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1. (WO2018190156) ENGINE
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明 細 書

発明の名称 エンジン

技術分野

0001  

背景技術

0002  

発明の開示

0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010  

図面の簡単な説明

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

図面

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明 細 書

発明の名称 : エンジン

技術分野

[0001]
 本発明は、燃焼室内で生成された高圧の燃焼ガスを動力に使うエンジンに関するものである。

背景技術

[0002]
 国際公開WO2015/159956号公報には、燃焼ガスを駆動力として噴出するエンジンを提供することが記載されている。このエンジンは、燃焼室と、燃焼室に燃料および空気を混合して供給する燃料供給路と、燃焼室の混合ガスに点火するイグナイタと、燃焼室から燃焼ガスを、ノズルを介して噴出するガス放出路と、ガス放出路を開閉する開閉装置とを有する。ガス放出路は、開閉装置により、点火の直前、点火と同時、または点火の直後に開放できる。

発明の開示

[0003]
 ピストンを用いたエンジンであって、燃焼ガスを駆動力としてタービンなどに供給するタイプのエンジンにおいて、燃焼ガスを供給するタイミングや燃焼効率などをさらに容易に制御できるエンジンが求められている。
[0004]
 本発明の一態様は、ピストンの往復直線運動に伴い駆動用の燃焼ガスを供給するガス供給ユニットを有するエンジンである。ガス供給ユニットは、ピストンの第1の側に設けられた第1の燃焼室と、第1の燃焼室で生成された高圧の燃焼ガスを駆動用に供給する第1のガス出力口と、ピストンを挟んだ第2の側に設けられ、ピストンを第1の側に移動する反対側の第2の力を生成する第2の室とを含む。エンジンは、さらに、第1の燃焼室における燃焼により移動するピストンの第1の力および上記第2の力に対抗してピストンの位置を制御するピストン制御ユニットを有する。直線的に動くピストンの位置を制御することにより、ピストンにより第1の燃焼室の容積(体積)を縮小して燃焼室内の気体を断熱圧縮する際の圧縮比、燃焼サイクルなどを制御できる。燃焼室内の気体は、燃料と空気との混合気体であってもよく、圧縮した段階でイグナイタなどにより着火させてもよい。また、燃焼室内の気体は空気であってもよく、燃料を噴射して圧縮点火させてもよい。
[0005]
 ガス供給ユニットは、第1の燃焼室内の低圧の燃焼ガスを排気する排気口を含んでもよい。第1の燃焼室内における燃焼ガスと混合気体または空気との置換効率を向上できる。
[0006]
 第2の力はバネや磁気により生成される力(反動)であってもよい。典型的な第2の室(副室)は、第2の燃焼室であり、ガス供給ユニットは、第2の燃焼室で生成された高圧の燃焼ガスを駆動用に供給する第2のガス出力口を含んでもよい。第1および第2の燃焼室から交互に高圧の燃焼ガスを駆動用に供給でき、ピストンの動きの1サイクル単位でガス供給ユニットから駆動用の燃焼ガスを供給できる。
[0007]
 ピストン制御ユニットは、ピストンの位置を機械的に、または磁気的に直接制御するものであってもよい。ピストン制御ユニットは、第1の燃焼室および第2の室の外側に配置され、ピストンの位置を、ピストンに接続されたシャフトを介して制御する第1の制御ユニットを備えていてもよい。エンジンは、ピストンとシャフトを介して接続された第1のリニア発電ユニットを有していてもよい。第1のリニア発電ユニットが第1の制御ユニットとしての機能を含んでいてもよい。第1のリニア発電ユニットはピストンを駆動してエンジンを始動する第1のリニアモータとしての機能を含んでいてもよい。ピストン制御ユニットは、ピストンの第1の力または反対側に働く第2の力に対抗してピストンの位置を制御するので、リニア発電ユニットにより、ピストンの位置を制御に要する、動力および/または反対側に働く動力に対抗する力を電気エネルギーとして回生できる。
[0008]
 ピストン制御ユニットは、第1の燃焼室および第2の室(副室)の外周に配置され、ピストンの位置を、磁場を介して制御する第2の制御ユニットを含んでもよい。エンジンは、第1の燃焼室および第2の室の外周に配置され、ピストンと磁場を介して接続された第2のリニア発電ユニットを有していてもよい。第2のリニア発電ユニットは第2の制御ユニットとしての機能を含んでもよい。第2のリニア発電ユニットはピストンを駆動して当該エンジンを始動する第2のリニアモータとしての機能を含んでいてもよい。
[0009]
 エンジンは、第1のガス出力口から高圧の燃焼ガスが供給されるガスタービンユニット(ガスタービン)を有していてもよい。典型的なガスタービンユニットは、ラジアルタービンを含み、複数のガス供給ユニットをラジアルタービンの周囲に沿って配置してもよい。
[0010]
 本発明の一態様は、上記のエンジンと、ガスタービンユニットに接続された発電機とを有する発電装置である。ガスタービンと発電機とは直結されていてもよく、ギアなどを介して接続されていてもよい。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 発電ユニットの概略構成を示す図。
[図2] エンジンの概略構成を示す図。
[図3] エンジン、特に、ガス供給ユニットの動作を説明する図。
[図4] ガス供給ユニットの動作をさらに説明する図。
[図5] ガス供給ユニットの動作モードを例示した図。
[図6] 異なるエンジンの概略構成を示す図。
[図7] さらに異なるエンジンの概略構成を示す図。
[図8] さらに異なるエンジンの概略構成を示す図。
[図9] さらに異なるエンジンの概略構成を示す図。
[図10] さらに異なるエンジンの概略構成を示す図。
[図11] さらに異なるエンジンの概略構成を示す図。
[図12] さらに異なるエンジンの概略構成を示す図。
[図13] さらに異なるエンジンの概略構成を示す図。
[図14] 駆動ガスの供給のタイミングを説明する図。

