بعض محتويات هذا التطبيق غير متوفرة في الوقت الحالي.
إذا استمرت هذه الحالة ، يرجى الاتصال بنا علىتعليق وإتصال
1. (WO2019004354) DIRECT POWER CONVERTER CONTROL DEVICE
Document

明 細 書

発明の名称 直接形電力変換器用制御装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

非特許文献

0008  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0009   0010  

課題を解決するための手段

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021  

発明の効果

0022   0023  

図面の簡単な説明

0024  

発明を実施するための形態

0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 直接形電力変換器用制御装置

技術分野

[0001]
 この発明は、直流リンクを介して相互に接続された整流回路、インバータ、電力バッファ回路を備えた直接形電力変換器を、制御する技術に関する。

背景技術

[0002]
 単相交流電源から得られる電力には、電源周波数の二倍の周波数の脈動が存在する。従って、単相交流電源から得られる単相交流電圧を整流して直流電圧を得る場合、この直流電圧を一定にするためには大容量のエネルギー蓄積要素が必要となる。
[0003]
 かかる必要性に鑑み、スイッチング素子を介してバッファコンデンサを直流リンクに接続し、これによって電圧源を生成する電力バッファ回路を採用した技術が提案されている(例えば下掲の特許文献1、非特許文献1)。かかる技術によれば、当該電圧源は、単相交流電源から得られる電圧とともに、高周波リンクを生成する直接形電力変換器において入力される電流の波形を正弦波とし、高い効率の特性が実現される。
[0004]
 上記の技術では、単相交流電電圧の波高値まで、直流リンクの直流電圧を高めることができる(例えば非特許文献1)。しかしバッファコンデンサが担うバッファ電圧として、実用的な値、例えば上記波高値の1.17倍の値を選択すると、電圧利用率は0.87程度に留まる。他方、同じバッファ電圧でも電圧利用率を0.95まで改善する制御方式が提案されている(例えば下掲の特許文献2)。
[0005]
 上述の様な、電力バッファ回路との間で授受される電力の大きさに基づく制御方式とは異なり、電力変換器から出力される電圧に着目した制御方式も提案されている(例えば下掲の特許文献3及び非特許文献1)。当該制御方式では、電力バッファ回路が分担する電力(直流リンクとの間で授受される電力)における定常電力の割合を増すことにより昇圧動作を実現する。かかる制御方式では、分担する電力が大幅に増加しない電圧範囲では効果的である。
[0006]
 なお、バッファ電圧に基づいて入力電流の振幅を制御する技術を開示する例として、特許文献4を挙げておく。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特許第5804167号公報
特許文献2 : 特許第5930108号公報
特許文献3 : 特許第5626435号公報
特許文献4 : 特許第5874800号公報

非特許文献

[0008]
非特許文献1 : 山下、榊原、「アクティブバッファ付き単相-三相電力変換器の電圧利用率を改善する電力制御法」、電気学会論文誌D、137巻、2号、電気学会、2017年2月1日、p.112-118

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0009]
 特許文献3に示される制御方式では、電力バッファ回路が分担する電力は、他の要因によって受動的に決定される。具体的には、入力電流を正弦波とするように電力バッファ回路に流す電流を決定することで、電力バッファ回路が分担する電力の大きさが決定される。具体的な構成は示されていないものの、電力バッファ回路に流す電流を上述の様に決定するためには、諸処の電流を検出するための電流検出器が必要であり、制御回路の複雑化を招く。
[0010]
 この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、電力バッファ回路の制御において、電流の検出を不要とする技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0011]
 この発明にかかる直接形電力変換器用制御装置は、直接形電力変換器を制御する制御装置(10)である。ここで、前記直接形電力変換器は、第1電源線(LH)及び第2電源線(LL)を含む直流リンク(7)と、単相交流電圧(Vin)を全波整流し、前記第1電源線を前記第2電源線よりも高電位にして前記直流リンクに脈動電力(Pin)を出力する整流回路(3)と、前記第1電源線と前記第2電源線との間に設けられ、前記脈動電力(Pin)の交流成分(Pin^)に0以上1以下の分配率kを乗じたバッファリング電力(Pbuf)でバッファリングする電力バッファ回路(4)と、前記直流リンクに印加された電圧を交流電圧に変換するインバータ(5)とを備える。そして前記電力バッファ回路は、コンデンサ(C4)と、前記コンデンサを放電する放電回路(4a)と、前記コンデンサを充電する充電回路(4b)とを含む。
[0012]
 前記制御装置は、インバータ制御部(101)と、正規化電流指令生成部(102)と、バッファ制御部(103)とを備える。
[0013]
 前記インバータ制御部(101)は、前記整流回路が前記直流リンクと導通するデューティである整流デューティdrと、前記コンデンサが放電するデューティである放電デューティdcと、前記インバータが出力する電圧の指令値(Vu*,Vv*,Vw*)に基づいて、前記インバータの動作を制御するインバータ制御信号(SSg)を出力する。
[0014]
 前記正規化電流指令生成部(102)は、前記整流回路が出力する出力電流(irec)を、前記整流回路へ入力される入力電流(Iin)の振幅(Im)で正規化した電流の指令値たる正規化電流指令(|sin(ωt)|)を生成して出力する。
[0015]
 前記バッファ制御部(103)は、振幅設定部(103a)と、充電指令生成部(103b)と、充電動作制御部(103c)と、放電動作制御部(103d)と、正規化リンク電流推定部(103e)と、計算部(103f)とを有する。
[0016]
 前記振幅設定部(103a)は、前記コンデンサの両端電圧Vcの平均値についての指令値たる両端電圧指令(Vc*)と前記両端電圧Vcとの偏差に基づいて、前記入力電流の前記振幅(Im)の指令値たる振幅指令(Im*)を設定する。
[0017]
 前記充電指令生成部(103b)は、正規化充電指令(ib*/Im*)を前記振幅指令に乗じて、前記充電回路に流れる電流(ib)の指令値たる充電指令(ib*)を生成する。
[0018]
 前記充電動作制御部(103c)は、前記充電指令に基づいて前記充電回路の充電動作を制御する。前記放電動作制御部(103d)は、前記放電デューティdcに基づいて前記コンデンサを放電させる。
[0019]
 前記正規化リンク電流推定部(103e)は、仮想直流電圧指令Vdc*、前記単相交流電圧の位相ωt及び振幅Vm並びに前記分配率kを用いて計算される第1値(J)を、前記直流リンクから前記インバータへ流れるリンク電流(Idc)を前記入力電流の前記振幅(Im)で正規化した値の推定値(Idc^/Im*)として採用して出力する。
[0020]
 前記仮想直流電圧指令Vdc*は仮想直流電圧(Vdc)の指令値である。前記仮想直流電圧(Vdc)は、dr・Vrec+dc・Vcで表される。
[0021]
 前記計算部(103f)は、前記仮想直流電圧指令Vdc*、前記整流回路が出力する整流電圧Vrec、前記両端電圧Vcを用いて計算される第2値(R)を求める。そして前記計算部(103f)は、前記正規化電流指令(|sin(ωt)|)が、前記第1値と前記第2値との積(R・J)未満であれば、前記正規化電流指令(|sin(ωt)|)を前記第1値(J)で除して求めて前記整流デューティdrとして出力し、前記放電デューティdcを(Vdc*-dr・Vrec)/Vcによって求めて出力し、前記正規化充電指令を0に設定して出力する。

