の量は、0.01~6質量%が望ましく、より望ましくは0.01~4質量%である。適当な乳化剤を適当な量使用することで、油中水型の乳化が強固になり、食品における異風味を効率的に抑制することができる異風味抑制剤が得られる。
[0023]
 次に、本発明に係る異風味抑制剤の調製法を例をもって説明する。
 本発明では、ポリフェノール素材を水に溶解して、水相を調製する。また、必要により油溶性乳化剤を油脂に溶解し、油相を調製する。
 次に、油相へ水相を混合し、油中水型に乳化させることで、異風味抑制剤を得ることができる。
[0024]
 本発明に係る異風味抑制剤は、異風味を示す各種の食品へ添加することによって、その異風味を抑制する効果を示す。その効果は、水相中のポリフェノール素材の濃度や、水相の量、また、異風味抑制剤そのものの使用量により適宜調整することができる。使用する食品によって、異風味の程度や、抑制を希望する程度も相違するが、当業者は、必要に応じ、適宜調整することができる。
[0025]
 本発明に係る異風味抑制剤の技術は、代表的には、ハイカカオチョコレート様食品に使用することができる。本発明でハイカカオチョコレート様食品とは、カカオ分65質量%以上のチョコレート様食品を指す。この場合、ポリフェノール素材を1~60質量%含有した水相粒子が油相中に分散した状態で、ハイカカオチョコレート様食品中に存在することで、異風味を抑制する効果が発現し、水相粒子の量は、ハイカカオチョコレート様食品中に、0.001~0.01質量%含有していることが望ましい。油相に使用する油脂は、カカオバターであることが望ましい。
 なお、ハイカカオチョコレートにおける異風味は、代表的には収斂味である。
[0026]
 本発明に係る異風味抑制剤を穀類に由来する異風味の低減に用いる場合、水相粒子の量は、穀類由来素材を含む食品中で、0.0001~0.03質量%であることが望ましく、より望ましくは0.0002~0.02質量%であり、さらに望ましくは0.0003~0.01質量%である。該水相粒子を適当な量含むことで、穀類由来素材に由来する異風味を効率的に抑制することができる。
[0027]
 本発明に係る異風味抑制技術を穀類に由来する異風味抑制に用いる場合は、代表的には、大豆を原料とする素材が用いられた食品に好適に利用することができる。大豆を原料とする素材としては、豆乳、粒状大豆蛋白質素材、分離大豆蛋白質素材、濃縮大豆蛋白質素材、繊維状大豆蛋白質素材、おから及び大豆油を挙げることできる。ここで豆乳とは、丸大豆から抽出されるものを始め、脱脂大豆から抽出される脱脂豆乳、及び、これらの粉末品を含むものである。また、粒状大豆蛋白質素材とは、脱脂大豆をはじめとする大豆由来原料を、エクストルーダーのような押し出し成形機で成形した素材である。分離大豆蛋白質素材とは、豆乳から等電点沈殿により分離した大豆蛋白質を主に粉体にしたものである。濃縮大豆蛋白質素材とは、脱脂大豆粉からアルコール洗浄や酸洗浄により、糖類その他の可用性成分を除去したものである。繊維状大豆蛋白質素材とは、分離大豆蛋白質素材をアルカリ溶液に溶解させ、酸液中に小孔から押しだし、繊維状にしたものを集めたものである。おからとは、大豆から油脂や大豆蛋白質等を抽出した後の、主に不溶性繊維からなるものである。脱脂大豆粉とは、脱脂した大豆を粉にしたものである。
[0028]
 これらの大豆を原料とする素材が用いられた食品の製造時に、ないし、これら大豆に由来する素材そのものの製造時に、本発明を適用することにより、大豆に由来する素材における異風味を抑制することができる。
[0029]
 本発明に係る異風味抑制剤を野菜に由来する異風味の低減に用いる場合、たとえば野菜系ジュースであれば、本発明に係る油中水型の乳化物を分散することで、その異風味を低減することができる。また、本発明に係る油中水型の乳化物を使ってドレッシングを調製し、それを野菜に直接かけて食すこともできる。これによって、野菜に由来する異風味を低減することができる。
[0030]
 この場合の水相粒子の含有量は、水相におけるポリフェノールの量や、対象となる野菜の異風味の程度によって、適宜設定することができる。ポリフェノール自体も異風味を示す素材となる場合もあるが、本発明では、ポリフェノール素材は水相に存在し、それが、油相中に分散した状態で存在するため、該ポリフェノール素材が異風味の原因となる可能性は低い。
 該使用における水相粒子の量は、野菜ないし野菜由来素材を含む食品中で、0.0001~0.05質量%であることが望ましく、より望ましくは0.0003~0.04質量%であり、さらに望ましくは0.0005~0.02質量%である。該水相粒子を適当な量含むことで、野菜に由来する異風味を効率的に抑制することができる。
[0031]
 本発明を飲料に適用する場合、対象となる飲料としては、ポリフェノール類が異風味と認識される場合がある、コーヒー飲料や紅茶飲料であることが望ましい。
 ここでコーヒー飲料とは、焙煎されたコーヒー豆から抽出された成分を含む飲料であり、コーヒーそのものの他、カフェ・オ・レ、コーヒー牛乳、カフェ・ラッテを含む。また、紅茶飲料とは、紅茶葉から抽出された成分を含む飲料であり、紅茶そのものの他、ミルクティー、レモンティを含む。
 このような飲料に本発明を供することで、顕著な異風味低減効果が見られ、好ましい。
[0032]
 本発明においては、飲料中にポリフェノール素材を所定量含有した水相粒子を0.0001~0.001質量%含有していることが望ましい。この量は、より望ましくは0.0002~0.0008であり、更に望ましくは0.0002~0.0007である。該水相粒子を適当な量含むことで、飲料において異風味抑制効果を示す。
[0033]
次に、本発明の技術を、各食品に適用する場合の方法を述べる。
 本発明をチョコレートへ適用する場合は、本発明に係る異風味抑制剤を、チョコレートの調製過程において添加することで、その異風味を抑制することができる。
 本発明を穀類に由来する異風味を低減するために用いる場合は、異風味を示す各種の穀類由来素材へ上記剤を添加することによって、その異風味を抑制する効果を示す。その効果は、水相中のポリフェノール素材の濃度や、水相の量、また、異風味抑制剤そのものの使用量により適宜調整することができる。使用する穀類由来素材によって、異風味の程度や、抑制を希望する程度も相違するが、当業者は、必要に応じ、適宜調整することができる。
また、穀類由来素材を含む食品に、同様に添加することで、穀類由来素材の異風味を抑制することができる。
[0034]
 又、野菜へ適用する場合は、異風味を示す各種の野菜ないし野菜由来素材へ本発明に係る異風味抑制剤を添加することによって、その異風味を抑制する効果を示す。その効果は、水相中のポリフェノール素材の濃度や、水相の量、また、異風味抑制剤そのものの使用量により適宜調整することができる。使用する野菜によって、異風味の程度や、抑制を希望する程度も相違するが、当業者は、必要に応じ、適宜調整することができる。
また、野菜を含む食品に、同様に添加することで、野菜の異風味を抑制することができる。
[0035]
 そして、飲料へ適用する場合は、本発明に係る異風味抑制剤を各種飲料に添加する。この場合、異風味抑制剤は油中水型の乳化物である一方、飲料は水系であるので、容易には混ざらない。そのため、飲料に異風味抑制剤を添加し、各種の乳化機を用いて乳化する必要がある。
 このようにして得られた飲料は、異風味が抑制され、良好な風味を示すこととなる。
以下に実施例を記載する。
実施例
[0036]
検討1 異風味抑制剤サンプルの調製
表1-1の配合に従い、異風味抑制剤サンプルを調製した。調製方法は、「○異風味抑制剤サンプルの調製法1」に従った。
[0037]
表1-1 配合




