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1. (WO2019031042) ELECTRIC VEHICLE DRIVE DEVICE
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明 細 書

発明の名称 電動車両駆動装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015  

発明の効果

0016  

図面の簡単な説明

0017  

発明を実施するための形態

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093  

符号の説明

0094  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24  

明 細 書

発明の名称 : 電動車両駆動装置

技術分野

[0001]
 本発明は、電動車両駆動装置に関する。

背景技術

[0002]
 電気自動車等の電動車両には、バッテリー等から供給される電力によって動作する駆動装置が搭載されている。発進時又は登坂時においては、比較的大きなトルクが必要になるが、車両の走行速度は比較的低速である。一方、平坦路での巡航時においては、必要となるトルクは小さいが、車両の走行速度は比較的高速である。このため、例えば特許文献1には、変速装置を備えるインホイールモータが記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2013-32804号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 ところで、電動車両に用いられる駆動装置に対しては、軸方向に小型化することが求められることがある。しかし、特許文献1に記載される駆動装置を用いる場合、軸方向の小型化には限界があった。
[0005]
 本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、変速することができ且つ軸方向の長さを小さくすることができる電動車両駆動装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 上記の目的を達成するため、本発明の一態様の電動車両駆動装置は、第1ロータ、第1ステータ及び第1コイルを有する第1モータと、第2ロータ、第2ステータ及び第2コイルを有する第2モータと、前記第1モータ及び前記第2モータの少なくとも一方の動力が伝達される変速装置と、を備え、前記第1モータの回転軸と平行な軸方向における前記第1ロータの端部、前記軸方向における前記第1ステータの端部及び前記軸方向における前記第1コイルの端部のうち前記軸方向で最も端に位置する部分である第1端部を通り、且つ前記回転軸に対して直交する平面を第1平面とし、前記軸方向における前記第1ロータの端部、前記軸方向における前記第1ステータの端部及び前記軸方向における前記第1コイルの端部のうち前記軸方向で前記第1端部とは反対側の最も端に位置する部分である第2端部を通り、且つ前記回転軸に対して直交する平面を第2平面とした場合、前記第2ロータの少なくとも一部、前記第2ステータの少なくとも一部又は前記第2コイルの少なくとも一部は、前記第1平面と前記第2平面との間に位置する。
[0007]
 これにより、第2モータが第1モータに対して軸方向で重ならなくなる。このため、電動車両駆動装置を軸方向に小型化することが容易になる。また、第1モータ及び第2モータと共に変速装置が設けられているので、電動車両駆動装置は変速が可能である。しがたって、電動車両駆動装置は、変速することができ且つ軸方向の長さを小さくすることができる。
[0008]
 上記の電動車両駆動装置の態様として、前記変速装置の少なくとも一部は、前記第1平面と前記第2平面との間に位置することが望ましい。
[0009]
 これにより、変速装置が、第1モータ及び第2モータに対して軸方向で重ならなくなる。このため、電動車両駆動装置は、軸方向の長さをより小さくすることができる。
[0010]
 上記の電動車両駆動装置の態様として、前記第1モータで生じるトルクを増幅させて前記変速装置に伝達する第1減速機と、前記第2モータで生じるトルクを増幅させて前記変速装置に伝達する第2減速機と、を備えることが望ましい。
[0011]
 電動車両駆動装置においては、第2モータが第1モータに対して軸方向で重ならない一方で、第1モータ及び第2モータの外径が小さくなる。このため、第1モータ及び第2モータが出力するトルクを大きくすることには限界がある。これに対して、電動車両駆動装置に第1減速機及び第2減速機が設けられることで、変速装置に伝達されるトルクを大きくすることが可能となる。したがって、電動車両駆動装置は、軸方向の長さを小さくできると共に、出力できるトルクを大きくすることができる。
[0012]
 上記の電動車両駆動装置の態様として、前記変速装置は、前記第1モータの動力を受ける入力ギアと、前記入力ギアと共に回転するサンギアシャフトと、前記サンギアシャフトと共に回転する第1サンギアと、前記第1サンギアと噛み合う第1ピニオンギアと、前記第1ピニオンギアが自転できるように、且つ前記第1ピニオンギアが前記第1サンギアを中心に公転できるように前記第1ピニオンギアを支持する第1キャリアと、前記第1キャリアの回転を規制するクラッチと、外歯歯車として前記第2モータの動力を受け且つ内歯歯車として前記第1ピニオンギアに噛み合う第1リングギアと、を備えることが望ましい。
[0013]
 これにより、変速装置は、変速装置に対して同軸に配置されない第1モータ及び第2モータの動力を受けることができる。その上で、変速装置は、第1モータ及び第2モータの少なくとも一方から得た動力を、トルクを変えて出力することができる。
[0014]
 上記の電動車両駆動装置の態様として、前記クラッチは、ワンウェイクラッチであって、支持部材に固定される外輪と、前記外輪に対して回転する内輪と、を備え、前記内輪は、前記第1キャリアであることが望ましい。
[0015]
 これにより、クラッチの内輪と第1キャリアとが嵌め合される場合に比較して、嵌め合わせのための構造を省略することが可能となる。このため、変速装置の軸方向の長さが小さくなる。

発明の効果

[0016]
 本発明によれば、変速することができ且つ軸方向の長さを小さくすることができる電動車両駆動装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0017]
[図1] 図1は、本実施形態の電動車両駆動装置の模式図である。
[図2] 図2は、ローギアモードにおいてトルクが伝わる経路を示す模式図である。
[図3] 図3は、ハイギアモードにおいてトルクが伝わる経路を示す模式図である。
[図4] 図4は、本実施形態の電動車両駆動装置が搭載されたホイールの斜視図である。
[図5] 図5は、本実施形態の電動車両駆動装置が搭載されたホイールの斜視図である。
[図6] 図6は、本実施形態の電動車両駆動装置の斜視図である。
[図7] 図7は、本実施形態の電動車両駆動装置の斜視図である。
[図8] 図8は、本実施形態の電動車両駆動装置の正面図である。
[図9] 図9は、本実施形態の電動車両駆動装置の正面図である。
[図10] 図10は、本実施形態の電動車両駆動装置の背面図である。
[図11] 図11は、図9におけるA-A断面図である。
[図12] 図12は、図10におけるB-B断面図である。
[図13] 図13は、図10におけるC-C断面図である。
[図14] 図14は、本実施形態の第1モータ、第1減速機、第2モータ、第2減速機及び変速装置の正面図である。
[図15] 図15は、本実施形態の第1モータ、第1減速機、第2モータ、第2減速機及び変速装置の斜視図である。
[図16] 図16は、本実施形態の変速装置の分解斜視図である。
[図17] 図17は、本実施形態のクラッチの斜視図である。
[図18] 図18は、変速装置の背面図である。
[図19] 図19は、図18におけるD-D断面図である。
[図20] 図20は、第1変形例の電動車両駆動装置の斜視図である。
[図21] 図21は、第1変形例の電動車両駆動装置の背面図である。
[図22] 図22は、第1変形例の電動車両駆動装置の左側面図である。
[図23] 図23は、ホイールに伝わるトルクと車速との関係を示すグラフである。
[図24] 図24は、第2変形例の電動車両駆動装置の左側面図である。