発明の効果

[0022]
 電力バッファ回路の制御において、電流の検出が不要である。
[0023]
 この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。

図面の簡単な説明

[0024]
[図1] この実施の形態において説明される制御技術が適用される、直接形電力変換器の構成を示す回路図。
[図2] 図1に示された直接形電力変換器の等価回路を示す回路図。
[図3] 制御装置の構成を例示するブロック図。
[図4] 整流デューティ、放電デューティ、正規化充電指令の設定を示すフローチャート。
[図5] 整流デューティ、放電デューティ、正規化充電指令の設定を示すフローチャート。
[図6] 直接形電力変換器の諸量の波形を示すグラフ。
[図7] 直接形電力変換器の諸量の波形を示すグラフ。
[図8] 直接形電力変換器の諸量の波形を示すグラフ。
[図9] 直接形電力変換器の諸量の波形を示すグラフ。

発明を実施するための形態

[0025]
 A.電力変換器の構成.
 図1は、この実施の形態において説明される制御技術が適用される、直接形電力変換器100の構成を示す回路図である。かかる構成は例えば上述の非特許文献1、特許文献1~4で公知であるため、詳細な説明は省略する。
[0026]
 直接形電力変換器100は、整流回路3と、電力バッファ回路4と、インバータ5と、直流リンク7とを備えている。直流リンク7は電源線LH,LLを有する。
[0027]
 整流回路3は、単相交流電源1と直流リンク7との間に接続されている。整流回路3は例えばダイオードD31~D34を備え、これらがダイオードブリッジを構成する。整流回路3は、単相交流電源1から入力される単相交流電圧Vinを全波整流して整流電圧Vrec(=|Vin|)に変換し、これを電源線LH,LLの間に出力する。つまり整流電圧Vrecは整流回路3が出力する出力電圧である。電源線LHは電源線LLよりも高電位である。整流回路3には単相交流電源1から入力電流Iinが入力され、整流回路3は出力電流irec(=|Iin|)を出力する。整流回路3は直流リンク7に脈動電力(詳細は後述する)を出力する。
[0028]
 なお、ここでは整流回路3が直流リンク7側にフィルタを有している場合が例示される。当該フィルタはリアクトルL2とコンデンサC2とを備えるLCフィルタである。コンデンサC2は電源線LH,LLの間に接続され、リアクトルL2はコンデンサC2よりも上記ダイオードブリッジ側で電源線LHに対して直列に接続されている。当該フィルタは、インバータ5のスイッチング動作に起因する高周波成分が単相交流電源1へ伝搬することを防止する。当該フィルタは省略しても良い。以下の実施の形態では、当該フィルタの機能は無視できるので、この機能を省略した説明を行なう。
[0029]
 電力バッファ回路4は脈動電力の交流成分の一部をバッファリング電力としてバッファリングする機能を有する。電力バッファ回路4はコンデンサC4、放電回路4a及び充電回路4bを有し、直流リンク7との間で電力を授受する。コンデンサC4はバッファコンデンサであり、放電回路4aはコンデンサC4を放電し、充電回路4bはコンデンサC4を充電する。
[0030]
 放電回路4aはダイオードD42,D43と、ダイオードD42に対して逆並列接続されたトランジスタ(ここでは絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ:以下「IGBT」と略記)Scを更に含んでいる。トランジスタScはコンデンサC4に対して電源線LH側で、電源線LH,LLの間でコンデンサC4と直列に接続されている。トランジスタScのスイッチングは制御信号SScによって制御される。
[0031]
 ここで逆並列接続とは、順方向が相互に逆となって並列に接続されていることを指す。具体的にはトランジスタScの順方向は電源線LLから電源線LHへと向かう方向であり、ダイオードD42の順方向は電源線LHから電源線LLへと向かう方向である。トランジスタScとダイオードD42とはまとめて一つのスイッチ素子(スイッチSc)として把握することができる。スイッチScの導通によってコンデンサC4が放電して直流リンク7へと電力を授与する。
[0032]
 ダイオードD43はコンデンサC4の放電がコンデンサC2への充電を招来することを防止する機能を担う。ダイオードD43は電源線LHにおいて、スイッチScと整流回路3との間に、スイッチScから整流回路3への電流の流れを阻止する素子たる電流阻止素子である。整流回路3が直流リンク7側にフィルタを有しない場合には、ダイオードD43を省略することができる。
[0033]
 充電回路4bは整流電圧Vrecを昇圧してコンデンサC4を充電する。充電回路4bは例えば、ダイオードD40と、リアクトルL4と、トランジスタ(ここではIGBT)Sbとを含んでいる。ダイオードD40は、カソードと、アノードとを備え、当該カソードはスイッチScとコンデンサC4との間に接続される。かかる構成はいわゆる昇圧チョッパとして知られている。トランジスタSbのスイッチングは制御信号SSbによって制御される。
[0034]
 リアクトルL4は電源線LHとダイオードD40のアノードとの間に接続される。トランジスタSbは電源線LLとダイオードD40のアノードとの間に接続される。トランジスタSbにはダイオードD41が逆並列接続されており、両者をまとめて一つのスイッチ素子(スイッチSb)として把握することができる。具体的にはトランジスタSbの順方向は電源線LHから電源線LLへと向かう方向であり、ダイオードD41の順方向は電源線LLから電源線LHへと向かう方向である。
[0035]
 コンデンサC4は充電回路4bにより充電され、コンデンサC4には整流電圧Vrecよりも高い電圧(以下「両端電圧」と称す)Vcが発生する。具体的には電源線LHからスイッチSbを経由して電源線LLへと電流を流すことによってリアクトルL4にエネルギーを蓄積し、その後にスイッチSbをオフすることによって当該エネルギーがダイオードD40を経由してコンデンサC4に蓄積される。
[0036]
 両端電圧Vcは整流電圧Vrecより高いので、基本的にはダイオードD42には電流が流れない。従ってスイッチScの導通/非導通は専らトランジスタScのそれに依存する。ここで、ダイオードD42は両端電圧Vcが整流電圧Vrecより低い場合の逆耐圧を確保するとともに、インバータ5が異常停止したときに誘導性負荷6から直流リンク7へ還流する電流を逆導通させるように作用する。
[0037]
 また、電源線LHの方が電源線LLよりも電位が高いので、基本的にはダイオードD41には電流が流れない。従ってスイッチSbの導通/非導通は専らトランジスタSbのそれに依存する。ここで、ダイオードD41は逆耐圧や逆導通をもたらすためのダイオードであり、ダイオードD41それ自体は回路動作には関与しない。
[0038]
 インバータ5は電源線LH,LLの間の直流電圧を交流電圧に変換して出力端Pu,Pv,Pwに出力する。インバータ5は6つのスイッチング素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnを含む。スイッチング素子Sup,Svp,Swpはそれぞれ出力端Pu,Pv,Pwと電源線LHとの間に接続され、スイッチング素子Sun,Svn,Swnはそれぞれ出力端Pu,Pv,Pwと電源線LLとの間に接続される。インバータ5はいわゆる電圧形インバータを構成し、6つのダイオードDup,Dvp,Dwp,Dun,Dvn,Dwnを含む。
[0039]
 ダイオードDup,Dvp,Dwp,Dun,Dvn,Dwnはいずれもそのカソードを電源線LH側に、そのアノードを電源線LL側に向けて配置される。ダイオードDupは、出力端Puと電源線LHとの間で、スイッチング素子Supと並列に接続される。同様にして、ダイオードDvp,Dwp,Dun,Dvn,Dwnは、それぞれスイッチング素子Svp,Swp,Sun,Svn,Swnと並列に接続される。出力端Pu,Pv,Pwからは、それぞれ負荷電流iu,iv,iwが出力され、これらは三相交流電流を構成する。例えばスイッチング素子Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,SwnにはIGBTが採用される。インバータ5はインバータ制御信号SSgで制御されるスイッチング素子Svp,Swp,Sun,Svn,Swnのスイッチングによって動作する。つまりインバータ5はインバータ制御信号SSgによって制御される。
[0040]
 誘導性負荷6は例えば回転機であり、誘導性負荷であることを示す等価回路で図示されている。
[0041]
 直接形電力変換器用制御装置(図面及び以下では単に「制御装置」と表現する)10には、誘導性負荷6に流れる負荷電流iu,iv,iw、単相交流電圧Vin、整流電圧Vrecが測定値として入力される。但し後述するように、整流電圧Vrecの入力を省略してもよい。また、両端電圧Vcの平均値の指令値たる両端電圧指令Vc*、後述する分配率k、後述する仮想直流電圧Vdcの指令値たる仮想直流電圧指令Vdc*、誘導性負荷6の動作についての指令値が制御装置10に入力される。誘導性負荷6として回転機を採用した場合には、当該動作についての指令値は、当該回転機の回転角速度ωmの指令値たる回転角速度指令ωm*である。
[0042]
 図2は、直接形電力変換器100の等価回路を示す回路図である。当該等価回路それ自体も、例えば非特許文献1、特許文献1~4で紹介されている。当該等価回路において電流irec1は、スイッチSrecが導通するときにこれを経由する電流irec1として等価的に表されている。同様に、コンデンサC4の放電時にコンデンサC4から流れ出る放電電流icは、スイッチScが導通するときにこれを経由する電流icとして等価的に表されている。
[0043]
 但しスイッチSrecの導通は、整流回路3が直流リンク7と導通することを示す。スイッチScが導通すれば、整流電圧Vrecよりも高い両端電圧Vcが直流リンク7に印加されるので、電流irec1は流れず、スイッチSrecは導通しない。
[0044]
 インバータ5において出力端Pu,Pv,Pwが電源線LH,LLのいずれか一方に共通して接続されるときにインバータ5を介して誘導性負荷6に流れる電流は、スイッチSzが導通するときにこれを経由して流れる零相電流izとして等価的に表されている。
[0045]
 また図2では、充電回路4bを構成するリアクトルL4とダイオードD40とスイッチSbとが表され、リアクトルL4を流れるリアクトル電流ibが付記されている。
[0046]
 このようにして得られた等価回路において、スイッチSrec,Sc,Szが導通するそれぞれのデューティdr,dc,dzを導入する。但し、上述の文献から公知のように、下式(1)~(4)が成立する。
[0047]
[数1]