・油溶性乳化剤には、理研ビタミン株式会社製ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル「ポエムPR-100」(HLB:1)を使用した。
・イソフラボン素材には、不二製油社製「ソヤフラボンHG」を使用した。
・ヘスペリジン素材には、東洋精糖社製「αGヘスペリジン」を使用した。
・アントシアニン素材には、三栄源エフ・エフ・アイ社製「粉末ぶどうエキスHA」を使用した。
・オリゴノール素材には、アミノアップ化学社製「OLG-F」を使用した。
・生コーヒー豆エキスには、コーヒーポリフェノール素材である、オリザ油化社製「生コーヒー豆エキス-P」を使用した。
・カカオエキスには、カカオポリフェノール素材である、オリザ油化社製「カカオエキス-WSP」を使用した。
・カテキン素材には、太陽化学社製「サンフェノン90S」を使用した。
[0038]
○異風味抑制剤サンプルの調製法1
1.配合において、油相に分類されている原材料を融解、混合して油相を調製した。
2.配合において、水相に分類されている原材料を水に溶解して、水相を調製した。
3.油相に水相を混合し、乳化することで、油中水型の乳化物とした。
[0039]
検討2 異風味抑制剤サンプルの評価
検討1で調製した異風味抑制剤サンプルを用い、チョコレートを調製することで、効果の検証を行った。
チョコレートの配合を表2-1に記載した。また、チョコレートの調製は「○チョコレートサンプルの調製法2」に従った。
調製されたチョコレートサンプルは、パネラー5名により比較例2-1と比較することで評価し、合議にて、以下の基準で採点した。結果を表2-2に記載した。
[0040]
チョコレートサンプルの評価
3点 比較例2-1に比べ、大きく異風味が低減していることが感じられた。
2点 比較例2-1に比べ、異風味が低減していることが感じられた。
1点 比較例2-1と同等か、より異風味が感じられた。
 2点以上を合格とした。
[0041]
表2-1 チョコレートの配合


・カカオマスには不二製油株式会社製「カカオマスGB100」を使用した。
[0042]
○チョコレートサンプルの調製法2
1.カカオマス、砂糖、ココアバターをニーダーにて混合した。
2.ロールリファイナーにて微細化した。
3.コンチングを行った。
4.各「異風味抑制剤サンプル」を添加し、50~60℃で融解、混合した。
5.31℃に温調した。
6.不二製油株式会社製「チョコシードA」を対チョコレートサンプル0.2重量%添加し、テンパリングした。
7.モールドに充填し、10℃、30分間冷却した後、デモールドした。
8.20℃1週間エージングした。
[0043]
表2-2 結果


[0044]
考察
・通常であれば、異風味を感じるハイカカオチョコレートにおいて、本発明にかかる異風味抑制剤の効果を確認した。
・表2-2に示すとおり、それ自身が異風味を感じるポリフェノール類を配合した異風味抑制剤を所定量配合することにより、ハイカカオチョコレートにおける異風味を抑制できることが明らかとなった。
[0045]
検討3 異風味抑制剤サンプルの調製
表3-1の配合に従い、異風味抑制剤サンプルを調製した。調製法は、「○異風味抑制剤サンプルの調製法1」に従った。
[0046]
表3-1 配合


