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1. (WO2018235775) COATED TOOL, CUTTING TOOL AND METHOD FOR PRODUCING CUT ARTICLE
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明 細 書

発明の名称 被覆工具、切削工具及び切削加工物の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

発明の概要

0005  

図面の簡単な説明

0006  

発明を実施するための形態

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070  

符号の説明

0071  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 被覆工具、切削工具及び切削加工物の製造方法

技術分野

[0001]
 本態様は、切削加工において用いられる被覆工具に関する。

背景技術

[0002]
 旋削加工及び転削加工のような切削加工に用いられる被覆工具としては、例えば特開2009-166216号公報(特許文献1)に記載の被覆工具が知られている。特許文献1に記載の被覆工具は、超硬合金などで構成された基体の表面に位置して、チタン(Ti)などの化合物を含有する層(多層被膜)と、チタンの化合物を含有する層(結合膜)と、α型酸化アルミニウム(α-Al )を含有する層(α型酸化アルミニウム膜)とを備えた被覆層が形成された構成となっている。
[0003]
 また、特許文献1に記載の被覆工具においては、結合膜の表面が、樹状突起及び枝状突起からなる樹枝形状を有している。結合膜が樹枝形状を有していることから、アンカー効果によって結合膜とα型酸化アルミニウム膜との密着性が高められることが記載されている。
[0004]
 しかしながら、特許文献1に記載の被覆工具においては、樹状突起及び枝状突起のいずれも結合膜からα型酸化アルミニウム膜に向かって突出した構成である。このような構成を被覆層が有している場合には、アンカー効果に起因する、樹状突起による負荷及び枝状突起による負荷の両方がα型酸化アルミニウム膜に対して加わる。そのため、被覆層の耐久性が低下するおそれがある。

発明の概要

[0005]
 一態様に基づく被覆工具は、第1面を有する基体と、前記第1面の上に位置する被覆層とを備えている。前記被覆層は、前記第1面の上に位置する、酸化アルミニウムを含有する第1層と、該第1層の上に接して位置する、チタン化合物を含有する第2層とを有している。また、前記第1面に直交する断面において、前記第1層が、前記第2層に向かって突出する第1凸部と、該第1凸部に位置する第1凹部とを有するとともに、前記第2層が、前記第1凸部と係合する第2凹部と、前記第1凹部に係合する第2凸部とを有している。

図面の簡単な説明

[0006]
[図1] 実施形態の被覆工具を示す斜視図である。
[図2] 図1に示す被覆工具におけるA-A断面の断面図である。
[図3] 図2に示す被覆工具における被覆層付近の拡大図である。
[図4] 図3に示す領域B1における拡大図である。
[図5] 図4に示す領域B2における拡大図である。
[図6] 実施形態の切削工具を示す平面図である。
[図7] 図6に示す領域B3における拡大図である。
[図8] 実施形態の切削加工物の製造方法の一工程を示す概略図である。
[図9] 実施形態の切削加工物の製造方法の一工程を示す概略図である。
[図10] 実施形態の切削加工物の製造方法の一工程を示す概略図である。