[0048]
[数2]


[0049]
[数3]


[0050]
[数4]


[0051]
 デューティdrは整流回路3が直流リンク7に電流irec1を流し得る期間を設定するデューティであり、以降これを整流デューティdrと称す。整流デューティdrは整流回路3が直流リンク7と導通するデューティであると言える。
[0052]
 デューティdcは、コンデンサC4が放電するデューティであり、以降これを放電デューティdcと称す。
[0053]
 デューティdzはインバータ5においてその出力する電圧によらずに必ず零相電流izが流れるデューティであり、以降これを零デューティdzと称す。
[0054]
 電流irec1,ic,izはそれぞれ、直流リンク7からインバータ5に入力される直流のリンク電流Idcにデューティdr,dc,dzを乗算したものであるので、これらはスイッチSrec,Sc,Szのスイッチング周期における平均値である。またデューティdr,dc,dzは、各電流irec1,ic,izに対するリンク電流Idcの電流分配率と見ることもできる。
[0055]
 整流回路3は、能動的に直流リンク7に電流irec1を流すことはできない。よって零デューティdzと、放電デューティdcとに従って、それぞれインバータ5と、スイッチScがスイッチングすることによって、スイッチSrecの導通/非導通が制御され、これに応じて電流irec1を得ることができる。
[0056]
 インバータ5は零相電流izが流れる期間においては、直流リンク7における直流電圧を利用することができない。よって、直流リンク7においてインバータ5への電力供給に利用される直流電圧が電力変換において意味を持つ。換言すれば瞬時的な直流電圧であってインバータ5が電力変換に用いないものは、電圧利用率を考察するに際しても意味を有しない。電力変換において意味を持つ直流電圧をこの実施の形態において仮想直流電圧Vdcと称し、下式(5)のように、表現できる。右辺第3項は0であるので、仮想直流電圧Vdcは、整流デューティdrと整流電圧Vrecとの積Vrec・drと、放電デューティdcと両端電圧Vcとの積Vc・dcとの和で表される。
[0057]
[数5]