発明の実施の形態

[0012]
 図1に、複数のガス供給ユニット10とガスタービンユニット6とを備えたエンジン5と、ガスタービンユニット(例えばラジアルタービン、以降ではタービン)6により回転駆動される発電機3とを含む発電装置(発電ユニット)1を示している。発電ユニット1は、タービン6に対し長手方向に直線的につながった発電機3と、タービン6およびタービン排気ノズル7を中心として、その周囲に配置された複数のガス供給ユニット10と、ガス供給ユニット10と一対一に設けられたリニア発電ユニット20とを含む。それぞれのリニア発電ユニット20は、ガス供給ユニット10の長手に接続され、ピストン制御ユニット60としての機能を兼ねている。これらのタービン6、発電機3、複数のガス供給ユニット10およびリニア発電ユニット20は、全体が1つの装置として設置または可搬できる状態で提供されている。さらに、発電ユニット1は、ピストン制御ユニット60を兼ねたリニア発電ユニット(リニアモーターユニット)20およびガス供給ユニット10を介して発電ユニット1を制御する管理ユニット50と、ガス供給ユニット10に、燃焼用の燃料および空気を供給する燃料供給ユニット80とを含む。
[0013]
 ガスタービンユニット6は、ラジアルタービン(半径流タービン)であってもよく、軸流タービンであってもよく、ラジアルタービンと軸流タービンとの組み合わせであってもよい。このエンジン5においては、複数、例えば4つのガス供給ユニット10がタービン6の周囲の対称な位置に、例えば90度ピッチで配置され、異なったタイミングで、または同期して駆動用の燃焼ガスをタービン6に供給する。ガス供給ユニット10の数は4つに限定されず、3つ以下であってもよく、5つ以上であってもよく、配置も90度ピッチに限定されない。
[0014]
 図2に、タービン6に駆動用の高圧の燃焼ガス71を供給するガス供給ユニット10と、ガス供給ユニット10のピストン12を制御するピストン制御ユニット60を兼ねたリニア発電ユニット20との構成を、断面を用いて、模式的ではあるが、さらに詳しく示している。ガス供給ユニット10は、ピストン12が内部14で往復直線運動を行うシリンダ11を含み、シリンダ11内のピストン12の一方の側(第1の側、本図では右側)に第1の燃焼室31が形成され、ピストン12の他方の側(第2の側、本図では左側)に第2の燃焼室32が形成される。
[0015]
 ピストン制御ユニット60を兼ねたリニア発電ユニット20は、ガス供給ユニット10の長手方向に一体となるように接続されており、この例では、ガス供給ユニット10の左側に隣接して設けられている。リニア発電ユニット20は、筒型のハウジング25と、発電時には発電コイルとして機能し、モーター駆動時には固定電磁石として機能するように、ハウジング25の内部に長手方向(軸方向)に配置された複数の固定コイル(電磁石)23と、固定コイル23の内部で軸方向に沿って動く可動磁石(可動電磁石)21とを含み、可動磁石21がピストン12とシャフト(ロッド)13により連結されている。ハウジング25の内部の両端には、可動磁石21の端末での動きを緩和するショックアブソーバーとして機能するコイルバネ24が設けられている。コイルバネ24の代わりに、あるいはコイルバネ24とともに、両端の電磁コイル23aの磁極を可動磁石21と反対に設定してピストン12の両端における動きあるいは衝撃を緩和または吸収するようにしてもよい。可動磁石21は永久磁石であってもよく、両端の固定コイル(電磁石)23aは、可動磁石21と反発する磁極を備えた永久磁石であってもよい。また、固定コイル23は、すべてが電磁石でなくてもよく、ピストン12の制御に適した位置の磁石を、適切な磁極を備えた永久磁石に置き換えてもよい。
[0016]
 したがって、この例では、ピストン制御ユニット60は、第1の燃焼室31および第2の燃焼室32の外側に配置され、ピストン12の位置を、ピストン12に接続されたシャフト13を介して制御する第1の制御ユニット610を含む。また、リニア発電ユニット20は、ピストン12とシャフト13を介して接続された第1のリニア発電ユニット210を含む。さらに、第1のリニア発電ユニット210が第1の制御ユニット610としての機能を含み、第1のリニア発電ユニット210はピストン12を駆動して当該エンジン5、具体的には各ガス供給ユニット10を始動する第1のリニアモータとしての機能を含む。また、このエンジン5においては、第1の燃焼室31および第2の燃焼室32が、互いに、燃焼によりピストン12に発生する力(第1の力)に対して反対側に働く力(第2の力)を生成する第2の室(副室)として機能する。
[0017]
 ガス供給ユニット10は、シリンダ11の内部14の第1の端(右端)および第2の端(左端)の近傍に、燃料供給ユニット80からの空気、または空気および燃料の混合体を導入する吸気口15と、吸気口15を開閉する吸気バルブ15vと、燃料噴射装置16とを含む。燃料噴射装置16は、点火装置を兼ねる。ピストン12の移動量により燃料の着火温度まで燃焼室31および32内の圧縮空気の温度を高くできる場合は、燃料噴射装置16から燃料を噴射することにより、それぞれの燃焼室31および32内において燃焼を開始できる(圧縮点火モード)。断熱圧縮の過程において圧縮空気の圧縮率を着火温度まで上げることが難しい場合は、燃料供給ユニット80は圧縮空気の代わりに、燃料との混合空気を燃焼室31および32に供給し、燃料噴射装置16が点火装置として機能して燃焼室31および32内において燃焼を開始できる(火花点火モード)。圧縮点火モードにおいては、近年開発が進んでいる予混合圧縮自動着火(HCCI、Homogeneous Charge Compression Ignition)に関する燃焼技術を適用できる。
[0018]
 ガス供給ユニット10は、第1の燃焼室31から高圧の燃焼ガスを駆動ガス71としてタービン6に供給する第1のガス出力口17aと、第2の燃焼室32から高圧の燃焼ガスを駆動ガス71としてタービン6に供給する第2のガス出力口17bと、それぞれの燃焼室31および32から低圧の燃焼ガス(排気ガス)72を排気する共通の排気口18とを含む。