発明を実施するための形態

[0007]
 以下、実施形態の被覆工具1について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、下記の実施形態を説明する上で必要な主要部材のみを簡略化して示している。したがって、被覆工具1は、参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
[0008]
 <被覆工具>
 実施形態の被覆工具1は、図1及び図2に示すように、基体3及び被覆層5を備えている。図2に示す一例における基体3は、第1面7(図2における上面)と、第1面7と隣り合う第2面9(図2における側面)と、第1面7及び第2面9が交わる稜線の少なくとも一部に位置する切刃11とを有している。
[0009]
 図1に示す一例における基体3は四角板形状であり、第1面7が四角形である。そのため、第2面9の数は4つとなっている。一例の被覆工具1においては、第1面7の少なくとも一部がすくい面領域であり、第2面9の少なくとも一部が逃げ面領域である。なお、基体3の形状は、四角板形状には限定されない。例えば第1面7が、三角形、五角形、六角形又は円形であってもよい。また、基体3は、板形状に限定されず、例えば柱形状であってもよい。
[0010]
 被覆層5は、基体3の少なくとも第1面7の上に位置している。被覆層5は、第1面7のみの上に位置していてもよく、また、基体3における第1面7以外の他の面の上に位置していてもよい。一例の被覆工具1においては、第1面7に加えて第2面9の上にも被覆層5が位置している。被覆層5は、切削加工における被覆工具1の耐摩耗性及び耐チッピング性などの特性を向上させるために備えられている。
[0011]
 図3に示す一例における被覆層5は、第1層13及び第2層15を有している。第1層13は、第1面7の上に位置しており、酸化アルミニウム(Al )を含有している。また、第2層15は、第1層13の上に接して位置しており、チタン化合物を含有している。
[0012]
 第1層13は、酸化アルミニウムを主成分として含有していてもよい。また、第2層15は、チタン化合物を主成分として含有していてもよい。なお、上記の「主成分」とは、他の成分と比較して質量%の値が最も大きい成分であることを意味している。
[0013]
 第1層13は酸化アルミニウム以外の成分を含有していてもよく、また、第2層15はチタン化合物以外の成分を含有していてもよい。例えば、第1層13がチタン化合物を含有する場合には、第1層13及び第2層15の接合性が高い。また、第2層15が酸化アルミニウムを含有する場合にも、第1層13及び第2層15の接合性が高い。
[0014]
 第1層13に含有されている酸化アルミニウムとしては、例えば、α-アルミナ(α-Al )、γ-アルミナ(γ-Al )及びκ-アルミナ(κ-Al )が挙げられる。これらのうち第1層13がα-アルミナを最も多く含有している場合には、被覆工具1の耐熱性が高い。第1層13は、上記の化合物のいずれか1つのみを含有する構成であってもよく、また、上記の化合物のうち複数を含有する構成であってもよい。
[0015]
 第1層13に含有されている酸化アルミニウムが上記の化合物のいずれであるかは、例えば、X線回折(XRD:X-Ray Diffraction)分析を行い、JCPDSカードとの照合によって評価できる。
[0016]
 また、上記のα-アルミナ、γ-アルミナ及びκ-アルミナはどのような状態で第1層13に含有されていてもよく、例えば、基体3の側から第2層15に向かってそれぞれ延びた複数の柱状結晶13aの状態で第1層13に備えられていてもよい。
[0017]
 第2層15に含有されているチタン化合物としては、例えば、チタンの炭化物、窒化物、酸化物、炭窒化物、炭酸化物及び炭窒酸化物が挙げられる。第2層15は、上記の化合物のいずれか1つのみを含有する構成であってもよく、また、上記の化合物のうち複数を含有する構成であってもよい。
[0018]
 第1層13及び第2層15の境界は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)写真又は透過電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)写真を観察することにより、特定することが可能である。
[0019]