[0058]
 仮想直流電圧Vdcはまた、インバータ5が出力できる電圧の最大値の、スイッチSc,Sbやインバータ5のスイッチングを制御する周期についての平均として、直流リンク7に印加される電圧と把握することもできる。インバータ5は零デューティdzという比率で直流リンク7の電圧に寄与し得るものの、零デューティdzに対応する期間においてはインバータ5は直流リンク7のいずれか一方と絶縁されているからである。
[0059]
 仮想直流電圧Vdcは、図2において、インバータ5及びその負荷を表す電流源Idc(これはリンク電流Idcを流す)の両端に生じる電圧として付記した。
[0060]
 B.直接形電力変換器の制御の原理.
 特許文献4で教示されるように、整流回路3に入力される瞬時入力電力Pinは、入力力率を1として、式(6)で表される。ここで、入力電流Iinの振幅Im、単相交流電圧Vinの位相ωt及び振幅Vmを導入した。入力力率を1としたので、入力電流Iinの位相にも単相交流電圧Vinの位相ωtを採用した。
[0061]
[数6]


[0062]
 瞬時入力電力Pinは、式(6)の右辺の第2項で示される交流成分(-1/2)・Vm・Im・cos(2ωt)を有する(以下、「交流成分Pin^」とも称す)。よって瞬時入力電力Pinを脈動電力Pinとも称する。整流回路3は電力を蓄積、分岐させる機能を有しないので、脈動電力Pinは整流回路3から直流リンク7へ出力される、と言うこともできる。
[0063]
 電力バッファ回路4は、交流成分Pin^に0以上1以下の分配率kを乗じたバッファリング電力Pbufでバッファリングする。これにより、インバータ5は直流リンク7から、式(7)で示される電力を入力し、負荷電流iu,iv,iwを出力する。
[0064]
[数7]


[0065]
 つまりk=0であればインバータ5は直流リンク7から入力電力Pdcとして脈動電力Pinがそのまま入力される。これはPbuf=0を意味し、電力バッファ回路4は電力を全く分担しない場合に相当する。k=1であればPdc=Pin-Pin^となる。これは電力バッファ回路4が、交流成分Pin^の絶対値|Pin^|に相当する電力を直流リンク7との間で授受している場合に相当する。
[0066]
 つまり分配率kは、交流成分Pin^の絶対値|Pin^|のどの程度が、バッファリング電力Pbufとして電力バッファ回路4に分配されるかを示している。
[0067]
 このような分配率kを導入することにより、リンク電流Idcが式(8)で表される(例えば特許文献4を参照)。
[0068]
[数8]


[0069]
 (b-1)仮想直流電圧Vdcが整流電圧Vrecより大きい場合.
 分配率kに拘らず式(5)は成立する。よって仮想直流電圧Vdcを増大させるためには、インバータ5の電力変換に寄与しない期間を小さくすることが望ましい。よってまず式(3)に基づいて、dz=0が成立可能な場合を想定する。これが成立しない場合については後述する。このとき式(4)、(5)から、整流デューティdr、放電デューティdcは、それぞれ式(9),(10)となる。Vc>Vdc>Vrecの関係があるので、0<dr<1,0<dc<1である。
[0070]
[数9]


[0071]
[数10]


[0072]
 整流デューティdrは、リンク電流Idcに対する電流irec1の比であるので、式(9)を用いて式(11)が成立する。また、入力電流Iinの波形は正弦波であるので、出力電流irecは式(12)で表される。また、図2を参照して式(13)が成立する。よって式(8)をも考慮して式(14)が得られる。後の説明の便宜のため,式(14)において第1値J、第2値Rを導入した。
[0073]
[数11]


[0074]
[数12]


[0075]
[数13]


[0076]
[数14]


[0077]
 式(14)の第1式の左辺の値ib/Imは、リアクトル電流ibを振幅Imで正規化した値である。リアクトル電流ibは充電回路4bに入力される電流であるので、値ib/Imを正規化充電電流と仮称する。また、絶対値|sin(ωt)|は、整流回路3が出力する電流irecを振幅Imで正規化した電流の指令値と言えるので、これを正規化電流指令と仮称する。
[0078]
 式(14)から判るように、正規化充電電流ib/Imを求めるに際して、正規化電流指令|sin(ωt)|と、第1値Jと、第2値Rとで足りる。第1値Jは、仮想直流電圧Vdc、位相ωt、振幅Vm、分配率kを用いて計算される。第2値Rは仮想直流電圧Vdc、電圧Vrec、両端電圧Vcを用いて計算される。よって正規化充電電流ib/Imを求めるに際し、電流の検出が不要である。
[0079]
 なるほど、スイッチSbを制御するための制御信号SSbを得るためには、後述するように、リアクトル電流ibの指令値が必要であり、正規化充電電流ib/Imの指令値が計算されてもなお、入力電流Iinの振幅Imが必要である。しかしながら振幅Imを測定する必要はない。例えば特許文献3,4で説明されるように、振幅Imの指令値が、両端電圧Vcと両端電圧指令Vc*との偏差に基づいて設定されるからである。よって充電回路4bの動作を制御する場合には、両端電圧Vcの測定値が要求されるが、電流の検出は必要ではない。
[0080]
 もちろん、式(10)から理解されるように、スイッチScを制御するための放電デューティdcは値(1-R)とすればよく、電流の検出は必要ではない。
[0081]
 次に、dz=0とならない場合について説明する。これはdz=0として計算される電流irec1=Idc-icが大きくなった結果、これを出力電流irecで賄えない場合に相当する。これは換言すれば、式(14)の第1式の右辺が負となってしまう場合である。しかし実際にはリアクトル電流ibは非負であるので、正規化充電電流ib/Imを式(14)で求めるべきではない。
[0082]
 よってリアクトル電流ibを流さず(ib=0)、電流irec1を出力電流irecで全て賄えるように、整流デューティdr、放電デューティdcを設定する。これにより零デューティdzを不必要に増大させることが回避できる。もちろん、この場合には正規化充電電流ib/Imを0とする。
[0083]
 式(14)において正規化充電電流ib/Imを0とし、式(9)を考慮して式(14)において第2値Rを整流デューティdrに置換することにより、式(15)で整流デューティdrが求められる。
[0084]
[数15]


[0085]
 つまりこの場合の整流デューティdrは、正規化電流指令|sin(ωt)|を第1値Jで除して求められる。位相ωtが|sin(ωt)|=0を満足する値をとるとき、dr=0である。つまりリアクトル電流ibを流す場合とは異なり、リアクトル電流ibを流さない場合においては整流デューティdrは値0をとり得る。
[0086]
 このとき放電デューティdcは、リアクトル電流ibに依存しない式(5)に基づいて、式(16)で求められる。
[0087]
[数16]


[0088]
 このとき零デューティdzは、式(4),(15),(16)から式(17)で表される。
[0089]
[数17]