発明を実施するための形態

[0018]
 以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
[0019]
 図1は、本実施形態の電動車両駆動装置の模式図である。電動車両駆動装置1は、例えば車両のホイール100を回転させるための装置である。図1に示すように、電動車両駆動装置1は、ケース10と、第1モータ11と、第1減速機13と、第2モータ12と、第2減速機14と、変速装置2と、終減速機6と、出力部材15と、制御装置9と、を備える。
[0020]
 第1モータ11は、第1減速機13を介して変速装置2に接続されている。第1減速機13は、第1モータ11が出力するトルクを増大させて変速装置2に伝達する。例えば、第1減速機13は、第1モータ11が出力するトルクを2倍にして変速装置2に伝達する。例えば、第1モータ11の最大トルクは25(Nm)である。このため、第1減速機13から変速装置2に伝達される最大トルクは50(Nm)となる。
[0021]
 第1減速機13は、第1ギア131と、第2ギア132と、第3ギア133と、を備える。第1モータ11の第1シャフト110に取り付けられた第1モータギア111が、第1ギア131に噛み合っている。第1ギア131は、第2ギア132に噛み合っている。第3ギア133は、第2ギア132と同軸の歯車であって、第2ギア132と共に回転する。第3ギア133は、変速装置2の入力ギア20に噛み合っている。
[0022]
 第2モータ12は、第2減速機14を介して変速装置2に接続されている。第2減速機14は、第2モータ12が出力するトルクを増大させて変速装置2に伝達する。例えば、第2減速機14は、第2モータ12が出力するトルクを2倍にして変速装置2に伝達する。例えば、第2モータ12の最大トルクは25(Nm)である。このため、第2減速機14から変速装置2に伝達される最大トルクは50(Nm)となる。
[0023]
 第2減速機14は、第1ギア141と、第2ギア142と、第3ギア143と、を備える。第2モータ12の第2シャフト120に取り付けられた第2モータギア121が、第1ギア141に噛み合っている。第1ギア141は、第2ギア142に噛み合っている。第3ギア143は、第2ギア142と同軸の歯車であって、第2ギア142と共に回転する。第3ギア143は、変速装置2の第1リングギア34に噛み合っている。第1リングギア34は、外周面及び内周面の両方に歯を有する。すなわち、第1リングギア34は、外歯歯車であると共に内歯歯車でもある。第3ギア143は、第1リングギア34の外周面の歯に噛み合っている。すなわち、第3ギア143は、外歯歯車としての第1リングギア34に噛み合っている。
[0024]
 図1に示すように、変速装置2は、入力ギア20と、サンギアシャフト21と、第1遊星歯車装置3と、第2遊星歯車装置4と、クラッチ5と、変速装置出力軸25と、を備える。変速装置2は、減速比(変速装置2に入力されるトルクに対する変速装置2が出力するトルクの比)を変更できる。
[0025]
 入力ギア20は、第1減速機13の第3ギア133からトルクを受ける。サンギアシャフト21は、入力ギア20に連結されている。第1モータ11が駆動すると、入力ギア20及びサンギアシャフト21が回転軸A2を中心に回転する。
[0026]
 第1遊星歯車装置3は、例えばシングルピニオン式の遊星歯車装置である。第1遊星歯車装置3は、第1サンギア31と、第1ピニオンギア32と、第1キャリア33と、第1リングギア34と、を備える。
[0027]
 第1サンギア31は、サンギアシャフト21に連結されている。第1サンギア31は、サンギアシャフト21と共に回転軸A2を中心に回転する。第1サンギア31は、第1ピニオンギア32に噛み合っている。例えば、第1サンギア31の歯数は24である。例えば、第1ピニオンギア32の歯数は25である。
[0028]
 第1キャリア33は、クラッチ5を介してケース10に支持されている。第1キャリア33は、第1ピニオンギア32が回転軸A32を中心に回転(自転)できるように第1ピニオンギア32を支持する。回転軸A32は、回転軸A2と平行に配置されている。また、第1キャリア33は、第1ピニオンギア32が回転軸A2を中心に回転(公転)できるように第1ピニオンギア32を支持する。第1ピニオンギア32は、第1リングギア34の内周面の歯に噛み合っている。すなわち、第1ピニオンギア32は、内歯歯車としての第1リングギア34に噛み合っている。第1リングギア34は、回転軸A2を中心に回転する。例えば、第1リングギア34の歯数は76である。
[0029]
 クラッチ5は、例えばワンウェイクラッチである。クラッチ5は、第1方向のトルクのみを伝達し、第1方向とは逆方向である第2方向のトルクを伝達しない。クラッチ5は、ケース10と第1キャリア33との間に配置される。クラッチ5は、第1キャリア33の回転を規制できる。具体的には、クラッチ5は、第1キャリア33の公転を規制する係合状態と、第1キャリア33の公転を許容する分離状態とを切り替えることができる。すなわち、クラッチ5は、ケース10に対して第1キャリア33を特定の方向に回転自在とすることができ、且つケース10に対して第1キャリア33を当該特定の方向とは逆の方向に回転不能にすることができる。
[0030]
 第2遊星歯車装置4は、例えばダブルピニオン式の遊星歯車装置である。第2遊星歯車装置4は、第2サンギア41と、第2ピニオンギア421と、第3ピニオンギア422と、第2キャリア43と、第2リングギア44と、を備える。
[0031]
 第2サンギア41は、サンギアシャフト21に連結されている。第2サンギア41は、サンギアシャフト21と共に回転軸A2を中心に回転できる。第2ピニオンギア421は、第2サンギア41と噛み合っている。第3ピニオンギア422は、第2ピニオンギア421と噛み合っている。例えば、第2サンギア41の歯数は47である。例えば、第2ピニオンギア421の歯数は20である。例えば、第3ピニオンギア422の歯数は19である。
[0032]
 第2キャリア43は、第1リングギア34に連結されている。第2キャリア43は、第2ピニオンギア421が回転軸A421を中心に回転(自転)できるように第2ピニオンギア421を支持する。また、第2キャリア43は、第3ピニオンギア422が回転軸A422を中心に回転(自転)できるように第3ピニオンギア422を支持する。回転軸A421及び回転軸A422は、回転軸A2と平行に配置されている。また、第2キャリア43は、第2ピニオンギア421及び第3ピニオンギア422が回転軸A2を中心に回転(公転)できるように第2ピニオンギア421及び第3ピニオンギア422を支持する。第2リングギア44は、第3ピニオンギア422に噛み合っている。第2リングギア44は、回転軸A2を中心に回転する。第2リングギア44は、変速装置出力軸25に連結されている。例えば、第2リングギア44の歯数は97である。