・油脂1には、ヤシ油とスーパーパームオレインの混合物を使用した。
・油溶性乳化剤には、理研ビタミン株式会社製ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル「ポエムPR-100」(HLB:1)を使用した。
・ヘヘスペリジン素材には、東洋精糖社製「αGヘスペリジン」を使用した。
・アントシアニン素材には、三栄源エフ・エフ・アイ社製「粉末ぶどうエキスHA」を使用した。
[0047]
検討4 異風味抑制剤サンプルの評価
検討3で調製した異風味抑制剤サンプルを用い、アイスコーチングチョコ(以下、ICと言う)を調製し、実際に冷菓へコーチングすることで、効果の検証を行った。
ICの配合を表4-1に記載した。また、ICの調製は「○ICサンプルの調製法」に従った。
得られたICサンプルは、完全溶解した後、50℃に温調後、「LOTTE 北海道バニラバー」にコーチングし、-20℃に保管した。翌日以降に、「○ICコーチングアイスの評価法」に従い評価した。結果を表4-2に示した。
[0048]
表4-1 ICの配合


・油脂2には液油と硬化油の混合物を使用した。
[0049]
○ICサンプルの調製法
1.ココア、砂糖、乳糖、油脂をニーダーにて混合した。
2.ロールリファイナーにて微細化した。
3.コンチングを行った。
4.各「異風味抑制剤サンプル」を添加し、50~60℃で融解、混合した。
[0050]
○ICコーチングアイスの評価法
ICコーチングアイスを、比較例4-1をコーチングしたサンプルを比較対象にパネラー3名で食し、合議にて以下の基準で採点した。
「チョコレート風味について」
 ○:改善効果が見られた。
 △:改善効果無し
 ×:風味が悪化した。
「収斂味(異風味)について」
 ○:改善効果が見られた。
 △:改善効果無し
 ×:風味が悪化した。
いずれかの項目で○があれば合格と判断した。
[0051]
表4-2 結果


[0052]
考察
・本発明にかかる異風味抑制剤を添加することで、収斂味(異風味)が低減されるほか、それ以外の異風味も低減され、チョコレート風味にも改善が見られることが明らかとなった。
[0053]
検討5 異風味抑制剤サンプルの評価
検討3で調製した異風味抑制剤のサンプルを用い、チョコレートアイスにおける風味改善効果の検証を行った。方法は「○チョコレートアイスにおける風味改善効果の検証法」に従った。結果を表5-1に示した。
[0054]
○チョコレートアイスにおける風味改善効果の検証法
1.市販アイス(森永乳業 MOWチョコレート エクアドル産カカオ100%)を完全溶解した。
2.80℃まで加熱した。
3.検討3で得られた異風味抑制剤サンプルをそれぞれ2質量%相当量添加した。
4.ホモミキサーで8000rpm×10min攪拌した。
5.5℃まで冷却後、アイスクリーマーでフリージングした。
6.容器に分注後、ショックフリーザー(-40℃)で硬化した。
7.-20℃に保管した。
8.翌日以降に試食評価した。
試食は、パネラー3名で行い、合議にて以下の基準で採点した。
「チョコレート風味について」
 ○:改善効果が見られた。
 △:改善効果無し
 ×:風味が悪化した。
「収斂味(異風味)について」
 ○:改善効果が見られた。
 △:改善効果無し
 ×:風味が悪化した。
いずれかの項目で○があれば合格と判断した。
[0055]
表5-1 結果


[0056]
考察
・本発明にかかる異風味抑制剤を添加することで、収斂味(異風味)が低減されるほか、それ以外の異風味も低減され、チョコレート風味にも改善が見られることが明らかとなった。
[0057]
検討6 異風味抑制剤サンプルの調製
表6-1の配合に従い、異風味抑制剤サンプルを調製した。調製法は、「○異風味抑制剤サンプルの調製法6」に従った。
[0058]
表6-1 配合


・植物性油脂には、不二製油株式会社製スーパーパームオレインである「パームエース10」を使用した。
・油溶性乳化剤には、阪本薬品工業株式会社製ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル「CRS-75」を使用した。
・アントシアニン素材には、三栄源エフ・エフ・アイ社製「「粉末ぶどうエキスHA」を使用した。
・ヘスペリジン素材には、東洋精糖社製「αGヘスペリジン」を使用した。
[0059]
○異風味抑制剤サンプルの調製法6
1.配合において、油相に分類されている原材料を融解、混合して油相を調製した。
2.配合において、水相に分類されている原材料を水に溶解して、水相を調製した。
3.油相に水相を混合し、乳化することで、油中水型の乳化物とした。
[0060]
検討7 異風味抑制剤サンプルの評価
検討6で調製した異風味抑制剤サンプルを用い、表7-1に示す、大豆蛋白質素材を配合した高タンパククリームを調製し、官能評価を行った。
高タンパククリームの調製は「○高タンパククリームの調製法」に従った。また、官能評価は「○官能評価法7」に従った。結果を表7-2に示した。
[0061]
表7-1 高タンパククリーム配合