[0090]
 よって式(14)の第1式の右辺が負となる状況では、整流デューティdrと放電デューティdcとをそれぞれ式(15),(16)に設定することにより、零デューティdzは正の値となる(つまりdz=0にはならない)。
[0091]
 (b-2)仮想直流電圧Vdcが整流電圧Vrec以下の場合.
 この場合、式(5)に鑑みれば、電圧の観点ではdc=0とできる。更にリアクトル電流ibを流す場合には、irec1=dr・Idcであるので、整流デューティdrは出力電流irecによる制限を受けない。よってこのような場合、整流デューティdrは電圧の観点のみで決定され、式(18)で決定される。またdc=0であったので、式(4)からdz=1-drとなる。Vdc=Vrecのとき、dr=1,dz=0である。
[0092]
[数18]


[0093]
 上記式(14)を式(8),(9)から導出したのと同様に考えて、式(19)が得られる。式(19)は、式(14)において両端電圧Vcの代わりに値0を用いたものと形式的に同一である。つまり式(19)は式(14)において第2値RとしてVdc/Vrecを採用したことになる。
[0094]
[数19]


[0095]
 次に、dc=0とならない場合について説明する。これはdc=0として計算される電流irec1を出力電流irecで賄えない場合に相当する。これは換言すれば、式(19)の第1式の右辺が負となってしまう場合である。しかし実際にはリアクトル電流ibは非負であるので、正規化充電電流ib/Imを式(19)で求めるべきではない。
[0096]
 よってリアクトル電流ibを流さず(ib=0)、電流irec1を出力電流irecで全て賄えるように、整流デューティdr、放電デューティdcを設定する。もちろん、この場合には正規化充電電流ib/Imを0とする。
[0097]
 従って、この場合においても、式(15),(16),(17)でそれぞれ整流デューティdr、放電デューティdc、零デューティdzが表される。
[0098]
 以上のようにして、本実施の形態にかかる制御技術では、電力バッファ回路4の制御において、電流の検出が不要である。
[0099]
 C.制御装置10の構成例.
 図3は制御装置10の構成を例示するブロック図である。制御装置10によって上記の制御技術が実現できる。但し、仮想直流電圧Vdcを所望の値にすべく制御を行うので、式(14),(15),(16)の計算においては、仮想直流電圧Vdcとしてその指令値たる仮想直流電圧指令Vdc*を採用する。
[0100]
 制御装置10は、インバータ制御部101と、正規化電流指令生成部102と、バッファ制御部103と、電圧指令生成部108を備える。
[0101]
 インバータ制御部101は、整流デューティdrと、放電デューティdcと、電圧指令Vu*,Vv*,Vw*とに基づいて、インバータ制御信号SSgを出力する。電圧指令Vu*,Vv*,Vwはインバータ5が出力する電圧の指令値である。電圧指令生成部108は、回転角速度指令ωm*、負荷電流iu,iv,iwに基づいて電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を生成して出力する。インバータ制御部101及び電圧指令生成部108の機能及びそれを実現するための構成は公知であるので、ここでの説明は省略する。
[0102]
 正規化電流指令生成部102は正規化電流指令|sin(ωt)|を生成して出力する。式(12)を用いて正規化電流指令|sin(ωt)|に言及した際、これは出力電流irecを、入力電流Iinの振幅Imで正規化した電流の指令値であると説明した。しかしながら正規化電流指令|sin(ωt)|の値それ自体は無次元数であるので、式(15)で採用されるように、必ずしも電流値と関連づけて用いる制限はない。
[0103]
 正規化電流指令生成部102は例えば電源位相検出器102a、三角関数生成器102b、絶対値生成器102cを有する。電源位相検出器102aは、単相交流電圧Vinからその位相ωtを検出して出力する。三角関数生成器102bは位相ωtを用いて正弦値sin(ωt)を生成して出力する。絶対値生成器102cは正弦値sin(ωt)の絶対値を計算して正規化電流指令|sin(ωt)|を生成して出力する。
[0104]
 バッファ制御部103は、振幅設定部103aと、充電指令生成部103bと、充電動作制御部103cと、放電動作制御部103dと、正規化リンク電流推定部103eと、計算部103fとを有する。
[0105]
 振幅設定部103aは、両端電圧指令Vc*と両端電圧Vcとの偏差に基づいて、振幅Imの指令値たる振幅指令Im*を設定する。当該偏差から振幅指令Im*を生成するには、当該偏差に対して比例制御、あるいは比例積分制御を行なって実現される。なお、両端電圧VcはコンデンサC4を充電する電流の積分値に比例する。よって振幅設定部103aは比例制御を行なうということもできるし、実質的には比例積分制御を行なうということもできる。
[0106]
 充電指令生成部103bは、リアクトル電流ibの指令値たる充電指令ib*を生成する。充電指令生成部103bは、具体的には乗算器であって、正規化充電電流ib/Imの指令値たる正規化充電指令を、振幅指令Im*に乗じて、充電指令ib*を生成する。
[0107]
 かかる演算に鑑み、便宜上、正規化充電指令は記号「ib*/Im*」を採用して表現する。つまり当該記号は除算を意味しない。当該記号は、振幅指令Im*を乗じることによって充電指令ib*が得られる被乗数であることを示すに過ぎない。正規化充電指令ib*/Im*の生成については後述する。
[0108]
 充電動作制御部103cは、充電指令ib*に基づいて、充電回路4bの充電動作を制御する。具体的には充電動作制御部103cは、制御信号SSbを生成する。かかる充電動作制御部103cの機能及びこれを実現するための構成は公知であり(例えば特許文献3)、ここではその詳細を省略する。
[0109]
 放電動作制御部103dは、放電デューティdcに基づいてコンデンサC4を放電させる。具体的には放電動作制御部103dは、制御信号SScを生成する。かかる放電動作制御部103dの機能及びこれを実現するための構成は公知であり、ここではその詳細を省略する。
[0110]
 正規化リンク電流推定部103eは、直流リンク7に流れるリンク電流Idcを振幅Imで正規化した値を推定する。この推定においては、リンク電流Idcを一旦推定してから振幅Imで正規化するのではない。リンク電流Idcを振幅Imで正規化した値を推定する。
[0111]
 便宜上、この推定値は記号「Idc^/Im*」を採用して表現する。つまり当該記号は除算を意味しない。当該記号は、振幅指令Im*を乗じたならば、リンク電流Idcの推定値Idc^たる値が得られる被乗数であることを示すに過ぎない。但し本実施の形態においては推定値Idc^自体を求める必要がない。
[0112]
 このような推定値Idc^/Im*は、式(8)において仮想直流電圧Vdcとして仮想直流電圧指令Vdc*を、振幅Imに振幅指令Im*を、それぞれ想定することによって、式(20)で求められる。
[0113]
[数20]