[0019]
 排気口18はシリンダ11の長手方向のほぼ中央に設けられており、ピストン12が排気口18を通過することによりそれぞれの燃焼室31および32から排ガスライン78を介して燃焼ガスを大気へ排気する。排ガスライン78には、ピストン12に移動とは独立してそれぞれの燃焼室31および32を与圧するための制御弁38と、排ガス72のエネルギーを用いて吸気を加圧するターボチャージャー79とが設けられている。
[0020]
 第1のガス出力口17aおよび第2のガス出力口17bはそれぞれ、シリンダ11の長手方向の中央からそれぞれの端にシフトした位置であって、中央に対して対称な位置に設けられている。それぞれのガス出力口17aおよび17bは、ピストン12を挟んでシリンダ内14に形成される第1の燃焼室31および第2の燃焼室32において、燃焼後の早い段階でピストン12が移動(通過)する位置に設けられている。したがって、このガス供給ユニット10においては、ピストン12がそれぞれのガス出力口17aおよび17bを開閉する機能を含む。ガス出力口17aおよび17bは、ガス供給ライン19を介してタービン6に高圧の駆動ガス71を供給する。ガス供給ライン19は、臨界ノズルとしての機能を備えていてもよい。また、ガス供給ライン19には、相互の燃焼室31および32からの駆動ガス71、および他のガス供給ユニット10からの駆動ガス71の逆流を防止するためのバルブまたは他の逆流防止用の機構37が設けられている。
[0021]
 このガス供給ユニット10におけるガス出力口17aおよび17b、排気口18の配置および構成は一例であり、排気口18は燃焼室毎に設けてもよく、ガス出力口17および排気口18は、各燃焼室に共通に設けてもよく、管理ユニット50の制御あるいは適当な圧力制御弁により、燃焼室からのガスの出力先をガス供給ライン19と排ガスライン78とに切り替えることも可能である。また、ピストン12の移動によりガス出力口17aおよび17b、排気口18を開閉する代わりに、管理ユニット50の制御あるいは適当な機構による制御により動作するバルブにより開閉してもよい。
[0022]
 エンジン5を制御する管理ユニット50は、第1のリニア発電ユニット210の固定コイル23の極と磁場とを制御することにより、可動磁石21の運動、例えば、速度および停止位置を制御する。これにより、可動磁石21とつながったピストン12のシリンダ内14の運動、例えば速度および停止位置(死点)を制御する。典型的には、ピストン12の停止位置(上死点および下視点)を制御する。したがって、第1のリニア発電ユニット210がピストン制御ユニット60(第1の制御ユニット610)として機能する。管理ユニット50は、さらに、燃焼室31および32における燃焼前後のピストン12の停止時間、移動量または移動速度を、リニア発電ユニット210の磁場を制御することにより、燃焼による動力(力、圧力)に逆らって制御することができる。管理ユニット50は、さらに、リニア発電ユニット210をリニアモータとして使用し、ピストン12を駆動することにより、内燃機関であるガス供給ユニット10を起動(始動)するスタータとして機能させる。
[0023]
 図3に、このガス供給ユニット10の典型的な動作を示している。このガス供給ユニット10は、排気口18を中心として対称に燃焼室31および32が設けられ、ピストン12が直線往復して、ピストン12を挟んで両側に設けられた、対称な構成の燃焼室31および32で圧縮-着火-燃焼を交互に繰り返し行う。
[0024]
 まず、図2に示したように、ピストン12が右端の死点P1に達しており、右側の第1の燃焼室31で着火燃焼が起きると、それが左側の燃焼室32においては反対側の力(第2の力)となり、ピストン12は左側に移動し、左側の燃焼室32の空気または混合気体を圧縮する。したがって、燃焼室31および32が、反対側の燃焼室32および31に対する第2の室(副室、反動を生成する室)となっている。具体的には、右側の燃焼室31においては燃焼が開始されると、図3(a)に示すように燃焼室31内で生成される燃焼ガスの圧力(膨張するガス)に押されてピストン12が左側に移動し、ピストン12の第1の燃焼室31側の面、すなわち、右側の面12aが位置P2に達し、ピストン12の移動により第1のガス出力口17aが開くと、開いた第1のガス出力口17aから高圧の燃焼ガスが駆動ガス71としてタービン6に供給され、タービン6を駆動する。
[0025]
 図3(b)に示すように、燃焼室31内で生成される燃焼ガスの圧力(膨張するガス)に押されてピストン12がさらに左側に移動し、右側の面12aが位置P3に達し、ピストン12の移動により排気口18が開くと、燃焼室31に残存していた低圧の燃焼ガスが排気ガス72として排気される。それとほぼ同時に吸気バルブ15vが開き、圧縮空気または燃料との混合気体が燃焼室31内に供給される。燃料供給ユニット80から燃焼室31に供給される空気または混合気体は、ターボチャージャー79により加圧または圧縮された気体であり、排気口18が開いて燃焼室31の圧力が低下すると即座に燃焼室31に注入できる。燃焼室31への注入効率を上げ、また、燃焼室31における圧縮効率を上げるためにターボチャージャーに加え、またはターボチャージャーとは別に、エンジン5は、圧縮用のコンプレッサーを備えていてもよい。コンプレッサーは電動であってもよく、タービン6に駆動されるタイプであってもよい。
[0026]