・大豆蛋白質素材には、不二製油株式会社製分離大豆蛋白質素材である「プロリーナ900」を使用した。
・植物油脂には、不二製油株式会社製「パーキッドN」を使用した。
・レシチン、バニリンは微量であり、「適量」と表示した。
[0062]
○高タンパククリームの調製法
1.大豆蛋白質素材、全粉乳、砂糖、植物性油脂をニーダーにて混合した。
2.ロールリファイナーにて微細化した。
3.コンチングを行った。
4.各「異風味抑制剤サンプル」を添加、混合し、アルミカップに充填した。
5.10℃、10分間冷却した。
6.20℃1週間エージングした。
[0063]
○官能評価法7
調製されたサンプルを、パネラー3名にて官能評価し、合議にて以下の基準で採点した。
3点 比較例7-1に比べ、大きく収斂味及び青臭さが抑制していることが感じられたもの。
2点 比較例7-1に比べ、収斂味及び青臭さが抑制していることが感じられたもの。
1点 比較例7-1と同等か、より収斂味及び青臭さが感じられたもの。
 2点以上を合格とした。
[0064]
表7-2 結果


[0065]
考察
本発明に係る異風味抑制剤により、分離大豆蛋白質素材に起因する異風味を大きく抑制できることが確認された。
[0066]
検討8 異風味抑制剤サンプルの評価
検討6で調製した異風味抑制剤サンプルを用い、表8-1に示す、粒状大豆蛋白質素材を使用した「いちご風味ビッツ」を調製し、官能評価を行った。
いちご風味ビッツの調製は「○いちご風味ビッツの調製法」に従った。また、官能評価は「○官能評価法8」に従った。結果を表8-2に示した。
[0067]
表8-1 配合


・植物性油脂には、不二製油株式会社製スーパーパームオレインである「パームエース10」を使用した。
・粒状大豆蛋白質素材には、不二製油株式会社製「アペックス300」を使用した。
[0068]
○いちご風味ビッツの調製法
1.粒状大豆蛋白質素材、香料以外の原料を混合し、沸騰するまで加熱した。
2.粒状大豆蛋白質素材を添加し、とろ火で15分間加熱した。
3.水分を切り、60℃、15時間乾燥した。
4.香料を添加した。
[0069]
○官能評価法8
パネラー3名にて、サンプルを食し、比較例8-1との比較において、パネラーの合議にて、以下の基準で採点した。
3点 比較例8-1に比べ、大きく収斂味及び青臭さが抑制していることが感じられたもの。
2点 比較例8-1に比べ、収斂味及び青臭さが抑制していることが感じられたもの。
1点 比較例8-1と同等か、より収斂味及び青臭さが感じられたもの。
2点以上を合格とした。
[0070]
表8-2


[0071]
考察
本発明に係る異風味抑制剤により、粒状大豆蛋白質素材に起因する異風味を大きく抑制できることが確認された。
[0072]
検討9 異風味抑制剤サンプルの調製
表9-1の配合に従い、異風味抑制剤サンプルを調製した。調製法は、「○異風味抑制剤サンプルの調製法6」に従った。
[0073]
表9-1 配合


・植物性油脂1には、不二製油株式会社製スーパーパームオレインである「パームエース10」を使用した。
・植物性油脂2には、不二製油株式会社製「精製ヤシ油」を使用した。
・油溶性乳化剤には、阪本薬品工業株式会社製ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル「CRS-75」を使用した。
・アントシアニン素材には、三栄源エフ・エフ・アイ社製「粉末ぶどうエキスHA」を使用した。
・ヘスペリジン素材には、東洋精糖社製「αGヘスペリジン」を使用した。
[0074]
検討10 異風味抑制剤サンプルの評価
検討9で調製した異風味抑制剤サンプルを用い、表10-1に示す、豆乳系飲料を調製し、官能評価を行った。
豆乳系飲料調製は「○豆乳系飲料の調製法」に従った。また、官能評価は「○官能評価法10」に従った。結果を表10-2に示した。
[0075]
表10-1 配合


・無調整豆乳にはキッコーマン株式会社製「無調整豆乳」を使用した。
・水溶性乳化剤には、三菱化学フーズ株式会社製シュガーエステル「エステルS1670」を使用した。
[0076]
○豆乳系飲料の調製法
1.無調整豆乳を60℃に加温した。
2.水溶性乳化剤を添加し、ホモミキサーで攪拌した。
3.各油脂組成物サンプルを添加し、更に攪拌した。
4.10℃へ冷却した。
[0077]
○官能評価法10
パネラー3名にて、サンプルを食し、比較例10-1との比較において、パネラーの合議にて、以下の基準で採点した。
3点 比較例10-1に比べ、大きく収斂味及び青臭さが抑制していることが感じられたもの。
2点 比較例10-1に比べ、収斂味及び青臭さが抑制していることが感じられたもの。
1点 比較例10-1と同等か、より収斂味及び青臭さが感じられたもの。
2点以上を合格とした。
[0078]
表10-2 結果


[0079]
考察
本発明に係る異風味抑制剤により、豆乳に起因する異風味を大きく抑制できることが確認された。
[0080]
検討11 異風味抑制剤サンプルの調製
表11-1の配合に従い、異風味抑制剤サンプルを調製した。調製方法は、「○異風味抑制剤サンプルの調製法6」に従った。
[0081]
表11-1 配合


・油脂には、不二製油株式会社製スーパーパームオレインである「パームエース10」を使用した。
・油溶性乳化剤には、阪本薬品工業株式会社製ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル「CRS-75」を使用した。
・ヘスペリジン素材には、東洋精糖社製「αGヘスペリジン」を使用した。
・ルチン素材には、東洋精糖社製「αGルチンPS」を使用した。
[0082]
検討12 異風味抑制剤サンプルの評価
検討11で調製した異風味抑制剤サンプルを用い、表12-1に示す配合でブランパンを調製し、官能評価を行った。
ブランパンの調製は「○ブランパンの調製法」に従った。また、官能評価は「○官能評価法12」に従った。結果を表12-2に示した。
[0083]
表12-1 配合