[0033]
 終減速機6は、変速装置2と車両のホイール100との間に配置される。終減速機6は、変速装置出力軸25に入力されるトルクを大きくし、出力部材15へ出力する。終減速機6は、第4ピニオンギア61と、第3リングギア62と、を備える。第4ピニオンギア61は、変速装置出力軸25に連結されており、変速装置出力軸25と共に回転軸A2を中心に回転する。第4ピニオンギア61は、第3リングギア62に噛み合っている。第3リングギア62は、回転軸A1を中心に回転する。第3リングギア62は、出力部材15に連結されている。出力部材15は、ホイール100に連結されている。出力部材15及びホイール100は、第3リングギア62と共に回転軸A1を中心に回転する。第1モータ11の回転軸A11、第2モータ12の回転軸A12、及び変速装置2の回転軸A2は、出力部材15の回転軸A1と平行に配置されている。
[0034]
 第1モータ11及び第2モータ12の少なくとも一方で発生した動力は、変速装置2及び終減速機6を介してホイール100へ伝達される。一方、車両が下り坂等を走行している場合、ホイール100で発生する動力は、終減速機6及び変速装置2を介して第1モータ11及び第2モータ12の少なくとも一方に伝達される。この場合、第1モータ11及び第2モータ12の少なくとも一方は、発電機として駆動する。発電時の回転抵抗は、車両に回生ブレーキとして作用する。
[0035]
 制御装置9は、コンピュータであり、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力インターフェース、及び出力インターフェースを含む。制御装置9は、例えば、車両に搭載されたECU(Electronic Control Unit)である。制御装置9は、第1モータ11及び第2モータ12の角速度及び回転方向を制御する。
[0036]
 図2は、ローギアモードにおいてトルクが伝わる経路を示す模式図である。図3は、ハイギアモードにおいてトルクが伝わる経路を示す模式図である。電動車両駆動装置1は、駆動モードとして、ローギアモード及びハイギアモードを備える。駆動モードは、第1モータ11及び第2モータ12の角速度に応じて切り替わる。すなわち、第1キャリア33に第1方向のトルクが加わるように第1モータ11及び第2モータ12が制御された場合には、クラッチ5が係合状態となり、駆動モードがローギアモードとなる。第1キャリア33に第2方向のトルクが加わるように第1モータ11及び第2モータ12が制御された場合には、クラッチ5が分離状態となり、駆動モードがハイギアモードとなる。
[0037]
 ローギアモードは、減速比を大きくすることができる。すなわち、ローギアモードにおいては、変速装置出力軸25に伝わるトルクが大きくなる。ローギアモードは、車両が大きなトルクを必要とする場合に主に用いられる。大きなトルクを必要とする場合とは、例えば、登坂時又は加速する時等である。
[0038]
 ローギアモードでは、第1モータ11及び第2モータ12で発生するトルクの向きが反対である。また、第1モータ11及び第2モータ12で発生するトルクの大きさは、同じであっても、異なっていてもよい。第1モータ11で発生したトルクは、第1減速機13、入力ギア20及びサンギアシャフト21を介して第1サンギア31に入力される。第2モータ12で発生したトルクは、第2減速機14を介して第1リングギア34に入力される。ローギアモードにおいて、クラッチ5は係合状態となる。すなわち、ローギアモードにおいて、第1ピニオンギア32は自転できるが公転できない。
[0039]
 ローギアモードにおいて、第1モータ11が出力するトルクをトルクT1とし、第2モータ12が出力するトルクをトルクT2とする。トルクT2の向きは、トルクT1の向きとは反対である。第1モータ11から出力されたトルクT1は、第1減速機13を経ることでトルクT3となる。トルクT3は、サンギアシャフト21を介して第1サンギア31に入力される。そして、トルクT3は、第1サンギア31でトルクT5と合流することで、トルクT6となる。トルクT5は、第1リングギア34から第1サンギア31に伝わるトルクである。
[0040]
 第1サンギア31及び第2サンギア41は、サンギアシャフト21で連結されている。このため、ローギアモードにおいて、第1サンギア31から出力されたトルクT6は、サンギアシャフト21を介して第2サンギア41に伝えられる。そして、トルクT6は、第2遊星歯車装置4によって増幅される。また、トルクT6は、第2遊星歯車装置4によってトルクT8とトルクT7とに分配される。トルクT8は、トルクT2のうち第2リングギア44に分配されたトルクであり、変速装置出力軸25から出力される。トルクT7は、トルクT2のうち第2キャリア43に分配されたトルクである。
[0041]
 トルクT8は、変速装置出力軸25から終減速機6に出力される。そして、トルクT8は、終減速機6で増幅され、トルクT9となる。トルクT9は、出力部材15を介してホイール100に出力される。その結果、車両が走行する。
[0042]
 第2キャリア43及び第1リングギア34は、一体に回転する。第2キャリア43に分配されたトルクT7は、第1リングギア34で第2減速機14から出力されるトルクT4と合成される。第1リングギア34において合成されたトルクT4及びトルクT7は、第1ピニオンギア32を介してトルクT5となる。このように、第1遊星歯車装置3と第2遊星歯車装置4との間でトルクの循環が発生するので、変速装置2は、減速比を大きくすることができる。すなわち、電動車両駆動装置1は、ローギアモードにおいて大きなトルクを発生させることができる。
[0043]
 ハイギアモードは、減速比を小さくすることができる。ハイギアモードにおいては、変速装置出力軸25に伝わるトルクは小さくなるが、変速装置2の摩擦損失が小さくなる。ハイギアモードでは、第1モータ11及び第2モータ12で発生するトルクの向きは同じである。また、第1モータ11及び第2モータ12で発生するトルクの大きさは略同じである。ハイギアモードにおいて、第1モータ11が出力するトルクをトルクT11とし、第2モータ12が出力するトルクをトルクT12とする。図3に示すトルクT15は、変速装置出力軸25から出力されて終減速機6に伝えられるトルクである。
[0044]