 一方、ピストン12を挟んで反対側の、左側の燃焼室32においては、図3(a)および(b)の状態で、右側の燃焼室31における燃焼ガスの圧力が、ピストン12に対して反対側に働く力(第2の力)となり、ピストン12が左側へ移動し、燃焼室32に供給されている空気または混合気体が圧縮される。図3(c)に示すように、ピストン12の左側の面12bが燃焼室32の上死点に対応する位置P1に達すると、第1の制御ユニット610を兼ねた第1のリニア発電ユニット210が、ピストン12を左側へ移動する(加圧する)ように働く、右側の燃焼室31の燃焼ガスの圧力(動力、力、第1の力)に対抗して、磁場を用いてピストン12の停止位置を制御する。この際、リニア発電ユニット210は、ピストン12の動きにより発電を行ってもよい。発電ユニット210によりエネルギー回生を行い、不図示のバッテリなどに電力を蓄えて、その後のピストン12の位置制御のために使うことができる。なお、ピストン12の左側の面12bが上死点P1に達すると、ピストン12の右側の面12aは下死点に対応する位置P4に達する。
[0027]
 図3(c)において、左側の燃焼室32で着火燃焼が行われると、燃焼によりガスが膨張し、燃焼ガスの圧力によりピストン12が右側に移動する。図3(d)に示すように、ピストン12の左側の面12bが位置P2に達し、ピストン12の移動により第2のガス出力口17bが開くと、開いた第2のガス出力口17bから高圧の燃焼ガスが駆動ガス71としてタービン6に供給され、タービン6を駆動する。右側の燃焼室31においては、ピストン12により排気口18が閉じられ、左側の燃焼室32の燃焼ガスの圧力を反対側の力(第2の力)として、右側の燃焼室31内の空気または混合気体が圧縮される。排気口18からの排気を停止するタイミングは排ガスライン78に設けられたバルブ38により制御してもよい。このような動作を繰り返すことにより、ガス供給ユニット10から高圧の駆動ガス71が、左右の燃焼室31および32から交互に、ほぼ連続してタービン6に供給され、タービン6を駆動する。
[0028]
 エンジン5においてはこのようなシリンダ内14におけるピストン12の動きを、ピストン制御ユニット60(第1の制御ユニット610)としての機能を有するリニア発電ユニット20(第1のリニア発電ユニット210)で、モニターしながら制御することができる。ピストン12の動きを制御する1つのモードは上死点の位置を変えることである。図4に上死点を位置P1から位置P1aに設定したときのガス供給ユニット10の動作を示している。図4(a)に示すように、リニア発電ユニット210における可動磁石21の停止位置を固定コイル23により生成される磁場を制御することによりピストン12の右側の面12aの停止位置を、位置P1より中央によった位置P1aに設定し、燃焼室31における空気または混合気体の圧縮率を変えることができる。この場合も、燃焼室31で生成された高圧の燃焼ガスによりピストン12が左側に動いて右側の面12aが位置P2に達すると、図4(b)に示したように、第1のガス出力口17aが開いて駆動ガス71としてタービン6に供給される。また、同時に、左側の燃焼室32の空気または混合気体はピストン12により圧縮される。
[0029]
 図4(c)に示すように、ピストン12がさらに左側に動いて右側の面12aが位置P3に達すると、排気口18が開いて燃焼室31から燃焼ガスが排気され、同時に、空気または混合ガスが燃焼室31に供給される。この際、ピストン12の左側の面12bが上死点である位置P1aに達していると、燃焼室32で燃焼が行われ、図4(d)に示すように、ピストン12が右側に動いて、燃焼室32で生成された高圧の燃焼ガスが第2のガス出力口17bから駆動ガス71としてタービン6に供給される。
[0030]
 リニア発電ユニット210は、さらに、ピストン12の停止時間、例えば、各上死点における停止時間を制御することも可能である。また、ピストン12が上死点から、駆動ガス71として出力する位置P2まで移動する時間あるいはタイミングを制御することも可能である。例えば、ピストン12を上死点P1からリリースするタイミングがガス出力口17aおよび17bを開にするタイミングに繋がる。出力口17aおよび17bをオープンして駆動ガス71をタービン6に供給するタイミングは、燃焼室31および32で生成される燃焼ガスを駆動ガス71として最も効率よくタービン6を駆動できるタイミングであればよく、燃焼室31および32で燃焼が開始された後、燃焼が継続している途中であってもよく、燃焼が終了した後であってもよい。
[0031]
 典型的なタイミングは燃焼室31で燃焼が継続している途中でピストン12をリリースして動かすとともにガス出力口17aをオープンすることである。同様に、次に燃焼室32で燃焼が継続している途中でピストン12をリリースしてガス出力口17bをオープンすることができる。これらのタイミングで出力口17aおよび17bをそれぞれオープンすることにより、それぞれの燃焼室31および32における燃焼を、定積燃焼から定圧燃焼に移行でき、爆発的な燃焼に対して燃焼時間を延ばし、駆動ガス71の供給時間を延長できる。燃焼終了後は、燃焼ガスは断熱膨張し、駆動ガス71として燃焼室31および32からタービン6に供給される。
[0032]
 このガス供給ユニット10は、ピストン12がシリンダ11の内部14で直線的に往復運動する燃焼ユニットであり、ピストン12が反対側の燃焼室における燃焼ガスの圧力を用いてそれぞれの燃焼室31および32に供給されている圧縮空気をさらに圧縮(断熱圧縮)する。断熱圧縮の過程において圧縮率を十分高くすることができ、燃料の着火温度まで燃焼室31および32内の圧縮空気の温度を高くできる場合は、燃料噴射装置16から燃料を噴射することにより燃焼室31および32内において燃焼を開始できる(圧縮点火モード)。断熱圧縮の過程において圧縮空気の圧縮率を着火温度まで上げることが難しい場合は、圧縮空気の代わりに、燃料との混合空気を燃焼室31および32に供給し、燃料噴射装置16を点火装置として使用し、燃焼室31および32内において燃焼を開始できる(火花点火モード)。燃焼室31および32における圧縮率は、ピストン12の停止位置またはストロークをピストン制御ユニット60(リニア発電ユニット20)により制御できる。燃焼途中でガス出力口17aおよび17bをオープンすることにより、燃焼室31および32においては間欠的な燃焼が繰り返されるが、タービン6に対しては、高温高圧の燃焼ガス(排気ガス)71を、より連続的に供給できる。