[0114]
 式(14),(20)を比較して判るように、推定値Idc^/Im*は、式(14)において仮想直流電圧Vdcとして仮想直流電圧指令Vdc*を採用した第1値Jで求められる。仮想直流電圧Vdcが仮想直流電圧指令Vdc*となるように、直接形電力変換器100が制御されるからである。
[0115]
 換言すれば、正規化リンク電流推定部103eは、第1値Jを、仮想直流電圧指令Vdc*、単相交流電圧Vinの位相ωt及び振幅Vm並びに分配率kを用いて計算して求め、これを推定値Idc^/Im*として採用して出力する。
[0116]
 正規化リンク電流推定部103eは、電源振幅検出器103rと、計算部103sとを有する。電源振幅検出器103rは単相交流電圧Vinを入力し、振幅Vmを得てこれを出力する。計算部103sは振幅Vm、仮想直流電圧指令Vdc*、分配率k、余弦値cos(2ωt)を入力し、これらを用いて第1値Jを計算し、第1値Jを推定値Idc^/Im*として出力する。
[0117]
 図3では、余弦値cos(2ωt)は三角関数生成器102bによって生成される場合が例示される。但し、余弦値cos(2ωt)は、電源位相検出器102aから位相ωtを得て、計算部103sが求めてもよい。
[0118]
 計算部103fは正規化充電指令ib*/Im*、整流デューティdr、放電デューティdcを生成して出力する。Vdc>Vrecの場合には、式(14)の第1式の右辺が非負のとき、式(9),(14)を比較して理解されるように、整流デューティdrとして第2値Rを出力する。また放電デューティdcとして1から第2値Rを減じて出力する。Vdc≦Vrecの場合には、式(19)の第1式の右辺が非負のとき、放電デューティdcを0に設定して出力し、整流デューティdrとして第2値Rを出力する。
[0119]
 但し、第2値Rを式(14)(Vdc>Vrecのとき)あるいは式(19)(Vdc≦Vrecのとき)によって計算するに際し、仮想直流電圧Vdcとして仮想直流電圧指令Vdc*を採用する。仮想直流電圧Vdcが仮想直流電圧指令Vdc*となるように、直接形電力変換器100が制御されるからである。
[0120]
 正規化充電指令ib*/Im*は、式(14)あるいは式(19)においていずれもVdc=Vdc*とした第1値J及び第2値R、正規化電流指令|sin(ωt)|で計算される。かかる計算を行なう必要性から、計算部103fには、絶対値生成器102cから正規化電流指令|sin(ωt)|が、正規化リンク電流推定部103eから推定値Idc^/Im*として第1値Jが、それぞれ入力される。計算部103fは仮想直流電圧指令Vdc*、整流電圧Vrec、両端電圧Vcを用いて第2値Rを計算して求める。
[0121]
 第2値Rを計算する必要性から、計算部103fには両端電圧Vc、整流電圧Vrecが入力される。これらはいずれも測定値であるが、整流電圧Vrecは推定値を計算してもよい。整流電圧Vrecは振幅Vmと正規化電流指令|sin(ωt)|との積として推定できるからである。よって整流電圧Vrecの入力に替えて、電源振幅検出器103rから振幅Vmを得て(図3の破線矢印参照)、計算部103fはその内部において整流電圧Vrecを推定してもよい。
[0122]
 従って計算部103fは、正規化電流指令|sin(ωt)|が、第1値Jと第2値Rとの積R・J以上であれば、整流デューティdrとして第2値Rを出力し、正規化充電指令ib*/Im*を正規化電流指令|sin(ωt)|から積R・Jを減じて求めて出力する。但し、放電デューティdcについては、Vdc>Vrecの場合には(1-R)によって出力し、Vdc≦Vrecの場合には値0で出力する。
[0123]
 同様にして、正規化電流指令|sin(ωt)|が、積R・J未満であれば、式(15),(16)において仮想直流電圧Vdcとして仮想直流電圧指令Vdc*を想定し、正規化電流指令|sin(ωt)|を第1値Jで除して求めて整流デューティdrとして出力し、放電デューティdcを(Vdc*-dr・Vrec)/Vcによって出力し、正規化充電指令ib*/Im*を0に設定して出力する。このとき、仮想直流電圧指令Vdc*と整流電圧Vrecとの大小関係は不問である。
[0124]
 図4および図5は、計算部103fによる整流デューティdr、放電デューティdc、正規化充電指令ib*/Im*の、上述の設定を示すフローチャートである。図4に示されたフローチャートと図5に示されたフローチャートとは、結合子Q1,Q2,Q3によって互いに結合する。
[0125]
 ステップS101では、仮想直流電圧Vdcが整流電圧Vrecよりも大きいか否かが判断される。上述の様に、仮想直流電圧Vdcが仮想直流電圧指令Vdc*となるように直接形電力変換器100が制御されるので、Vdc*>Vrecであるか否かが判断される。以下のステップでも、仮想直流電圧Vdcとして仮想直流電圧指令Vdc*が採用される。
[0126]
 ステップS101の判断結果が肯定的であればステップS102が実行され、否定的であればステップS103が実行される。ステップS102では式(14)に従って、ステップS103では式(19)に従って、それぞれ第2値Rが計算して求められる。
[0127]
 ステップS102によって求められた第2値Rを用いて、正規化電流指令|sin(ωt)|が積R・J以上であるか否かが、ステップS104において判断される。ステップS103によって求められた第2値Rを用いて、正規化電流指令|sin(ωt)|が積R・J以上であるか否かが、ステップS105において判断される。
[0128]
 ステップS104の判断結果が否定的であっても、ステップS105の判断結果が否定的であっても、ステップS108において整流デューティdr、放電デューティdc、正規化充電指令ib*/Im*が設定される。正規化電流指令|sin(ωt)|が積R・J未満であれば、整流デューティdr、放電デューティdcがそれぞれ式(15),(16)によって設定される。またリアクトル電流ibを流さず、正規化充電指令ib*/Im*を0に設定する。
[0129]
 ステップS104の判断結果が肯定的であれば、ステップS106において整流デューティdr、放電デューティdc、正規化充電指令ib*/Im*が設定される。具体的には整流デューティdrは式(9),(14)によって第2値Rに設定される。また、正規化充電指令ib*/Im*は式(14)に示された正規化充電電流ib/Imを用いて設定される。放電デューティdcは式(10),(14)によって(1-R)に設定される。
[0130]
 ステップS105の判断結果が肯定的であれば、ステップS107において整流デューティdr、放電デューティdc、正規化充電指令ib*/Im*が設定される。具体的には整流デューティdrは式(18),(19)によって第2値Rに設定される。また、正規化充電指令ib*/Im*は式(19)に示された正規化充電電流ib/Imを用いて設定される。放電デューティdcは上述のように0に設定される。
[0131]
 ステップS106,S107,S108のいずれかが実行されると、整流デューティdr、放電デューティdc、正規化充電指令ib*/Im*の設定は終了する。このようにして設定された整流デューティdr、放電デューティdc、正規化充電指令ib*/Im*は計算部103fから出力される。
[0132]
 以上のように、制御装置10は、分配率k、仮想直流電圧指令Vdc*、両端電圧指令Vc*、及び単相交流電圧Vin、両端電圧Vc、整流電圧Vrecを用いて、上述の「B.直接形電力変換器の制御の原理.」で説明された電力バッファ回路4の制御を実現する。つまり電力バッファ回路4の制御において、電流の検出が不要である。
[0133]
 なお、上記の説明では制御装置10の構成をブロック図で例示したが、例えばマイクロコンピュータと記憶装置を含んで構成して実現できる。マイクロコンピュータは、プログラムに記述された各処理ステップ(換言すれば手順)を実行する。上記記憶装置は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、書き換え可能な不揮発性メモリ(EPROM(Erasable Programmable ROM)等)などの各種記憶装置の一つ又は複数で構成可能である。当該記憶装置は、各種の情報やデータ等を格納し、またマイクロコンピュータが実行するプログラムを格納し、また、プログラムを実行するための作業領域を提供する。なお、マイクロコンピュータは、プログラムに記述された各処理ステップに対応する各種手段として機能するとも把握でき、あるいは、各処理ステップに対応する各種機能を実現するとも把握できる。もちろん、制御装置10は、ブロック図で例示された各構成要素の一部又は全部をハードウェアで実現されても構わない。
[0134]
 D.実施例.
 以下、上記の制御技術について、種々の場合についての実施例を示す。
[0135]
 (d-1)k=1の場合.
 この場合、電力バッファ回路4は絶対値|Pin^|に相当する電力を直流リンク7との間で授受する。そして式(14)では第1値Jが(Vm/2)/Vdcとなり、制御装置10において推定値Idc^/Im*は(Vm/2)/Vdc*で計算される。
[0136]
 よって正規化電流指令|sin(ωt)|が積R・J(但し第2値Rの計算にはVdc=Vdc*を採用する)以上である場合には、各値は式(21)で表され、積R・J未満である場合には、各値は式(22)で表される。
[0137]
[数21]