 ハイギアモードにおいて、第1モータ11のトルクT11は、第1減速機13を経ることでトルクT13となる。第2モータ12のトルクT12は、第2減速機14を経ることでトルクT14となる。ハイギアモードにおいて、クラッチ5は分離状態となる。すなわち、ハイギアモードにおいて、第1ピニオンギア32は、自転でき且つ公転できる状態である。これにより、ハイギアモードでは、第1遊星歯車装置3と第2遊星歯車装置4との間におけるトルクの循環が遮断される。また、ハイギアモードでは第1キャリア33が公転できるため、第1サンギア31及び第1リングギア34は相対的に自由に自転できる。トルクT13は、第2キャリア43でトルクT14と合流する。その結果、第2リングギア44にトルクT15が伝わる。
[0045]
 トルクT15は、変速装置出力軸25から終減速機6に出力される。そして、トルクT15は、終減速機6で増幅され、トルクT16となる。トルクT16は、出力部材15を介してホイール100に出力される。その結果、車両が走行する。なお、ハイギアモードにおいて、第1モータ11の角速度及び第2モータ12の角速度を制御装置9が適切に制御することにより、トルクT16の向きが逆になる。その結果、車両が後進する。
[0046]
 図4は、本実施形態の電動車両駆動装置が搭載されたホイールの斜視図である。図5は、本実施形態の電動車両駆動装置が搭載されたホイールの斜視図である。図6は、本実施形態の電動車両駆動装置の斜視図である。図7は、本実施形態の電動車両駆動装置の斜視図である。図8は、本実施形態の電動車両駆動装置の正面図である。図9は、本実施形態の電動車両駆動装置の正面図である。図10は、本実施形態の電動車両駆動装置の背面図である。図11は、図9におけるA-A断面図である。図12は、図10におけるB-B断面図である。図13は、図10におけるC-C断面図である。図14は、本実施形態の第1モータ、第1減速機、第2モータ、第2減速機及び変速装置の正面図である。図15は、本実施形態の第1モータ、第1減速機、第2モータ、第2減速機及び変速装置の斜視図である。図16は、本実施形態の変速装置の分解斜視図である。図17は、本実施形態のクラッチの斜視図である。図18は、変速装置の背面図である。図19は、図18におけるD-D断面図である。
[0047]
 なお、図8、図14及び図15においては、ケース10の図示が省略されている。図9においては、ケース10、第1減速機13及び第2減速機14の図示が省略されている。図12及び図13においては、見やすくするために、ケース10及びホイール100にハッチングが施されており、その他の部材のハッチングは省略されている。図16及び図18においては、第2リングギア44の図示が省略されている。
[0048]
 以下の説明において、回転軸A1と平行な方向は単に軸方向と記載される。軸方向に対して直交する方向は単に径方向と記載される。
[0049]
 図4及び図5に示すように、電動車両駆動装置1は、車両のホイール100の内側に配置される。電動車両駆動装置1は、出力部材15から突出する複数のスタッドボルト150によってホイール100と固定される。図12に示すように、出力部材15は、軸受16を介してケース10に支持されている。また、終減速機6の第4ピニオンギア61は、軸受17を介してケース10に支持されている。ケース10の内部には、第1モータ11、第1減速機13、第2モータ12、第2減速機14及び変速装置2が配置されている。
[0050]
 図8に示すように、電動車両駆動装置1においては、第2モータ12の回転軸A12の位置が、第1モータ11の回転軸A11の位置とは異なっている。図8に示すように、出力部材15の回転軸A1と平行な方向から見た場合に、変速装置2の回転軸A2と回転軸A1とを通る直線を直線L1とする。第1モータ11の回転軸A11は、直線L1の一方側に位置している。第2モータ12の回転軸A12は、直線L1の他方側に位置している。すなわち、第2モータ12の回転軸A12は、直線L1を挟んで第1モータ11の回転軸A11とは反対側に位置している。本実施形態においては、直線L1から第2モータ12の回転軸A12までの距離は、直線L1から第1モータ11の回転軸A11までの距離に等しい。
[0051]
 図8に示すように、電動車両駆動装置1は、コネクタ8を備える。第1モータ11及び第2モータ12は、U相、V相及びW相を含む三相交流によって駆動する。コネクタ8は、車両に設けられたインバータ(電源装置)にケーブルによって接続される。具体的には、第1モータ11及び第2モータ12のそれぞれに三相交流を供給するために、複数の芯線を有するケーブルがコネクタ8に接続される。コネクタ8は、ケーブルの芯線と電気的に接続される7つの接続部を有する。7つの接続部のうち6つは、インバータに繋がる芯線に接続される。7つの接続部のうち1つは、グラウンド線に接続される。
[0052]
 図8に示すように、出力部材15の回転軸A1と平行な方向から見た場合に、回転軸A1を端点とし且つ第1モータ11の回転軸A11を通る半直線を第1半直線H1とし、回転軸A1を端点とし且つ第2モータ12の回転軸A12を通る半直線を第2半直線H2とする。コネクタ8は、第1半直線H1及び第2半直線H2で区切られる領域R1及び領域R2のうち小さい領域R2に位置する。
[0053]
 図12に示すように、第1モータ11は、第1シャフト110と、第1モータギア111と、第1ロータ115と、第1ステータ116と、第1コイル117と、を備える。第1シャフト110は、軸受を介してケース10に支持されている。第1モータギア111は、第1シャフト110の端部に取り付けられており、第1シャフト110と共に回転軸A11を中心に回転する。第1ロータ115は、第1シャフト110に取り付けられており、第1シャフト110と共に回転軸A11を中心に回転する。第1ロータ115は、複数のマグネットを備える。第1ステータ116は、第1ロータ115の径方向外側に配置されており、ケース10に固定されている。第1コイル117は、インシュレータを介して第1ステータ116のティースに巻き付けられている。第1コイル117には、三相交流が供給される。
[0054]
 図13に示すように、第2モータ12は、第2シャフト120と、第2モータギア121と、第2ロータ125と、第2ステータ126と、第2コイル127と、を備える。第2シャフト120は、軸受を介してケース10に支持されている。第2モータギア121は、第2シャフト120の端部に取り付けられており、第2シャフト120と共に回転軸A12を中心に回転する。第2ロータ125は、第2シャフト120に取り付けられており、第2シャフト120と共に回転軸A12を中心に回転する。第2ロータ125は、複数のマグネットを備える。第2ステータ126は、第2ロータ125の径方向外側に配置されており、ケース10に固定されている。第2コイル127は、インシュレータを介して第2ステータ126のティースに巻き付けられている。第2コイル127には、三相交流が供給される。