[0033]
 いずれの場合も、間欠燃焼サイクルであり、理論的には定圧で燃焼が行われるディーゼルエンジンサイクル、定積で燃焼が行われるオットーサイクル、あるいはその両方の特徴を持つサバテサイクルとして呼ばれる状態が実現される。間欠燃焼サイクルにおいては、燃焼室31および32内の燃焼時の圧力を、生成される燃焼ガス自身、またはピストン12の位置、移動速度などを制御することにより高めることが可能であり、高温高圧の燃焼ガスを得やすい。さらに、このエンジン5では、火花点火モードも、空気または混合気体を圧縮することにより自己着火させる圧縮点火モードにも対応でき、圧縮点火は燃焼時間を延長でき、タービン6に燃焼ガスを駆動ガス71として連続的に供給できる時間を延長する一例と考えられている。例えば、近年開発されている予混合圧縮自動着火(HCCI)技術を使用することも可能である。
[0034]
 また、それぞれの燃焼室31および32における燃焼状態、燃焼サイクルの速度(周期)は、燃焼室31および32に供給する燃料量(混合比)を変えたり、燃焼室31および32内において着火するタイミングを変えたり、リリーフバルブなどの燃焼室31および32内の圧力を制御する機器を設けたり、ピストン12を移動する長さを制御するなどのピストン12の動きを制御することによりフレキシブルに制御できる。このため、燃料としては、軽油、ガソリン、アルコール、水素など様々なものを使用できる。
[0035]
 図5に、ガス供給ユニット10で実現されるいくつかの運転モードを、ピストン12の動き、具体的には、ピストン12の両面12aおよび12bの動きにより示している。実線は、各燃焼室31および32において、ピストン12の圧縮方向への移動を示しており、破線は、ピストン12の膨張方向への移動を示している。モードM1では、ピストン12が上死点P1および下死点P4との間を動き、リニア発電ユニット20、本例では第1のリニア発電ユニット210により、上死点P1においてに燃焼開始時に一定時間、ピストン12の移動が制限され、定積状態で燃焼が行われる。モードM1は圧縮点火モードの一例である。燃焼開始後、ピストン12はリリースされ、破線で示すように、ピストン12の燃焼室側の面12aおよび12bがそれぞれ位置P2に達するそれぞれのタイミングで、交互にガス出力口17aおよび17bが開いて、交互に燃焼室31および32から駆動ガス71がタービン6に供給される。さらに、ピストン12の燃焼室側の面12aおよび12bが交互に位置P3に達すると排気口18が開いて燃焼室31および32それぞれにおいて、交互に(それぞれのタイミングで)排気と、圧縮空気または混合ガスの供給とが行われ、その後、ピストン12は他方の燃焼室32および31の燃焼ガスの圧力を駆動力として、燃焼室31および32を交互に圧縮する。
[0036]
 モードM2では、ピストン12の移動範囲がさらに狭く制限され、上死点P1aと、それに対応する下死点P4´との間を動く。モードM2では、ピストン12の死点における動きがより長く制限され、定積燃焼期間が長く設定されておりサバテサイクルまたはディーゼルサイクルに近い燃焼形態としている。モードM3では、ピストン12の死点における移動の制限が短くなり、モードM4では、燃焼室31および32における燃焼が爆発的でピストン12の移動の制限はなく、オットーサイクルのように、燃焼形態が実現される。
[0037]
 リニア発電ユニット210によるピストン12の移動量の制限は、モードM5のように、最大の死点P1と最小の死点P1aとの間でフレキシブルに設定できる。また、燃焼室31および32の燃焼モード(燃焼形態)を1サイクル単位で変更することも可能であり、一定の時間、連続して同じ燃焼モードで動かすことも可能である。
[0038]
 このように、ガス供給ユニット10は、燃焼室で燃料を燃焼した際に得られる燃焼圧力によりシリンダ内14で、ピストン12が往復動するフリーピストンエンジンに近い構成であるが、ピストン12に繋がった可動磁石21を、第1のリニア発電ユニット210で制御し、ピストン12の位置を燃焼圧力に逆らって制御する第1の制御ユニット610として使用することで、シリンダ内14の所望の位置を死点としてピストン12を動かすことができる。したがって、エンジン5においては、ガス供給ユニット10の単位で、ピストンの運動周期や、燃焼時の圧縮比などをフレキシブルに調整可能であり、タービン6の駆動に適した条件の駆動用ガス71を供給できる。
[0039]
 図6に、エンジン5の異なる例を示している。このエンジン5においては、ピストン12とつながるシャフト13が長手方向の反対側にも伸び、ガス供給ユニット10の外の長手方向に機械式のピストン制御ユニット60である第1の制御ユニット610が設けられている。第1の制御ユニット610は、シャフト13を介してピストン12とつながった可動部61と、可動部61をキャッチアンドリリースする1組のストッパ63aおよび63bと、ストッパ63aおよび63bの位置を制御する管理ユニット65とを含む。このエンジン5においては、機械式の第1の制御ユニット610によりピストン12の位置を制御できるので、第1の制御ユニット610の反対側に設けられたリニア発電ユニット210は、リニア発電にのみ特化したユニットであってもよい。また、リニア発電ユニット210がピストン制御ユニット60としての機能を含む場合は、機械式の第1の制御ユニット610とリニア発電ユニット210とが協働でピストン12を制御してもよい。ピストン12の位置および/または動きを、シャフト13を介して機械的に制御する構成は、本例に限定されない。例えば、シャフト13の可動磁石21をリニアモータの代わりに、モーターあるいはエアーシリンダー等により物理的に移動する電磁コイルまたは磁石により、磁力を介して動かしたり固定したりしてもよい。
[0040]