 被覆層5を第1面7に直交する断面において観察した場合に、図4に示す一例においては、第1層13が、第2層15と接合する側の界面(図4における上側の界面)に、第2層15に向かって突出する第1凸部17と、この第1凸部17に位置する第1凹部19とを有している。また、第2層15が、第1層13と接合する側の界面(図4における下側の界面)に、第1凸部17と係合する第2凹部21と、第1凹部19に係合する第2凸部23とを有している。
[0020]
 図4及び図5に示す一例における被覆層5では、第1凸部17が第2層15に向かって突出するとともに、第2凸部23が第1層13に向かって突出している。そのため、アンカー効果によって、第1凸部17による第2層15への接合性が高く、且つ、第2凸部23による第1層13への接合性が高い。
[0021]
 さらに、第1層13が第1凸部17を有するとともに第2層15が第2凸部23を有していることから、アンカー効果に起因する負荷が第1層13及び第2層15の一方のみに偏りにくい。そのため、上記の被覆層5を備えた被覆工具1は、アンカー効果による高い接合性と高い耐久性とを備える。
[0022]
 第1凸部17及び第2凸部23の大きさは特定の数値に限定されない。例えば、第1面7に直交する断面において、第2面9の側に位置する第1面7の界面の最大高さをRzとしたとき、第1凸部17の高さがRz/10以上、第2凸部23の高さがRz/10未満に設定されてもよい。
[0023]
 以下の説明において、図5に示すように、断面視した場合での凸部の一対の基端を結ぶ第1仮想直線の長さを凸部の幅Wとする。また、上記の第1仮想直線に対して直交し、第1仮想直線及び凸部の頂点を通る第2仮想直線の長さを凸部の高さHとする。
[0024]
 第2凸部23が第1凹部19に係合しており、第1凹部19が第1凸部17に位置していることから、一例の被覆工具1においては、第1凸部17は第2凸部23よりも大きい。具体的には、第1凸部17の幅W1が第2凸部23の幅W2よりも大きく、かつ、第1凸部17の高さH1が第2凸部23の高さH2よりも大きい。これにより、被覆工具1の耐久性が高い。
[0025]
 第1凸部17が第2凸部23よりも大きいことから、第1凹部19よりも第2凹部21に対してアンカー効果による負荷が大きく加わる。このとき、第2層15は第1層13の上に接して位置している。そのため仮に、アンカー効果による負荷に起因して第2凹部21において第1層13から離れる方向にクラックが生じたとしても、被覆層5の表面において、この負荷を逃がすことができる。
[0026]
 一方、第1凹部19に対して加わるアンカー効果に起因する負荷が比較的小さいため、第1凹部19において第2層15から離れる方向、言い換えれば被覆工具1の内部に向かう方向にクラックが生じにくい。このように、クラックが深く進展しにくくなっているため、被覆工具1の耐久性が高い。
[0027]
 被覆層5は、第1層13及び第2層15のみを有する構成に限定されるものではなく、第1層13及び第2層15以外の層を有していてもよい。例えば、図3に示すように、被覆層5が、第1層13及び第2層15に加えて、基体3及び第1層13の間に位置する第3層25を有していてもよい。
[0028]
 図3に示す一例における第3層25は、チタン化合物を含有している。第3層25に含有されているチタン化合物としては、第2層15と同様に、例えば、チタンの炭化物、窒化物、酸化物、炭窒化物、炭酸化物及び炭窒酸化物が挙げられる。
[0029]
 また、第3層25は、単層の構成であってもよく、また、複数の層が積層された構成であってもよい。例えば、第3層25が、基体3の側に位置して、窒化チタン(TiN)を含有する層25bと、第1層13の側に位置して、炭窒化チタン(TiCN)を含有する層25aとが順に位置する構成であってもよい。
[0030]
 窒化チタンを含有する層25bを有している場合には、基体3及び被覆層5の接合性が高い。また、炭窒化チタンを含有する層25aを有している場合には、第3層25及び第1層13の接合性が高い。
[0031]
 第1層13、第2層15及び第3層25の各層に含有される成分の元素分析は、例えば走査型電子顕微鏡に付属するエネルギー分散型X線分光器(EDX)を用いたSEM-EDX法、或いは、電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用いた分析によって評価することができる。
[0032]