[0055]
 本実施形態においては、第2モータ12の外径、軸方向長さ、巻線構造(第2コイル127の巻き方)は、第1モータ11の外径、軸方向長さ、巻線構造(第1コイル117の巻き方)と同じである。また、第2モータ12の軸方向での端部の位置は、第1モータ11の軸方向での端部の位置と同じである。
[0056]
 図11及び図12に示すように、軸方向における第1ロータ115の端部、軸方向における第1ステータ116の端部及び軸方向における第1コイル117の端部のうち軸方向で最も端に位置する部分である第1端部E1を通り、且つ回転軸A1に対して直交する平面を第1平面B1とする。軸方向における第1ロータ115の端部、軸方向における第1ステータ116の端部及び軸方向における第1コイル117の端部のうち軸方向で第1端部E1とは反対側の最も端に位置する部分である第2端部E2を通り、且つ回転軸A1に対して直交する平面を第2平面B2とする。本実施形態においては、第1端部E1は、第1コイル117の軸方向の一端(ホイール100側の端部)である。第2端部E2は、第1コイル117の軸方向の他端(車体側の端部)である。図11及び図13に示すように、第2ロータ125、第2ステータ126及び第2コイル127は、第1平面B1と第2平面B2との間に位置する。本実施形態においては、第1平面B1が、第2コイル127の軸方向の一端(ホイール100側の端部)を通っている。第2平面B2が、第2コイル127の軸方向の他端(車体側の端部)を通っている。
[0057]
 図14に示すように、第1減速機13は、第1モータギア111と変速装置2との間に位置する。第1ギア131の回転軸A131は、回転軸A11と回転軸A2との間に位置する。第2ギア132及び第3ギア133の回転軸A132は、回転軸A131と回転軸A2との間に位置する。
[0058]
 図14に示すように、第2減速機14は、第2モータギア121と変速装置2との間に位置する。第1ギア141の回転軸A141は、回転軸A12と回転軸A2との間に位置する。第2ギア142及び第3ギア143の回転軸A142は、回転軸A141と回転軸A2との間に位置する。
[0059]
 図11に示すように、変速装置2の少なくとも一部は、第1平面B1と第2平面B2との間に位置する。本実施形態において、変速装置2の軸方向の長さは、第1平面B1と第2平面B2との間の距離よりも大きい。
[0060]
 クラッチ5は、例えば、いわゆるカム式のワンウェイクラッチである。図19に示すように、クラッチ5は、内輪と、軸受55と、外輪52と、ローラー53と、を備える。クラッチ5の内輪は、第1キャリア33である。すなわち、クラッチ5は、内輪としての第1キャリア33を備える。第1キャリア33は、軸受55を介して外輪52に支持されており、外輪52に対して回転できる。第1キャリア33は、基部331と、突出部332とを備える。基部331は、円筒状であって、外輪52の内側に位置する。基部331は、第1キャリア33のうち径方向で外輪52と重なる部分である。基部331は、軸受55及びローラー53に接する。突出部332は、基部331と一体に形成されている。突出部332は、外輪52の外側に位置する。突出部332は、基部331から第1リングギア34側に延びている。突出部332は、径方向で第1リングギア34と重なる。図16及び図17に示すように、突出部332は、複数の第1ピニオンギア32を保持している。外輪52は、ボルトによってケース10に固定されている。ローラー53は、第1キャリア33と外輪52との間に配置されている。ローラー53は、第1キャリア33に支持されており、第1キャリア33と共に回転する。第1キャリア33が第1方向に回転したとき、ローラー53は外輪52に噛み合う。このため、第1キャリア33が回転できなくなる。これにより、クラッチ5は係合状態を実現する。一方、第1キャリア33が第1方向とは反対方向である第2方向に回転したとき、ローラー53は外輪52に噛み合わない。このため、第1キャリア33が回転できる。これにより、クラッチ5は分離状態を実現する。
[0061]
 ところで、上述した特許文献1のように2つのモータが軸方向に重なるように配置された場合、駆動装置が軸方向に大きくなりやすい。このため、特許文献1の駆動装置を車両のホイールに取り付けた場合、駆動装置のうちホイールから車体側に突出する部分の長さが大きくなる。その結果、駆動装置に連結することのできるサスペンションの種類が限定される可能性があった。具体的には、駆動装置を車両の前輪に配置する場合、駆動装置をダブルウィッシュボーン式のサスペンションに取り付けることはできるものの、駆動装置をストラット式のサスペンションに取り付けることは困難である。
[0062]
 これに対して、本実施形態の電動車両駆動装置1においては、第1モータ11及び第2モータ12が軸方向に重ならない。このため、電動車両駆動装置1は、軸方向の長さを小さくすることができる。その結果、電動車両駆動装置1のうちホイール100から車体側に突出する部分の長さが小さくなる。したがって、電動車両駆動装置1に適用することのできるサスペンションの種類が多くなる。具体的には、電動車両駆動装置1は、ストラット式のサスペンションに取り付けることが可能である。なお、サスペンションは、電動車両駆動装置1の車体側の端面等に取り付けられる。
[0063]
 なお、図13に示す第2ロータ125、第2ステータ126及び第2コイル127の全部が第1平面B1と第2平面B2との間に位置していなくてもよい。例えば、第2ロータ125の一部、第2ステータ126の一部又は第2コイル127の一部が第1平面B1と第2平面B2とで挟まれる領域の外側に位置していてもよい。すなわち、第2ロータ125の少なくとも一部、第2ステータ126の少なくとも一部及び第2コイル127の少なくとも一部が、第1平面B1と第2平面B2との間に位置していればよい。
[0064]
 なお、図8に示す直線L1から第2モータ12の回転軸A12までの距離は、直線L1から第1モータ11の回転軸A11までの距離に必ずしも等しくなくてもよい。直線L1から第2モータ12の回転軸A12までの距離は、直線L1から第1モータ11の回転軸A11までの距離より大きくてもよいし、小さくてもよい。少なくとも、直線L1の一方側に第1モータ11があり、直線L1の他方側に第2モータ12があればよい。
[0065]
 なお、ローギアモードにおいて、必ずしも第1モータ11及び第2モータ12の両方が駆動しなくてもよい。第1モータ11及び第2モータ12のうち第1モータ11のみが駆動してもよい。また、上述した各ギアの歯数は一例であって、各ギアの歯数は特に限定されない。