 図7に、エンジン5のさらに異なる例を示している。このエンジン5においては、ピストン12の両側、すなわち燃焼室31および32のそれぞれの側に、ピストン12とシャフト13を介して繋がった第1のリニア発電ユニット210が設けられている。本例においては、それぞれの第1のリニア発電ユニット210が第1の制御ユニット610として機能する構成を示し、ピストン12を制御するための電磁力を2つのリニア発電ユニット(リニアモーターユニット)210により協働で得られ、リニア発電ユニット210をコンパクトで低コストに提供できるようにしている。また、第1のリニア発電ユニット210の端に永久磁石26を配置してショックアブソーバーとしての機能を確保している。これに対し、一方のユニット、例えば燃焼室32の側のユニットが第1のリニア発電ユニット210としてのみ機能し、反対側の燃焼室31の側のユニットが、リニアモーターユニットとしてピストン12を制御する第1の制御ユニット610としてのみ機能するように構成してもよい。それぞれのユニットを発電用および制御用に特化できるので構成および制御を簡易にできる可能性がある。
[0041]
 図8に、エンジン5のさらに異なる例を示している。このエンジン5は、シリンダ11のピストン12の一方に燃焼室31が設けられ、ピストン12を挟んだ反対側の副室(第2の室)39にはバネ69が配置されてピストン12を介して燃焼室31を圧縮するため反対側の力(第2の力、圧力)が得られるようになっている。また、上記の例では、ピストン制御ユニット60がガス供給ユニット10の外に、長手方向に沿って配置され、ピストン12とはシャフト13で接続されていたが、この例では、ガス供給ユニット10に一体となるように組み込まれている。具体的には、ピストン制御ユニット60は燃焼室31および反動室(第2の室)39の外周側、具体的にはシリンダ11の外側(外周側)にシリンダ11に沿って配置され、磁場を介してピストン12の位置を制御する第2の制御ユニット620を含む。ピストン12は、その前後の端に配置(内蔵)された磁石66aおよび66bを含む。第2の制御ユニット620は、シリンダ11の前後に配置された磁石68aおよび68bと、シリンダ11の周囲に配置された磁石67aおよび67bとを含む。これらの磁石は、電磁石であってもよく永久磁石であってもよく、それらを混在しても良い。磁石68aおよび66aは反発することによりピストン12の上死点を規定し、磁石68bおよび66bは反発することによりピストン12の下死点を規定する。また、周囲の磁石67aおよび67bにより、上死点および下死点の位置を制御したり、ピストン12の移動を制限したりすることができ、ガス排出口17から効率よく高圧の駆動ガス71を排出できる。
[0042]
 ピストン12を挟んだ燃焼室31と反対側の反動室39は燃焼室31に供給するための圧縮空気を格納する領域として使用してもよい。反動室39に格納された圧縮空気は、燃焼室31内における燃焼によりピストン12が反対側に移動したときに圧縮され、バネ69とともにピストン12の急激な動きを和らげるダンパーとしての機能を果たす。反動室39には、ピストン12の位置を検出するための位置センサー(接触センサー、光学的センサーなど)を含んでいてもよい。また、ピストン12が左側に移動して燃焼室31内の圧縮空気を圧縮する際は、反動室39にさらに圧縮空気を入れることも可能であり、ピストン12を挟んだ燃焼室31の圧力と反動室39との圧力をできるだけ近づけて圧力差を少なくしてバランスさせることができる。すなわち、バネ69の弾性力がなければ、ピストン12が燃焼室31と反動室39との間でフローティングするような条件で動かすことができる。これにより、バネ69の弾性力によりピストン12を燃焼室31の側に移動させることが容易となり、少ない弾性力で燃焼室31内の燃焼空気をさらに圧縮できる。例えば、コンプレッサーで着火温度近くではあるが、着火温度まで至らない程度に断熱圧縮した燃焼空気を、反動室39を経由して燃焼室31に供給し、ピストン12で断熱圧縮して着火温度まで燃焼空気の温度を上げることができる。
[0043]
 このような条件でピストン12を駆動する反対側の力(第2の力)を得る機構としては金属製のバネ69が好ましい。ピストン12の移動量、移動するための弾性力(圧力)、温度などの条件を満足するものであれば、他のタイプの弾性体、例えば、ゴム等であってもよい。粘弾性を備えたダンパー、またはダンパーとバネとの組み合わせであってもよい。
[0044]
 図9に、エンジン5のさらに異なる例を示している。このエンジン5のガス供給ユニット10は、シリンダ11のピストン12を挟んだ両側に設けられた燃焼室31および32を含む。ガス供給ユニット10は、ピストン12の位置を制御するピストン制御ユニット60として、燃焼室31および32外周に配置され、ピストン12の位置を、磁場を介して制御する第2の制御ユニット620を含む。具体的には、第2の制御ユニット620は、シリンダ11の周囲に、シリンダ11の長手方向、すなわち、ピストン12の移動方向(往復動方向)に沿って配置された複数の電磁石(固定コイル)23を含む。ピストン12は、その両端に配置または内蔵された永久磁石29を含む。これらの電磁石23は、管理ユニット(制御ユニット)50によりオンオフおよび極性が制御され、磁場を介してピストン12の動きを制御する。すなわち、第2の制御ユニット620は、磁場を介してピストン12の動きを制御するリニアモータ(リニアアクチュエータ)としての機能を含む。
[0045]
 さらに、第2の制御ユニット620を構成する電磁石23は、ピストン12の動きから電力を回生するリニア発電ユニット20として機能する第2のリニア発電ユニット220を構成する。したがって、このエンジン5のガス供給ユニット10は、上述したエンジン5のガス供給ユニット10と同様に、ピストン12の動きを制御するピストン制御ユニット60を含み、ピストン制御ユニット60がピストン12の動きにより発電を行うリニア発電ユニット20を兼ねる。ピストン12の動きにより発電するリニア発電ユニット20が、ピストン12の動きを制御するピストン制御ユニット60を兼ねていてもよい。このガス供給ユニット10のピストン制御ユニット60およびリニア発電ユニット20は、シリンダ11の周囲に配置された電磁石(固定コイル)23を含み、それらが第2の制御ユニット620として第2のリニアモータおよび第2のリニア発電ユニット220を構成し、磁力(磁場)を介してピストン12の動きと協働する。