[0138]
[数22]


[0139]
 図6は、k=1であって、仮想直流電圧指令Vdc*を振幅Vmに等しく設定したときの直接形電力変換器100の諸量の波形を示すグラフである。よって位相ωtが90度、270度となる時点においてはVdc=Vrec(上記(b-2)参照)であり、それ以外ではVdc>Vrec(上記(b-1)参照)である。
[0140]
 図6において、第1段目にはデューティdr,dc,dzを、第2段目には仮想直流電圧Vdcならびにその第1成分dr・Vrec及び第2成分dc・Vcとリンク電流Idcを、第3段目には電流irec,irec1,ib,icを、第4段目には電力Pin,-Pb,Pc,Pbuf,Precを、それぞれ示す。ここで電力Pcは電力バッファ回路4から直流リンク7へ出力する電力を、電力Pbは電力バッファ回路4が直流リンク7から入力される電力を、それぞれ示し、式(23)の関係がある。いずれのグラフも横軸には「度」を単位とする位相ωtを採用している。
[0141]
[数23]


[0142]
 仮想直流電圧Vdcの第1成分dr・Vrecは式(5)の右辺の第1項に現れる電圧であり、仮想直流電圧Vdcに対する整流回路3の寄与分を示す。仮想直流電圧Vdcの第2成分dc・Vcは式(5)の右辺の第2項に現れる電圧であり、仮想直流電圧Vdcに対するコンデンサC4の寄与分を示す。
[0143]
 図6及び後述する図7~図9では、電圧については振幅Vmで正規化し(つまりVm=1とし)、電流については振幅Imを√2として換算して示した。また、両端電圧指令Vc*は振幅Vmの1.17倍に設定した(例えば特許文献2参照)。
[0144]
 位相ωtの値が0,180,360(度)近傍の期間Eでは、式(21)の第3式の右辺の第1項が小さく、よってdz>0,ib=0であり、式(15)~(17)の関係が成立する。期間E以外ではdz=0,ib>0であり、式(9),(10),(14)の関係が成立する。なお、Vdc=Vrecとなる位相ωtが90度、270度となる時点ではdc=0であり、式(18)、(19)が成立する。
[0145]
 図7はk=1であって、仮想直流電圧指令Vdc*を振幅Vmの√3/2(≒0.87)倍に設定したときのグラフである。よって位相ωtが60~120度、240~300度となる期間(境界を含む)においてはVdc≦Vrec(上記(b-2)参照)であり、それ以外ではVdc>Vrec(上記(b-1)参照)である。
[0146]
 Vdc≦Vrecである期間は図7において期間Hとして示された。Vdc>Vrecとなる期間は、図6における期間Eに相当してdz>0,ib=0となる期間Fと、それ以外の期間Gとに区分される。期間Gは、図6において期間Eと、位相ωtが90度、270度となる時点とを除く期間に相当する。
[0147]
 よって期間Fにおいて式(15)~(17)の関係が成立し、期間Gにおいて式(9),(10),(14)の関係が成立し、期間Hにおいてdc=0、式(18)、(19)が成立する。
[0148]
 図6に示された場合も、図7に示された場合も、k=1であるので、電流irecの波形を正弦波とし、かつ仮想直流電圧Vdc、リンク電流Idcのいずれも一定値にできる(式(8)等参照)。
[0149]
 (d-2)k=1/4の場合.
 図8は、k=1/4であって、仮想直流電圧指令Vdc*を振幅Vmに等しく設定したときの直接形電力変換器の諸量の波形を示すグラフである。諸量は図6と同様にして示した。また両端電圧指令Vc*は振幅Vmの1.17倍に設定した。
[0150]
 位相ωtの値が0,180,360(度)近傍の期間Nでは、式(21)の第3式の右辺の第1項が小さく、よってdz>0,ib=0であり、式(15)~(17)の関係が成立する。期間N以外ではdz=0,ib>0であり、式(9),(10),(14)の関係が成立する。なお、Vdc=Vrecとなる位相ωtが90度、270度となる時点ではdc=0であり、式(18),(19)の関係が成立する。
[0151]
 図9はk=1/4であって、仮想直流電圧指令Vdc*を振幅Vmの√3/2(≒0.87)倍に設定したときのグラフである。よって位相ωtが60~120度、240~300度となる期間(境界を含む)においてはVdc≦Vrec(上記(b-2)参照)であり、それ以外ではVdc>Vrec(上記(b-1)参照)である。
[0152]
 Vdc≦Vrecである期間は図9において期間Mとして示された。Vdc>Vrecとなる期間は、図8における期間Nに相当してdz>0,ib=0となる期間Kと、それ以外の期間Lとに区分される。期間Lは、図8において期間Nと、位相ωtが90度、270度となる時点とを除く期間に相当する。
[0153]
 よって期間Kにおいて式(15)~(17)の関係が成立し、期間Lにおいて式(9),(10),(14)の関係が成立し、期間Mにおいてdc=0、式(18)、(19)が成立する。
[0154]
 図8に示された場合も、図9に示された場合も、k=1の場合(図6参照)とは異なり、リンク電流Idcは脈動するが、電流irecの波形を正弦波とし、かつ仮想直流電圧Vdcは一定値にできる。
[0155]
 特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。上述の各種の実施形態および変形例は相互に組み合わせることができる。
[0156]
 この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。