[0066]
 以上で説明したように、電動車両駆動装置1は、第1モータ11と、第2モータ12と、変速装置2と、を備える。第1モータ11は、第1ロータ115、第1ステータ116及び第1コイル117を有する。第2モータ12は、第2ロータ125、第2ステータ126及び第2コイル127を有する。変速装置2は、第1モータ11及び第2モータ12の少なくとも一方の動力が伝達される。第1モータ11の回転軸A11と平行な軸方向における第1ロータ115の端部、軸方向における第1ステータ116の端部及び軸方向における第1コイル117の端部のうち軸方向で最も端に位置する部分である第1端部E1を通り、且つ回転軸A11に対して直交する平面を第1平面B1とする。軸方向における第1ロータ115の端部、軸方向における第1ステータ116の端部及び軸方向における第1コイル117の端部のうち軸方向で第1端部E1とは反対側の最も端に位置する部分である第2端部E2を通り、且つ回転軸A11に対して直交する平面を第2平面B2とする。第2ロータ125の少なくとも一部、第2ステータ126の少なくとも一部又は第2コイル127の少なくとも一部は、第1平面B1と第2平面B2との間に位置する。
[0067]
 これにより、第2モータ12が第1モータ11に対して軸方向で重ならなくなる。このため、電動車両駆動装置1を軸方向に小型化することが容易になる。また、第1モータ11及び第2モータ12と共に変速装置2が設けられているので、電動車両駆動装置1は変速が可能である。したがって、電動車両駆動装置1は、変速することができ且つ軸方向の長さを小さくすることができる。
[0068]
 また、電動車両駆動装置1においては、変速装置2の少なくとも一部は、第1平面B1と第2平面B2との間に位置する。
[0069]
 これにより、変速装置2が、第1モータ11及び第2モータ12に対して軸方向で重ならなくなる。このため、電動車両駆動装置1は、軸方向の長さをより小さくすることができる。
[0070]
 また、電動車両駆動装置1については以下のように記載することもできる。すなわち、電動車両駆動装置1は、第1モータ11と、第2モータ12と、変速装置2と、出力部材15と、を備える。変速装置2は、第1モータ11及び第2モータ12の少なくとも一方の動力が伝達される。出力部材15は、変速装置2から出力される動力により回転する。第1モータ11の回転軸A11、第2モータ12の回転軸A12、及び変速装置2の回転軸A2は、出力部材15の回転軸A1と平行に配置されている。出力部材15の回転軸A1と平行な軸方向から見た場合、出力部材15の回転軸A1と変速装置2の回転軸A2とを通る直線L1の一方側に第1モータ11の回転軸A11が位置し、直線L1の他方側に第2モータ12の回転軸A12が位置する。
[0071]
 これにより、第1モータ11の回転軸A11の位置と第2モータ12の回転軸A12の位置とが異なる。このため、第2モータ12を第1モータ11に対して軸方向で重ならないように配置することが可能となる。また、変速装置2の回転軸A2の位置が、第1モータ11の回転軸A11の位置、及び第2モータ12の回転軸A12の位置と異なる。このため、変速装置2を第1モータ11及び第2モータ12に対して軸方向で重ならないように配置することが可能となる。したがって、電動車両駆動装置1は、変速することができ且つ軸方向の長さを小さくすることができる。
[0072]
 さらに、第1モータ11から変速装置2までの距離と、第2モータ12から変速装置2までの距離との差が小さくなる。これにより、第1モータ11と変速装置2との間及び第2モータ12と変速装置2との間のそれぞれに減速機を配置する場合に、2つの減速機の大きさを近くすることができる。
[0073]
 また、電動車両駆動装置1は、第1モータ11及び第2モータ12に電力を供給する配線を取り付けるためのコネクタ8を備える。軸方向から見た場合、コネクタ8は、出力部材15の回転軸A1を端点とし第1モータ11の回転軸A11を通る第1半直線H1と、出力部材15の回転軸A1を端点とし第2モータ12の回転軸A12を通る第2半直線H2とで区切られる2つの領域(領域R1及び領域R2)のうち小さい領域R2に位置する。
[0074]
 第1半直線H1と第2半直線H2とで区切られる2つの領域(領域R1及び領域R2)のうち大きい領域R1には、変速装置2が配置される。このため、大きい領域R1においては、2つの減速機(第1減速機13及び第2減速機14)を構成する多数の歯車が回転自在に配置されているため、コネクタ8から第1モータ11及び第2モータ12に向かう配線を通すことのできる空間が少なく、配線を配置することが難しい。これに対して、コネクタ8が小さい領域R2に位置することで、多数の歯車等の配線に対する障害物が少ないので、配線の配置が容易になる。さらに、コネクタ8から第1モータ11までの距離と、コネクタ8から第2モータ12までの距離との間で差を小さくすることができる。
[0075]
 また、電動車両駆動装置1は、第1モータ11で生じるトルクを増幅させて変速装置2に伝達する第1減速機13と、第2モータ12で生じるトルクを増幅させて変速装置2に伝達する第2減速機14と、を備える。
[0076]
 電動車両駆動装置1においては、第2モータ12が第1モータ11に対して軸方向で重ならない一方で、第1モータ11及び第2モータ12の外径が小さくなる。このため、第1モータ11及び第2モータ12が出力するトルクを大きくすることには限界がある。これに対して、電動車両駆動装置1に第1減速機13及び第2減速機14が設けられることで、変速装置2に伝達されるトルクを大きくすることが可能となる。したがって、電動車両駆動装置1は、軸方向の長さを小さくできると共に、出力できるトルクを大きくすることができる。
[0077]
 また、電動車両駆動装置1において、変速装置2は、入力ギア20と、サンギアシャフト21と、第1サンギア31と、第1ピニオンギア32と、第1キャリア33と、クラッチ5と、第1リングギア34と、を備える。入力ギア20は、第1モータ11の動力を受ける。サンギアシャフト21は、入力ギア20と共に回転する。第1サンギア31は、サンギアシャフト21と共に回転する。第1ピニオンギア32は、第1サンギア31と噛み合う。第1キャリア33は、第1ピニオンギア32が自転できるように、且つ第1ピニオンギア32が第1サンギア31を中心に公転できるように第1ピニオンギア32を支持する。クラッチ5は、第1キャリア33の回転を規制する。第1リングギア34は、外歯歯車として第2モータ12の動力を受け且つ内歯歯車として第1ピニオンギア32に噛み合う。