 第1面7に直交する断面において、第1層13における第1凸部17及び第2凸部23の数は特に限定されるものではなく、1つずつであってもよく、また、それぞれ複数であってもよい。上記の断面において、第1層13が複数の第1凸部17を有している場合には、アンカー効果による接合性が高い。
[0033]
 また、第1面7に直交する断面において、1つの第1凸部17に複数の第1凹部19が位置している場合には、第1層13及び第2層15の接合性がさらに高く、且つ、第1層13及び第2層15の耐久性がさらに高い。
[0034]
 第1凸部17が第2凸部23よりも大きいことから、1つあたりの第2凸部23によるアンカー効果よりも1つあたりの第1凸部17によるアンカー効果が大きい。このとき、1つの第1凸部17に第1凹部19が複数位置している場合には、1つあたりの第1凸部17に対する第2凸部23によるアンカー効果が高い。そのため、第1層13及び第2層15の接合性がさらに高く、且つ、第1層13及び第2層15の耐久性がさらに高い。
[0035]
 第1面7に直交する断面における、第1凸部17及び第2凸部23が突出する方向は、特定の方向には限定されない。図4に示す一例のように、第2凸部23が突出する方向が、第1凸部17が突出する方向に対して傾斜している場合には、第1凸部17におけるアンカー効果による負荷、及び第2凸部23におけるアンカー効果による負荷が分散され易い。そのため、被覆層5の耐久性が高い。
[0036]
 第1凸部17の突出する方向とは、2つの基端17bを結ぶ直線の中点と、先端17aとを結ぶ線の延びる方向を突出方向とする。また、同様に、第2凸部23の突出する方向とは、2つの基端23bを結ぶ直線の中点と、先端23aとを結ぶ線の延びる方向を突出方向とする。
[0037]
 第1面7に直交する断面において、図4に示す一例のように、1つの第1凸部17に複数の第1凹部19が位置している際に、複数の第1凹部19のうち少なくとも1つが、基体3から離れる方向に向かって窪んでいてもよい。言い換えれば、複数の第2凸部23のうち少なくとも1つが、基体3から離れる方向に向かって突出していてもよい。上記の方向に第2凸部23が突出している場合には、仮に、アンカー効果による負荷に起因して第1凹部19においてクラックが生じたとしても、このクラックが基体3に向かって進展することが避けられ易い。
[0038]
 図4及び図5に示す一例のように、第1層13が上記の複数の柱状結晶13aを備えていてもよい。また、第1面7に直交する断面において、図5に示すように、第1凸部17の基端17bが互いに隣り合う柱状結晶13aの境界13bに位置していてもよい。第1凸部17の基端17bには比較的大きな負荷が加わり易いが、少なくとも一つの第1凸部17の基端17bが上記の箇所に位置している場合には、この第1凸部17の基端17bから柱状結晶13aの内部に向かってクラックが進展しにくい。そのため、第1層13の耐久性が高い。
[0039]
 また、第1面7に直交する断面において、少なくとも一つの第2凸部23の先端23aが、互いに隣り合う柱状結晶13aの境界13bに位置していてもよい。第2凸部23の先端23aに係合する第1凹部19の底には比較的大きな負荷が加わり易いが、第2凸部23の先端23aが上記の箇所に位置している場合には、第1凹部19の底から柱状結晶13aの内部に向かってクラックが進展しにくい。そのため、第1層13の耐久性が高い。
[0040]
 さらに、図5に示す一例のように、上記の第2凸部23の延びた方向が、柱状結晶13aの延びた方向(図5においては上下方向)に対して傾斜していてもよい。第2凸部23が上記のように突出している場合には、第2凸部23に係合する第1凹部19の窪んだ方向が柱状結晶13aの延びた方向に対して傾斜することになる。このような場合には、第2凸部23から第1凹部19に加わる負荷の掛かる方向が柱状結晶13aの延びた方向に対して傾斜するため、互いに隣り合う柱状結晶13aの境界13bにクラックが生じにくい。
[0041]
 基体3の材質としては、例えば、超硬合金、サーメット及びセラミックスなどの無機材料が挙げられる。なお、基体3の材質としては、これらに限定されるものではない。
[0042]
 超硬合金の組成としては、例えば、WC(炭化タングステン)-Co(コバルト)、WC-TiC(炭化チタン)-Co及びWC-TiC-TaC(炭化タンタル)-Coが挙げられる。ここで、WC、TiC及びTaCは硬質粒子であり、Coは結合相である。また、サーメットは、セラミック成分に金属を複合させた焼結複合材料である。具体的には、サーメットとして、TiCN、TiC又はTiNを主成分とした化合物が挙げられる。