[0046]
 すなわち、本例のガス供給ユニット10においても、複数の電磁石23によりピストン12を往復動させ、燃焼室31および32の空気を交互に圧縮し、燃焼室31および32で交互に燃焼を発生させ、燃焼室31および32から交互に駆動ガス71をタービン6に供給する。具体的なピストン12の動き、およびノズル(出力口、排気口)17および18を介して駆動用のガス71および排気用のガス72を放出するプロセスは、上記において説明したガス供給ユニット10と共通であり、以降においては共通する部分については説明を省略する。
[0047]
 図9に示したガス供給ユニット10は、シリンダ11の長手方向の中央に、駆動用ガス71と排ガス72とを出力し、燃焼室31および32に共通のノズル17(18)を含む。したがって、ピストン12が燃焼室31の側に移動し、ノズル17がオープンすると燃焼室32から高圧の駆動用ガス71が排出され、ガス供給ライン19を介してタービン6に供給される。燃焼室32内の圧力が低下すると、ノズル17の出口はバルブ等により排ガスライン78に切り替えられ、排気ガス72が外気に放出される。その後、燃焼室31で燃料が開始されると、ピストン12が燃焼室32の側に移動し、共通のノズル17がピストン12によりクローズされる。ピストン12がさらに燃焼室32の側に移動すると、共通のノズル17がオープンし、上記と同様に燃焼室31から駆動用ガス71が放出される。
[0048]
 図10に、エンジン5のさらに異なる例を示している。このエンジン5のガス供給ユニット10の第2の制御ユニット620は、ピストン12の動きを制御する電磁石23に加え、両端に配置された永久磁石28を含む。第2の制御ユニット620の両端の永久磁石28は、ピストン12に装着された永久磁石29と相互に反発する磁極を備えており、ピストン12の上死点および下死点における衝撃を緩和するとともに、ピストン12の始動を促進できる。
[0049]
 図11に、エンジン5のさらに異なる例を示している。このエンジン5のガス供給ユニット10は、シリンダ11の燃焼室31および32にそれぞれ独立したノズル(ガス出力口)17aおよび17bを含む。それぞれのノズル17aおよび17bは、排気用のノズル18の機能を兼ねている。燃焼室31および32のそれぞれにノズル17aおよび17bを設けることにより、ピストン12の往復動によりそれぞれのノズル17aおよび17bがオープンするタイミングを燃焼中の早いタイミングに設定できる。
[0050]
 図12に、エンジン5のさらに異なる例を示している。このエンジン5のガス供給ユニット10は、シリンダ11の燃焼室31および32にそれぞれ独立した、駆動ガス71の出力用のノズル17aおよび17bを含み、さらにシリンダ11の中央に排気用のノズル18を含む。排気用ノズル18は燃焼室31および32に共通のノズルである。
[0051]
 図13に、エンジン5のさらに異なる例を示している。このエンジン5のガス供給ユニット10の第2の制御ユニット620は、ピストン12の動きを制御する電磁石23に加え、シリンダ11のほぼ中央に配置された永久磁石28を含む。第2の制御ユニット620の中央の永久磁石28は、ピストン12に装着された永久磁石29と相互に反発する磁極であってもよく、引合う磁極であってもよい。
[0052]
 なお、ピストン12の動きを制御するピストン制御ユニット60、具体的には第1の制御ユニット610および第2の制御ユニット620に採用される電磁石23および永久磁石28の組み合わせ、位置、数などは上記の例に限定されない。ピストン制御ユニット60は、ピストン12を、シャフト13を介して制御する第1の制御ユニット610と、ピストン12を、磁場を介してシリンダ11を通して制御する第2の制御ユニット620との組み合わせであってもよい。また、ピストン制御ユニット60は、ピストン12のストロークを可変制御できるものであってもよく、ストロークが一定になるように制御するものであってもよい。それぞれの制御ユニット610および620は、電磁石23のみの構成であってもよく、永久磁石28と電磁石23との組み合わせであってもよく、永久磁石28のみの構成であってもよく、磁石の位置および数は適宜選択できる。また、ピストン制御ユニット60は、永久磁石28や電磁石23の位置や数をダイレクトに変更できる機構を備えていてもよい。
[0053]
 図14に、タービン6に駆動ガス71を供給できるタイミングを模式的に示している。ジェットエンジンサイクルでは、連続して駆動ガス71をタービン6に供給できる。しかしながら、圧縮比を大きくするためには圧縮比の大きなコンプレッサーをタービンで駆動する必要があり、燃焼効率の向上が難しいことがある。上記のガス供給ユニットを4サイクルで動かすことも可能であるが、駆動ガス71が断続的に出力されるのでタービン6を安定して回転することが難しい。ガス供給ユニットを2サイクルで動かすことにより、駆動ガス71の供給の間隔を狭めることができ、さらに、ピストン12の両側に燃焼室31および32が形成されるタイプのガス供給ユニット10においては、1サイクルで、ほとんど連続的に駆動ガス71をタービン6に供給できる。また、ピストン12を用いることにより燃焼室31および32における圧縮比を高めることが容易であり、燃焼効率も向上しやすい。
[0054]
 さらに、エンジン5は、複数のガス供給ユニット10を備えており、それらから駆動ガス71が出力されるタイミング(位相)を適当に設定することにより、いっそう連続的に駆動ガス71をタービン6に供給でき、より安定してタービン6を回転することができる。