請求の範囲

[請求項1]
 直接形電力変換器を制御する制御装置(10)であって、
 前記直接形電力変換器は、
 第1電源線(LH)及び第2電源線(LL)を含む直流リンク(7)と、
 単相交流電圧(Vin)を全波整流し、前記第1電源線を前記第2電源線よりも高電位にして前記直流リンクに脈動電力(Pin)を出力する整流回路(3)と、
 前記第1電源線と前記第2電源線との間に設けられ、前記脈動電力(Pin)の交流成分(Pin^)に0以上1以下の分配率kを乗じたバッファリング電力(Pbuf)でバッファリングする電力バッファ回路(4)と、
 前記直流リンクに印加された電圧を交流電圧に変換するインバータ(5)と
を備え、
 前記電力バッファ回路は、
 コンデンサ(C4)と、
 前記コンデンサを放電する放電回路(4a)と、
 前記コンデンサを充電する充電回路(4b)と
を含み、
 前記制御装置は、
 インバータ制御部(101)と、
 正規化電流指令生成部(102)と、
 バッファ制御部(103)と
を備え、
 前記インバータ制御部(101)は、前記整流回路が前記直流リンクと導通するデューティである整流デューティdrと、前記コンデンサが放電するデューティである放電デューティdcと、前記インバータが出力する電圧の指令値(Vu*,Vv*,Vw*)に基づいて、前記インバータの動作を制御するインバータ制御信号(SSg)を出力し、
 前記正規化電流指令生成部(102)は、前記整流回路が出力する出力電流(irec)を、前記整流回路に入力される入力電流(Iin)の振幅(Im)で正規化した電流の指令値たる正規化電流指令(|sin(ωt)|)を生成して出力し、
 前記バッファ制御部(103)は、
 前記コンデンサの両端電圧Vcの平均値についての指令値たる両端電圧指令(Vc*)と前記両端電圧Vcとの偏差に基づいて、前記入力電流の前記振幅(Im)の指令値たる振幅指令(Im*)を設定する振幅設定部(103a)と、
 正規化充電指令(ib*/Im*)を前記振幅指令に乗じて、前記充電回路に流れる電流(ib)の指令値たる充電指令(ib*)を生成する充電指令生成部(103b)と、
 前記充電指令に基づいて前記充電回路の充電動作を制御する充電動作制御部(103c)と、
 前記放電デューティdcに基づいて前記コンデンサを放電させる放電動作制御部(103d)と、
 仮想直流電圧指令Vdc*、前記単相交流電圧の位相ωt及び振幅Vm並びに前記分配率kを用いて計算される第1値(J)を、前記直流リンクから前記インバータへ流れるリンク電流(Idc)を前記入力電流の前記振幅(Im)で正規化した値の推定値(Idc^/Im*)として採用して出力する、正規化リンク電流推定部(103e)と、
 前記仮想直流電圧指令Vdc*、前記整流回路が出力する整流電圧Vrec、前記両端電圧Vcを用いて計算される第2値(R)を求め、前記正規化電流指令(|sin(ωt)|)が、前記第1値と前記第2値との積(R・J)未満であれば、前記正規化電流指令(|sin(ωt)|)を前記第1値(J)で除して求めて前記整流デューティdrとして出力し、前記放電デューティdcを(Vdc*-dr・Vrec)/Vcによって求めて出力し、前記正規化充電指令を0に設定して出力する計算部(103f)と
を有し、
 前記仮想直流電圧指令Vdc*は、dr・Vrec+dc・Vcで表される仮想直流電圧(Vdc)の指令値である、直接形電力変換器用制御装置。
[請求項2]
 前記正規化リンク電流推定部(103e)は、前記第1値(J)を((Vm/2)/Vdc*)・(1-(1-k)・cos(2ωt))によって求める、請求項1記載の直接形電力変換器用制御装置。
[請求項3]
 前記正規化電流指令(|sin(ωt)|)が前記積(R・J)以上であれば前記計算部(103f)は、前記整流デューティdrとして前記第2値(R)を出力し、前記正規化充電指令(ib*/Im*)として前記正規化電流指令(|sin(ωt)|)から前記積を減じて出力する、請求項1又は請求項2記載の直接形電力変換器用制御装置。
[請求項4]
 前記仮想直流電圧指令Vdc*が前記整流電圧Vrecよりも大きいときに前記計算部(103f)は、
 前記第2値(R)を(Vdc*-Vc)/(Vrec-Vc)によって求め、
 前記正規化電流指令(|sin(ωt)|)が、前記積(R・J)以上であれば、前記放電デューティdcとして1から前記第2値(R)を減じて出力する、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の直接形電力変換器用制御装置。
[請求項5]
 前記仮想直流電圧指令Vdc*が前記整流電圧Vrec以下のときに前記計算部(103f)は、
 前記第2値(R)をVdc*/Vrecによって求め、
 前記正規化電流指令(|sin(ωt)|)が、前記積(R・J)以上であれば、前記放電デューティdcを0に設定して出力する、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の直接形電力変換器用制御装置。
[請求項6]
 前記計算部(103f)において、前記整流電圧Vrecは前記振幅Vmと前記正規化電流指令との積(Vm・|sin(ωt)|)で推定される、請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の直接形電力変換器用制御装置。
[請求項7]
 前記整流回路(3)は前記直流リンク(7)側にフィルタ(L2,C2)を有し、
 前記放電回路(4a)は、
 前記第1電源線と前記第2電源線との間で前記コンデンサ(C4)と直列に、かつ前記コンデンサよりも前記第1電源線側に設けられたスイッチ(Sc,D42)と、
 前記第1電源線(LH)において前記スイッチと前記整流回路(3)との間に、前記スイッチから前記整流回路への電流の流れを阻止する電流阻止素子(D43)と
を更に有する、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の直接形電力変換器用制御装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]