[0043]
 基体3は、第1面7及び第1面7の反対側に位置する面(図1における下面)を貫通する貫通孔27を有していてもよい。貫通孔27は、被覆工具1をホルダに固定するための固定部材を挿入するために用いることができる。固定部材としては、例えばネジ及びクランプ部材が挙げられる。
[0044]
 基体3の大きさは特に限定されない。例えば、第1面7の一辺の長さが、3~20mm程度に設定されてもよい。また、第1面7から第1面7の反対側に位置する面までの高さは、5~20mm程度に設定されてもよい。
[0045]
 <製造方法>
 次に、実施形態に係る被覆工具1の製造方法について説明する。
[0046]
まず、基体3となる硬質合金を焼成によって形成しうる炭化物、窒化物、炭窒化物及び酸化物などから選択される無機物粉末に、金属粉末、カーボン粉末などを適宜添加及び混合して、混合粉末を作製する。次に、この混合粉末を公知の成形方法を用いて所定の工具形状に成形することによって成形体を作製する。成形方法としては、例えば、プレス成形、鋳込成形、押出成形及び冷間静水圧プレス成形などが挙げられる。上記の成形体を、真空中又は非酸化性雰囲気中にて焼成することによって基体3を作製する。なお、必要に応じて、基体3の表面に研磨加工及びホーニング加工を施してもよい。
[0047]
 次に、基体3の表面に化学気相蒸着(CVD)法によって被覆層5を成膜する。
[0048]
 第1層13は、以下の方法によって形成することができる。水素(H )ガスに、5体積%~15体積%の三塩化アルミニウム(AlCl )ガスと、0.5体積%~2.5体積%の塩化水素(HCl)ガスと、0.5体積%~5.0体積%の二酸化炭素(CO )ガスと、1体積%以下の硫化水素(H S)ガスとを混合して、第1混合ガスを作製する。この第1混合ガスを、成膜温度が950℃~1100℃、ガス圧が5kPa~20kPaの条件下でチャンバ内に導入する。これによって、被覆層5における第1層13を形成することができる。
[0049]
 第2層15は、以下の方法によって形成することができる。水素ガスに、0.1~10体積%の四塩化チタン(TiCl )ガスと、10~60体積%の窒素(N )ガスとを混合して第2混合ガスを作製する。この第2混合ガスを、成膜温度が960~1100℃、ガス圧が10~85kPaの条件下でチャンバ内に導入する。これによって、被覆層5における第2層15を形成することができる。
[0050]
 このとき、例えば第1層13を形成した後に連続して第2層15を形成するのではなく、第1層13で覆われた基体3をチャンバから取り出して第1層13を表面加工することで第1凸部17及び第1凹部19を有する第1層13を形成することができる。上記の表面加工は、特定の加工に限定されるものではないが、例えば、ブラスト加工、レーザー加工、エッチング処理などが挙げられる。
[0051]
 具体的には、例えば、上記の第1混合ガスを用いて第1層13を形成する際に第1凸部17を形成し、第1凸部17を有する第1層13の表面に第1凸部17の高さよりも小さい粒径の粒子を吹き付けることによってブラスト加工を行い、第1凹部19を形成すればよい。
[0052]
 被覆層5が、基体3及び第1層13の間に位置する第3層25を有する場合には、この第3層25は以下の方法によって形成することができる。
[0053]
 まず、水素ガスに、0.5~10体積%の四塩化チタンガスと、10~60体積%の窒素ガスとを混合して第3混合ガスを作製する。この第3混合ガスを、成膜温度が800~940℃、ガス圧が8~50kPaの条件下でチャンバ内に導入する。これによって、第3層25における窒化チタンを含有する層25bを形成することができる。
[0054]
 また、水素ガスに、0.5~10体積%の四塩化チタンガスと、5~60体積%の窒素ガスと、0.1~3体積%のアセトニトリル(CH CN)ガスとを混合して第4混合ガスを作製する。この第4混合ガスを、成膜温度が780~880℃、ガス圧が5~25kPaの条件下でチャンバ内に導入する。これによって、第3層25における炭窒化チタンを含有する層25aを形成することができる。
[0055]
 その後、必要に応じて、成膜した被覆層5の表面における切刃11が位置する部分を研磨加工する。このような研磨加工を行った場合には、切刃11への被削材の溶着が抑制され易くなるため、耐欠損性に優れた被覆工具1となる。
[0056]