・ミックス粉には、鳥越製粉株式会社製の、小麦粉を使わず、代わりに小麦たんぱくや小麦ふすまを使用した「パンdeスマートシックス」を使用した。
・油脂には、不二製油株式会社製の、スーパーパームオレイン、硬化油、エステル交換油の混合油を使用した。
[0084]
○ブランパンの調製法
1 原料を計量し、AICOH社製S30コートミキサーでミキシングした。(1速×2分→2速×5分→1速×5分→2速×13.5分)
2 28℃、湿度85% 30分発酵した。
3 80g/個に分割した。
4 ベンチタイム:20分
5 ホイロ:38℃、湿度80% 65-70分
6 オーブンで焼成した:上火 230℃、下火 210℃ 12分
[0085]
○官能評価法12
パネラー4名にて、サンプルを食し、比較例12-1との比較において、パネラーの合議にて、以下の基準で採点した。
3点 比較例12-1に比べ、大きく収斂味及び青臭さが抑制していることが感じられたもの。
2点 比較例12-1に比べ、収斂味及び青臭さが抑制していることが感じられたもの。
1点 比較例12-1と同等か、より収斂味及び青臭さが感じられたもの。
2点以上を合格とした。
[0086]
表12-2 結果


[0087]
考察
・近年、市場では小麦粉の使用を抑えたパンが人気であるが、多くの場合、小麦粉の代わりに小麦たんぱくや小麦ふすまが用いられている。しかし、これらの素材は独特の異風味があり、問題となることもあった。本発明では、このような、穀類に由来する素材の異風味を抑制することができ、低糖質のパンにおいても、その風味改善に寄与するものであった。
[0088]
検討13 異風味抑制剤サンプルの評価
検討11で調製した異風味抑制剤サンプル(実施例11-3)を用い、表13-1に示す配合で各種穀粉入りのパンを調製し、官能評価を行った。
パンの調製は「○パンの調製法」に従った。また、官能評価は「○官能評価法13」に従った。結果を表13-2に示した。
[0089]
表13-1 配合


・小麦グルテンには鳥越製粉株式会社製「PROグル65」を使用した。
・オーツ麦ふすまには鳥越製粉株式会社製「有機オーツ麦フスマ」を使用した。
・大豆粉には、加熱して酵素を失活させ粉体にしたものを使用した。
・油脂には、不二製油株式会社製の、スーパーパームオレイン、硬化油、エステル交換油の混合油を使用した。
[0090]
○パンの調製法
1 配合に従い、油脂と実施例11-3の油脂組成物を混捏し、ペースト状にした。
2 ホームベーカリー(Panasonic製)へ、各原材料を投入した。
3 上記ホームベーカリーにて、ソフト食パンプログラム(練り→発酵→焼成で約5時間)にてパンを焼成した。
4 余熱をとり、袋詰めした。
5 翌日以降に官能評価した。
[0091]
○官能評価法13
パネラー3名にて、サンプルを食し、実施例13-1に対しては比較例13-1,実施例13-2に対しては比較例13-2,及び、実施例13-3に対しては比較例13-3を比較対象として、パネラーの合議にて、以下の基準で採点した。
3点 各比較例に比べ、比較例の持つ異風味が明確に低減されていると感じられたもの。
2点 各比較例に比べ、比較例の持つ異風味がある程度低減されていると感じられたもの。
1点 各比較例と同等か、より異風味が感じられたもの。
2点以上を合格とした。
[0092]
表13-2 結果


[0093]
考察
ヘスペリジン素材についてのみの検討であったが、いずれも、コントロールに比べ異風味の改善が見られた。異風味は、収斂味に限らず、小麦グルテンのエグ味、オーツ麦ふすまのスパイス感、及び大豆粉の青臭みの低減の効果が顕著に見られた。
[0094]
検討14 異風味抑制剤サンプルの調製
表14-1の配合に従い、異風味抑制剤サンプルを調製した。調製方法は、「○異風味抑制剤サンプルの調製法6」に従った。
[0095]
表14-1 配合


・油脂には、不二製油株式会社製スーパーパームオレインである「パームエース10」を使用した。
・油溶性乳化剤には、阪本薬品工業株式会社製ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル「CRS-75」を使用した。
・ヘスペリジン素材には、東洋精糖社製「αGヘスペリジン」を使用した。
・ルチン素材には、東洋精糖社製「αGルチンPS」を使用した。
・アントシアニン素材には、三栄源エフ・エフ・アイ社製「粉末ぶどうエキスHA」を使用した。
[0096]
検討15 異風味抑制剤サンプルの評価
検討14で調製した異風味抑制剤サンプルを用い、表15-1に示す配合でブランパンを調製し、官能評価を行った。
ブランパンの調製は「○ブランパンの調製法15」に従った。また、官能評価は「○官能評価法15」に従った。結果を表15-2に示した。
[0097]
表15-1 配合