[0078]
 これにより、変速装置2は、変速装置2に対して同軸に配置されない第1モータ11及び第2モータ12の動力を受けることができる。その上で、変速装置2は、第1モータ11及び第2モータ12の少なくとも一方から得た動力を、トルクを変えて出力することができる。
[0079]
 また、電動車両駆動装置1において、クラッチ5は、ワンウェイクラッチであって、支持部材(ケース10)に固定される外輪52と、外輪52に対して回転する内輪と、を備える。内輪は、第1キャリア33である。
[0080]
 これにより、クラッチ5の内輪と第1キャリア33とが嵌め合される場合に比較して、嵌め合わせのための構造を省略することが可能となる。このため、変速装置2の軸方向の長さが小さくなる。
[0081]
(第1変形例)
 図20は、第1変形例の電動車両駆動装置の斜視図である。図21は、第1変形例の電動車両駆動装置の背面図である。図22は、第1変形例の電動車両駆動装置の左側面図である。図23は、ホイールに伝わるトルクと車速との関係を示すグラフである。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
[0082]
 第1変形例の電動車両駆動装置1Aは、上述した第2モータ12とは異なる第2モータ12Aを備える。図20に示すように、第2モータ12Aは、第2ロータ125Aと、第2ステータ126Aと、第2コイル127Aと、を備える。第2ロータ125Aの軸方向の長さは、第1ロータ115の軸方向の長さよりも大きい。第2ステータ126Aの軸方向の長さは、第1ステータ116の軸方向の長さよりも大きい。第2ステータ126Aの外径は、第1ステータ116の外径に等しい。第2モータ12Aの巻線構造(第2コイル127Aの巻き方)は、第1モータ11の巻線構造(第1コイル117の巻き方)と同じである。このため、第2モータ12Aの角速度が第1モータ11の角速度と同じである場合、第2モータ12Aで生じるトルクは第1モータ11で生じるトルクよりも大きい。
[0083]
 図22に示すように、第2ステータ126Aの少なくとも一部又は第2コイル127Aの少なくとも一部は、第1平面B1と第2平面B2との間に位置する。第1変形例においては、第1平面B1が、第2コイル127Aの軸方向の一端(ホイール100側の端部)を通っている。第2コイル127Aの軸方向の他端(車体側の端部)は、第2平面B2に対して第1平面B1とは反対側に位置する。
[0084]
 第1変形例においても、上述した実施形態と同様に、第2モータ12Aが第1モータ11に対して軸方向で重ならなくなる。このため、電動車両駆動装置1Aを軸方向に小型化することが容易になる。
[0085]
 ところで、上述した実施形態のローギアモードにおいては、第1モータ11の角速度と第2モータ12の角速度とが異なる。このため、第1モータ11で生じる動力と第2モータ12で生じる動力とが異なる。一方、上述した実施形態のハイギアモードにおいては、第1モータ11で生じる動力と第2モータ12で生じる動力とは略同じとなる(厳密には、上述した変速装置2の各ギアの歯数を前提とすると、第2モータ12の動力は、第1モータ11の動力の1.06倍程度である。)。
[0086]
 図23の破線G1は、上述した実施形態のローギアモードにおける走行性能曲線である。図23の一点鎖線G2は、上述した実施形態のハイギアモードにおける走行性能曲線である。図23の実線G3は、上述した実施形態の電動車両駆動装置1の走行性能曲線である。図23の二点鎖線G4は、理想の走行性能曲線である。走行性能曲線は、二点鎖線G4のように滑らかな曲線であることが望ましい。なお、図23において、実際には破線G1及び一点鎖線G2が実線G3の一部及び二点鎖線G4の一部に重なるが、見やすくするために破線G1及び一点鎖線G2がずらして描かれている。
[0087]
 ローギアモードにおいて第1モータ11で生じる動力と第2モータ12で生じる動力とが異なる一方で、ハイギアモードにおいて第1モータ11で生じる動力と第2モータ12で生じる動力とは略同じであるため、図23に示すように実線G3の中央部に屈曲点が生じる。すなわち、走行性能曲線が滑らかな曲線になりにくい。
[0088]
 これに対して、第1変形例においては、第2モータ12Aが第1モータ11よりも軸方向に長い。このため、第1モータ11の角速度が第2モータ12Aの角速度よりも大きい場合でも、第1モータ11で生じる動力と第2モータ12Aで生じる動力との差が小さくなる。したがって、第1変形例の電動車両駆動装置1Aにおいては、走行性能曲線が滑らかな曲線になりやすい。
[0089]
(第2変形例)
 図24は、第2変形例の電動車両駆動装置の左側面図である。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
[0090]
 第2変形例の電動車両駆動装置1Bは、上述した第2モータ12とは異なる第2モータ12Bを備える。図24に示すように、第2モータ12Bは、第2ステータ126Bと、第2コイル127Bと、を備える。第2ステータ126Bの軸方向の長さは、第1ステータ116の軸方向の長さよりも大きい。第2ステータ126Bの外径は、第1ステータ116の外径に等しい。第2モータ12Bの巻線構造(第2コイル127Bの巻き方)は、第1モータ11の巻線構造(第1コイル117の巻き方)と同じである。このため、第2モータ12Bの角速度が第1モータ11の角速度と同じである場合、第2モータ12Bで生じるトルクは第1モータ11で生じるトルクよりも大きい。
[0091]
 図24に示すように、第2ステータ126Bの少なくとも一部及び第2コイル127Bの少なくとも一部は、第1平面B1と第2平面B2との間に位置する。第2変形例においては、第2コイル127Bの軸方向の一端(ホイール100側の端部)は、第1平面B1と第2平面B2との間に位置する。第2コイル127Bの軸方向の他端(車体側の端部)は、第2平面B2に対して第1平面B1とは反対側に位置する。
[0092]
 第2変形例においても、上述した実施形態と同様に、第2モータ12Bが第1モータ11に対して軸方向で重ならなくなる。このため、電動車両駆動装置1Bを軸方向に小型化することが容易になる。
[0093]
 また、第2変形例においては、第2モータ12Bが第1モータ11よりも軸方向に長い。このため、第1モータ11の角速度が第2モータ12Bの角速度よりも大きい場合でも、第1モータ11で生じる動力と第2モータ12Bで生じる動力との差が小さくなる。したがって、第2変形例の電動車両駆動装置1Bにおいては、走行性能曲線が滑らかな曲線になりやすい。