 なお、上記の製造方法は、実施形態の被覆工具1を製造する方法の一例である。したがって、被覆工具1は、上記の製造方法によって作製されたものに限定されないことは言うまでもない。
[0057]
 <切削工具>
 次に、実施形態の切削工具101について図面を用いて説明する。
[0058]
 図6及び図7に示す一例における切削工具101は、第1端(図6における上端)から第2端(図6における下端)に向かって延びる棒状体であり、第1端側にポケット103を有するホルダ105と、ポケット103に位置する上記の被覆工具1とを備えている。図6及び図7に示す一例の切削工具101においては、稜線における切刃として用いられる部分がホルダ105の先端から突出するように被覆工具1が装着されている。
[0059]
 ポケット103は、被覆工具1が装着される部分であり、ホルダ105の下面に対して平行な着座面と、着座面に対して傾斜する拘束側面とを有している。また、ポケット103は、ホルダ105の第1端側において開口している。
[0060]
 ポケット103には被覆工具1が位置している。このとき、被覆工具1における第1面の反対側の面がポケット103に直接に接していてもよく、また、被覆工具1とポケット103との間にシートを挟んでいてもよい。
[0061]
 被覆工具1は、稜線における切刃として用いられる部分がホルダ105から外方に突出するように装着される。図6及び図7に示す一例においては、被覆工具1が、ネジ107によって、ホルダ105に装着されている。すなわち、被覆工具1の貫通孔にネジ107を挿入し、このネジ107の先端をポケット103に形成されたネジ孔(不図示)に挿入してネジ部同士を螺合させることによって、被覆工具1がホルダ105に装着されている。
[0062]
 ホルダ105としては、鋼、鋳鉄などを用いることができる。特に、これらの部材の中で鋼を用いた場合には、ホルダ105の靱性が高い。
[0063]
 実施形態においては、いわゆる旋削加工に用いられる切削工具を例示している。旋削加工としては、例えば、内径加工、外径加工及び溝入れ加工が挙げられる。なお、切削工具としては旋削加工に用いられるものに限定されない。例えば、転削加工に用いられる切削工具に上記の実施形態の被覆工具1を用いてもよい。
[0064]
 <切削加工物の製造方法>
 次に、実施形態の切削加工物の製造方法について図面を用いて説明する。
[0065]
 切削加工物は、被削材201を切削加工することによって作製される。実施形態における切削加工物の製造方法は、以下の工程を備えている。すなわち、
(1)被削材201を回転させる工程と、
(2)回転している被削材201に上記の実施形態に代表される切削工具101を接触させる工程と、
(3)切削工具101を被削材201から離す工程と、
を備えている。
[0066]
 より具体的には、まず、図8に示すように、被削材201を軸O2の周りで回転させるとともに、被削材201に切削工具101を相対的に近付ける。次に、図9に示すように、切削工具101における切刃を被削材201に接触させて、被削材201を切削する。そして、図10に示すように、切削工具101を被削材201から相対的に遠ざける。
[0067]
 図8に示す一例においては、軸O2を固定するとともに被削材201を軸O2の周りで回転させた状態で切削工具101をY1方向に移動させることによって被削材201に近づけている。また、図9に示す一例においては、回転している被削材201にインサート1における切刃を接触させることによって被削材201を切削している。また、図10に示す一例においては、被削材201を回転させた状態で切削工具101をY2方向に移動させることによって遠ざけている。
[0068]
 なお、実施形態の製造方法における切削加工では、それぞれの工程において、切削工具101を動かすことによって、切削工具101を被削材201に接触させる、あるいは、切削工具101を被削材201から離しているが、当然ながらこのような形態に限定されるものではない。
[0069]
 例えば(1)の工程において、被削材201を切削工具101に近づけてもよい。同様に(3)の工程において、被削材201を切削工具101から遠ざけてもよい。切削加工を継続する場合には、被削材201を回転させた状態を維持して、被削材201の異なる箇所にインサート1における切刃を接触させる工程を繰り返せばよい。
[0070]
 なお、被削材201の材質の代表例としては、炭素鋼、合金鋼、ステンレス、鋳鉄、または非鉄金属などが挙げられる。