・未失活大豆粉には株式会社ペリカン株式会社製「大豆粉」を使用した。
・失活大豆粉には株式会社ペリカン製「全脂脱臭大豆粉」を使用した。
・小麦グルテンには鳥越製粉株式会社製「PROグル65」を使用した。
・ふすま粉にはアリサン有限会社製「有機オーツ麦フスマ」を使用した。
・油脂には、不二製油株式会社製スーパーパームオレインである「パームエース10」を使用した。
[0098]
○ブランパンの調製法15
1.ホームベーカリー(Panasonic製)へ、原材料を投入した。
2.「ソフト食パンプログラム(練り→発酵→焼成で約5時間)」にて、調製した。
3.余熱をとり、袋詰めした。
4.翌日以降に官能評価した。
[0099]
○官能評価法15
パネラー3名にて、サンプルを食し、実施例15-1、15-5、15-9は比較例15-1を、実施例15-2、15-6、15-10は比較例15ー2を、実施例15-3、15-7、15-11は比較例15-3を、実施例15-4、15-8、15-12は比較例15-4を、それぞれ比較対象として、パネラーの合議にて、以下の基準で採点した。
3点 比較対象に比べ、異風味が明確に低減されていると感じられたもの。
2点 比較対象に比べ、異風味がある程度低減されていると感じられたもの。
1点 比較対象と同等か、より異風味が感じられたもの。
2点以上を合格とした。
[0100]
表15-2 結果


[0101]
考察
表15-2に示すように、ヘスペリジン素材、アントシアニン素材、ルチン素材のいずれにおいても、これらが所定量溶解した水相が油相中に分散した状態で存在するものにより、穀類に由来する異風味が低減されることが明らかとなった。
[0102]
検討16 異風味抑制剤サンプルの調製
表16-1の配合に従い、異風味抑制剤サンプルを調製した。調製方法は、「○異風味抑制剤サンプルの調製法6」に従った。
[0103]
表16-1 配合


・油脂には、不二製油株式会社製スーパーパームオレインである「パームエース10」を使用した。
・油溶性乳化剤には、阪本薬品工業株式会社製ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル「CRS-75」を使用した。
・ヘスペリジン素材には、東洋精糖社製「αGヘスペリジン」を使用した。
・アントシアニン素材には、三栄源エフ・エフ・アイ社製「粉末ぶどうエキスHA」を使用した。
[0104]
検討17 異風味抑制剤サンプルの評価
検討16で調製した異風味抑制剤サンプルを用い、表17-1に示す配合で油脂を調合し、官能評価を行った。
各脱臭温度の油脂の調製は、「○油脂の調製法」に従った。
官能評価は、「○官能評価法17」に従った。結果を表17-2に示した。
[0105]
表17-1 配合


・脱臭温度として190℃、210℃、230℃、250℃と記載されたものは、それぞれ各温度で脱臭された油脂を示した。
[0106]
○油脂の調製法
スーパーパームオレイン(不二製油株式会社製「パームエース」)の未脱臭品を、190℃、210℃、230℃、250℃の各温度で脱臭処理した。方法は、定法に従った。
[0107]
○官能評価法17
調製されたサンプルを、60℃で7日間保管した後、室温とし、パネラー4名により直接食して評価した。
比較例17-5,実施例17-1,17-5は比較例17-1を、比較例17-6,実施例17-2,17-6は比較例17-2を、比較例17-7,実施例17-3,17-7は比較例17-3を、比較例17-8、実施例17-4,実施例17-8は比較例17-4をそれぞれ比較対象とし、以下の基準にて、パネラーの合議にて採点した。
3点 比較対象に比べ、異風味が明確に低減されていると感じられたもの。
2点 比較対象に比べ、異風味がある程度低減されていると感じられたもの。
1点 比較対象と同等か、より異風味が感じられたもの。
2点以上を合格とした。
[0108]
表17-2 結果


[0109]
考察
脱臭温度が低い場合に見られる異風味も、本発明にかかる方法で低減できることが明らかとなった。
なお、油脂の脱臭温度を下げることで,トランス脂肪酸量の発生を抑えることができるが、油脂の風味が悪い場合があった。本発明により、脱臭温度が低い場合の油脂の異風味を低減することが可能であるので,トランス脂肪酸の量が少なく、かつ、風味も良好な油脂を得ることができる。
[0110]
検討18 異風味抑制剤サンプルの調製
表18-1の配合に従い、異風味抑制剤サンプルを調製した。調製法は、「○異風味抑制剤サンプルの調製法18」に従った。
[0111]
表18-1 配合


・植物性油脂には、不二製油株式会社製「菜種油」を使用した。
・油溶性乳化剤には、阪本薬品工業株式会社製ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル「CRS-75」を使用した。
・イソフラボン素材には、イソフラボン素材である、不二製油社製「ソヤフラボンHG」を使用した。
・ヘスペリジン素材には、ヘスペリジン素材である、東洋精糖社製「αGヘスペリジン」を使用した。
・ルチン素材には、東洋精糖社製「αGルチンPS」を使用した。
・アントシアニン素材には、三栄源エフ・エフ・アイ社製「粉末ぶどうエキスHA」を使用した。
[0112]
○異風味抑制剤サンプルの調製法18
1.配合において、油相に分類されている原材料を融解、混合して油相を調製した。
2.配合において、水相に分類されている原材料を水に溶解して、水相を調製した。
3.油相に水相を混合し、乳化することで、油中水型の乳化物とした。
[0113]
検討19 異風味抑制剤サンプルの評価
検討18で調製した異風味抑制剤サンプルを用い、表19-1に示すように、市販の青汁飲料へ添加し、官能評価を行った。なお、青汁飲料への添加は「○青汁飲料への添加方法19」に従った。
また、官能評価は「○官能評価法19」に従った。結果を表19-2に示した。
[0114]
表19-1 青汁飲料の配合