請求の範囲

[請求項1]
 ピストンの往復直線運動に伴い駆動用の燃焼ガスを供給するガス供給ユニットを有し、
 前記ガス供給ユニットは、前記ピストンの第1の側に設けられた第1の燃焼室と、
 前記第1の燃焼室で生成された高圧の燃焼ガスを駆動用に供給する第1のガス出力口と、
 前記ピストンを挟んだ第2の側に設けられ、前記ピストンを前記第1の側に移動する第2の力を生成する第2の室とを含み、
 さらに、前記第1の燃焼室における燃焼により移動する前記ピストンの第1の力および前記第2の力に対抗して前記ピストンの位置を制御するピストン制御ユニットを有する、エンジン。
[請求項2]
 請求項1において、
 前記ガス供給ユニットは、前記第1の燃焼室内の低圧の燃焼ガスを排気する排気口を含む、エンジン。
[請求項3]
 請求項1または2において、
 前記第2の室は、第2の燃焼室であり、
 前記ガス供給ユニットは、前記第2の燃焼室で生成された高圧の燃焼ガスを駆動用に供給する第2のガス出力口を含む、エンジン。
[請求項4]
 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
 前記ピストン制御ユニットは、前記第1の燃焼室および前記第2の室の外側に配置され、前記ピストンの位置を、前記ピストンに接続されたシャフトを介して制御する第1の制御ユニットを含む、エンジン。
[請求項5]
 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
 前記ピストンとシャフトを介して接続された第1のリニア発電ユニットを有する、エンジン。
[請求項6]
 請求項5において、
 前記第1のリニア発電ユニットが前記第1の制御ユニットとしての機能を含む、エンジン。
[請求項7]
 請求項5または6において、
 前記第1のリニア発電ユニットは前記ピストンを駆動して当該エンジンを始動する第1のリニアモータとしての機能を含む、エンジン。
[請求項8]
 請求項1ないし7のいずれかにおいて、
 前記ピストン制御ユニットは、前記第1の燃焼室および前記第2の室の外周に配置され、前記ピストンの位置を、磁場を介して制御する第2の制御ユニットを含む、エンジン。
[請求項9]
 請求項1ないし8のいずれかにおいて、
 前記第1の燃焼室および前記2の室の外周に配置され、前記ピストンと磁場を介して接続された第2のリニア発電ユニットを有する、エンジン。
[請求項10]
 請求項9において、
 前記第2のリニア発電ユニットが前記第2の制御ユニットとしての機能を含む、エンジン。
[請求項11]
 請求項9または10において、
 前記第2のリニア発電ユニットは前記ピストンを駆動して当該エンジンを始動する第2のリニアモータとしての機能を含む、エンジン。
[請求項12]
 請求項1ないし11のいずれかにおいて、
 前記第1のガス出力口から前記高圧の燃焼ガスが供給されるガスタービンを有するエンジン。
[請求項13]
 請求項12において、
 前記ガスタービンは、ラジアルタービンを含み、複数の前記ガス供給ユニットが前記ラジアルタービンユニットの周囲に沿って配置されている、エンジン。
[請求項14]
 請求項13に記載のエンジンと、
 前記ガスタービンに接続された発電機とを有する発電装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]