符号の説明

[0071]
  1・・・被覆工具
  3・・・基体
  5・・・被覆層
  7・・・第1面
  9・・・第2面
 11・・・切刃
 13・・・第1層
 13a・・柱状結晶
 15・・・第2層
 17・・・第1凸部
 17a・・先端
 17b・・基端
 19・・・第1凹部
 21・・・第2凹部
 23・・・第2凸部
 23a・・先端
 25・・・第3層
 27・・・貫通孔
101・・・切削工具
103・・・ポケット
105・・・ホルダ
107・・・固定ネジ
201・・・被削材

請求の範囲

[請求項1]
 第1面を有する基体と、前記第1面の上に位置する被覆層とを備えた被覆工具であって、
 前記被覆層は、前記第1面の上に位置する、酸化アルミニウムを含有する第1層と、該第1層の上に接して位置する、チタン化合物を含有する第2層とを有し、
 前記第1面に直交する断面において、前記第1層が、前記第2層に向かって突出する第1凸部と、該第1凸部に位置する第1凹部とを有するとともに、前記第2層が、前記第1凸部と係合する第2凹部と、前記第1凹部に係合する第2凸部とを有している、被覆工具。
[請求項2]
 前記第1面に直交する断面において、1つの第1凸部に前記第1凹部が複数位置している、請求項1に記載の被覆工具。
[請求項3]
 前記第1面に直交する断面において、前記第2凸部が突出する方向が、前記第1凸部が突出する方向に対して傾斜している、請求項1又は2に記載の被覆工具。
[請求項4]
 前記第1面に直交する断面において、1つの第1凸部に前記第1凹部が複数位置しており、
 複数の前記第1凹部のうち少なくとも1つが、前記基体から離れる方向に向かって窪んでいる、請求項3に記載の被覆工具。
[請求項5]
 前記第1層は、前記基体の側から前記第2層に向かってそれぞれ延びた複数の柱状結晶を備え、
 前記第1面に直交する断面において、前記第1凸部の基端が、互いに隣り合う前記柱状結晶の境界に位置している、請求項1~4のいずれか1つに記載の被覆工具。
[請求項6]
 前記第1層は、前記基体の側から前記第2層に向かってそれぞれ延びた複数の柱状結晶を備え、
 前記第1面に直交する断面において、前記第2凸部の先端が、互いに隣り合う前記柱状結晶の境界に位置している、請求項1~5のいずれか1つに記載の被覆工具。
[請求項7]
 互いに隣り合う前記柱状結晶の境界に先端が位置する前記第2凸部の突出する方向は、前記柱状結晶の延びた方向に対して傾斜している、請求項6に記載の被覆工具。
[請求項8]
 先端側に位置するポケットを有するホルダと、
 前記ポケット内に位置する、請求項1~7のいずれか1つに記載の被覆工具とを有する切削工具。
[請求項9]
 請求項8に記載の切削工具を回転させる工程と、
 回転している前記切削工具を被削材に接触させる工程と、
 前記切削工具を前記被削材から離す工程とを備えた切削加工物の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]