・市販青汁飲料には、カゴメ株式会社製「食物繊維たっぷり青汁」を使用した。本品には、原材料表示に「野菜(ほうれん草、にんじん、ケール、メキャベツ(プチヴェール))、果実(りんご、レモン)、食物繊維/クエン酸、貝カルシウム、ビタミンC、ベニバナ黄色素、クチナシ青色素、香料、ピロリン酸第二鉄」と記載されていた。
・水溶性乳化剤には、三菱化学フーズ株式会社製のシュガーエステルである「リョートーシュガーエステルS1670」(HLB16)を使用した。
[0115]
○青汁飲料への添加方法19
1.青汁を60℃に加温した。
2.青汁に水溶性乳化剤を溶解した。
3.各サンプルを混合し、乳化した。
[0116]
○官能評価法19
調製されたサンプルを、パネラー3名にて官能評価し、合議にて以下の基準で採点した。
3点 比較例19-1に比べ、大きく青臭さやエグ味が抑制していることが感じられたもの。
2点 比較例19-1に比べ、青臭さやエグ味が抑制していることが感じられたもの。
1点 比較例19-1と同等か、青臭さやエグ味がより感じられたもの。
 2点以上を合格とした。
[0117]
表19-2 結果


[0118]
考察
表19-2に示すように、ポリフェノール素材が1~60質量%含有した水相粒子を油相中に分散した状態で含有させることで、青汁飲料の示す青臭さやエグ味が抑制された。
[0119]
検討20 異風味抑制剤サンプルの評価
 検討18で調製した異風味抑制剤サンプルの一部を用い、表20-1に示した配合のドレッシングを調製した。ドレッシングの調製法は「○ドレッシングの調製法20」に従った。
 得られたドレッシングは、「○官能評価法20」に従い、実際に野菜に添加した上で、官能評価に供した。結果を表20-2に示した。
[0120]
表20-1 ドレッシングの配合


・酢には株式会社ミツカン製「穀物酢」を用いた。
[0121]
○ドレッシングの調製法20
1.密閉容器に酢、砂糖、食塩を入れ、攪拌し完全溶解した。
2.各サンプルを添加し、更に攪拌し、乳化させた。
[0122]
○官能評価法20
1.レタス、ケール、ほうれん草、セロリ、たまねぎをそれぞれ3~4mm角の大きさに刻んだ。
2.各種ドレッシングサンプルを20質量%添加し均一に混合した。
3.パネラー4名にて試食し、以下の基準で合議にて採点した。
3点 比較例20-1に比べ、大きく青臭さやエグ味が抑制していることが感じられたもの。
2点 比較例20-1に比べ、青臭さやエグ味が抑制していることが感じられたもの。
1点 比較例20-1と同等か、青臭さやエグ味がより感じられたもの。
[0123]
表20-2 結果


[0124]
考察
表20-2に示すように、ポリフェノール素材が1~60質量%含有した水相粒子を油相中に分散した状態で含有させることで、各種野菜の示す青臭さやエグ味が抑制された。
[0125]
検討21 異風味抑制剤サンプルの調製
表21-1の配合に従い、異風味抑制剤サンプルを調製した。調製方法は、「○異風味抑制剤サンプルの調製法21」に従った。
[0126]
表21-1 配合


・植物性油脂には、不二製油株式会社製「精製ヤシ油」を使用した。
・油溶性乳化剤には、理研ビタミン株式会社製ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル「ポエムPR-100」(HLB:1)を使用した。
・ヘスペリジン素材には、東洋精糖社製「αGヘスペリジン」を使用した。
・イソフラボン素材には、不二製油社製「ソヤフラボンHG」を使用した。
・アントシアニン素材には、三栄源エフ・エフ・アイ社製「粉末ぶどうエキスHA」を使用した。
・ルチン素材には、東洋精糖社製「αGルチンPS」を使用した。
・コーヒーポリフェノール素材には、オリザ油化株式会社製「生コーヒー豆エキス-P」を使用した。
[0127]
○異風味抑制剤サンプルの調製法21
1.配合において、油相に分類されている原材料を融解、混合して油相を調製した。
2.配合において、水相に分類されている原材料を水に溶解して、水相を調製した。
3.油相に水相を混合し、乳化することで、油中水型の乳化物とした。
なお、比較例21-3については、水相と油相を軽く混合しただけで、乳化操作は行わなかった。この場合、水相は分散していなかった。
[0128]
検討22 異風味抑制剤サンプルの評価法
検討21で調製した異風味抑制剤サンプルを用い、コーヒー飲料及び紅茶飲料へ添加することで、効果の検証を行った。
各飲料の配合を表22-1に記載した。また、各飲料の調製は「○飲料サンプルの調製法22」に従った。
調製された飲料サンプルは、「○飲料サンプルの評価法22」に従い評価を行い、結果を表22-2に記載した。
[0129]
表22-1 配合