符号の説明

[0094]
1、1A、1B 電動車両駆動装置
10 ケース(支持部材)
100 ホイール
11 第1モータ
110 第1シャフト
111 第1モータギア
115 第1ロータ
116 第1ステータ
117 第1コイル
12、12A、12B 第2モータ
120 第2シャフト
121 第2モータギア
125、125A 第2ロータ
126、126A、126B 第2ステータ
127、127A、127B 第2コイル
13 第1減速機
131 第1ギア
132 第2ギア
133 第3ギア
14 第2減速機
141 第1ギア
142 第2ギア
143 第3ギア
15 出力部材
150 スタッドボルト
16、17 軸受
2 変速装置
20 入力ギア
21 サンギアシャフト
25 変速装置出力軸
3 第1遊星歯車装置
31 第1サンギア
32 第1ピニオンギア
33 第1キャリア(内輪)
331 基部
332 突出部
34 第1リングギア
4 第2遊星歯車装置
41 第2サンギア
421 第2ピニオンギア
422 第3ピニオンギア
43 第2キャリア
44 第2リングギア
5 クラッチ
52 外輪
53 ローラー
55 軸受
6 終減速機
61 第4ピニオンギア
62 第3リングギア
8 コネクタ
9 制御装置
A1、A11、A12、A2、A131、A132、A141、A142 回転軸
B1 第1平面
B2 第2平面
E1 第1端部
E2 第2端部
H1 第1半直線
H2 第2半直線
L1 直線
R1、R2 領域

請求の範囲

[請求項1]
 第1ロータ、第1ステータ及び第1コイルを有する第1モータと、
 第2ロータ、第2ステータ及び第2コイルを有する第2モータと、
 前記第1モータ及び前記第2モータの少なくとも一方の動力が伝達される変速装置と、
 を備え、
 前記第1モータの回転軸と平行な軸方向における前記第1ロータの端部、前記軸方向における前記第1ステータの端部及び前記軸方向における前記第1コイルの端部のうち前記軸方向で最も端に位置する部分である第1端部を通り、且つ前記回転軸に対して直交する平面を第1平面とし、
 前記軸方向における前記第1ロータの端部、前記軸方向における前記第1ステータの端部及び前記軸方向における前記第1コイルの端部のうち前記軸方向で前記第1端部とは反対側の最も端に位置する部分である第2端部を通り、且つ前記回転軸に対して直交する平面を第2平面とした場合、
 前記第2ロータの少なくとも一部、前記第2ステータの少なくとも一部又は前記第2コイルの少なくとも一部は、前記第1平面と前記第2平面との間に位置する電動車両駆動装置。
[請求項2]
 前記変速装置の少なくとも一部は、前記第1平面と前記第2平面との間に位置する請求項1に記載の電動車両駆動装置。
[請求項3]
 前記第1モータで生じるトルクを増幅させて前記変速装置に伝達する第1減速機と、
 前記第2モータで生じるトルクを増幅させて前記変速装置に伝達する第2減速機と、
 を備える請求項1又は2に記載の電動車両駆動装置。
[請求項4]
 前記変速装置は、
 前記第1モータの動力を受ける入力ギアと、
 前記入力ギアと共に回転するサンギアシャフトと、
 前記サンギアシャフトと共に回転する第1サンギアと、
 前記第1サンギアと噛み合う第1ピニオンギアと、
 前記第1ピニオンギアが自転できるように、且つ前記第1ピニオンギアが前記第1サンギアを中心に公転できるように前記第1ピニオンギアを支持する第1キャリアと、
 前記第1キャリアの回転を規制するクラッチと、
 外歯歯車として前記第2モータの動力を受け且つ内歯歯車として前記第1ピニオンギアに噛み合う第1リングギアと、
 を備える請求項1から3のいずれか1項に記載の電動車両駆動装置。
[請求項5]
 前記クラッチは、ワンウェイクラッチであって、
 支持部材に固定される外輪と、
 前記外輪に対して回転する内輪と、
 を備え、
 前記内輪は、前記第1キャリアである
 請求項4に記載の電動車両駆動装置。
[請求項6]
 前記変速装置の前記軸方向の長さは、前記第1平面と、前記第2平面との間の距離よりも大きい、請求項1に記載の電動車両駆動装置。
[請求項7]
 前記第2ロータの一部、前記第2ステータの一部又は前記第2コイルの一部が前記第1平面と前記第2平面とで挟まれる領域の外側に位置している、請求項1又は6に記載の電動車両駆動装置。
[請求項8]
 前記変速装置から出力される動力により回転する出力部材をさらに備え、
 前記第1モータの回転軸、前記第2モータの回転軸、及び前記変速装置の回転軸は、前記出力部材の回転軸と平行に配置されており、
 前記軸方向から見た場合、前記出力部材の回転軸と前記変速装置の回転軸とを通る直線の一方側に前記第1モータの回転軸が位置し、前記直線の他方側に前記第2モータの回転軸が位置する、請求項1から7のいずれか1項に記載の電動車両駆動装置。
[請求項9]
 前記第1モータと前記変速装置との間及び前記第2モータと前記変速装置との間のそれぞれに減速機が配置されている、請求項1又は2に記載の電動車両駆動装置。
[請求項10]
 前記第1モータと前記変速装置との間に前記第1減速機が配置され、前記第2モータと前記変速装置との間に、前記第2減速機が配置されている、請求項3に記載の電動車両駆動装置。
[請求項11]
 前記第2ステータの少なくとも一部又は前記第2コイルの少なくとも一部は、前記第1平面と前記第2平面との間に位置する、請求項4又は5に記載の電動車両駆動装置。
[請求項12]
 前記第1平面が、前記第2コイルの前記軸方向の一端を通り、前記第2コイルの前記軸方向の他端は、前記第2平面に対して前記第1平面とは反対側に位置する、請求項11に記載の電動車両駆動装置。
[請求項13]
 前記第2ステータの前記軸方向の長さは、前記第1ステータの前記軸方向の長さよりも大きい、請求項4又は5に記載の電動車両駆動装置。
[請求項14]
 前記第2ステータの少なくとも一部及び前記第2コイルの少なくとも一部は、前記第1平面と前記第2平面との間に位置する、請求項13に記載の電動車両駆動装置。
[請求項15]
 前記第2コイルの前記軸方向の一端は、前記第1平面と前記第2平面との間に位置し、前記第2コイルの前記軸方向の他端は、前記第2平面に対して前記第1平面とは反対側に位置する、請求項14に記載の電動車両駆動装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]