・インスタントコーヒーには、ネスレ社製「ネスカフェ エクセラ」を使用した。
・コーヒーエキスには、高砂香料工業株式会社製「コーヒーエキス」を使用した。
・紅茶エキスパウダーには、佐藤食品工業株式会社製「アッサムエキスパウダー」を使用した。
・水溶性乳化剤には、三菱化学フーズ株式会社製シュガーエステル「エステルS1670」を使用した。
・油溶性乳化剤には、三菱化学フーズ株式会社製シュガーエステル「エステルS570」を使用した。
[0130]
○飲料サンプルの調製法22
・コーヒー
1.配合に従い、80℃以上の温水に牛乳、グラニュー糖、重曹、乳化剤、コーヒーエキス、インスタントコーヒー類を添加し、ホモミキサー 5000rpmで均一になるまで攪拌した。
2.植物油脂を添加、ホモミキサー8000rpm 10min攪拌した。
3.水でFill upした。
4.均質化(高圧ホモ 150Mpa)した。
5.200ml容の缶に190ml充填した。
6.オートクレーブ殺菌(121℃×20分)した。
7.氷水で余熱を取り、室温で1 週間保管後、冷蔵保管した。
8.冷蔵保管1日以上経過で官能評価に供した。

・紅茶
1.配合に従い、80℃以上の温水に牛乳、紅茶エキスを添加し、ホモミキサー 5000rpmで均一になるまで攪拌した。
2.植物油脂を添加し、ホモミキサー8000rpm 10min攪拌した。
3.水でFill upした。
4.均質化(高圧ホモ 150Mpa)した。
5.200ml容の缶に190ml充填した。
6.オートクレーブ殺菌(121℃×20分)した。
7.氷水で余熱を取り、室温で1 週間保管後、冷蔵保管した。
8.冷蔵保管1日以上経過で官能評価に供した。
[0131]
○飲料サンプルの評価法22
実施例22-1,比較例22-2に対しては、比較例22-1を、比較例22-4,実施例22-2,22-3,22-4,22-5、22-6に対しては比較例22-3を、比較例22-6,実施例22-7,22-8,22-9,22-10,22-11に対しては比較例22-5を、それぞれコントロールとして、以下の基準で採点した。採点は、パネラー5名による合議にて行った。
5点 コントロールに比べ、異風味が低減し、かつ、良好な風味が際立っているもの。
4点 コントロールに比べ、異風味が低減し、かつ、良好な風味が強調される傾向があるもの。
3点 コントロールに比べ、異風味が明確に低減していると判断されるもの。
2点 コントロールに比べ、わずかではあるが異風味が低減していると判断されるもの。
1点 コントロールと同等と判断されるもの。
2点以上を合格と判断した。
[0132]
表22-2 結果


[0133]
考察
結果に示した様に、ポリフェノール素材が1~60質量%含有した水相粒子が存在することにより、飲料の異風味が抑制されることが確認された。
また、飲料における風味を際立たせる、良好な効果も確認された。

請求の範囲

[請求項1]
油相中に、ポリフェノール素材が1~60質量%含有した水相粒子が分散した、異風味抑制剤。
[請求項2]
ポリフェノール素材が、イソフラボン素材、ヘスペリジン素材、コーヒーポリフェノール素材、カカオポリフェノール素材、カテキン素材、ルチン及びアントシアニン素材から選ばれる1以上である、請求項1記載の異風味抑制剤。
[請求項3]
水相の割合が0.001~20質量%である、請求項1記載の異風味抑制剤。
[請求項4]
水相の割合が0.001~20質量%である、請求項2記載の異風味抑制剤。
[請求項5]
油相中に、油溶性乳化剤が溶解してなる、請求項1~4いずれか1項に記載の異風味抑制剤。
[請求項6]
請求項1~4いずれか1項に記載の異風味抑制剤が0.1~60質量%含有された、異風味が抑制された食品。
[請求項7]
ポリフェノール素材を水に溶解し、油相へ微分散する、請求項1~4いずれか1項に記載の異風味抑制剤の製造法。
[請求項8]
該食品が、ハイカカオチョコレート様食品、穀類由来素材、野菜、及び飲料から選ばれる1以上である、請求項6記載の食品。
[請求項9]
請求項8記載の穀類由来素材が、豆類由来素材、麦類由来素材、芋類由来素材、米類由来素材、とうもろこし由来素材から選ばれる1以上である、請求項8記載の食品。
[請求項10]
請求項8記載の野菜が、ピーマン、にんじん、セロリ、ほうれん草、ケール、キャベツ、タマネギ、なす、キュウリ、ゴーヤ、ズッキーニ、レタス、ニラ、春菊、カリフラワー、ブロッコリー、ネギ、大麦若葉から選ばれる1以上である、請求項8記載の食品。
[請求項11]
請求項8記載の飲料が、コーヒー飲料又は紅茶飲料である、請求項8記載の食品。
[請求項12]
請求項1~4いずれか1項に記載の異風味抑制剤を、水相粒子として0.0001~0.1質量%含有させる、食品の異風味抑制方法。
[請求項13]
該食品が、ハイカカオチョコレート様食品、穀類由来素材、野菜、及び飲料から選ばれる1以上である、請求項12記載の食品の異風味抑制方法。
[請求項14]
請求項13記載の穀類由来素材が、豆類由来素材、麦類由来素材、芋類由来素材、米類由来素材、とうもろこし由来素材、植物性油脂類から選ばれる1以上である、請求項13記載の食品の異風味抑制方法。
[請求項15]
請求項13記載の野菜が、ピーマン、にんじん、セロリ、ほうれん草、ケール、キャベツ、タマネギ、なす、キュウリ、ゴーヤ、ズッキーニ、レタス、ニラ、春菊、カリフラワー、ブロッコリー、ネギ、大麦若葉から選ばれる1以上である、請求項13記載の食品の異風味抑制方法。
[請求項16]
請求項13記載の飲料が、コーヒー飲料又は紅茶飲料である、請求項13記載の食品の異風味抑制方法。